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「キャンプは不便を楽しむ」の正反対を突き進んだ結果

「キャンプは不便を楽しむ」の正反対を突き進んだ結果

「キャンプは不便を楽しむものだ」というフレーズをよく耳にします。大自然の中で非日常を満喫する。これこそキャンプのあるべき姿というスタンダードな考えからなんだと思います。しかしながら筆者は「キャンプで如何に楽をして快適にすごすか」という、正反対の方向へ進んでしまいました。

「キャンプは不便を楽しむ」の正反対を突き進んだ結果、どうなってしまったかをまとめてみました。

キャンプで「何もしない」を楽しむ贅沢

キャンプで「何もしない」を楽しむ贅沢

筆者が「キャンプで如何に楽をして快適にすごすか」という方向に進んでしまったのは、キャンプ中はなるべく何もせずにゆったりと過ごしたいからです。「キャンプは何もしないを楽しむ」ということになるんでしょうか。

何もしない為には効率化と時短が肝です。結果こうなりました。

積載がどんどん減っていく

積載が減ってしまう

キャンプをしていくうちに増えていくギア。キャンプあるあるの筆頭ではないでしょうか。いつのまにか車の積載がパンパンになり、マンションと車を何往復もする時間と労力が段々としんどくなってきました。

嵩張るギアは見直しを行ったり、必ず使う必要なギアだけ持って行くようにしたり、収納ボックスを見直す等改善した結果、積載量がどんどん減っていきました。

ギアの運搬時間も大幅に削減されただけではなく、設営と撤収のスピートも格段に速くなる代償として、ギアを並べて眺めるといったキャンプでしか出来ない至高の時間を失いました。

設営と撤収が爆速になる

設営と撤収が爆速になる

設営と撤収は結構時間がかかります。仮に設営で2時間、撤収で2時間かかるとすると、キャンプ中で4時間もこれらに時間を費やすことになります。

設営と撤収の時間を半分以下に時短できれば、2時間以上ダラダラと過ごせる時間が増えるわけです。組み立てが大変なギアを見直したり設営や撤収の順番を効率化した結果、今では設営と撤収で2時間もかからなくなり、何もしない時間を多く確保できるようになりました。

しかし効率化を図り過ぎた結果、ギアのレイアウトを工夫する楽しみは失われてしまいました。

昼食を作らなくなる

昼食を作らなくなる

設営後にバーベキューセットを取り出し、炭に着火して肉を焼きながらビールを飲む。最高のひと時ですよね。さぁ!キャンプが始まったぞ!と、なる瞬間でもあります。

しかし、炭の着火が面倒なのと、設営後は本当に何もしたくない一心で、とうとうキャンプ場に向かう途中に弁当を買って済ませるようになってしまいました。酷い時にはキャンプ場に到着する前に地元のレストランや食堂で食事を済ませる始末です。

キャンプ飯の醍醐味を全てスルーする

キャンプ飯の醍醐味を全てスルーする

ダッチオーブンやスキレットを駆使したキャンプ飯はキャンプの醍醐味ですよね。キャンプ場で食材を仕込んで焚き火で調理するのは、キャンプでしかできない贅沢なひと時です。

しかしキャンプで極力何もしたくない筆者は、料理は自宅である程度仕込むようになり、極力調理器具を使わなくなりました。調理時間や洗い物が増える手間の削減と、調理器具を最低限に抑える為です。

今ではタッパーから盛り付けるか、ガスバーナーで温めるだけでサクッとご飯体制になってしまいました。

手の届く範囲に必要な物が全て揃ってしまう

手の届く範囲に必要な物が全て揃ってしまう

椅子に座っている時、極力動きたくない筆者は手の届く範囲に必要な物が全て揃うようにしています。

ティッシュやお茶など、ちょっとした物を取りに行く度に椅子から立ち上がるのすらおっくうに感じてしまう怠け者体質がそうさせたのでしょう。まるで一人暮らしで手に届く範囲にテレビのリモコンやお菓子などが揃っている、あの状態をキャンプ場でも再現しています。

快適この上ないのですが、長時間椅子に座っていると足腰やお尻が痛くなるので、かえって立ち上がることが多くなってしまいました。

キャンプギアが電化してしまう

キャンプギアが電化してしまう

ここ数年のキャンプギアの進化は本当に目を見張るものがあります。キャンプギアがどんどん電化していき、ランタンに至っては超コンパクトで燃料要らず。USB充電で光量も申し分ありません。大容量バッテリーのお陰で、まるで家に居るかのような快適な環境をキャンプ場でも実現できるようになりました。

ギアがコンパクトになり、複数の燃料を持ち運ぶ手間とコストが無くなった代わりに、キャンプの醍醐味であるガソリンランタンを灯す楽しみや、燃料系ギアを愛でる機会。そして優しい灯りといった雰囲気が無くなってしまいました。

焚き火をしなくなる

焚き火をしなくなる

ここまで「キャンプで如何に楽をして快適にすごすか」を突き詰めていくと、信じられない行動を起こすようになります。それは、キャンプでしか楽しむことが出来ない最大の醍醐味である「焚き火」すらしなくなるということです。

焚き火の前でゆったりとした時間を楽しみながら炎を眺める最高のひと時以上に、薪を購入する手間や焚き火の後始末が面倒に感じるようになるのです。今では焚き火道具を持って行かないという、本当にキャンパーなの?といった行為に走ってしまっています。

朝食がカップラーメンになる

朝食がカップラーメンになる

キャンプ場の朝はとても気持ちが良いです。贅沢な朝キャンプ飯と、挽きたてのコーヒーは至福のひと時です。しかし、あまりゆっくりしてしまうとチェックアウト時間が迫ってきます。撤収でバタバタしたくはありませんよね。

撤収の効率化から前日の夜には洗い物を済ませ、調理器具も片付けている筆者は、朝食の為に片付けていた食器や調理器具を取り出して、また片付けるといった労力をかけたくない一心で、朝食はカップラーメンで簡素に済ませるようになってしまいました。

効率化しすぎて時間を持て余す

効率化しすぎて時間を持て余す

キャンプ中は極力何もしたくないので、様々な効率化を図った結果、お陰様で何もしない時間を多く確保できるようになりました。しかしあまりにも効率化しすぎて時間を持て余すようになってしまいました。

余った時間でキャンプでしか出来ない焚き火やキャンプ飯を楽しむという選択肢が何故か無く、昼寝をしたり、お酒を飲んだり、キャンプ場を散策したりと、キャンプらしからぬ過ごし方を楽しんでいる始末です。

チェックアウト時間より早く帰るようになる

チェックアウト時間より早く帰るようになる

朝のキャンプ料理に凝る訳でもなく、撤収も爆速なので、チェックアウト時間よりかなり早い時間に撤収が終わってしまいます。せめてキャンプ場でゆっくりと過ごせばよいのですが、そのまま帰宅してしまいます。

チェックアウト時間ギリギリにキャンプ場を出ると、他のチェックアウト組とバッティングしてキャンプ場内で車が渋滞してしまうのと、高速道路の渋滞に巻き込まれるのを避けたいからです。

早くにキャンプ場を出ると昼前に自宅に到着できるので、キャンプギアの後片づけもゆとりをもって出来るうえに、ゆっくりと体を休めることができるので翌日に疲れが残りません。とはいえ、早い時は8時にチェックアウトしてしまうので、それは早すぎな気がしてきました。

自分がやりたいようにするキャンプが一番楽しい

キャンプは自分がやりたいようにやるもの

いかがでしょうか。「それはキャンプではない」「何しにキャンプに来てるの?」「焚き火をしないとかあり得ない」「だったら家でも良いのでは?」といった声が聞こえてくるような気がします。

しかし思うのです。「自分がやりたいようにやる」ことこそが一番大事なのではないのかと。傍から見ると一見キャンプらしくない内容でも、筆者にとってはこれがキャンプなのです。

皆さまが「楽しい!」「やりたい!」「欲しい!」「こうしたい!」と思っている事は全て正しいですし正解です。周りの声や雰囲気に振り回されず、自分が純粋にやりたいと思うキャンプスタイルを存分に満喫してくださいね。

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