たったの10分で登頂できるのに信じられない絶景が広がる山を見つけてしまいました。その山は登山開始前からお鉢巡り中まで、まるで惑星に降り立ったような異次元の絶景が広がるという、筆者の中で歴代No.1の「サクッと登れて超絶景な山」でした。
今日は観光がてらにサクッと登ることが出来るスーパーチートな山「吾妻小富士」のご紹介です。
目次
富士山をミニチュアにしたような火山「吾妻小富士」
福島県福島市にある「吾妻小富士(あずまこふじ)」は、東北自動車道福島西インターから車で約60分。吾妻連峰北東部に位置する標高1,707mの火山です。
正式名称は「摺鉢山(すりばちやま)」で、由来は火口がすり鉢状になっているから。
見た目が富士山のような山容なので「吾妻小富士」の愛称で親しまれていて、この名称が一般的になっています。
約6000年前の火山活動によって形成された火口は直径約450メートルもあり、お鉢巡りが出来ます。1周約1.4kmの火口を約40分程度で周回できるので、登山をしたことがない観光客でも楽しむことが出来る観光スポットとして人気です。
お鉢巡り中は吾妻山や一切経山といった山並みや、福島市を見下ろす360度パノラマビューの絶景が広がります。
すり鉢型の火口部は荒廃した惑星のような荒々しい景色で、全体像をカメラに収めることが出来ないほど巨大な、大迫力の火口です。それでいてたったの10分で登頂可能で、1時間もあればお鉢巡りできてしまうのは、にわかに信じがたいですよね。
「吾妻小富士」へのアクセス方法
吾妻小富士の登山口でもある「浄土平」へは、磐梯吾妻スカイラインから行くことができます。当時は有料道路だったのですが、2013年から無料開放されています。
磐梯吾妻スカイラインは全長約29kmもある日本初の山岳道路で、「日本の道100選」にも選ばれた屈指の絶景ドライブスポットでもあります。
アメリカのアリゾナにある国道163号線を思わせる日本離れした絶景は「日本のアリゾナ」と、話題になったこともあるんだそうです。
登山開始前から既に信じられない絶景が続くので観光でもおすすめです。
浄土平手前の硫黄平橋周辺は、もはや惑星レベルの絶景なのですが、火山ガスの濃度が高くなる場所なので窓を開けたり駐停車が禁止されています。
磐梯吾妻スカイラインは冬季閉鎖区間があるので、11月中旬から4月上旬までは通行できなくなることと、吾妻山の噴火警戒レベルが2になると通行止めになります。お出かけ前に噴火警戒レベルや通行規制の確認はお忘れなく。
目的地の「浄土平」は、標高約1,600mに位置する磐梯朝日国立公園の一部。
名前の由来は、吾妻小富士や一切経山に囲まれた平坦地が、厳しい山道を歩んできた登拝者にとって極楽浄土のように思えたことからなんだそうです。
浄土平駐車場へ入庫の際は駐車料金500円が必要です。アスファルトで舗装された駐車場に約300台停めるスペースがあります。混雑時には未舗装の臨時駐車場約400台程度が開放されます。
浄土平は磐梯吾妻スカイラインの中間地点にある人気のスポットで、シーズン中は大変混雑します。休日の朝9時ともなると駐車待ちの列で磐梯吾妻スカイラインが大渋滞します。
吾妻小富士に登るのであれば、いつもより早く家を出たいところです。
「吾妻小富士」登山コース
出典:吾妻小富士と湿原散策吾妻小富士は山頂まで約10分。お鉢巡りを含めても1時間もあれば周回できます。浄土平駐車場から観光がてらに登ることが出来るので、プチ登山に最適です。
浄土平ビジターセンターから登頂するコース
- 標高差約70m/1周約1.6km/徒歩約60分程度
登山口は浄土平駐車場から磐梯吾妻スカイラインを横切った場所にあります。「吾妻小富士」が目の前なので、迷いようがありません。
吾妻小富士分岐を目指す
吾妻小富士分岐までは徒歩10分。お鉢巡りのスタート地点です。
吾妻小富士分岐までは階段が続きます。出だしは石とコンクリートで整備された立派な階段です。
途中からは木製の階段に変わります。以前は丸太の階段だったのですが、最近、立派で綺麗な階段にリニューアルされたんだそうです。
スニーカーでも登ることが出来る大変整備された階段ではあるのですが、ジグザグになった階段は想像以上に長く、地味に足腰にこたえます。
後ろを振り返ると浄土平と一切経山を見渡すことが出来ます。この時点で既に絶景です。
約10分かけて階段を登りきると火口がみえてきました。吾妻小富士分岐です。
お鉢巡りは時計回りがオススメと書かれているので、左側を進みましょう。そのほうが転倒する心配が少ないそうです。
火口をのぞき込むと思った以上に深く、巨大です。広角レンズを使わないと火口全てをカメラに収めることが出来ないほどです。
後ろを振り返ると、浄土平ビジターセンター越しに一切経山の山容を一望できます。一切経山は絶景が続く人気の山で、本格的な登山を楽しみたい多くの登山者が訪れます。
お鉢巡り
ここからは「吾妻小富士」のメインイベント。お鉢巡りを楽しみましょう。1周約1.4km、40分の道のりです。まずは一番高い場所にある山頂を目指しましょう。
火口の周りは舗装されたような道になっていて歩きやすいとはいえ、ザレている(滑りやすい道)ので、最低でもスニーカーで登りたいところ。
お鉢巡り中はパノラマビューが続き、ポイントごとに見える景色が変わります。お鉢巡り開始時は左手に浄土平を見渡すことが出来ます。
小高い丘に続く道のりは、まるで天空に続く1本道のようで、吸い込まれそうな錯覚に陥ります。
小高い丘から見渡す景色は屈指のビューポイントです。浄土平と磐梯吾妻スカイラインを見渡すことが出来ます。
山頂へ続く道のりは、お鉢巡りで最も急な坂道です。思ってた以上の傾斜で足元が滑る、吾妻小富士の核心部かもしれません。
後ろを振り返ると、中々の斜度であることが判ります。吾妻小富士はどの方角を見渡しても絶景続きなので本当に楽しい山です。
巨大な岩が鎮座した場所が山頂付近です。岩がゴロゴロとした足場の悪い道なので慎重に登りましょう。
恐らくこの辺りが「吾妻小富士」山頂です。標高1,707m。残念なことに山頂の標識が無いので、正しい山頂がわかりません。多くの観光客が訪れるので山頂標識は欲しいところです。
山頂からは、天候次第では雲海を楽しむことが出来ます。この日はなんとなく雲海のような雰囲気で絶景でした。
逆に雲一つない快晴の日は福島市街を一望できるんだそうです。個人的には人工物の見えない景色が好きなので、雲があってラッキーだと思いました。
山頂までで全体の半分の山行が終わったことになります。後半戦は先に見える小高い丘を目指します。
後半は大きな岩がゴロゴロとした、荒々しい道のりが続きます。目の前に見える丘からの景色も絶景なのでサクッと登りましょう。
小高い丘からは吾妻山と一切経山を火口越しに眺めることができます。緑と荒地のコントラストが美しい、個人的には最も絶景ポイントでした。
前半は荒廃した大地が広がる惑星感の強い景色が続きましたが、後半は目の前に緑豊かな山々が飛び込んでくるので、様々な景色を楽しむことが出来ます。
この先、吾妻小富士分岐まで下りが続きます。
途中に岩がむき出しになった場所があるので慎重に進みましょう。唯一道らしい道が無くなるポイントです。
岩場のポイントから見える火口越しの一切経山も絶景で、同じ火口でも見え方が違うので、まったく飽きません。
吾妻小富士分岐までは目の前に絶えず一切経山が見えます。お鉢巡りは景色が目まぐるしく変化するので、普段の登山とは違った楽しみ方ができますね。
吾妻小富士分岐が見えてきました。名残惜しいですがお鉢巡りはここで終わりです。
あとは階段を降りるだけです。登山目的で吾妻小富士だけを目指す方は稀で、観光ついでに登る方がほとんどです。ぷち登山を楽しむのであれば最高の山だとおもいます。
がっつり登山を楽しみたい方は、一切経山とセットで登頂すると満足度が2倍になりますよ。
吾妻小富士に登ってみてわかったこと
吾妻小富士は目まぐるしく景色が変化するので、なかなか足が前に進まない嬉しい悲鳴があがる山でした。吾妻小富士に登ってみてわかったことや注意点をまとめました。
まとめ
- たったの10分で登頂可能で、お鉢巡りを楽しんでも1時間で下山できるお手軽な山
- 本格的な登山装備は不要。スニーカーでも登ることが出来る
- お鉢巡り中はパノラマビューが続き、どこを歩いても絶景でなかなか前に進めない
- 吾妻小富士には山頂標識が無いので、どこが山頂なのかわかり辛い
- 磐梯吾妻スカイラインからの眺め自体が既に絶景なのでドライブでもお勧め
- 登山をしなくても絶景が目の前に広がるので観光でもお勧め
- 本格的な登山を楽しみたいのであれば一切経山とセットで登ると満足感が2倍に
- 11月中旬から4月上旬まで磐梯吾妻スカイラインが通行止めになる
- 登山口のある浄土平駐車場は昼前には大混雑するので朝には到着したいところ
- 噴火警戒レベルが2になると入山禁止になるのでお出かけ前に火山状況のチェックは忘れずに
キャンプついでに登りたい!サクッと登れて超絶景な山
吾妻小富士は観光気分でプチ登山ができる人気の山です。登山装備不要で、わずか60分で周回できるお手軽な山にも関わらず、終始絶景が広がる山はそんなに数多くはありません。
しかも、磐梯吾妻スカイラインからの眺め自体が既に絶景なので、ドライブにも最適です。観光やキャンプついでに登るには最高の山ですよ。
ギア
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