キャンピングカーを購入する際には、どんな装備を注文するかに頭を悩ませるものです。
「ベース車両」としての装備は車の基本と言えるものです。
例えば、トランスミッションはマニュアルなのかオートマティックなのか、駆動方式は二輪駆動なのか4WDなのか、さらには、ETCやナビゲーション、電動ミラーやキーレスドアロックまで車そのものの装備です。
他方、「キャンピングカー」としての装備も重要です。
こちらは居住空間の装備とも言い換えられますが、シンクと給排水システム、冷蔵庫や電子レンジなどの家電製品、ポップアップルーフやバンクベッドなど居住空間を拡大するような大掛かりな装備まで様々な選択肢が用意されています。
これらの装備から何をチョイスするかによって、オーナー個々の個性が反映される訳ですが、様々な装備を自由に選択して自分好みのキャンピングカーに仕立てる事ができるのは「新車購入」の場合に限られます。
中古キャンパーの場合には新車とはまた違った装備の考え方があります。それは「絶対に外せない仕様・装備を絞り込む」事です。言い換えれば、これだけは外せないという装備を明確にする事が中古キャンパーを購入する際の「コツ」と言えます。
今回は、中古キャンパーを購入した筆者がこだわった5つの装備についてまとめました。
目次
ベース車両としての装備について考える
ベース車の「クルマ」としての装備は様々なジャンルが用意されています。
クルマの駆動系・制動系に関連する装備
これには、エンジンの排気量や使用する燃料の種類(ガソリン/軽油)、排気量や過給機の有無、駆動方式(2WD/4WD)、トランスミッション(MT/AT)、制動系ではパワーブレーキやABS(アンチロックブレーキ)等が含まれます。
運転支援や安全確保のための装備
自動ブレーキや車線逸脱、クルーズコントロール等のいわゆる「運転支援技術」は昨今特に進化している装備ですが、ETCやナビゲーション、バックモニター、ドライブレコーダー等のドライバーの負担を軽減する装備が含まれます。
快適なドライブに影響する装備
エアコンやヒーター、シート材質(本革 or ファブリック)やシートヒーター、パワーステアリング、チルト&テレコピックステアリング等です。
中古車の場合には、自由に装備を注文できないため、これらの装備のうち絶対になければならない「必須装備」はどれなのかを絞り込む事が重要です。
これらの中から筆者がピックアップした必須装備は以下の3つです。
- ATトランスミッション
- バックモニター
- エアコン
オートマティックトランスミッション
駆動系・制動系から筆者が選んだ「必須装備」は「AT」です。
車重が重くなりがちなキャンピングカーは、駆動力をロスなく伝達できるマニュアルトランスミッションの方の方がパワーがあり燃費も良いと言われますが、キャンプ場や行楽地への長距離ドライブや途中の渋滞などを勘案すると、多少のパワーロスや燃費悪化よりも運転の容易さやドライバーの疲労を優先しました。
ATトランスミッション以外の装備では、今やABS装備は当たり前で多くのベース車に標準装備となっていますし、エンジンについてはトルクや燃費の観点から見ればディーゼルが好みです。駆動方式については4WDが好みですが、どうしてもディーゼルや4WDでなければ嫌だ…という程の拘りはありません。
「どうしても」ではない仕様・装備を落としていった結果、駆動系で唯一残った必須装備が「ATトランスミッション」でした。
バックモニター
運転支援のカテゴリーから選んだのは「バックモニター」です。
もちろん、ETCもナビもドライブレコーダーも購入後に装備するのは目に見えていますので初めから装備されているに越した事はありませんが、後付けでも比較的搭載が容易である事から、特に購入時に必須という装備ではないと考えました。
その点、バックモニターは車両後方にカメラを設置し、内装を剥がして配線する等、比較的大掛かりな工事が必要であり、その分コストも嵩むと思われたため必須装備と考えました。
キャンピングカーは概して大柄で後方の視界が芳しくないため、「バックモニター」は後退時はもちろん通常走行時にも必需品ではないかと考えました。
エアーコンディショナー(エアコン)
快適装備から選んだのは「エアコン」でした。
今どき「エアコン」が未装着のクルマなんてないよと言われそうですが、キャンピングカーのベース車の多くは商用車(バン・トラック)で、価格を抑えるためにベース車は装備を簡略化した低グレード車が選ばれる傾向があるため念のためエアコンを必須装備に加えました。
オートエアコンであればベターですし、運転席・助手席・後席が個別に調整できればそれに越した事はありませんが、最低限、マニュアルエアコンでも良しとしました。
その他の快適装備は、パワーステアリングも含め、なくても何とかなるだろうと思い切って切り捨てました。
キャンピングカーとしての装備を考える
目的地に到着するまではベース車のクルマとしての装備が活躍しますが、キャンプ場や宿泊場所に到着してからはキャンピングカーとしての装備が活躍します。
居住空間を広げ余裕のあるスペースを確保する装備
ベース車両の上に大きなシェル(箱)を搭載しているタイプや、ルーフ高だけを高くできるポップアップルーフなど、居住空間を拡大できる機能はいかにもキャンピングカーらしい装備です。
特に大型のモーターホーム系のキャンピングカーは、車内を直立して歩行できますし、調理の際にも立ち上がって作業する事が可能です。
家電を利用できる電装系を充実させる装備
現在のオートキャンプでは、家電製品をどれだけ使う事ができるかが快適なキャンプに直結している印象があります。
電子レンジや冷蔵庫、IHヒーターや電気ケトル、換気扇や室内灯、スマホの充電など、サブバッテリーから供給される電気は多ければ多いほど快適度が増すと言っても過言ではありません。
積載能力・収納能力
元々、トラックや商用バンをベース車にしているため積載能力についてはほとんど心配はありませんが、単純に積載できる事と、キャンプ生活で使う道具や資材などを収納できる事とは異なります。
特にキャンピングカーの中で料理をしたり食事をする場合には、調理器具や食器、調味料などを収納しておく場所が必要です。
キャンピングカーとしての装備は、キャンパーがどのようなスタイルでキャンプを楽しむかによって重視すべき装備が異なりますが、筆者が考えるキャンプでは、従来からのオーソドックスなキャンプにおける「テントの設営・撤収の手間暇から解放されたい」という願望があります。
また、料理の際に家電を導入する事で手間暇を軽減し、それらで生じる時間を楽しむ事に使いたいと考えていますし、料理や食事のスタイルは、基本的に「外メシ」でありキャンピングカー車内での作業を前提としていません。
これらの条件の中から筆者が外せないと考えたキャンピングカーとしての「必須装備」は以下の2つです。
- 2名就寝可能なベッド
- サブバッテリーの強化
2名就寝可能なベッドの確保
筆者にとって居住空間の拡大は不要です。
筆者は家内と二人でキャンプに出かけるのが前提ですので、シート展開によって2名分のベッドが確保できれば良く、バンクベッドやポップアップルーフ等による就寝定員の増員は不要です。
また、筆者はキャンプ時の食事は車外でのBBQを基本に考えており、車内調理の際に立って作業できる車内高は必要ありませんし、バンクベッドやポップアップルーフ等の装備はキャンピングカーの価格を上昇させる要因ですので、不要であればその分だけコスト削減が期待できます。
サブバッテリー強化
実は、この「サブバッテリー強化」こそが、筆者がキャンピングカー購入を検討する中で最も重視した装備です。
炊飯器・電子レンジ・IHヒーター・電気ケトル・冷蔵庫等の家電を導入する事で、調理の手間を簡略化し、さらには後片付けの手間も減らす事ができればその分の時間を他の事に利用できると考えたわけです。
そのためには、最低でも1500W程度のインバーターを備えたサブバッテリーシステムが必要と考え、さらにオートキャンプ場などでAC電源の供給を受けられる「外部電源接続」の機能を必須と考えました。
バンクベッドやポップアップルーフに要する費用を、電装系の強化に回す事ができれば、かなり強力なサブバッテリーシステムとなり期待もありました。
中古キャンパーは思い通りの装備は揃いにくい
筆者はアルトピアーノを購入するに当たって、自分のキャンプスタイルのために必須な装備を絞り込む事で、自分に適したキャンピングカーを明確に把握する事ができました。
当然の事ですが、中古車は新車と違って欲しい装備を自由に選ぶ事はできません。
最初のオーナーがどのような装備をチョイスしたかによってそのキャンピングカーの装備が決まってしまうため、自分の好みや感覚にピッタリと一致するクルマに出会える可能性はかなり低いと言えます。
それだけに欲しい装備が搭載されている中古キャンパーに出会った際には、購入を前提に検討すべきですしその結論はできるだけ素早く出すべきと考えます。
憧れのキャンパーを購入するのですから欲しい装備は山ほどあるでしょうし、自分好みの1台が欲しいと考えるのは当然のことですが、中古車の場合には同じ装備の物件に2度出会える事はまずあり得ないという事から考えれば、必須条件は少ないほど選びやすくなります。
落とせる条件を落とす一方で絶対に外せない装備を絞り込む事で、購入を検討できるキャンピングカーに出会える可能性が拡がると言えます。今回筆者は、中古車展示場で見つけたその日のうちに購入を決め契約を交わしました。
上記「必須条件」をほぼ満たしている上に、「あればベター」と考える装備も数多く搭載している事から「こんな物件にはきっと二度と出会えない」と考えたためです。
もしアナタが今、キャンピングカー購入を検討していて中古車が購入対象となり得るのであれば、アナタにとっての必須装備をじっくり考えてみる事がスタートラインかもしれません。
ギア
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