キャンプ中、あると便利なギアの一つがウォータージャグ。ウォータージャグがあれば、わざわざ炊事場を往復する手間が無くなるので便利ですが、結構かさばるのがネックです。しかも意外と無くてもなんとかなってしまうという、もどかしいギアでもあります。
今回ご紹介するギアは折りたたみができるウォータージャグ「MSRドロメダリーバッグ」です。ウォータージャグ選びでお悩みのキャンパーさんや、積載問題でお悩みのキャンパーさんは必読です。
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目次
もどかしいギア「ウォータージャグ」
ちょっとした洗い物や手洗い、お湯を沸かす。水を飲む。調理で使うといった具合に、幅広い用途があるウォータージャグ。炊事場を往復する手間を無くしてくれる魔法のギアです。
ジャバラタイプのウォータージャグからガラス製のボトル、ステンレス製のジャグと色々と試してきましたが、結局どのタイプも出撃頻度が減っていきました。理由は積載と収納で場所を取ることと、キャンプ場でも場所を取り、かさばるからです。
実際のところ2Lの水が入ったペットボトルを買ってしまえば事足りてしまいます。かといってキャンプ場の状況次第ではウォータージャグが無いと大変不便なこともあり、無ければ無いで困るという、なんとももどかしいギアです。コンパクトに折りたためて必要なときにさくっと使えるウォータージャグがあれば理想ですよね。
MSRドロメダリーバッグって何?
参照:株式会社モチヅキ
MSRドロメダリーバッグは登山家やキャンパーの間で熱狂的なファンが多いアメリカの老舗登山用品メーカー「MSR」が製作した、世界一タフともいわれる折りたためるウォーターバッグです。
1991年発売から30年近く経っても愛用され続けるロングセラー商品ということもあり、信頼性は折り紙付きです。人気の秘密は軽量コンパクトなうえ、非常に丈夫なところで、過酷な環境でキャンプをする登山泊キャンパーが愛用するほどです。
MSRドロメダリーバッグの仕様
参照:株式会社モチヅキ
ドロメダリーバッグは4L・6L・10Lの3種類のサイズがあります。
種類 | 4L | 6L | 10L |
---|---|---|---|
サイズ | 25.4 × 46.5cm | 28.7 × 52.3cm | 31.8 × 58.4cm |
重量 | 196g | 247g | 284g |
参照:株式会社モチヅキ
ドロメダリーバッグよりも更に軽い「ドロムライトバッグ」シリーズは2L・4L・6Lのラインナップです。違いは容量と軽量化部分です。コンパクト性と軽量性重視なら「ドロムライトバッグ」。耐久性重視なら「ドロメダリーバッグ」といったところでしょうか。
今回は「ドロメダリーバッグ」について話を進めていきます。
ドロメダリーバッグは1000Dの生地を使用した強力な素材で非常に耐久性があり、アメリカの山岳雑誌「BACKPACKER」が実施した比較テストでは、尖った岩に落としたり凸凹の岩場に置いて座っても唯一破れることが無かったウォーターバックとして有名なんだそうです。これが世界一タフなウォーターバックといわれる所以です。
元々は耐久性がある山岳用途のウォーターバッグとして作られたこともあり、4箇所のグロメットに紐が通っていて、好きなところにぶら下げたり手で運ぶ時も楽です。
使わないときはコンパクトに折りたたんで収納ができます。丈夫な素材なので、折りたたみを繰り返すことで生地が破れたりせず少々雑に押し込んでも大丈夫そうです。
MSRドロメダリーバッグをつかってみた
ドロメダリーバッグは一時期品切れだった時期があり、例のごとくオークションサイトであり得ない価格で取引されていたことがありましたが、現在は普通に購入できます。それでは開封してみましょう。
ドロメダリーバッグは4L・6L・10Lの3種類のサイズがあります。今回は4Lのサイズを購入しました。余程のことが無い限りキャンプではこのサイズで十分だと思います。
給水口は比較的大きいので、給水時も不便な思いをすることは無いと思います。給水口に付いている黒い樹脂部分を持って給水すると楽です。
ちなみにドロメダリーバッグのキャップとナルゲンのボトルのキャップは互換性があり、このようにナルゲンのボトルにMSRのキャップの装着ができますし、ドロメダリーバッグにナルゲンのキャップも装着できます。MSRのオプションとも互換性があるので、使い方次第では色々と便利なことができます。
こちらが水をたっぷりと入れた状態。丈夫な作りなのでその辺に放り投げておいても問題ありませんし、破れることも水漏れすることもありません。
通常のジャグであればスタンドが必須になりますが、ドロメダリーバッグはランタンハンガーに吊るしたり、タープポールに吊るすことができるので場所を取りません。
水を出す時は注ぎ口を下げます。水の勢いはそこそこです。水量を微調整できない点がすこし残念です。水が出る方向も真横なので慣れるまで大変な印象でした。
大量に水を出したい時は、小さいほうのキャップを外します。ひも付きなので無くす心配がありません。こちらも水量の微調整等出来ないので工夫が必要になります。
簡易的なジャグとして考えると非常に優秀ですが、調理や水を飲みたい時に使うには少し使いづらいという印象です。蛇口があれば本当に便利なので標準装備にして欲しかったところです。
以前はMSRからオプションとして蛇口付きの「スピゴットキャップ」が販売されていたのですが、現在は取り扱いがありません。そのためオークションやフリマサイトでは、あり得ない価格で取引される始末です。早く再販して欲しいものです。この辺りは非常に残念なポイントになります。
MSRドロメダリーバッグのここが素晴らしい
MSRドロメダリーバッグを実際に使ってみて素晴らしいと思った点をまとめました。
かさばらなくて丈夫
はっきりいってこれに尽きます。ジャバラタイプのウォータージャグは畳めるといえ、それでもかさばります。しかもジャバラ部分を何度も開閉しているうちに折り目の強度が落ちていきます。他にもコンパクトなジャグは沢山売っていますが、強度という点で見ると心配です。どうしても一時的に使える取り急ぎのジャグといった雰囲気が否めません。
その点、非常に丈夫なドロメダリーバッグであれば破れたり穴が空く心配は皆無で長く利用することが出来ます。
あらゆるシチュエーションで使える
コンパクトで丈夫なのでキャンプ以外のシーンでも大活躍をします。登山や海水浴場、災害時など、あらゆる場面でも使うことが出来るところが魅力ですよね。持っていて損は無いギアだと思いました。
オプションが豊富
参照:株式会社モチヅキ
ドロメダリーバッグはオプションが種類が豊富で、登山中に荷物を下ろすことなく給水可能な「ハイドレーションキット」や、簡易シャワーとして使える「シャワーキット」、汚れた水を浄水出来る「ミニワークスEX」などがあります。
浄水器があれば、野営や登山、災害時に大変役に立ちますし、ワイルドなキャンプライフも可能になります。シャワーキットがあれば、海水浴やウォーターアクティビティの後に簡易的に体を洗うことも出来て便利です。
MSRドロメダリーバッグの惜しい点
軽量・コンパクトなギアは、それなりの代償がどうしても出てきます。MSRドロメダリーバッグを使ってみて、ここが惜しいと思った点をまとめました。
使い始めは水に匂いが移る
MSRドロメダリーバッグは内部をポリウレタンコーティング処理しているので、使い始めは水に臭いが移ります。害は無いそうなのですが、臭い水はちょっと困りますよね。このことはMSRの公式サイトでも注意書きされています。
内部はポリウレタンコーティング処理が施されているので、水に臭い、味が移ることがあります。無害ですが、この製品の目的、特性をご理解のうえご購入ください。
ドロメダリーバッグ | 株式会社モチヅキ
キャンプで使う前に、水を入れてしばらくしてから捨てる。乾かす。を繰り返して臭いを取ることをおすすめします。
酸素系漂白剤に一晩漬けると臭いが無くなるという情報も耳にしますが、メーカーが推奨している方法ではないので詳細は記載いたしません。自己責任でお願いいたします。
蛇口が無い
ドロメダリーバッグの標準装備である「3-IN-1キャップ」はコンパクト設計に大変寄与していますが、蛇口が付いていないので水を出す時に面倒です。蛇口付きの「スピゴットキャップ」があれば今以上に無敵のジャグになっていた筈です。「スピゴットキャップ」の再販を切に願っています。
どうしても蛇口を付けたい方は、キャプテンスタッグ製のボルティーウォータータンク用コックを代用できるみたいです。但しそのままでは使えないので加工が必要みたいです。こちらもご自身でお調べのうえ、自己責任でお願いいたします。
かさばらなくて丈夫な汎用性の高いウォータージャグ
いかがでしたか?かさばらない上に大変丈夫なので、積載でお悩みのキャンパーさんや、もっとUL化をしていきたい、ウォータージャグを買ったはいいけどあまり使っていないという方にはベストなウォータージャグだと思います。
蛇口付きのしっかりとしたハードウォータージャグが無いと困るといったキャンパーさんにはお勧めできませんが、必要な時だけ使いたいという方には勿論のこと、普段からメインのウォータージャグとして使いたいという方にもお勧めのウォータージャグです。
ギア
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