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【東京富士塚巡り】1日で江戸七富士を踏破して限界までご利益にあずかりたい

未来が見えない日々が続いています。こんな時だからこそ富士塚に登ってみました。

富士塚というのは言わばミニチュアの富士山で、これに登ると実際の富士山に登ったのと同じご利益があると言われています。その中でも特に有名なのが、東京にある「江戸七富士」です。

2020年7月1日「お山開き」の日に一気に巡って、限界までご利益にあずかってみます。

前田とまき

「アーバンアルピニスト」を名乗り、日々都内でなるべく登らない山登りを研究中。江戸七富士完全登頂経験者。写真と散歩が趣味。

お山開きに江戸七富士をすべて巡ってみた

小野照崎神社のお山開き

さて、江戸七富士連続登山のスタートです。実はこの前にも地元の富士塚に登って、この日の登山の成功を祈って願掛けをしてきました。

毎年、7月1日「お山開き」の富士塚登山は私の中で恒例行事だったのですが、今年はしばらく外出ができない状況だったこともあり、いつも以上にワクワクしてます。

しかも1日に江戸七富士の全てに訪れるのは初めてのチャレンジ。事前にルートの確認と移動時間も計算し、準備もばっちりです。

小野照崎神社「下谷坂本富士」

小野照崎神社の入り口立派な茅の輪がありました

まず江戸七富士最初の山は、小野照崎神社の「下谷坂本富士」です。

毎年7月1日は、その年の登山・入山を解禁する「お山開き」の日として、都内の富士塚でも特別にこの日だけ一般公開しているところがあります。

この小野照崎神社の下谷坂本富士もそのひとつ。こちらの富士塚は、普段は人が立ち入ることができませんが、6月30日と7月1日の二日間だけ登ることができます。

下谷坂本富士高さ約5メートルの下谷坂本富士。2,3分で登れます。

この富士塚は、富士講の一派である入谷東(山東)講によって、文政11年(1828年)に造られました。高さは約5メートル、直径16メートルほどあり、全体が富士山の溶岩が冷えて固まった「黒ボク石」で覆われています。

国の重要有形民俗文化財に指定されています。

小野照崎神社のお山開き御朱印

富士塚巡りの楽しみの一つが、御朱印。小野照崎神社では月替わりの御朱印などもあり人気です。2020年はコロナ禍の影響もあり、御朱印帳に直接書くのではなく事前に書置きしたものを提供するという方式でした。

七夕限定御朱印が小さなクリアフォルダも付いて初穂料800円。お山開き限定のものが初穂料500円でしたので、その二つをいただきました。

下谷坂本富士のある小野照崎神社までは、東京メトロ日比谷線の入谷駅から徒歩4分。午前10時半頃に到着して、茅の輪をくぐって神社にお参りし、富士塚に登ったり御朱印帳をいただいたり、30分ほど滞在しました。

次は、江古田へ向かいます。

茅原浅間神社「江古田富士」

浅間神社の富士塚江古田の茅原浅間神社の裏手に富士塚があります

二つ目の富士塚は、ここも登るのがレアな場所。通常は閉鎖されていて一般の人が登ることはできないのですが、年に三回だけ特別に一般公開しています。7月1日のお山開きの日も貴重な登拝のチャンス。このために、この日に江戸七富士チャレンジをしています。

先ほどの小野照崎神社からJR山手線の鶯谷駅まで徒歩10分、池袋駅で西武池袋線に乗り換え、江古田駅へ。北口の階段を降りると、すぐ目の前が江古田富士のある茅原浅間神社です。

江古田富士は天保10年(1839年)に造られ、関東大震災で損壊しましたがその後復旧。国指定文化財となっています。

江古田富士

江古田富士は年に3回、正月三が日と、山開きの7月1日、そして浅間神社例大祭が行われる9月の第二土曜・日曜のみ、登拝することができます。

江古田富士の山頂

江古田富士の頂上にある鳥居と奥宮。富士塚の頂上には、一般的にこのような祠が建てられていることが多いです。本物の富士山の山頂にある浅間神社奥宮を模して作られています。

茅原浅間神社の御朱印浅間神社の御朱印

初穂料300円で御朱印の書置きをいただきました。ご利益が集まっているのを感じます。

ここからは徒歩で次の目的地である豊島区の高松へと向かいます。

高松富士浅間神社「高松富士」

富士浅間神社境内児童遊園入口

高松富士はちょっと変わった場所にあります。ここは児童公園の奥に神社がある形なので入り口がちょっと分かりづらいんですよね。公園に向かって進んでいくと、そこに隣接する形で富士塚があります。

ここも年に1回だけ、7月上旬の二日間しか登ることができない貴重な富士塚です。

江古田富士から高松富士までは徒歩で約30分ほど。電車やバスを使って来ることもできるのですが、時間的にそんなに変わらないので歩いて来ました。

公園から見た高松富士・豊島長崎の富士塚奥に見えるのが高松富士

残念ながら2020年は新型コロナの影響により、一般公開は中止になってしまいました。なので今回は登頂せずに下からの見学のみ。

高松富士・豊島長崎の富士塚入口重要有形民俗文化財に指定されています

富士講の一派である月三講(椎名町元講)によって、文久2年(1862年)に造られたこの富士塚。高さ約8メートル、直径約21メートルあります。「豊島長崎の富士塚」として重要有形民俗文化財に指定されています。

事前に登れないことは調査済みでしたが、やっぱり登れないのはがっかりですね。2020年はこの山には登ることはできないと思います。2018年から毎年、江戸七富士は全て登頂してきたのでちょっと残念ですが、仕方ないですね。

13時頃に到着し、周囲を散策しながら写真撮影。20分程度滞在した後に、次の目的地である護国寺を目指します。

護国寺「音羽富士」

護国寺参道護国寺へ続く石段の手前を右に曲がると音羽富士があります

4つ目の富士塚は音羽富士です。ここは他の富士塚と異なるところがひとつあります。分かりますか?

実は、この富士塚はお寺の敷地内にあるのです。江戸七富士の中でも、お寺の中にある富士塚はここだけです。正確には「お寺の中に神社がある」という形ですね。

高松富士(豊島長崎の富士塚)からの行き方は、千川駅から東京メトロ有楽町線に乗り、護国寺駅で下車。1番口から地上に出ると目の前に護国寺が見えます。

音羽富士の看板

護国寺に向かう石段の手前右側に、音羽富士に続く道があります。

音羽富士入口

こちらが富士塚の入口。手前の石碑に「冨士道」と書いてあるのが読めます。

音羽富士

さまざまな石碑が立ち並ぶ、富士塚。頂上はすぐそこです。

音羽富士の頂上

山頂にある富士浅間神社の奥宮は、平成元年に再興されたものです。この富士塚は、お山開きの日以外でもいつでも登ることができます。

この時期に来ると、いつもここで蚊に刺されるんですよね。この日はきちんと虫よけスプレーをしてきたんですけど、やっぱり刺されました。どうやらまだご利益が足りないようです。

ここまで4つの富士に登り、残りはあと3つ。続いては十条へと向かいます。

十条冨士神社「十条富士」

十条の街十条駅から十条冨士への向かう道

護国寺から東京メトロ有楽町線に乗り、池袋駅でJR埼京線に乗り換え、十条駅にやってまいりました。毎年この街は7月1日に訪れています。なぜなら、この日にいつも「お富士さん」のお祭りがあるから。

十条冨士神社の周辺には屋台がたくさん出て、お祭りを楽しむ人が集まります。けれど今年はちょっと様子が違います。

十条富士の看板十条富士は北区の有形民俗文化財に指定

残念ながら2020年は新型コロナの影響で祭りが中止になってしまいました。事前にその情報もリサーチ済みなのですが、やっぱり寂しいですね。

十条富士の入口もうすぐ整備工事が始まる十条富士

十条富士は造りがちょっと特殊で、通常は山肌の登山コースをぐるりと回って登るのですが、ここは石段で一直線で山頂まで登ることができます。

お祭りがある日は、ここで御朱印の頒布や護摩木のお焚き上げを行うこともできます。

マーキングされた石移設のためにマーキングされた石

実は、十条冨士はもうすぐ建て替えになります。なので今の状態の富士塚が見られるのも、あと残りわずかの期間。いったん山を取り除いた後、少し形を変えて復旧・造園する予定です。

十条富士の改築予定整備手順イメージ

工事の段取りについて張り紙で説明がありました。令和3年の大祭は仮宮で行い、令和4年より再整備した富士塚で行う予定とのこと。工事の前に見ることができて良かったです。

14時半頃に十条冨士に到着し、階段を上って山頂でお参り。あたりをぐるっと回って一通り写真を撮った後、次の目的地である千駄ヶ谷へと向かいます。

鳩森八幡神社「千駄ヶ谷富士」

千駄ヶ谷富士の頂上から千駄ヶ谷富士の頂上から眺める鳩森八幡神社

十条駅から再びJR埼京線に乗り、新宿駅でJR総武線に乗り換え、千駄ヶ谷駅へ。目的地の鳩森八幡神社に到着したのは15時40分頃です。

ここの千駄ヶ谷富士は、寛政元年(1789年)に造られたもの。年間を通していつでも登ることができます。なので「富士塚に登りたいな」と思ったら、いつでもここに来れば登ることができます。

ここは富士塚ならではの造りや特徴も兼ね備えていて、これから富士塚登山を始めたい方にもぴったりの場所です。

登り始めてすぐ、向かって左手にあるのが里宮。登っていく途中に身祿様の像や烏帽子岩などがあります。そして頂上には奥宮もあり「これぞ富士塚」といった佇まいです。

千駄ヶ谷富士千駄ヶ谷富士

今回、しばらくぶりに来てみたら、いつの間にか立て看板なども建てられていて、登山コースも分かりやすくなっていました。

千駄ヶ谷富士の御朱印千駄ヶ谷富士登拝記念の御朱印

千駄ヶ谷富士登拝記念の御朱印をいただきました。初穂料は300円。書置きではなく、きちんと御朱印帳に書いていただきました。

この時にいただいたこの神饌。中には雑穀米が入っていました!夏詣をPRするためのものらしいですね。実は冒頭の小野照崎神社でも同じものをいただきました。

さて、次でいよいよ江戸七富士のラスト!品川へと向かいます。

品川神社「品川富士」

品川神社の鳥居品川神社の大鳥居

午前中から歩き始めて、JRと東京メトロの一日乗り放題切符なども駆使しつつ、都内をあちこち行ったり来たりしながらいくつもの富士塚に登ってきましたが、いよいよラストです。

歩数計はもうすぐ2万歩に到達しそうな勢い。足腰にご利益が溜まってきているのを感じます。江戸七富士の最後は、品川神社の品川富士です。

品川富士品川富士

千駄ヶ谷富士からはJRで代々木駅で乗り換え、品川駅に到着。そこから京急線に乗れば新馬場駅からすぐ近くなのですが、今回はのんびり品川駅から歩くことにしました。徒歩で17、8分程度。ちょっと寄り道しつつ、東海道品川宿の雰囲気も味わいつつ、品川神社へと到着。

品川富士の登山道登山道の入口

実は、僕が富士塚と出会うきっかけになったのが、この品川富士なのです。

以前、子供たちと一緒にこの辺りを街歩きをする企画で、偶然この富士塚の存在を知りました。「都内に富士山があるなんて、面白いなぁ」と思って調べていったら、実は都内のあちこちに現存するってことを知りました。

自分が住んでいる家の近所にもあったのですが、それまで全く気付いていませんでした。ふと何かに興味を持って調べていくと、世の中がまったく変わって見えてくるといったような。そんな衝撃でした。

それまでにも「登らない山登り」というテーマで、モノレールを使った飛鳥山登山や、エレベータで愛宕山に登ったり、代官山から西郷山公園を登山ルートとしてほぼ平地を歩いたりなど、個人的な企画をやっていましたが、富士塚と出会ってから「アーバンアルピニスト」としての趣味の活動を本格的にやるようになったのです。

2018年からは毎年必ず江戸七富士を訪れるようになり、他にも東京近郊の富士塚にも立ち寄るようになりました。面白いですよ、富士塚登山。

品川富士頂上から見る京急線頂上から京急線が見えます

この品川富士はたまたま職場からも近いので、江戸七富士の中では一番多く登っています。頂上から道路や街を見渡すことができます。

仕事帰りにちょっと寄り道して、富士登山。あるいは、ちょっと早起きして朝活で富士登山など。楽しいうえに本物の富士山に登ったのと同じご利益がありますからね。

品川富士の頂上にて著者近影品川富士の頂上にて著者近影

品川神社に着いたのが17時ちょっと過ぎ頃。ここでも30分くらいかけて写真を撮ったりしながら、品川富士を登頂してブラブラしました。

朝の10時頃からずっと動き回ってたので、さすがに疲れましたが、良い運動になりました。最近ずっと外出自粛の生活が続いていたので、富士塚に登るのもかなり久しぶりで。楽しかったですよ。

江戸七富士を巡る旅、皆さんもぜひ。

まとめ

1日で江戸七富士を巡る旅。今回、初めてやってみたのですが意外と回れるものなんだなぁ、と。7つの富士塚のうち全て訪れることができ、そのうち6山は頂上に登ことができました。

残念ながら高松富士のみ今年は一般公開が中止だったので登ることはできませんでしたが、下谷坂本富士や江古田富士など普段は登ることができない山にも登ることができて満足です。

富士塚から賜ったご利益で、明るい未来になる事を願っています。

江戸七富士一覧

以下、今回訪れた江戸七富士のリストです。

  1. 下谷坂本富士(小野照崎神社)
  2. 江古田富士(茅原浅間神社)
  3. 高松富士・豊島長崎の富士塚(高松富士浅間神社)
  4. 音羽富士(護国寺)
  5. 十条富士(十条冨士神社)
  6. 千駄ヶ谷富士(鳩森八幡神社)
  7. 品川富士(品川神社)

東京近郊の富士塚登山に興味ある方、ぜひチャレンジしてみてください。

前田とまき

「アーバンアルピニスト」を名乗り、日々都内でなるべく登らない山登りを研究中。江戸七富士完全登頂経験者。写真と散歩が趣味。

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