都会の喧騒を逃れ、本当に周りに何もない大自然の中でチルアウトしたい。そんなキャンパーさんにお勧めしたいキャンプ場が上高地にあります。徒歩1時間圏内には建物一つ無い大自然が広がるそのキャンプ場は、完全に人里から隔絶された大変静かなキャンプ場です。
今日は上高地バスターミナルから徒歩120分の場所にある秘密基地感が半端ないキャンプ場「徳澤キャンプ場」のご紹介です。
「徳澤キャンプ場」の魅力
徳澤キャンプ場は上高地バスターミナルから徒歩2時間。日本屈指の山岳リゾート地「上高地」の奥地にある「氷壁の宿 徳澤園」が運営するキャンプ場で、標高約1555mの立地にあります。
以前ご紹介した「小梨平キャンプ場」から7キロ離れた山奥にあるので周りには本当に何も無くで不便なのですが、設備は充実しているので、まるでリゾート地のように快適な空間です。
キャンプを始めたばかりで行くにはハードルが高い徳澤キャンプ場の魅力をまとめてみました。
本物の大自然を満喫できるオシャレなキャンプ場
徳澤キャンプ場は北アルプスの雄大な絶景と森に囲まれた大自然が広がる開放的なキャンプ場です。牧場跡地を改装した建物とフィールドはインスタ映え間違いなしなオシャレな雰囲気で、リゾート感が物凄いキャンプ場でもあります。
徳澤キャンプ場ではオシャレな雰囲気と上高地の奥座敷、徳澤の大自然をたっぷりと満喫できます。
売店・レストラン完備で食事が美味しすぎる
徳澤キャンプ場は売店やレストランがしっかりと用意されているのでバックバックキャンプで心強いキャンプ場です。
施設内にある「みちくさ食堂」は大変美味しいことで有名で、名物のソフトクリームとオリジナル窯焼きピザは、多くの観光客がわざわざ足を運ぶ人気のメニューです。
あまりにもご飯が美味しいので、キャンプ中の食事は全て「みちくさ食堂」で済ませた程です。個人的には11時~13時限定のメニュー「野沢菜チャーハン」がヒットでした。自宅では味の再現不可能な説明が難しい美味しさです。
いつもとは違った上高地の観光を満喫できる
徳澤キャンプ場は上高地の奥地にあるキャンプ場なので観光地からは外れているのですが、トレッキングコースが充実しているので森林浴には最高の場所です。明神池や横尾へは徒歩1時間で行くことが出来ますよ。
いつもの上高地観光とは一味違う、人混みを避けた観光を楽しむことができます。
赤く染まった北アルプスを見ること出来る
徳澤キャンプ場では、赤く染まった北アルプスを見ること出来ます。これはモルゲンロートという、山肌が太陽の光を受けて赤く染まる現象のことで、日の出直前の僅かな時間しか見ることが出来ない貴重な絶景です。
必ず見ることが出来るわけではなく、晴れであることは勿論のこと、湿度や気温、風の強さが関わってくるので運次第です。この貴重な景色を生で体験できたことは個人的に最高の瞬間でした。
予約不要(不可)
徳澤キャンプ場は予約不要のキャンプ場で、チェックイン・チェックアウト時間も決まっていません。受付けは徳澤園玄関で済ませます。
徳澤キャンプ場は交通の便が悪いので穴場のキャンプ場と思われがちですが、登山者やパックバックキャンプで人気のキャンプ場なので結構混んでいます。満サイトになることはほぼ無いそうですが、良い場所を押さえる為にも早めにチェックインしたいところです。
レンタルサービスがある
完全に手ぶらとはいきませんが、徳澤キャンプ場ではレンタルサービスがあります。テント、シュラフ、毛布、マットの4種類がレンタル可能です。嬉しいことに事前予約が可能なのでキャンプの計画が立てやすくなります。詳細は公式サイトからご確認頂けます。
手ぶらでキャンプ出来るサービスがセレブすぎる
今では常識になりつつある手ぶらでキャンプが出来るサービス。徳澤キャンプ場の手ぶらでキャンプできるサービス「ぶらキャン」は、はっきりいって異次元です。
上高地の楽しみ方をガイドする「ぶらキャンコンシェルジュ」や、ぶらキャン利用者のみが利用できる屋内ユーティリティ施設「TOKUSAWA BASE」は、もはやキャンプの域を超えたセレブリティ溢れるサービスです。
常設テントやギアもセレブ級で、テントはノースフェイスのジオドーム。シュラフはナンガ。といった具合に、憧れの高級ギアが惜しげも無く使われています。
個人的に次回徳澤に行くことがあれば絶対に利用したいサービスです。こちらも詳細は公式サイトからご確認頂けます。
テント泊が不安な方は徳澤園で宿泊が激熱
初めてのバックパックキャンプは不安だけど、キャンプ気分を徳澤キャンプ場で味わいたい!という方は徳澤園での宿泊がおすすめです。
徳澤園はキャンプ場よりも宿泊施設の方が有名で、多くの観光客が殺到する予約困難の超人気施設なんです。施設はペンションやホテル並みに豪華で、大変雰囲気の良い施設です。その分お値段もなかなかです。
登山のメッカという場所柄もあってか、登山者向けの山小屋のような宿泊施設もあります。カプセルホテルのような相部屋は一般的な山小屋とは全く異なった徳澤園ならではの施設で、こちらも大変人気です。しかも徳澤園の豪華な施設も利用可能なのでお勧めですよ。
本当は徳澤園で宿泊をしたかったのですが全く予約が取れなかったのでキャンプに予定変更しました。いつかは宿泊したい憧れの施設です。
徳澤キャンプ場の施設案内
徳澤キャンプ場の施設を写真付きでご紹介いたします。
管理棟(氷壁の宿 徳澤園)
キャンプ場の一番奥にあるオシャレな建物。キャンプ場の受付やレンタルの受付は徳澤園の玄関で行います。
徳澤園は宿泊施設で、ゴーシャスでお洒落な内装や設備が魅力なのですが、キャンプ利用者は中に入ることが出来ません。
受付用紙を記入してキャンプ場の受付を済ませると札を渡されるので、テントの見える位置に取り付けましょう。札はチェックアウト時に徳澤園玄関にあるポストに返す必要がありますよ。
食堂(みちくさ食堂)
キャンプ場奥にある、徳澤キャンプ場を象徴するオシャレな建物です。食堂や喫茶店、売店があります。キャンプ利用者以外にも登山客、観光客も利用可能です。食事はみちくさ食堂で賄えるので、調理ギアや食材を持って行かなくても大丈夫です。
食堂としては7:30~14:00まで営業しています。朝食は宿泊者優先で、キャンプ利用者は8時から利用が出来ます。
夕食についてはキャンプ利用者は食堂内で食べることが出来ませんが、テイクアウトサービスの利用は可能です。事前に夕食の予約を行い、指定された時間に取りに行くシステムです。夕食のテイクアウトメニューは以下3種類から選択です。
テイクアウトメニュー
- 手作りカレーライス 950円(税込)
- おでん(7種類) 650円(税込)
- ライス 300円(税込)
喫茶店は2021年現在、7:00~16:30まで利用可能です。コーヒーやお酒をはじめ、手作りプリンや、大人気のソフトクリームが購入できます。
みちくさ食堂はオシャレなテラスがあるので、穂高連峰を眺めながら優雅なひと時を過ごせますよ。
売店はお菓子や飲み物、お酒を売っています。お酒についてはビールやチューハイは勿論のことワインや日本酒の品ぞろいも豊富です。
キャンプに必要な道具や衣類も購入できます。初めてのバックパックキャンプでも荷物のお悩み不要なくらい、なんでも揃うところが魅力です。
売店(みちくさショップ)
みちくさショップはお土産メインの売店です。菓子屋お酒、キャンプ用の消耗品は食堂で販売しています。
トイレ
トイレは2か所あります。キャンプ場手前にあるトイレはキャンプ利用者以外の方も利用します。
ウォシュレットや温水便座は無く、最低限の設備ですが上高地では珍しく無料で利用が出来るので大変良心的です。しかもトイレットペーパー付です。
管理棟側にあるトイレは有料ですが、温水便座、ウォシュレット付きで最高に快適です。但し夜は閉まるので使えなくなります。
炊事場
炊事場は全部で1か所あります。立派な屋根付きではありますが、最低限の設備でお湯はでません。
「印象水・炊事場」と「手洗い・食器洗い用」でシンクが分かれているのが特徴です。
ベンチ
登山者が多いこともあり、至る所にあるベンチは休憩スポットとして賑わっていました。徳澤の先にある「涸沢カール」を目指す登山者にとってはありがたい場所です。勿論キャンプ利用者にとっても憩いの場です。
自動販売機
管理棟内にあります。嬉しいこともお酒も買うことが出来ます。しかも唯一ゴミ捨て場があるので大変助かります。徳澤キャンプ場ではゴミ捨て禁止なので、自動販売機や売店で購入した飲み物以外は捨てないようにしましょう。
TOKUSAWA BASE
常設テントがあるエリアの奥にある秘密基地感満載の建物で、穂高連峰を望む展望台や、屋内ボルダリング体験ウォールをはじめ図書スペースやカウンターを備えた、ユーティリティ施設です。「ぶらキャン」利用者専用施設なので、一般のキャンプ利用者は使えません。
喫煙所
炊事場の脇にあります。徳澤キャンプ場では全面禁煙なので喫煙者は指定の場所で喫煙をしましょう。
「徳澤キャンプ場」のサイトレビュー
徳澤キャンプ場のテントサイトを写真付きでご紹介いたします。
テントサイトは全面フリーサイトで設営場所は早い者勝ちです。開放的な芝生のサイトはハルニレやカツラの木々に囲まれていて、木漏れ日が気持ち良い雰囲気が最高のサイトです。
手ぶらでキャンプができる常設テントサイト「ぶらキャン」エリアもサイト内にあります。テントはノースフェイスの「ジオドーム」です。高級テントを惜しげも無く使った常設テントサイトは初めて見ました。
サイトの広さ
小型テントを約100張りできる広さがあります。とても開放感があるので思った以上に広く見えますよ。
プライベート感
全面フリーサイトということもあり、プライベート感は運次第です。しかし徳澤キャンプ場は、タープや大型テントをはじめとした快適ギアの持ち込みが物理的に不可能なので、夜は寝るしかありません。その為、夜煩いといった悩みはゼロなのであまり気にならないかと思います。
サイトの地面の特徴
サイトの地面は芝生です。場所によっては土がむき出しのところもありますが、そういった場所は地面が平らで快適な場所ということです。設営される頻度が高い快適エリアなので狙い目です。
傾斜はあるの?
全体的に傾斜があるので、平たい場所は直ぐに設営されます。また、起伏も結構あるので設営場所は慎重に選びたいところです。
ペグの刺さり具合は?
積載の関係もあるので、軽量で金属製の登山用途のペグと、石を使ってのペグ打ちでしたが、ペグはスムーズに刺さりました。場所によっては石に当たることもありますが、ペグをずらして打ち直せばスムーズに打ち込めます。
水はけのよさは?
元々牧場だった場所ということもあり、水はけは悪くありません。但し草地は夜露や朝霧でびしょびしょになります。
徳澤キャンプ場の注意事項
徳澤キャンプ場で事前に知っておきたい情報を纏めました。
焚き火や炭の使用は一切禁止
「え?キャンプで焚き火が出来ないの?!」という、焚き火ストには不向きのキャンプ場です。徳澤キャンプ場では焚き火は勿論のこと、炭の使用も禁止です。
徒歩でしか行けない上に2時間近く歩く
徳澤キャンプ場への唯一の交通手段は徒歩のみと、交通の便が大変悪い場所です。しかも2時間近く歩くことになるので、キャンプ道具はザックに収まる範囲でしか持って行くことが出来ません。本当に遠いのでガチの装備が必要になります。
お風呂が使えない
徳澤キャンプ場にお風呂はあるのですが、宿泊者専用施設なのでキャンプ利用者は利用できません。以前は外来入浴について、隣接する徳澤ロッジで可能だったのですが、コロナの影響で2021年現在利用できなくなっています。
営業シーズンが限られる
標高の高い立地にあるので営業期間は4月下旬から11月上旬あたりと短めです。営業シーズンは毎年微妙に異なるので最新の情報を確認しましょう。
ゴミは持ち帰り
徳澤キャンプ場はゴミを捨てることが出来ません。ゴミは持ち帰りましょう。
夜は本当に真っ暗
キャンプ場周辺には明かりが無く、キャンプ場全体の照明も全て消えるので本当に真っ暗になります。更に驚くことがトイレの照明もつかなくなります。照明類は必ず準備をしましょう。トイレの時、困ることになります。
大自然でおもいっきりチルアウトしたい方にお勧めのキャンプ場
「上高地」は、年間120万人もの観光客が訪れる一生に一度は行ってみたい日本屈指のリゾート地です。マイカー規制で交通の便が悪いにも関わらず、多くの観光客が訪れることからも、その人気の高さが伺えます。
宿泊するにはハードルが高い場所なのですが、徳澤キャンプ場は予約不要で価格が安いので、思い立ったら行くことが出来るところが魅力ですよね。これはキャンパーならではの特権ではないでしょうか。
完全に人里から隔絶された、本当に周りに何もない大自然が広がるキャンプ場は、そうそうあるものではありません。それなりの装備と経験が無いとハードルが高いキャンプ場ではありますが、いつもとは全く違ったキャンプを楽しむことが出来ること間違い無しです。
ギア
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