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キャンプの食事は「死なない程度に食べる」が原則。安くて軽くて便利な食べ物とは

「あなたが今日食べたものを言ってみたまえ。あなたがどんな人か当ててみせよう」そう言ったのはフランスの美食者として知られるブリア・サヴァラン氏です。『美味礼讃』という著作で知られるサヴァラン氏にとって、食べると言う行為は単に生きるための手段ではなく、人間存在の根源に関わるものだったのでしょう。

私はどのような意味合いにおいても美食家ではありませんが、何を食べるか(あるいは食べないか)という選択はその人の人格を表すという点はサヴァラン氏に合意します。そして、キャンプという非日常においては、その関連性はさらに大きくなると考えています。なぜならキャンプでは、その日に食べるものを偶然に頼るわけにはいかないからです。冷蔵庫に食料をストックすることはできませんし、街を歩いて目についたレストランに入ることもできません。

キャンプと一口に言っても、車にアウトドアグッズを積み込んで家族や友人たち大勢でワイワイ楽しむオートキャンプもあれば、一人で自由を満喫するソロキャンプもあります。ソロキャンパーが何を食べるかを見れば、その人の人格や個性がより濃く投影されているとも言えるでしょう。

角谷剛

野田知佑氏の著作に影響を受けてアウトドアに目覚める。ひとり旅キャンプをこよなく愛し、自転車や徒歩やカヌーなど自力での移動が得意。クロスフィット、陸上長距離、野球と異なるスポーツのコーチを務めるかたわら、多くのスポーツ・アウトドア関連のウェブサイトに寄稿するライターでもある。

ソロキャンパーが食べ物を選ぶポイント

私にとって、キャンプ中の食事はあくまでもエネルギー補給が目的です。だから、味は2の次にして、死なない程度に食べる、が原則です。そんなのは嫌だ、食事には楽しみがないと耐えられないと言うソロキャンパーももちろんいるとは思いますが、私とは別のタイプの人間なのだなと思うことにします。

あるソロキャンパーの食事前

なぜそうなのかと改めて考えてみますと、私はキャンプでは焚火を眺めながらお酒を呑むのが何よりも大事で、食事そのものの優先順位が低いからなのだと思います。お酒のことはさておいても、アウトドアで色々と遊ぶのに忙しいキャンプ中は、できることなら食事の準備も後片付けもしたくありません。ましてやバックパック旅行やサイクリング旅行のときは荷物をなるべく軽くしたいものなので、かさばる食料や重い調理道具を持ち運ぶのは私にとっては論外です。

特にはっきりと意識しているわけではないのですが、私がキャンプに行くときは、以下のような優先順位で食べ物を選んでいるようです。

  1. 保存がきく(夏のキャンプではとくに重要)
  2. 料理の必要がない
  3. 食器が要らない
  4. 軽い
  5. 安い
  6. 後片付けをしなくてよい
  7. 食べた後でゴミにならない
  8. 腹持ちがする
  9. (最後に)美味い

アメリカのキャンプ場でよく見かけるMREとは

話が前後しますが、私は日本で生まれ育ちましたが、アメリカに長く住んでいます。大体、人生の半分を日本で、残り半分をアメリカで過ごしてきました。

日本でもアメリカでもよくキャンプをするのですが、アメリカのキャンプ場でよく見聞きする言葉に”MRE”というものがあります。Meal, Ready-to-Eatの略で「調理が不要でそのまま食べられる」という意味です。このMREを冠した商品がアウトドアの店でもキャンプ場の売店でもよく目につきます。

試しに「MRE」で検索してみてください。様々な種類の食べ物がありますが、どれも袋から取り出してそのまま食べることができるものばかりです。食べ終わったら、残るゴミはその袋だけです。

「MRE」のイメージ検索結果

MREは元々、軍隊の携帯食料によく使われている食べ物です。アメリカ人は子供の頃にボーイスカウトでアウトドアに出会ったという人が多いのですが、そのボーイスカウトは陸軍の影響が非常に強い組織です。そのようなわけで、アメリカ人はキャンプの食事と言えばMREを思い浮かべるみたいです。ソロキャンパーに限らず、大勢のグループでも、このMREを大量に持参して食べている人たちを、アメリカのキャンプ場では必ずと言ってよいほど目にします。

私が子供だった遠い遠い昔、キャンプでの食事ではカレーライスが王道でした。小学校の林間学校など、野外活動になると必ず飯盒炊爨でお米を炊いていたのを思い出します。現在もそうなのでしょうか。教育的効果はともかくとして、お米を研いで、炊いて、後片付けをする手間の多さはMREの対極にあるように思えてなりません。

ソロキャンパーにおすすめの食べ物

ただでさえ、1日に3回きちんと食事の用意をするのは簡単なことではありません。キッチンの設備に限りがある野外でとなると尚更です。慣れない道具で料理をして、食べた後には冷たい水で食器を洗い、ほっと一息ついたら、すぐに次の食事の時間がやってきます。料理の内容にこだわればこだわるほど、食料の買い出しにも費用と時間がかかります。気がつけば、キャンプ場で1日の大半を食事に関することに費やしてしまう羽目にもなりかねません。

それがキャンプの楽しみだ、という人の好みを否定はしません。だけど、せっかくのキャンプなのだから、思う存分遊びたい、アウトドアを楽しみたい、そんな風に思う人も多いでしょう。そのような人は、キャンプでの食事を簡略にするたびに、その分自由な時間が増えていきます。以下は私が同好の士におススメする食べ物ビッグ3です。

おすすめ食品1:ナッツ、トレイルミックス

袋に入ったナッツ詰め合わせ。お腹が空いたときに、必要な分だけポリポリ食べるのに最適です。食事は1日3回と決めつける必要はありません。

軽くて持ち歩きやすい上に、箸もフォークもお皿も要りません。食べ終わった後に残るのは袋だけ。捨てる場所がなければ、袋ぐらいなら持ち帰るのも苦にはなりません。

特にトレイルミックスはナッツとドライフルーツが何種類か混ぜ合わせてあって、長時間のアウトドア活動に必要な栄養エネルギーを補給してくれるのでおすすめです。私は昼間活動するときにはトレイルミックス、夜焚火を眺めながらビールを飲むときのおつまみには甘味のないカシューナッツを選ぶことが多いです。

おすすめ食品2:エネルギーバー

トレイルミックスと同じ特性を備えて、かつボリューム感があって、モノを食べたという満足感を与えてくれるのがエネルギーバーです。さらにたんぱく質、炭水化物、植物繊維、各種ビタミンやミネラルなどが含まれていて、栄養価的には満点です。コンビニでも買えるカロリーメイトでもいいですね。

エネルギーバーも製品ごとにカロリー量や栄養素の配分が異なります。栄養について興味がある人はパッケージで確認するとよいでしょう。炭水化物の割合が多いものは長時間の活動に向いていますし、タンパク質の割合が多いものは筋トレをする人のサプリメントとしても使われます。

エネルギーバーを選ぶときに1つだけ気を付けた方がいいのは、チョコレート風味のものは熱で溶けやすいことです。これらはパッケージを見るととても美味しそうなのですが、夏の暑い日にはバックパックの中でドロドロになってしまう、ってことがあります(経験済み)。

おすすめ食品3:ビーフジャーキー

ビーフジャーキーは元々が保存食なので、暑い夏でも安心です。ボリューム感があって、噛み応えがあって、しかも軽くて、ゴミにもなりません。最強のアウトドア食品です。

ビーフジャーキーさえあれば何も要らないと豪語するアウトドアのツワモノもいます。あえて難を言えば、塩分が非常に多いので、食べているうちに喉が渇くことでしょう。だからビールのつまみによく合うわけなのですが。

悪くはないけど、なるべくなら避けるべき食品

安くて手軽な食べ物と言えば、下のような食べ物が頭に浮かぶ人も多いでしょう。これらは私も普段自宅で食べる分には好物なのですが、ここに述べる理由でキャンプ中の食べ物としては除外します。

  • カップラーメン – お湯を沸かす道具が必要になる
  • インスタントラーメン – 上に同じ。さらに鍋を洗わないといけない
  • 缶詰 – 重いし、後で空き缶がゴミになる
  • バナナ – 夏は傷みやすいし、皮がゴミになる

とは言っても、これらが完全にNGというわけではなく、状況によってはキャンプに持っていきます。例えば、夏のキャンプでも初日分のバナナだけ持って行って、傷んでしまう前に食べることもよくあります。自分の好みに応じて臨機応変に行きましょう。そして食べ物にこだわらないことで得られる時間と自由を楽しんでください。

角谷剛

野田知佑氏の著作に影響を受けてアウトドアに目覚める。ひとり旅キャンプをこよなく愛し、自転車や徒歩やカヌーなど自力での移動が得意。クロスフィット、陸上長距離、野球と異なるスポーツのコーチを務めるかたわら、多くのスポーツ・アウトドア関連のウェブサイトに寄稿するライターでもある。

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