おとうさん
北海道に3ヵ所しかない幻の鳴き砂を体験しにイタンキ浜に行ってきました

北海道に3ヵ所しかない幻の鳴き砂を体験しにイタンキ浜に行ってきました

スキーはしないし、冬キャンプデビューの予定もない我が家。雪の降る前にひと遊びできることはないかと調べていると、自宅からそう離れていない北海道室蘭市の『イタンキ浜』は音が鳴る砂浜だということを発見。

「音が鳴る砂浜…?なんだそれは?」と俄然興味がわき、天気の良い日を見計らって出かけてみました。音の鳴る砂浜とはどういったものなのか、本当に砂は鳴るのか?

それから近くにある無料キャンプ場「だんパラ公園キャンプ場」にも行ってきました。道南地方では数少ない無料のキャンプ場はいったいどのような施設なのか、キャンプはしませんでしたが覗いてきましたのでご紹介します。

鳴き砂って何?ひみつを探る

室蘭市イタンキ浜

「砂がなる…サラサラ?それは擬音語か…どういうことだ?」と室蘭市のホームページを見てみると、その昔、北海道の先住民であるアイヌはこの砂浜を「ハワノタ(声のする砂浜)」「フムシオタ(音のする砂浜)」と呼んできたそうです。

そこで昭和61年(1986年)9月にイタンキ周辺を調査したところ、日本でも有数の鳴り砂であることが発見されました。

どうやら砂が”鳴る”ようです。いえ鳴き砂だから”鳴く”のでしょうか?どういうことなのでしょう?もうすこし仕組みを調べてみました。

砂が鳴く仕組み

サラサラの砂

鳴き砂ってどういう仕組みで鳴くんだろう?と思い、少し調べてみました。

その昔、近隣の火山で発生した火山灰(石英)が川を下って太平洋に流れ、やがてイタンキ浜にやってきたそうです。その石英が「きれい」で「程よく丸み」があり「揃って」いることが必要でイタンキ浜はこの条件を満たしています。

さらに、これらが揃っていることが前提として「砂と砂が触れ合って鳴る」という考えと「砂の中の空気が砂の振動で起こる共鳴音で鳴る」という2つの仮説があり、その秘密はまだ正確には分かっていないようです。

どうやら”理由”は分かっているけれど、砂が鳴く”仕組み”までは解明されていないようです。まさに自然が作り出した神秘のスポットですね。

綺麗な砂浜はボランティアのちからで

はじめの条件「きれいな海」ですが、私たちの行った前日は少し波が高かったようで流木こそありましたが、まさにゴミ一つ無い綺麗な砂浜でした。

これは「室蘭イタンキ浜鳴き砂を守る会」というボランティア団体が夏季に毎月清掃を行うほか、一般市民も参加しての清掃が定期的に行われているようです。

夏の暑い日には飲み物を持って行く方も多いでしょう。空になったペットボトルはもちろんのこと、飲み残しを捨てるのも厳禁です。タバコの灰だけでも影響があるそうです。わずかな汚染でも影響があり、環境汚染のバロメーターとも言えるそうなので、いつまでも鳴き砂を楽しむために、みんなで協力しましょう。

実際にイタンキ浜に行ってみた

室蘭市の工場群

イタンキ浜に向かう道中、右手には工場群がありました。「こんなところに海があるのだろうか?」と思いながら車を走らせると、左手に東西にのびる綺麗な海が海が見えました。

室蘭市は大きな工場と自然が共生している街だと事前にホームページで見ましたが、まさか隣り合わせであるとは思いませんでした。

市街地からほど近い場所にこのような景勝地があるとは、北海道の底力を見せつけられた感があります。

「日本の渚百選」でも遊泳禁止です

イタンキ浜は日本の渚百選にも選ばれたキレイな海です。長さは約1.7㎞。東側にはイタンキ漁港、西側には景勝地「トッカリショ」があります。

サーフィンが盛んに行われていて大会が開かれることもあります。この日も何人かサーファーが来ていました。

かつては海水浴ができましたが、波が高く引き潮が強いため痛ましい死亡事故もあったそうで、2017年から遊泳禁止になりました。

先述した通り、ボランティア団体及び市民の方々により非常にきれいに保たれている浜です。バーベキューや、キャンプも厳禁です。夏には花火をしたいと思うかもしれませんが、燃えた後の花火はもちろん、わずかな灰でもダメージを与えるので絶対におやめください。

水道がありますが、あくまでも足に付いた砂を落とすためで、食器を洗う、まして残飯を捨てるといった行為はもっての外です。

札幌からは「登別室蘭IC」で降りると便利

車の場合は道央自動車道登別室蘭インターから約15分。国道36号線を室蘭方面に走り、室蘭栄高裏手のトンネルをくぐったらすぐ左にオートバックスが見えるので、その交差点を左折。写真の看板を目印に右折すると突き当りがイタンキ浜です。

地元の人たちやサーファーさんが路上駐車していますが、すぐ近くに無料駐車場があるのでそちらを利用しましょう。

徒歩・バスでのアクセス方法

徒歩の場合は、高速白鳥号道南バスターミナルで下車。すぐ近くにある室蘭市立海陽小学校のグラウンド沿いを行くと同じくオートバックスが見えるので、上記の看板を右に曲がります。角にバイク屋さんがあるのでそれが目印です。バスターミナルから約30分ほどです。

意識すると鳴かない ~人生の如く~

駐車場に車を止めて少し歩くと、砂浜入口に写真の看板がありました。

ここの看板にも書かれていますが、僅かな、もしかしたら”これくらい”というものでも鳴き砂はダメになるそうです。飲み物、たばこの灰もダメです。砂を持ち帰るのもいけませんと書かれていました。

「ここからが鳴き砂か」と下りてみました。「きれいな海だね」なんて話しながら歩いていると…

「キュッキュッキュ」と音がします。

「ん?いま音なった?」と思い、確認しようと足で擦ってみますが、鳴りません。気のせいかと思い、もう少し奥までいかないとダメなんだろうと歩いていると、また「キュッキュッ」と鳴ります。

「やっぱりここだ!」うれしくて砂浜を蹴りますが、何度やっても鳴りません。

なにかコツがあるのだろうと、かかとで蹴ったり、つま先を打ち込んだりしますが、どうにもうまくいかないのです。手に砂を取ってこすり合わせてもダメでした。

場所が悪いのかと移動しようとした矢先にまた鳴って「だめだこりゃ」とみんなで笑い、あとは綺麗な海と、断崖絶壁の縞模様を楽しみながらお散歩することにしました。

足元ではずっと砂が可愛い音で鳴いていました。

くやしいので最後にもう一度挑戦しましたが、ダメでした。まるで人生かの如く、気楽に、肩の力を抜いた時に幸運が訪れるのでは?

鳴きやすい場所があるらしい

どうやらどこでも簡単に”鳴く”わけではなく、鳴きやすい場所があるようです。

きれいな砂というのが必須条件なので、波打ち際の黒くなったところから白っぽくなった境目が”鳴きやすい”みたいです。逆にあまり波打ち際から離れていると、埃など不純物の影響が出てきて鳴きにくいみたいです。

それから東側の漁港寄りよりも、西側のトッカリショに近いほうが鳴りやすいようです。

室蘭岳山麓総合公園(だんぱら公園キャンプ場)にも行ってきた

室蘭岳山麓総合公園、通称「だんパラ」にも行ってきました。ここは室蘭岳の中腹にある家族で楽しめる総合公園です。

イタンキ浜からのアクセス

道南バスを利用して養護学校前までバスで行き、そこからタクシーという方法もありますが、あまり通行量の多い道路ではないためフリーで捕まえるのは難しく、配車をお願いするしかタクシーに乗る手段がありません。マイカーまたはレンタカー利用が前提の施設のようです。

先ほどのオートバックスまで戻り、国道37号線を中嶋町へ行き、スーパーアークスを目指します。そこから八丁平へ抜け望洋台霊園へ。すると写真の看板が見えるので右折します。

途中で望洋台霊園の看板が見えますが、そのまま通り過ぎて2分ほど行くと、左手に駐車場が現れます。無料駐車場で、130台停められます。

室蘭ICを利用すると便利

帰り道は、来た時の登別室蘭インターではなく、室蘭インターを利用すると便利です。車で約10分。駐車場を出て道道107号を右折して道なりに進むと、右手に室蘭ICがあります。

キャンプ場営業は5月~10月末まで。冬はスキー場に

駐車場を挟んで山側にだんぱらキャンプ場、ふもと側に広場がありました。キャンプ場の利用期間は5月から10月末までですが、広場は芝生維持のため少し早く閉鎖されるようです。入口にロープが張ってありました。

広場はサッカーがフルコートでできそうな芝生と、小さなお子さんが走り回って遊ぶには最適な大きな遊具がありました。室蘭市のホームページをみるとこの公園には、斜面を活かしたローラー滑り台(お尻の振動がたまりません笑)があるそうで、童心がくすぐられ、高校生の息子とやってみたいねと春のリベンジを誓いました。

冬にはスキー場が開設され、市民に親しまれているようです。

無料のだんぱら公園キャンプ場が併設

広場から駐車場を挟んで山側に「だんパラ公園キャンプ場」がありました。予約不要、無料で利用でき、テントを約100張り出来る広さがあります。夏にはたくさんの家族連れが来られるようです。

訪れた日は10月末頃でしたが、雪が降っていないせいかまだ利用できる様でした。けれど、寒かったせいかファミリーの利用は見当たらず、地方から来たライダーさんが帰り支度をしていました。

白樺のフリーサイトは適度な間隔で生えていて、ハンモック泊にちょうど良さそうな感じ。もう少し温かい時期に来たかったなと、ちょっとだけ後悔しました。

使用率が高いのか管理の問題かはわかりませんが、芝生の剥げているところが散見されチョット残念でした。

キャンプ場の敷地内から遠くに室蘭市街が見えるので、夜になると夜景が綺麗に見えるのではないでしょうか。

大切に使われているトイレは水洗です。自動販売機もあります

ログハウス風の男女別のトイレ。洋式ではありませんが簡易水洗でそこそこ手入れは行き届いていました。トイレの入口に利用者届け出ポストがありましたが書いている人は少ないようです。ちゃんと書きましょうね。

飲み物の自動販売機も設置されていました。近くのスキー場のロッジにもありましたが、キャンプの時、夜は暗いので明かりがあるのは嬉しいですね。

バーベキューコーナーは網持参で直火禁止

バーベキューコーナーです。薪や炭を持ち込みバーベキューができます。薪や炭の販売はありません。事前に用意しましょう。

焼き台が錆びているので網も持ち込んだ方が良いです。ソーシャルディスタンスもしっかりと。

炊事場と水道です。水道は8か所、決して綺麗ではありませんが、管理されている様子がうかがえて好感が持てました。

炊事場はかなり朽ちていて灰捨て場になっていましたが、逆にみなさんしっかり消し炭を捨ててあって、やりっぱなしの状態で帰られている様子は見られませんでした。直火は禁止です!

ごみは無料で回収

もう少し奥に行ってみようとスキー場の方へ足を向けるとゴミステーションがありました。どうやらキャンプ場利用で出たごみは分別して透明のゴミ袋に入れれば捨てても良いみたいです。

ルールを守ってお言葉に甘えましょう。(今回はキャンプしてないのでゴミは捨ててません)

イタンキ浜と、無料のだんぱら公園キャンプ場まとめ

イタンキ浜の砂浜

今回は北海道で最初に発見された室蘭市にある「鳴き砂」を楽しんできました。うまく鳴らすことはできませんでしたが、とてもきれいな砂浜で、単に歩くだけでも心洗われる景色でした。

足を延ばした室蘭岳山麓総合公園。設備は一部古くなっているところもありますが、市民の憩いの場として大切に愛されているのが感じられました。

時間の関係で行けませんでしたが、次回来た時には「道の駅 みたら室蘭」「日帰り温泉ゆらら」「測量山」や「地球岬」からの展望も楽しみたいと思います。

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  • 妻と子供がいながら一人、山へ、キャンプへサイクリングへ、怒られない程度に出動します。小遣いやり繰りして、道具の購入基準は、コスパ第一。ローコストで遊ぶ方法を研究中。

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