ぬかみそベーコン
車で行ける登山キャンプ!岩手県の望洋平キャンプ場は圧倒的眺望が手軽に楽しめます

車で行ける登山キャンプ!岩手県の望洋平キャンプ場は圧倒的眺望が手軽に楽しめます

皆さん「登山キャンプ」に憧れていませんか?

登山キャンプの魅力は何と言っても高い標高から見下ろす「眺めの良さ」です。一方で、山に登るという苦行が伴います。

僕も過去に登山キャンプを経験しましたが、衣食住をザックに詰めて登山するのは体力、気力、財力、時間的余裕、全てのハードルをクリアする必要がありました。

そんな葛藤を抱えたキャンパーに朗報です!山の圧倒的眺望がありながら、手軽に車で行けてしまうキャンプ場が岩手・室根山にありました!おそらく、全国的にも珍しいのではと思います。

また歴史的な偉人がこの室根山を愛し、足跡も残しており、時代を超えた室根山の魅力についてもご紹介します。そんなお手軽に登山キャンプができてしまう、室根山・望洋平キャンプ場をご紹介します!

望洋平キャンプ場

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出典:望洋平キャンプ場

望洋平キャンプ場は、その名の通り太平洋が(ギリ)望める室根山の頂上付近、標高800m付近にキャンプ場があり、運が良ければ朝に雲海も望めます。夜は気仙沼の夜景や漁船の灯を見ることもでき、とても眺望が良いです。

料金(税込み)は、入場料525円、フリーサイト宿泊料金1050円の計1575円とお手頃でした。

プロフィール画像

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日帰りだと入場料は210円、フリーサイトはなんと無料で使用できるようです!

他には、オートサイト(一泊1575円)やバンガロー(一棟2100~4200円)を利用することができます。

DSC_0643_kaitenレトロ感溢れる場内&周辺の案内看板。車で1~2分の距離に室根山頂の展望台がある

管理棟では各種ギアのレンタルや、薪、炭、お酒なども購入できます。

ありがたいことにゴミ捨て場もあり、燃えるゴミ、生ごみ、ビン、空き缶などもキャンプ場で捨てることができるので、酒臭いゴミを持ち帰らずに済みます。

駐車場は管理棟の周辺かサイト奥にあり、オートサイトであれば横付けもできます。フリーサイトでは囲むように道があるので、好きな位置に車を停めて搬入できます。

入浴施設は場内にシャワー設備があるようですが故障中のようでした。近くにある「大東ふるさと分校」という施設の中に、まきばの湯という室根高原を一望できる入浴施設があります。なんと大人320円と激安です。食堂もあるようです。

残念ながら望洋平キャンプ場の今シーズンの営業は10月で終了のようで、今回はなんとか滑り込みでキャンプできた、という形になります。

フリーサイトの様子

DSC_0649管理棟を下った道路からフリーサイトを見た図。左奥には気仙沼の町と太平洋が見える

DSC_0656フリーサイト内。広く標高もあり解放感がとてもよい!奥のふもと側にオートサイトあり

フリーサイトは十分な広さがあり、眺望もよく、炊事場や、トイレも近くにあります。この好条件で1,500円台はかなりお得感があります。標高が高めなので風が吹いていますが、そよ風程度の強さです。ちょっと近くを散策…

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DSC06666さて、炊事場は…えっ…カ…カモシカァァァー!(動揺)

先客(カモシカ)が既にフリーサイトを利用していました。 草を食べて、横になっていました。幼さが残る顔つきで、とてもおとなしく人に危害を加える様子はありません。(動揺して炊事場の写真を撮り忘れました。)

DSC06667何はともあれサイト端にテント設営

お互いのプライベートを邪魔しないように、カモシカ先輩の死角になる木陰にテント設営しました。日が傾いてきたので、火を焚きながら食事の準備にとりかかります。

DSC06705夕暮れ。恐らく奥のオートサイトの方が眺望は良さそう

DSC06717夜。焚火と月と気仙沼の夜景が並んで綺麗だったが、酔いと手振れで上手く撮れなかった図

夜は少し冷えましたが、毛布を持参してくるまりながら酒を飲んでいました。フリーサイトからでも、気仙沼方面の夜景がチラチラと見えました。運が良ければ漁船の灯が見えるそうです。

オートサイトの方が太平洋側に面しているので、より鮮明に見ることができたと思います。

一晩中風がありフライシートが結構バタついたのと、雨もしっかり降ったため不安でしたが、耳栓をして眠りにつくことができました。気温も少し寒かった(おそらく5度前後)ですが毛布もあったので意外と熟睡できました。

DSC06730朝。朝日とコーヒーで体を温める。朝露がオレンジに輝く

DSC06724太平洋の日の出と気仙沼が望める。まさに望洋平キャンプ場たる景色

DSC06725別の区画のオートサイト側では雲海が見えた

起きてテントから出ると、太平洋から上る朝日が迎えてくれました。朝の散歩がてらオートサイトまで歩いていくと雲海も見ることができました。1,000m以下の山でも見ることができるのだと感動です。朝の散歩を終えて、湯を沸かし、レギュラーコーヒーで体を温め、キャンプ場を後にしました。

家に帰る前に、室根山頂がすぐそこだったので寄ってみることにしました。

室根山と、山を愛した偉人・芦東山

IMG_8767標高895mの室根山

ここからは岩手県一関市にある室根山の紹介になります。

望洋平キャンプ場から車で1分程(歩いてもすぐ行けますが、こう配がきつめです)で室根山頂近くの駐車場に到着します。10台程駐車スペースがありますが、ライダーの方や山頂でハイキングを楽しむ方で賑わっていました。

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ここには室根山のシンボルともいえる「きらら天文台」があり、展望台を兼ねています。この展望台の景色は素晴らしいのですが、実はここは頂上ではありません。駐車場に小道があり、歩いて数分で頂上に行くことができます。頂上では360度景色を見渡すことができます。

DSC06637展望台から駐車場側を撮影。10台程のスペース、左手の小道から山頂に行ける

DSC06635展望台からの眺望

とても素晴らしい見晴らしでしたが風が寒すぎて即撤退!展望台を降りると、すぐそばにある詩碑が目に入りました。

DSC06745室根山にある芦東山詩碑。江戸時代の儒学者で、室根山を愛し、詩を残している

この詩碑は「芦東山(あしとうざん)」という江戸時代の儒学者の詩碑になります。

芦東山は岩手県一関市大東町に生まれ、幼いころから頭脳明晰で有名でしたが、ある事件をきっかけに24年間も幽閉される羽目になります。そんな逆境の最中、日本の刑法の礎となる18編の「無刑録」を完成させました。

苦難の人生を送った芦東山が幽閉から開放されると、晩年は故郷の大東町に帰り、室根山にもよく足を運んだとのことでした。

詩碑に残されている詩はなんだか寂し気ですが、その意味するところを知るには芦東山の様々な背景を理解しないといけないようです。もし気になる方は、筆者がこの詩について個人noteで考察しておりますのでご覧頂けると嬉しいです。

DSC_0662

_kinenkan引用元:芦東山記念館

また、より芦東山について知りたい!という方は、室根町の隣、大東町にある「芦東山記念館」にて色々と知ることができます。

室根山頂上からの景色

室根山への小路頂上へ向かう小道。緑、黄、橙、赤と様々な色を見せてくれる

DSC06648室根山頂上。目線の高さに雲がある

DSC06651抜けるような解放感。右手には先程のきらら天文台が

DSC06656芦東山はこの景色に中国の崑崙山脈を重ねた。折り重なる稜線が雄大

僕も芦東山に習って室根山頂上の景色を望むことにしました。

駐車場の小道から頂上へ向かい、色とりどりの木々に囲まれたゆるい上り坂を歩くこと数分、頂上に到着しました。秋の表情を見せる薄く長い帯を引く雲、折り重なる稜線、人の暮らしが見える田園、集落、室根山の紅葉、全て一望できる圧倒的な眺望です。

きっと、芦東山も同じ景色を見たのだと思うと感慨深いものがあります。

望洋平キャンプ場まとめ

DSC06744芦東山について知ると、碑の前で一杯飲めそうな気になります。

以上「車で行ける登山キャンプ、望洋平キャンプ場」そして「室根山と芦東山」をご紹介致しました。いかがだったでしょうか。

望洋平キャンプ場は残念ながら今シーズンの営業は終了していますが、是非、来シーズン足を運んで頂けると嬉しいです。

望洋平キャンプ場の詳細情報

住所 岩手県一関市室根町折壁字室根山1-177
電話 0191-64-3701
定休日 毎週火曜
営業期間 5月1日~10月31日まで
営業時間 9時~17時
チェックイン 13時
チェックアウト 11時
公式サイト 望洋平キャンプ場
リンク集 室根山観光ガイド
※冬季は積雪のため、5合目以降は通行止めになり頂上へは行けません。
芦東山記念館
芦東山 ウィキペディア
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  • 経歴:元サラリーマン(自動車変速機部品設計)
    仕事:'19/11~フリーライターとして活動中、たまに農作業
    住所:岩手県内の信号とコンビニと光回線のない田舎
    趣味:クラシックギター、キャンプ、ASMR

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