菅原ジムニー
キャンプでマキネッタを使った本格イタリアンコーヒーを淹れてみました

キャンプでマキネッタを使った本格イタリアンコーヒーを淹れてみました

キャンプでコーヒーを淹れるとしたら、どうやって淹れますか?

  • ペーパードリップ
  • インスタントコーヒー
  • パーコレーター
  • マキネッタ

アウトドアショップで見かけるのは、このくらいでしょうか。

今回紹介したいのは、イタリアの家庭に必ず一つは置いてあるマキネッタでいれるイタリアン・コーヒーです。これが、アウトドアにオススメなコーヒーメーカーなんです。

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マキネッタとは

マキネッタ

マキネッタとは、いわゆる直火式エスプレッソ・メーカーのことです。もともとは、モカ・エキスプレスといって、イタリアのビアレッティ社の作るコーヒー・メーカーを指していました。

他にもマキネッタがありますが、マキネッタというと、ほぼビアレッティ社のモカ・エキスプレスのことを意味します。主にアルミ製とステンレス製のものがありますが、ほとんどがアルミ製のものです。私は飲み比べたことがありませんが、アルミ製の方がおいしい、とよく言われています。

値段は3,000円くらいで購入できます。ハンド・ドリップに比べると高くなりますが、買ってしまえばずっと使えます。消耗品はフィルターを留めるゴムパッキンだけです。これも数百円で買えるものですし、すぐに劣化するものではありません。

エスプレッソとの違い

エスプレッソメーカー

イタリアン・コーヒーといえば、エスプレッソがあります。エスプレッソとは、エスプレッソ・マシンを使って高圧蒸気でいれたコーヒーです。

実は、マキネッタでいれたコーヒーはエスプレッソとは言いません。確かに蒸気の内圧でいれていますが、高圧抽出にはならないため、モカ・コーヒーと言って区別することがあります。

イタリア人にしてみれば、どちらもコーヒーですので、お店で飲むときはエスプレッソ・マシンでいれたコーヒー、家庭で飲むときはマキネッタでいれたコーヒーとなるわけです。

なぜマキネッタがキャンプにオススメなのか

マキネッタがキャンプにオススメな理由の一つは、器具が少ないからです。

ポット、ドリッパー、サーバーを用意するペーパー・ドリップと違って、マキネッタはそれだけでコーヒーを入れることができるのです。パッキングに制限のあるキャンプではとても便利です。

もちろん、理由がそれだけならパーコレーターもそうなります。パーコレーターも必要なのは、水とコーヒー豆の粉です。手軽で大量のコーヒーをいれられるパーコレーターは、ファミリーなど人数の多いキャンプにはとても便利です。ですが、パーコレーターでおいしいコーヒーをいれるのって実はとても難しいのです。

パーコレーターパーコレーター

パーコレーターの場合、お湯を循環させてコーヒーを抽出するので、抽出時間の加減がとても大事になります。マキネッタの場合は、一発で出来上がるので難しいことはありません。

もう一つオススメするのは、飲み方のバリエーションが多いです。後でまたお話しますが、コーヒーが苦手な人でも、アレンジ・コーヒーにして、目でも楽しむことができるのです。

マキネッタでコーヒーをいれる手順

まずは水を入れる

ボイラーの内側の線まで水を入れる

ボイラーの内側の線のところまで、水を入れます。線がないものであれば、ポッチの下くらいになります。

コーヒー豆を入れる

コーヒー豆を入れた写真

バスケットをセットし、コーヒー豆を入れます。コーヒー豆は深煎りのものを選びます。挽き方も細挽きにします。

エスプレッソ用のコーヒー豆

今回はラバッツァのクオリタ・オロを使いました。家ではミルを使いますが、アウトドアでは手動になるので、飲む量を考えると挽いてあったほうが簡単です。もちろん手動のミルもそれはそれで良いものです。イタリアのものならまず間違いありませんし、見た目も良いです。

私の祖母の兄がブラジルでコーヒー豆を作ってました。今はもう農場もやめてしまいましたが、子供の頃には年に数回、コーヒーが送られてきたものです。

深煎りで真っ黒なコーヒーで、インスタントコーヒーかと思うくらい細挽きでした。ドリップのコーヒーメーカーでいれると、ものすごく濃くて、しかも極細挽きなのでペーパーでは取りきれない粉が沈殿し、本場のブラジルのコーヒーはおいしくないのだと思っていました。

今考えれば、もったいないことをしたものです。送られてきたときは1、2回くらい飲んでみるものの残りはそのまま棚の奥に。当時はエスプレッソなんて聞いたこともなかったですから仕方ありません。

コーヒー豆をバスケットいっぱいに入れたらサーバーが入るように軽く押し付けます。エスプレッソのようなタンピングの必要はありません。サーバーを入れる前に縁にコーヒーが着いてないか確認します。隙間ができるとボイラーに圧力がかからず、うまく抽出できなくなります。しっかりと締めこみます。

マキネッタを火にかける

マキネッタを火にかける

弱火でじっくり抽出します。火を調節してからコンロに乗せます。コンロに乗せてから火をつけると、マキネッタの持ち手の部分が溶けることがありますので注意してください。

数分後に抽出されます。抽出が終わり、空気だけになってコポコポと音がしてきたら、できあがりです。

抽出されたコーヒーの様子

マキネッタでいれたコーヒーを飲んでみる

ストレート

そのまま飲むのですが、正直、苦いです。ですので砂糖を入れることをお勧めします。スプーン一杯の砂糖を入れて、グルグルとかき混ぜます。いわゆる正式な飲み方というものです。

これは例えば、しっかりと登山した時の補給にいいですね。糖質を補給しつつカフェインで疲労も吹き飛ばせます。一度、補給用のジェルを溶かしてみたことがあります。これが効きました。蜂蜜ベースのジェルでしたので合わないわけはないんですけど。

アイス

クーラー・ボックスがあれば氷を持っていくこともできます。グラスにたっぷりの氷を入れて、その上からいれたてのコーヒーを注ぎます。氷が程よく溶けて、アイス・コーヒーになります。

カプチーノ

フォームド・ミルクを入れれば、カプチーノになります。カップを用意して、ラテ・アートにチャレンジするのもおすすめです。温めた牛乳をフォーマーで泡立ててラテ・アートにしたら、絶対にSNSにアップしたくなるはず。ラテ・アートまでできなくても、ふわふわのフォームド・ミルクが入るだけで「いいね!」を押したくなるものです。

もちろん、泡立てるのが面倒であれば、牛乳を温めるだけでもOKです。はちみつや、シナモン、チョコレート・シロップなんかも準備しておけば、カフェに負けないアレンジ・コーヒーも楽しめます。

アメリカーノ

お湯を入れます。コーヒの濃さにもよりますが、1:1にすると、ちょうどドリップ・コーヒーのような感じになるはずです。

アフォガード

バニラのアイスクリームを持っていって、コーヒーをかければ、アフォガードになります。これは、もう説明のいらない美味しさですね。

今回はアメリカーノにしました。コーヒー2:水1でした。ドリップ・コーヒーよりも濃い目のコーヒーになります。お湯を沸かすのが面倒だったのもありますが、チタンのマグカップなので水にしたので飲み口もちょうどよくなりました。

マキネッタの良い点と悪い点

コーヒー豆とマキネッタ

マキネッタのメリット

良い点しかないですね。誰がいれても、味はほぼ均一です。一番初心者に向いているコーヒー・メーカーと言えるでしょう。そして、荷物が少ないです。私はどうしてもたくさん飲みたくなるので3カップ用のものが必要ですが、2カップ、1カップ用マキネッタを使えば、もっとコンパクトにできます。

色々なバリエーションで飲めるというのも良いです。

マキネッタのデメリット

ないです、悪い点。だけど、ひとつだけあげるとすれば、持っていくマキネッタの大きさで抽出できるコーヒーの量が決まってしまうことです。つまり3カップ用は、一回で3カップしかいれられません。何度も繰り返せば大人数でも対応できますが、どうしても数分はかかります。

必要な大きさを用意すれば問題ありませんが、1台3,000円くらいしますので、そう何台も所有するのは現実的とは言えないかもしれません。ちなみに、うちには3台あります。3カップが2台と、6カップが1台です。

3カップは自分で買ったものと、おじさんからイタリア旅行のお土産でもらったもので、6カップは結婚式の引出物でした。これだけあれば、そうは困りませんけど。

マキネッタを持ってキャンプへ出掛けよう

マキネッタでいれたイタリアン・コーヒー、いかがでしたか。これだけ簡単でおいしいコーヒーですが、意外と知られていないのは、濃いコーヒー=上級者のコーヒー、という思い込みがあるからではないでしょうか。

さぁ、マキネッタを持って、キャンプへ出掛けましょう。

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  • 菅原ジムニー
  • 農家。キャンプ、シクロクロス、トレイルランニング、トライアスロンしています。英語勉強中。

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