…とある日。
朝ゆっくり起きて、これから始まる海外旅行に向けた最終準備。気温も落ちてきた夕方頃、成田空港で出国審査を終え、午後6時10分発ユナイテッド142便に搭乗。
フライト時間はたっぷり10時間半。飛行機の中でお気に入りの小説や映画を見ながら過ごす。ちょうど体内時計が夜なのでよく眠れそう。
同日(時差の関係で。体感的には翌日の)午後1時30分頃にコロラド州デンバーに到着。米国入国審査を経て、国内線ターミナルへ。ユナイテッド4680便に乗り継ぎ、アリゾナ州のフラッグスタッフに午後7時44分到着。その日はフラッグスタッフのホテルに一泊。
翌日、ホテルのシャトルバスで空港へ戻り、午後1時のバスに乗りこみ午後2時45分に目的地「グランドキャニオン国立公園」内のロッジ前で下車。
そこから公園内の無料シャトルバスでビジターセンターへ行き、公園内の地図とハイキング・トレイルやシャトルバス等の最新情報が載っているガイドを入手。
そしてキャンプ場へ移動してチェックイン。自分のサイト番号とキャンプ場内の地図や規則の紙をもらって、さあ、いざ、グランドキャニオンでのキャンプがスタートです。
ここでは、実は日本から片道1日半で行けるグランドキャニオン国立公園の魅力や、日本からのルート、キャンプの参加方法などをお教えしますので、是非あなたも一緒にグランドキャニオンでキャンプをしてみませんか?
目次
グランドキャニオン国立公園の魅力
グランドキャニオンは、アメリカのユタ州とアリゾナ州にまたがるナショナルパーク(国立公園)です。
アメリカの最も誇れるものの一つが、この国の国立公園システムだと言っても過言ではないと思っています。無限とも感じられるほどの広大な大自然を、きちんとストイックに管理して守っている姿勢に、尊敬の念を抱くのは私だけではないはずです。
人の手を入れる部分を最小限にして、多少の危険があろうと自己責任で大自然を実感して下さい、という姿勢です。柵だの立て看板だのはミニマムです。
けれども、管理は非常にきっちりされていて、訪問者が捨てたゴミなど見当たりません。
警備の車も定期的に回っています。警備会社の車ではありません、「アメリカ政府」の警察車ですから、迫力を感じます。これは、キャンプをしている時の安心感に繋がります。
閉園時間を過ぎたら、絶対に無断で不審車や人が入って来ないんだなという安心感が持てます。経験はありませんが、万が一ケガをしても、しっかり救助してくれると思います。
ここでのキャンプはとにかく最高です。大自然に抱かれます。是非、体験して下さい。人生観が変わります。
グランドキャニオンでの3つのキャンプスタイル
テントや寝袋を日本から運んで行く方法
最近はテントも寝袋もマットもどんどん軽量化していて、日本製の高品質で優秀な道具を持参されることもお勧めします。速乾性の衣類も薄くて軽いし、荷物を小さくまとめる事が可能になって来ました。
道具の優秀さは、日々の快適さに繋がりますので、安いけど重い、なんていう物はやめましょう。キャンプ場の宿泊費は驚く程安いですから、道具にお金をかけてもお釣りがくるイメージです。睡眠の質は、日中のエネルギーの量と比例するとも言えますよね。
衣類は、経済的なUNIQLOの速乾性のものと、軽量ダウンでOKですし、ズボンは通気性がよいだけでなく、ハイキングに備えて膝の部分がないか、その部分の伸縮性が高いものを。
軽くて機能的なバックパックとダッフルバッグを用意して下さい。パックは実際に背負ってみて、自分の体型に合わせて買って下さい。腰紐があるべき所に来て、重さを腰で支えられる長さのパックを選びます。
交通手段は、日本からアリゾナ州のフラッグスタッフに飛び、そこからバスに乗るかレンタカーを借ります。又はアリゾナ州のフェニックスに飛び、そこからレンタカーを借ります。
美味しいキャンプ料理は、日本でのお楽しみにして下さい。その為のお道具は重くなりますからね。アメリカ人は、歴史的に見ても食事の優先順位が低く、ビジュアル(視界)の方を大事にしているように思われます。キャンプ料理もシンプルです。感動でお腹が一杯になり、精神的な満足感が得られる、とも言えますので、お料理に時間をかけないプランで荷物のパッキングをして下さいね。
アメリカのツアー会社のキャンプツアーに参加する方法
テントとマットは貸してくれます。お料理もしてくれます。寝袋も貸してはくれますが、気持ちのいい寝袋を持参された方が、快適度が上がると思います。
朝は淹れたてのコーヒーを用意してくれ、ランチは朝ご飯の後に、セルフサービスのテーブルから選んで、サンドイッチを作って持って行きます。夕方に戻ると、ビールを片手にお喋りしている間にお料理を作ってくれます。メキシカンだったりパスタだったりです。キャンプファイヤーも作ってくれ、サンセットが美しく見える場所も教えてくれます。
私が参加した時は、テントの中から昇る朝陽が見えた事にも感動しました。そこはシャワーもトイレもないキャンプ場(ノースリム側)で、故田部井淳子さんがよく著書で書いていらっしゃったような絶景のトイレ、を経験できました。もちろん慣れるまでちょっと時間がかかりますけれど、それは眼前にグランドキャニオンを見下ろしながら、のお手洗いでした。
大きいバンに荷物を積み上げて運んでくれるので、ダッフルバッグを持って来て下さい。硬いスーツケースは禁止の事もあります。キャンプ場は途中で移動して、2カ所にステイする事もあります。
交通手段は、ノースリムのツアーの場合、日本からラスベガスに飛び、そこからバスに乗るかレンタカーを借ります。
国立公園内のRV用キャンプ場に泊まる方法
キャンピングカー(アメリカではRVと言います)をレンタルして、国立公園内のRV用キャンプ場に泊まればテントも寝袋も必要ありません。$100位で調理器具等のセットも用意してくれます。
テントよりも、天候に影響されずに眠れますね。
ただ、自力でRVの操作をしないといけないので、電気系統、料理やシャワー、トイレ等、面倒かも知れません。RVレンタルの場所が限られている事もあり、長距離の運転が疲れるかも知れません。レンタル費用は、ホテル泊と同じくらい、プラスガソリン代です。
あなたはどのスタイルが好みですか?さあ、ではもっと具体的にプランしてみましょう!
今回は、マイキャンプグッズを持っていくスタイルでプランします!
グランドキャニオン国立公園へ出発する前の準備
キャンプ場の予約
まず、キャンプ場の予約をします。
オンライン予約が可能です。初めての方におススメは、サウスリム側にある、Matherキャンプグランドです。一泊$18で、テント3つ、6人、車2台まで泊まれます。
予約ウェブサイトはhttps://www.recreation.govです。
一年中オープンしていますが、予約可能なのは3月から11月末迄です。もちろん夏場は世界中からの訪問者で混雑しますので早めの予約が必要ですね。6か月前から予約可能です。
各キャンプサイトにファイヤー・リングとグリルがあり、料理やキャンプファイヤーが出来ます。ベンチ付きのピクニックテーブルもあります。薪木は園内の売店で買えます。
ご参考までに、予約を受け付けない「先着順」のキャンプ場もあります。
これもサウスリム側にある、4月中旬から10月中旬迄だけオープンしているDesertViewキャンプグランドです。50サイトあり、毎日午後12時にはいっぱいになるそうです。
朝から列に並んで、空いたサイトの数だけ入れます。(この方法は混雑具合によって日々変わるので、確認が必要です。キャンプ場内を回って、出る日を書いた札を見ながら、「本当に出る?」と本人に確認して、出るのを待つ場合もあります。他の国立公園ですが「やっぱり出ない、気が変わった。」と言って、追加のお金を払いに行ったおばさんに遭遇した事もありました。)
一泊$12で、トイレはありますが、シャワーはなく、Matherキャンプ場のシャワーを利用可能です。自分で自動券売機みたいなものでクレジットカードで払います。前払いですが、場所を確保できたら最長7泊まで居座れます。サイトを変えれば合計14泊まで大丈夫なはずです。
キャンプ場の予約がない人が公園内に野宿するのは禁止ですので、やはり予約して行く方が安心ですし、このキャンプ場は位置的にちょっと離れた場所にあり、レンタカーが必要です。けれど、その為、喧騒から逃れて静かに過ごせるようです。
航空券の予約
さて、次に航空券を予約しましょう。
航空券は、最も乗継ぎの少ない方法を選ぶと、コロラド州のデンバー経由でフラッグスタッフへ飛びます。もしもユナイテッド航空のマイルをお持ちでしたら、7万マイルプラス手数料$62で取れます。スターアライアンスのマイルも利用できるはずですね。
フラッグスタッフから公園までのバスの予約
フラッグスタッフから公園までのバスも予約して下さい。
バスの予約ウェブサイトは、https://groometransportation.com/です。
片道34ドルで、約1時間45分で公園内のロッジに着きます。
又は、レンタカーの予約をして下さい。
国立公園の入場料(7日間)は、車なら一台(同乗者全員)$35、バスや徒歩で入る場合は16歳以上の方1人$20です。8日以上滞在される方は、記名式のグランドキャニオン限定パスが1年間$70(車一台の同乗者か家族全員)、記名式の全米国立公園すべてに入れる年間パスは、$80(車一台か4人まで)というのもあります。
グランドキャニオンでキャンプをしよう!
グランドキャニオンでテントを設営したら、さあ、これから自由に大自然と遊んで下さい!
日の出とサンセットは必ず見て下さいね。光が岩肌に徐々にさしていくサンライズは、毎日見たいくらいです。
公園内のシャトルバスは24時間走っています。
一番オススメのハイキングトレイルは、リムを下って行くブライト・エンジェル・トレイルです。
キャンプ料理に疲れたら、ロッジのステーキハウスやレストラン、カフェで寛ぐのも、アイデアかも知れませんね。
そして、もう一つ面白い「キャンプ」のオプションをご紹介します。
バックカントリー・キャンプと言って、大勢が泊まっているキャンプ場ではなく、奥地でポツンとキャンプをするシステムです。これは各地の国立公園共通のオプションです。
バックカントリー・オフィスに行って、場所を聞いて予約してから行きます。これは予約ができますが、オンラインではなく本人が行く必要があります。早目にオフィスに出向いて、滞在中の空いているサイトを押さえるといいですね。自分が既に支払ったMatherキャンプグランドのお金は返してくれるはずです。
キャンプサイトによっては、車が入れなかったり、水がなかったりしますが、人里離れた場所で寝起きし、雄大な夕陽や朝陽の光を浴びる経験は、心の中の何かを呼び覚ましてくれるかも知れません。色々な小さい問題が心から消えていくかも知れません。
ツアーに参加する方法と、RVをレンタルする方法は、次の機会に詳しくお知らせいたしますね。
グランドキャニオンまでの裏ルート
航空券を具体的に調べてみて見つけた点をお知らせします。
成田から飛んでデンバー着が午後1時35分、乗継便のデンバー発が午後6時50分と乗継ぎ時間が5時間以上と長い為、①デンバーで一泊して翌朝午前9時45分の便でフラッグスタッフに飛ぶか、②とにかくフラッグスタッフまで飛んで、フラッグスタッフで一泊して翌日のバスで公園に向かうか、という方法が考えられました。
フラッグスタッフには、ヒルトン・ガーデンインや、ヒルトン・ダブルツリーがあり、空港送迎のシャトルバスが運行しています。
しかしデンバーは空港の規模が大きいので、もっと沢山ホテルがあるはずです。
また、レンタカーをされる場合、アリゾナ州のフェニックスからの運転時間は約3時間半です。ご存知と思いますが、暗くなってから自分のサイトを見つけ出してテントを張るのは、あまり良い策とは言えません。チェックインは午後12時です。なるべく明るい時間に着くようにして下さいね。
グランドキャニオンであなたが来るのをお待ちしています!
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