栃木県日光市にある「霧降高原」では、6月中旬から7月中旬頃がニッコウキスゲの見頃です。山肌が黄色い絨毯に染まる期間限定の特別な景色を満喫できるとあって、多くの観光客や登山者が訪れます。
今日は花の寿命が1日しかない一日花「ニッコウキスゲ(日光黄萓)」の群生を求めて、日光霧降高原キスゲ平と小丸山をトレッキングしてきました。
目次
ニッコウキスゲの群生地「キスゲ平園地」
栃木県日光市にある「キスゲ平園地」は、標高2,010メートルの山「赤薙山」の中腹、標高1,300メートル~1,600メートルにかけて広がる高原です。元々スキー場だった場所を整備して2015年に開園しました。
キスゲ平では5月から10月にかけて100種類を超す花を楽しむことが出来る花の名所ですが、中でもニッコウキスゲは有名です。鹿の食害から花を守る為、キスゲ平園地の出入り口には鹿よけのゲートが設置されています。
キスゲ平では至る所でニッコウキスゲの群生を一望できることは勿論のこと、展望台や小丸山からは日光市の街並みや赤薙山の雄大な山容をはじめ、天気が良い日には遠くに富士山も望みます。
キスゲ平園地にはリフトがありましたが現在は撤去され、天空回廊と呼ばれる1445段の階段と遊歩道が整備されています。道のりはハードですが、遊歩道は大変整備されていて登山装備が不要です。
キスゲ平園地は標高差が300メートル近くあるので、ニッコウキスゲの見頃に時間差があります。オフィシャルサイトではキスゲの開花情報が細かく更新されているので出かける前にチェックをしましょう。
「キスゲ平~小丸山」トレッキングコース
キスゲ平~小丸山のトレッキングコースは1つです。散策路を迂回しながら歩くか、階段を登るか、お好みに合わせたコース取りが可能です。
天空回廊往復コース
- 標高差約250m/片道約0.9km/徒歩60分程度
- 最寄りの駐車場は「霧降高原駐車場P1~P3」(駐車可能台数約164台/無料・トイレ有)
天空回廊往復コースでは1445段の階段が続きます。100段間隔で「〇〇段目/1445段中」の看板が立っているのでゴールまでの距離が掴みやすいです。コースは以下のような流れになります。
デルコース 標高差約250m/総距離約1.8km/コースタイム約90分程度
霧降高原駐車場→キスゲ平→小丸山展望台→小丸山→霧降高原駐車場
順を追って説明しますね。
最寄りの駐車場・公共交通機関
最寄りの駐車場は、日光宇都宮道路日光インターから車で約20分の場所にある「霧降高原駐車場」です。アスファルト舗装された駐車場はP1からP3まであり、駐車台数は全部で約164台。駐車料金は無料。トイレや自動販売機、レストハウスまであるので便利です。
ニッコウキスゲのシーズンは土日・連休は駐車場の争奪戦になり、早朝から満車になるのでいつもより早く家を出たいところです。
公共交通機関を利用する場合、東武日光線、JR日光線「日光」駅から東部バス「霧降高原」行きの路線バスに乗り、「霧降高原」バス停で下車します。ハイキングコースは目の前ですよ。
霧降高原駐車場→キスゲ平
第一のチェックポイントとなるキスゲ平までは距離にして約0.4km、標高差約100メートル程度を約20分程度。階段で数えると600段目あたりです。スタート地点は霧降高原レストハウスの先にあります。
因みに、キスゲ平は途中にトイレや自動販売機が一切ないので、トイレや飲み物の補充は先に済ませておきましょう。特にニッコウキスゲのシーズンは熱中症のリスクがあるので万全の準備を整えたいところです。
少し登ったところにある鹿よけのゲートを超えるとニッコウキスゲのお花畑が広がります。天空回廊は木製階段で整備されているので本格的な登山装備は不要です。登山靴よりもスニーカーのほうが歩きやすいと思います。
200段目から300段目あたりは木々に覆われているので解放感がありませんが、木漏れ日が気持ち良い道です。キスゲ平まで続く天空回廊の前半は緩やかな木道階段なので歩きやすいです。
500段目あたりから景色が開けて高原が広がります。残念ながらニッコウキスゲのピークは過ぎていましたが解放感抜群です。100段~500段あたりは6月中旬あたりが見頃なんだそうですよ。
キスゲ平に到着です。階段を横切るように遊歩道が繋がっているので、ニッコウキスゲが咲く斜面を上下左右360度見渡すことが出来ます。正にキスゲビューポイントです。
キスゲ平から霧降高原レストハウスを見下ろした斜面側はニッコウキスゲがまばらな感じです。筆者が訪れたのは7月上旬だったので、キスゲ平周辺はニッコウキスゲの見頃のピークが過ぎていました。
しかし、反対側の小丸山の方向を見上げると、中腹から上は黄色い絨毯が広がります。700段~1000段あたりは7月あたりが見頃なので、上段は今が正にピークです。
キスゲ平→小丸山展望台
小丸山展望台までは距離にして約0.4km、標高差約120メートル程度を約35分程度。1445段の階段を登りきった先にあります。キスゲ平から少し進むと避難小屋がみえてきます。
避難小屋から先は前半とはうってかわって本格的な手すり付きの階段です。700段から1445段まで傾斜のきつい階段が果てしなく続き、正に天空回廊の名に相応しい階段地獄が続きます。
中々の急斜面ですが、左手に視線を移すと、段々とニッコウキスゲの密度が上がっていく様子を楽しむことが出来ます。
幸いなことに階段一辺倒ではなく、途中に展望デッキが3か所もあるので小休止がてら、景色を楽しみながら階段を登ることが出来ます。
展望デッキがある箇所は、案内板に書かれた「O」「P」「Q」です。900段目、1100段目、1300段目あたりにあるのでペースが掴みやすいのではないでしょうか。
特に標高1535メートル地点、1100段目の先にある「P」の展望台は、最もニッコウキスゲを一望できるお勧めポイントです。ニッコウキスゲが咲く斜面を上下左右360度見渡すことが出来ます。
「1445段目/1445段中」の看板が見えてきました。長い長い天空回廊の終わりです。小丸山展望台はすぐ先にあります。
標高1582メートル地点にある小丸山展望台からは360度パノラマビューの大展望が広がり、キスゲ平のニッコウキスゲ越しに日光市の街並みや関東平野、太平洋まで一望できます。
小丸山展望台→小丸山
小丸山展望台まで登ってきたのであれば、小丸山も目指したいところです。小丸山山頂までは距離にして約0.1km、標高差約30メートル程度を約5分程度です。
天空回廊のような完璧に整備された道のりではありませんが、山頂までは緩やかな木道階段が整備されているので歩きやすいです。
鹿よけのゲートを抜けた先が小丸山の山頂です。小丸山までは登山装備が無くても立ち寄ることが出来るので、登山をしない方でもアクセスしやすいのが嬉しいポイントです。
小丸山山頂に到着です。標高は1601m。山行の殆どが階段続きで、登山をしない方にとっては大変な道のりかもしれません。とはいえ、標識が随所に設置されているので道迷いの心配もなく、誰でも登りやすい山だと思います。
小丸山山頂も360度大パノラマが広がります。関東平野や、壮大な山々をはじめ、天気の良い日であれば南西方面に目を向けると遠くに富士山を拝むことが出来ます。
登ってきた先には、丸山や赤薙山といった雄大な山々が目の前に聳えたちます。ここから先は本格的な登山装備が必要になりますが、機会があればチャレンジしたいところです。
山頂はとても広く、ベンチがあるのでゆっくりと昼食を楽しむことが出来ます。但し、水場やトイレは無いのでご注意ください。
小丸山→霧降高原駐車場
下山は同じコースを往復するピストンルートなので来た道に戻ります。大変整備された階段のお陰で、寄り道をしなければコースタイム約30分程度と爆速です。
下山ではニッコウキスゲの群生を見下ろすことが出来るので登りよりも黄色い絨毯をたっぷりと楽しむことが出来ます。なかなか足が前に進まないことでしょう。
霧降高原駐車場が見えてきました。キスゲ平では標高の低い場所からニッコウキスゲの見頃を迎えます。開花し始めの6月中旬あたりを狙うと歩く距離が半分以下になるので、観光で訪れるのであれば狙い目です。
キスゲ平を歩いてみてわかったこと
キスゲ平は道が整備されているので登りやすいのですが、周りに一切遮るものがないので日焼け対策と水分補給は欠かせません。キスゲ平を歩いてみてわかったことをまとめました。
まとめ
- ニッコウキスゲの群生地で有名な花の名所
- 天空回廊と呼ばれる1445段の階段が続くコース
- 登山装備不要。スニーカーでもアタックできる
- ニッコウキスゲの見頃は標高により時間差がある
- キスゲのシーズンは早朝から駐車場が満車になる
- 山行中、途中にトイレや自動販売機がない
- 天空回廊の前半は緩やかな木道階段
- キスゲ平からは360度のキスゲビューポイント
- 天空回廊の後半は傾斜のきつい階段地獄
- 展望デッキが途中に3か所あるので展望が良い
- 折角なら小丸山山頂も目指したいところ
- キスゲのシーズンは熱中症のリスクに注意
ニッコウキスゲの見頃は6月中旬~7月まで。出来れば早朝を狙いたい!
ニッコウキスゲを見に行くのであれば早朝を狙いたいところです。何故なら、開花シーズンは駐車場が早い時間に満車になることと、日中は熱中症のリスクがあるからです。
キスゲ平や小丸山は、スニーカーでも登れる登山未経験者にも優しいコースです。キャンプがてらニッコウキスゲのシーズンに合わせてチャレンジしてみてくださいね。
ギア
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