キャンプの夜に、提灯のあかりを灯す。そんな風景を想像したことがある人はほとんどいないだろう。実際、和紙の火袋をアウトドアに持ち込むという発想自体が、奇想天外であり、やろうと思っても火事のリスクがあるので実現は難しい。だからこそ、goyemonの「ANCOH-庵光-」は面白い。
伝統的な提灯の形を守りながら、厚さわずか27mmのソーラーモジュールとLEDを仕込み、現実のキャンプシーンで使えるように仕立てた。提灯の光は普通のLEDライトと違って、“照らす”という行為にどこか情緒という余白を与えてくれる。
キャンプ道具ではない提灯をギアに
和紙の提灯が屋外照明として選ばれてこなかったのは、実用性が足りなかったからではない。そもそも「道具」として考えられてこなかったのだ。それもそのはずで、火袋は湿気や風に弱く、照明器具の内部と相性が悪い。
goyemonはその前提をひっくり返し、厚さ27mmの筒型モジュールにLED、ソーラーパネル、リチウム電池を一体化。伝統的な形状の火袋に収めることで、アウトドアでも扱える“提灯型LEDライト”を成立させた。職人が張った火袋に現代技術を組み合わせた、まさにハイブリッド提灯なのである。
IPX4防滴仕様&揺らぎモードも搭載
サイズはΦ250mm×H345mmと中型サイズで、サイトの軒先に飾れば自身のサイトが一目瞭然。収納時は火袋を畳むことで、厚さ数センチにまでコンパクトになる。LEDは最大光量で5時間点灯し、充電はUSB Type-Cまたは太陽光によるソーラー方式に対応。防滴等級はIPX4相当で、突然の通り雨でもすぐにしまえば問題ナシ。
調光・調色はダイヤル式で、昼光色(6000K)から電球色(1600K)まで無段階に調整可能。さらに“ろうそくのようにゆらぐ”モードも備えており、夜更けのリラックスタイムにも最適だ。価格は48,510円(税込)と高級ギアの分類だが。技術と工芸が共存したハイクラスなキャンプギアとしての立ち位置だろう。
ギアにも情緒的な感性を
無理に主張しない、けれど視界の端にそっと居てくれる。これまでこういった演出系のランタンはいくつかあったが、提灯という形を通して日本人の感性に語りかけてくるあたりがニクい演出だ。
アウトドアに提灯を持ち出す。そんな一見突飛な行為を、ひとつの選択肢として現実にしたこのギアは、“どこで使うか”よりも“どんなふうに過ごすか”を考えさせられるギア。紙の皺、光の滲み、そっと閉じる仕草―そのすべてが夏の記憶に寄り添ってくれるだろう。
ギア
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