ツーリングスポットとしても有名な山梨県の道志みち沿いにあるキャンプ場「ネイチャーランドオム」で、ハンモック泊ができるという情報を入手したので実際に行ってきました。
以前から名前だけは知っていたのですが、ネイチャーランドというファンシーな名称から「ファミリー向けの設備が整ったキャンプ場かな?」と漠然と思っていたので、サイトによっては野営地のようなワイルドキャンプまで楽しめる自由度の高い環境だったことに驚きました。
テントサイトの広さは様々、場内に高低差がありプライバシーも保たれているので、森の中で一人静かに過ごしたいソロキャンパーから、大人数でわいわい盛り上がりたいグループキャンプまで共存できる「ネイチャーランドオム」の奥深さを詳しくご紹介します。
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目次
ネイチャーランドオムとは
ネイチャーランドオムは神奈川県相模原市から山梨県の山中湖までを繋ぐ国道413号線、通称「道志みち」として知られるツーリングスポットの中間地点にあるキャンプ場です。道志みちを走ったことのあるキャンパーなら、この看板に見覚えのある方は多いでしょう。
個人ブログや口コミの情報によると、ゴールデンウィークなどの連休や土日祝日はかなり混雑していて予約が取れないこともあるようですが、平日は空いていて穴場であるとのこと。
以前ご紹介した「椿荘オートキャンプ場」のご近所で、ニュー田代オートキャンプ場のお隣にあるキャンプ場です。
キャンプ場の受付
手作りの看板がいい味を出している
運営している有限会社オムの代表は道志村の村長を務めていたこともあるらしい
巨大な木製ペンギン像と特徴的な看板を過ぎると、すぐに「有限会社オム」の事務所に到着します。受付の際は会社の駐車場に停めさせてもらって、一見すると民家のような受付でキャンプの申し込みを行ないます。
チェックインは13時からで、チェックアウトは翌日12時まで。キャビンやログハウスなどの宿泊施設は11時チェックアウトとなっています。
バイクソロキャンプが格安!利用料金について
この日はバイクでソロハンモック泊だったので、オートキャンプ入場料700円、バイク駐車料300円、ハンモックは無料とのことでしたがタープを張るため1張り500円、合計で1500円でした。えっ、こんなに安くて良いんですか!?ファミリーキャンプ場ってもっと高いイメージだったので驚きです。
受付には各種レンタル品や、薪・炭などの販売品もあります。詳細は公式サイトで確認して下さい。私は薪一束を購入して400円、薪は針葉樹でよく燃える薪でした。
ネイチャーランドオムの多彩すぎるキャンプサイト紹介
受付で貰ったマップに各エリアの印象を追加
受付で初めての利用であることを伝えると、オムのお兄さん略してオム兄さんから「この道をグーっと上って行ったらキャンプ場があって、今日はココとココが埋まってるよ」と、サイトにしるしを付けたマップを貰いました。
ネイチャーランドオムは予約制ではありますが、サイト指定はできないので当日に空いているサイトを探して設営するスタイルとなっています。
野営・ソロ・ファミリーにおすすめのエリアについては、私がキャンプ場内を周って感じた個人的な感想となりますが、上に行けば行くほどトイレや炊事場が少なくなりサイトの広さも狭くなっていくので、子ども連れのファミリーキャンプなら手前側のサイトを選んだ方が良いでしょう。
公式サイトに色付きのフィールドガイドマップも掲載されているので、そちらも参考にしてみて下さい。
ファミリーキャンプにおすすめのエリア
すげの沢
まずはマップ下部に位置しているファミリーキャンプにおすすめの開けているサイトからご紹介します。上の写真は「すげの沢」という右端にあるエリアです。
こちらには「ホタル池」というホタルを育てている池があり、6月中旬~6月下旬はゲンジボタルが、7月上旬~8月上旬にはヘイケボタルが見られるそうです。キャンプでホタルを見られたら一生の思い出になるでしょうね。
唐松広場
こちらは「唐松広場」という場内の左側に位置しているエリアです。基本的に『広場』と名前がついているエリアは開けていて、グループキャンプやファミリーキャンプにおすすめだとオム兄さんが教えてくれました。
ちなみに、サイト指定予約では無いのに「今日はどこそこのエリアが埋まってるよ」とオム兄さんが把握しているのは、場内を頻繁に巡回しているからで、自然の中にありながらもしっかり管理されているのが伺えますね。
ふじみ台下広場
こちらの「ふじみ台下広場」はマップ外にある隠しエリアの1つ。面白いことに、ネイチャーランドオムは場内が広すぎて公式フィールドガイドマップに収まりきらない裏サイトがいくつか存在しています。
マップ左奥にあるこの広場は、建物の中にモンゴルのゲルのようなテントが格納されていました。もしかしたら子どもの自然体験などで使用するものかも知れません。
滝の沢
マップ中央にある白樺広場に付随している「滝の沢」というちょっと小振りなサイト。当日は白樺広場でグループキャンプが行なわれていたので撮影できませんでしたが、そちらはニジマス釣りのできる池まである、かなり広くて大きなサイトでした。
滝見平
こちらは「滝見平」というマップ下部にあるサイト。読んで字の如く、すぐ側に滝があり、小川の流れる音を聞きながらキャンプが楽しめる穴場サイトです。
メインサイトから隔離された位置にあるのでプライベート感が非常に強く、近くにトイレや炊事場も設置されていて利便性も抜群のため、人気の高いサイトであることが想像できます。
ソロキャンプにおすすめのエリア
続いてソロキャンプにおすすめのサイトをいくつかピックアップしてご紹介します。
紅葉台
この「紅葉台」は私がハンモック泊をしたサイトになります。受付から順路を真っすぐ進んだマップ右上に位置しているエリアで、ハンモックにちょうど良い木がサイト内に生えている場所でした。
写真左側に柵が設置されていて小さな公園のような雰囲気があり、自然のままの野生地といった感じではありませんが、炊事場やトイレが近くて利便性はかなり高いサイトだと思います。
事前に調べた「ハンモック泊ができるキャンプ場」という情報は間違いではなかったのですが、ハンモックにぴったりな間隔でちょうど良い太さの木が生えてるサイトは意外と少なかったので、ネイチャーランドオムでハンモック泊をしたい場合は長めのハンモックストラップを用意しておくと良いでしょう。
中沢台
「中沢台」は紅葉台の近くにあるサイトで、こちらもソロキャンプ寄りのサイトだと思います。広さはそこそこあるので3~4人のファミリーにも良いかもしれません。紅葉台と同じく炊事場やトイレが近くて利便性の高いサイト。
桧が丘
先ほどの紅葉台や中沢台と川を挟んで反対側にある「桧が丘」サイト。ネイチャーランドオムのテントフィールドは砂利が敷き詰められている場所が多かったです。バイクだと取り回しが大変なことが多いので、場内巡りをする際は転倒しないように気を付けて下さい。
欅通り
桧が丘のお隣にある「欅通り」のサイトは太い木に囲まれた林間サイトになっています。ここでもハンモックを張れると思いますが、幹が太すぎて私の持ってるハンモックストラップでは長さが足りずに諦めました。
写真ではハンモックが張り放題にも見えますが、実際に行ってみると木と木の間隔が詰まっていたり、逆に遠すぎて張れなかったりと、なかなかサイト選びが難しかった印象です。
ソロ用のテントを設営して一人キャンプを楽しむ分には十分な広さですね。
野営地エリア
ここから先は4WDやオフロードバイクでしか入っていけない野営地エリアのご紹介です。野営地エリアには炊事場やトイレが設置されておらず、荒れた山道を往復するかウォータータンクなどを自分で用意しないと楽しめないキャンプ上級者エリアとなっています。
すぎの森
マップ上部にある「すぎの森」エリアはこんな感じで、かろうじて平地が確認できるサイトがいくつも存在しています。サイトかな?と思ったら、きっとそこはテントサイト。
枯れ枝や倒木などを山の中から拾ってきてブッシュクラフトも楽しめそうです。私はお腹が弱いため、なるべくトイレが近くに無いと安心できないので諦めました。
手作りの橋を渡った先は「養老の森」という森林整備や野外活動をしているフィールドに繋がっているようです。
幻の一等地「富士見台」
ネイチャーランドオムの中でも一番のハナレにある「ふじみ台」は、富士山を眺めながらキャンプが楽しめる高台の一等地にあるサイト。なんとかバイクで登って行けましたが、途中ですべって何度かコケそうになりました。
急な山道を登った先に開けたエリアが出てくるのですが、キャンプ初日も翌日の撤収後も既に先客がいたので、こちらもかなりの人気サイトなんだろうと思われます。
もちろん水場もトイレもありません。そうした装備を整えた上で来ないと地獄を見ることになります。あと、雨の日とか翌日は山道が滑りまくりだと思うので覚悟してください。
真ん中ちょい左に富士山の白い頭、見える?
先客がいたので富士山を綺麗に眺める写真は撮れませんでしたが、サイト奥側は視界が開けていたので、もっとはっきりと眺められるんだと思います。
富士山を眺めながら、誰も来ない(私みたいな人間がたまに訪れる)完全プライベートなサイトでキャンプを楽しむには最高の場所ですね。日当たりも抜群に良いです。
トイレ・炊事場
野営地エリアを除いて、キャンプ場内には数か所にトイレが設置されており、どこも綺麗に管理されています。しかも洋式で温水便座付き。寒さの厳しい真冬だとお尻を出すのも辛いですが、便座が温かいと安心して用を足せますね。
炊事場もエリア毎に数カ所設置されています。私が見たところはすべてキンキンに冷えた水しか出ませんでした。めっっっちゃ冷たかったです。夜の歯磨きがつらかった。
ネイチャーランドオムでハンモック泊してみた
サイト紹介を駆け足で済ませたところで、最後にハンモック泊の様子を軽くご紹介します。今回のキャンプ装備は以下の記事で紹介していますので、良かったらそちらもどうぞ。
ネイチャーランドオムの紅葉台エリアはサイト内に良い感じの木が生えていて、ハンモック泊にぴったり!しかも、バイクソロキャンプだと利用料も安いので「かなり良いな!」というのが正直な感想です。
ただ唯一気になったのが、キャンプ場が山の斜面にあり東南西を山と森で囲まれているので、日が沈むのが早くて朝日が出るのも遅いのです。
オートキャンプであればチェックアウトは12時と余裕があるのですが、冬は9時ぐらいにならないと日が当たらないため、完全乾燥撤収は難しいかも知れません。
私が訪れた11月下旬には、サイトにもよるのでしょうが14時には日影に入ってしまい、16時ぐらいから薄っすらと暗くなりはじめていました。
夏は涼しくて良いと思いますが、太陽が恋しくなる秋~冬シーズンはしっかり防寒対策を整えていかないと凍える冬キャンプを過ごすことになると思います。
ネイチャーランドオムの注意事項
と、ここまで紹介してきて申し訳ないですが、ネイチャーランドオムは通年営業ではなく冬季休業になります。2021年、今期の営業は既に終了してます。うん、すまない。バーボンハウスへようこそ。
最後にネイチャーランドオムを利用するにあたり、気を付けておいた方が良いことをまとめておきますので、来シーズンからの参考にして下さい。
予約制だけどサイトは早い者勝ち
ネイチャーランドオムには多彩なエリアと特徴的なサイトがいっぱいあります。写真の川に掛かるデッキサイトはその最たる例ですが、遊び心に溢れたテントサイトは人気があり、予約制ではあるものの利用は早いもの勝ちとなっています。
公式サイトでは詳細が明らかにされていないアーリーチェックインのサービスもあるので、もし目的のサイトがあるなら、予約の際にオム兄さんまたはオム姉さんに聞いてみると良いかも知れません。
口コミだとGWや連休は混雑する予想
Googleの口コミや個人ブログで情報収集していると、ゴールデンウィークや夏休み期間の連休などはかなり混雑していることが分かります。
予約受付は4月上旬~7月末日までを3月1日から開始、8月1日~11月下旬までを6月1日から開始するので、土日祝日や連休の予約を取りたい場合は早めに取ってしまった方が良いでしょう。
シーズンオフの平日は前日予約でも余裕だったりするので、混雑を避けてキャンプしたい場合は平日を狙うと良いかも。
ゴミは灰も含めて持ち帰り
ゴミは持ち帰り、灰捨て場も設置されていないので火消し壺を用意しておくか、完全に鎮火していることを確認の上で、燃えるゴミと一緒に持ち帰って自宅で捨てるようにしましょう。
サイト内にはこのようなU字ブロックが設置しており、焚き火はここでするか、焚き火台が必須。直火は禁止されています。
キャンプ場の基本情報
住所 | 〒402-0208 山梨県南都留郡道志村5964 |
---|---|
電話番号 | 0554-52-2275 |
営業期間 | 4月上旬~11月下旬 不定休 ※2021年度の営業は12月13日で終了 |
チェックイン | 13:00~ |
チェックアウト | オートキャンプ ~12:00 宿泊施設 ~11:00 ※アーリーチェックイン、レイトチェックアウトは直接お問い合わせ下さい。 |
利用料金 | 入場料:大人700円 / 子供500円 / 幼児2名で500円 車:自家用車1100円 / キャンピングカー2100円 / バイク300円 テント:1人用500円 / 2~8人用1000円 タープ:1張り500円 |
ネイチャーランドオムはソロからファミリーまで楽しめる広大なエリアのキャンプ場だった
これまで道志みちを走るたびに気になってはいたものの、ネイチャーランドという名前から「子ども向けのキャンプ場かな」と勝手に想像して候補地から無意識に外していたのですが、実際に訪れてみたらこんなにも自然が溢れる環境だったことに驚きました。
残念ながら2021年の営業は既に終了してしまいましたが、2022年は3月19日(土)から営業開始予定ということが公式ブログで案内されています。もし興味を持たれた方は是非、来年のキャンプ場選びの候補地としてみてはいかがでしょうか。
ギア
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