ついに探し求めていたテントに出会えました!ソロ用テントにして、コットの上に設営出来たり、カンガルーテントとして使えたり。それぞれの用途で今まで知っていたテントと比較しても、機能性やクオリティで上回ってくる、そんな理想のソロテント「SCORPIO 1P TENT」。
Thous Windsという聞き慣れない初めて手にするブランドで不安でしたが、一度設営しただけで、その不安が吹き飛びました。そんなテントの使い勝手をレビューします。
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目次
Thous Windsについて
Thous Windsとは?
都会の生活から自然に身を置くキャンプで、快適にリラックスして過ごしてもらえるように「数千もの種類の風」を起こし、それを感じてもらいたい。つまり、その数千もの風が、このブランドが提供するキャンプギアということなんですかね。Thous Windsの読み方は不明ですが、意味合いから考えるとサウザンドウィンズ=サウスウィンズといったところでしょうか。
出身国は中国ですが、今まで出会ってきたのキャンプギアの中華ブランドとは少し異なる雰囲気を持つブランドなんです。
人気ギアに似た商品が。パクり?
商品ラインナップを見ると気づくことが。見たことあるようなキャンプギアに似ているものが?!最初にこのゴールゼロに似たランタンを見た時、コピー商品を販売するブランドだと思ってしまいました。笑
ただよく見ると違うんです!形は似てるけど、少しずつ違うんです。
両サイドが本家Goalzero製。真ん中がThous Winds製。ロゴが違うだけで見た目はほとんど一緒です。
価格ではなく、機能とクオリティで勝負する
コピー商品でよくあるのが、見た目や機能は全く同じで、クオリティ(作りの細かさや部品や素材の質)を落とし、価格で勝負する商品。
Thous Windsのギアはそれらとは違うようです。
類似している商品を単純にコピーするのではなく、そこから進化させて機能とクオリティで上回ってくる、そんなギアが多くラインナップされています。
テントの紹介の前に、ランタンを例にして、少しThous Windsのギアを紹介。
このゴールゼロ風ランタンは、ボタンの部分が派手なイエローではなくサンドカラーに。そしてエンド部分は、USB充電ポートではなく、車やポールなどの鉄部分に固定するマグネットや、三脚に固定する穴が付属。
グリップ、シェードとカスタムパーツのセット商品もラインナップ。ランタン本体の値段はそこまで差は無いですが、これだけカスタムするとそれなりの価格になります。ただでさえ入手困難なゴールゼロですが、そのクオリティーを保ったまま、より便利になってお手頃価格で入手出来るのが魅力。
同じランタン製品としてラインナップされるレイルロードランタン。レイルロードといえば、LED式のベアボーンズがかなり有名になりましたよね。
Thous Windsは、ビンテージで数万円もするような、昔ながらのレイルロードの復刻版を製品化しています。ビンテージランタンは、メンテナンスなどを考えると素人ではなかなか手が出しづらいですが、それが新品で手に入ってしまうのは、かなり魅力的。
作りも精巧で高級感があります。今までは全く感じなかったですが、こうやって並べるとベアボーンズが安っぽく見えてしまいました。
そして、実際のサイトで灯した雰囲気の良さ、LEDは天然の炎には全く敵いません。
後出しジャンケンで勝つ戦略
世の中に出ている色々なギアのいい所を取り入れ、そこからさらに改良して良いものを生み出していく。言い方は悪いですが、Thous Windsは、まさに後出しジャンケンで勝つ戦略なのです!
子供達の遊びならズルになってしまいますが、キャンプギア販売の厳しい世界で勝ち抜くには必要な要素。何よりそれを実際に購入して使う私たちキャンパーが、より快適に、便利になって嬉しいですよね。
今回紹介する「SCORPIO 1P TENT」もそんな製品。パッと見るとよくありがちな普通のソロ用のテント。ただ、それだけでは無いのです。
出典:Thous Winds公式サイト魅力的なソロ幕「SCORPIO 1P TENT」
Thous Windsの中で、テント商品の第一号となった「SCORPIO 1P TENT」。その魅力について紹介します。
基本スペック
大きさは普通のソロ用テント同様でしょうか。高さが低くて幅広なので、見た目はかなりスマートに見えます。
出典:Thous Winds公式サイトカラーは、グリーン、ブラウン、ブラックの3色。アウトドアのカラーと言えば、まずはこの3色を押さえておけば間違いないというラインナップ。
出典:Thous Winds公式サイト前室が広い
ソロ用テントの中では、コンパクトな部類に入りますが、驚いたのが幕内の前後のスペースがかなり広い。インナーテントから先端部分までのサイズは94cmもあります。
高さは低いですが、パネル部分のサイズがかなり大きい作りになってます。
この大き目のパネルにポールを使って張り出せば、幕下でソロで寛ぐには十分なスペース。
前室部分が広くて幕内にギアを置くスペースも十分に確保出来るので、幕内でも快適に過ごせます。またパネルをクローズしている後方側も同じ広さになっているので、収納スペースとして活用できるものいいですね。
インナーテントの圧迫感が無い
このフルメッシュインナー、開放感がすごい。夏場はインナーだけで過ごしたくなります。
インナーテントの床面のサイズは縦200cm、幅66cmと若干狭いかと思ったのですが、このテントの特徴は、天井の幅が床面積の幅よりも少し広くなっていること。
通常のテントは天井に向かってサイドの壁が斜めに角度が付いて狭くなっていきますが、天井の幅が広いとサイドの壁が垂直以上の角度になるので、圧迫感が全く無いのです。
このフルメッシュとサイドの圧迫感が無い作り、それが生み出すインナー内での開放感に驚かされました。
インナーの両サイドには、大きいポケットも付属しています。
天井のフックも付属。小さいランタンを吊るすには最適な位置ですね。
フライシートの素材、生地がすごい
このテントの生地、簡単に言うと薄くて軽いのに、丈夫で耐久性もあって、撥水性が抜群!
生地は軽くて薄めですが、リップストップの切り裂きに強い素材が使われてます。そして一番の驚きはコーティング。このフライシートは「両面シリコンコーティング」なんです。
一般的なテントのコーティングのPU(ポリウレタンコーティング)は、使っていると劣化して、場合によっては剥がれたり加水分解します。それに対して、シリコンコーティングは劣化が無い。そしてコーティングが剥がれたり分離する事が無い、魔法のコーティング!
ただデメリット・欠点は、とにかくコストが掛かる。シリコンコーティングをしてしまうと、テントの価格がかなり上がってしまうため、なかなか採用するのが難しいのです。
出典:Thous Winds公式サイトシリコンコーティングのテントと言えば、ヒルバーグが有名ですよね。
ヒルバーグのテントはかなり高価。全く手が出ない価格帯。それに比べると、かなり手頃な価格帯で両面シリコンコーテイングを手にできるというのが、このテントを選んだ大きな理由の一つです。
ひよしゅんしゅん
軽量コンパクト
フライシートとインナーテントが別れて二つにパッキングされます。二つ合わせても重量が1.5kg程度と非常に軽い。
- フライシート:サイズ23cmx14cm、重さ517g
- インナーテント:サイズ44cmx9cm、重さ917g
これならバックパックに入れて持ち歩ける、オートキャンプだけでなく、電車キャンプや山岳テントとしても十分に使えます。
ペグやガイロープも付属しており、ポールも含めてかなり軽量コンパクトになっています。
出典:Thous Winds公式サイト多彩な用途のソロテント
ソロ利用でのテントとして完成度がかなり高いですが、それだけでは無いんです。色々な場面で活用出来る工夫がされているのが、このテントのもう一つの魅力なんです。
コットテント
出典:Thous Winds公式サイトこのテント、コットの上にセット出来てしまうのです。
コットの上に乗せるだけではなく、インナーテントがコットにしっかりと固定される仕組みが備わっていて、コットと完全に一体化するのが凄い!
インナーテントの床面積は、ほぼコットと同じサイズ。商品説明では、適用出来るコットは長さが190-200cm、幅が60-68cmのものなら可能とのことです。
出典:Thous Winds公式サイト今回はコットの代表格、ヘリノックスのタクティカルコットで試してみました。
コットの上にセットするのは、インナーテントのポール2本とメッシュの膜体のみ。
ソロテントとして地面に固定するときは、インナーテントの四隅をペグ打ちしますが、コットの上に張るときは、ペグは不要。四隅のポケットをコットに被せるだけ。
センターにあるバックルをとめてセットすると、かなりしっかりとコットと一体化してくれる、そんな仕組みになっています。
あとは2本のポールを四隅の穴に差し込んで立ち上げ、フックを留めるだけ。ここまでは本当に簡単に2,3分で設営出来ちゃいます。
フライシートを被せて、上部センターにあるフック2箇所と、下部の両サイドにあるバックルを締め、四隅をペグ打ちすれソロ用のコットテントが完成。
コンパクトなソロ用テントは、インナーテントが小さくてコットは入らないものが多いですが、コットの上にインナーを付けるという新たな発想、これで寝心地もバッチリ。
コットを椅子にして座ったまま幕内で作業するような使い方もいいですね。
セットしたフライシートの下の部分の隙間があるので、フルメッシュのインナーも含めて、夏はかなり涼しく過ごせそうですね。逆に冬は寒すぎて、このコットテントとしての使い方は厳しそうです。
タープ下テント
タープ下にメッシュインナーのみで過ごす、真夏には涼しくて最適なキャンプスタイル。まだ夏を迎えたことがないので試せてませんが、必ずやってみたいスタイルです。
出典:Thous Winds公式サイトコットの上にセットすれば、水たまりが出来るような雨でも地面から高くて安心です。ちなみにこの幕は、インナー部分とフライシート別売りされてるので、インナーだけの購入も可能です。
カンガルーテント
シャルター内のカンガルーテントとしての活用、実はこの利用方法が、このテントを選んだ一番の理由でした。
カンガルーテントとして利用するときは、地面にペグで固定してもいいですが、結構このペグ固定が面倒だったり、シェルター内ではペグ固定出来なかったり、飛び出すペグが邪魔になったりします。
コットの上にセットすれば、ペグも不要でセッティングも簡単。そして好きな時に移動出来るので、レイアウト変更も簡単に出来て使い勝手が良さそうです。
ちなみに今まで使っていたのが、アルパインのメッシュインナー。ワンタッチで簡単に設営出来るのはいいのですが、とにかく高さが低い。寝る時専用でしか使えず、メッシューインナーから出る時も、寝たままの状態で足元までのチャックの開け閉めが必要になり、使い勝手が悪かったです。
このコットテントなら、出入り口がかなり広くて出入りもし易い。そして背も高いので、メッシュシェルターとは違ってテント内で十分にくつろげる空間になります。
そしてコットにセットした時の見映え。デザインもカラーもかなりいい感じ。これならシェルター内に入れても、幕内の雰囲気が良くなるのは間違い無さそうです。まだカンガルーテントとして利用出来ていないので、早く試してみたいですね。
テントの購入にあたっての注意点
日本での購入方法
筆者がテントを購入した時点では、日本国内ではまだ販売されていませんでした。日本から購入する場合は、ネット販売サイトのAliExpress経由となっていましたが、2023年2月からamazonで販売開始されました。
こちらはインナーテントとアウターテントが別売りとなっているので注意して下さい。
海外サイトで購入する場合、少し心配かもしれませんが、クレジットカードがあれば、日本のAmazonや楽天などのネット販売サイトと同じように購入出来ます。
ただ、海外からの輸送となるため、注文確定してから自宅に届くまで、早くて一週間、通常で10日程度かかります。余裕を持った購入をお勧めします。
商品選択に注意
AliExpress公式ショップの販売サイトは基本的には英語表記ですが、日本語表記に変更することが出来ます。ただ、機械的に日本語に翻訳した表現になっているため、少し分かりにくい表現もあります。
また商品の選択は、商品画像のイメージを見ながら選択して決定しますが、間違えないように注意が必要です。
例えば、今回紹介したテントは、色の選択以外に、インナーテント単品、フライシート単品、インナーフライセット品の三種類から選びます。画像イメージだけだとよく見ないとわからないため、必ず選択されている製品の内容を確認するようにして下さい。
インナー、フライシートのセット品。
こちらはフライシートのみの単品。
出典:Thous Winds公式サイトアフターサービスは大丈夫?
海外からの購入となると、心配な点はアフターサービス。これは海外の並行輸入品でも同じですが、保証が効かない可能性があるというのがデメリットですよね。
Thous Windsは、海外からの購入でも、しっかりと保証が付いています。サイトには「1年間の品質保証」という説明書きがされています。
また、ポールが破損してしまった場合など、保証範囲以外で何かあったときに修理をしたり、パーツが購入出来るのか心配ですよね。今回のテントのオーナーになったのをきっかけに実際に問い合わせてみました。
日本でも一応代理店があるようで相談可能とのことでしたが、色々な状況に応じた問い合わせがあるので、直接問い合わせた方が早いとのことでした。
公式Webサイトや、販売サイトのAliExpressの公式ショップ、およびインスタグラムのアカウントから問い合わせが可能です。
ひよしゅんしゅん
なお、ポールが破損した場合に購入することが可能かという問い合わせもしてみましたが、色々なパーツ単品の購入も可能との回答を頂きました。
アフターサポートもそれなりにしっかりしているので、日本のブランドのように直接電話で話をしたり相談することは出来ませんが、何も出来ない並行輸入品よりも、よっぽど安心できると思います。
さいごに
Thous Windsというブランド。Webなどで公開されている商品のスペックからある程度は読み取れましたが、実際に商品を手にしてみても、ここ2、3年でかなり数が多くなっている安価な中華製品とは全く別物でした。
そのクオリティをどのように生み出しているか、かなり興味があったので、問い合わせてみました。
ひよしゅんしゅん
安価な製品と比較してしまうと、価格はそれなりですが、それでも同等スペックの製品と比較すると、かなり購入し易い価格帯になっていると思います。
今は円安で海外製品は購入しずらい状況が続いていますが、それでも一度手にしてみると、商品のスペックやクオリティには十分満足出来ると思います。
登場が2019年で、まだ日本でもあまり知られてない、まだまだこれからの新しいブランドのThous Windsですが、日本に広まる前の希少な幕を手にしてみませんか?
ギア
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