2020年頃から超巨大ドームテントがブームの兆しです。今年に入り各メーカーから超巨大ドームテントの発表が相次いでいることからも、そう感じるのは筆者だけではないと思います。
今日は超巨大ドームテントの中から、THE FREE SPIRITS(自由之魂)ROBOTECH(ロボテック)をレビューしつつ、競合する超巨大ドームテントを簡単にご紹介いたします。
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目次
「TFS Robotech」について

ROBOTECH(ロボテック)は2011年に設立した香港(中国)のメーカー「THE FREE SPIRITS(自由之魂)」が製作するテントです。アンテナ感度の高いキャンパーの間では話題のテントだったのですが、当時は個人輸入でしか購入手段が無かった上に、商品が届かないといったトラブルも多く、購入ハードルが高いテントでした。
しかし2020年に「株式会社帝伸テック」が日本の代理店を務めることになり、国内でも安全に購入が可能になりました。ROBOTECHは間違いなくTHE FREE SPIRITSのフラッグシップモデルでしょう。
ロボテックの使用
| サイズ | L550×W500cm |
|---|---|
| フロア面積 | 約21.15㎡ |
| 高さ | 235cm |
| 重量 | 約15kg |
| 出入口数 | 4 |
| 収容人数 | 10人 |
| ポール本数 | 10本 |
| ペグ | 16本 |
| 収納サイズ | 65×30 cm |
| フライ | 70Dナイロン(66)リップストップ Sil/Silverコート(耐水圧2000mm)※日本モデルの白色のスペック |

なんといっても直径5m以上、高さが235cmもある巨大な自立式ドームテントであることが最大の魅力です。
フロア面積約21.15㎡ は、はっきり言って部屋です。快適さでいえば最高のテントだと思います。キャンプ場にワンルームマンションを建てたような感じですよ。

収納サイズは65×30cm、重さはたったの15kgです。これは巨大ドームテントにしては軽量コンパクトな部類です。とはいえ、やはり重いは重いです。ポールとテントは分けて運んだ方が楽だと思います。

ポールは10本あり、Φ13.2mmと太くて丈夫。DAC社製のPressfitという非常に耐久性の高い上質なポールが使われています。
DAC社というと馴染みが無いかもしれませんが、ヘリノックスの親会社と言えば分かるかと思います。これだけでいかに丈夫なポールであるか伝わりますよね。

数ある巨大ドームテントの中からROBOTECHを選んだ最大の理由は、一人での設営が可能だからです。
一般的に巨大ドームテントは1人での設営が困難な構造になっています。ROBOTECHが他の巨大ドームテントとなにが違うかというと、2本のメインポールだけでテントが立ち上がる構造になっているところです。
文字だけではピンとこないと思いますので、実際に設営していきましょう。
TFS Robotechを設営してみた

ROBOTECHは大きさの割には、思っていた以上に設営が簡単なテントでした。慣れると20分程度で設営ができそうです。

こちらが収納袋です。収納サイズは約60×30cmと大きく感じますが、中身の半分はポールです。

ポールは1つの袋に10本まとめて入っています。Φ13.2mmと太いポールなので、重量の大半がポールとなります。

ペグは16本入っていて、DAC製・J-Stake 30というペグです。長さは30cmあります。ペグ単体でも購入できて、1本1100円もする高級ペグです。使うのが恐れ多いので手持ちのペグを使いますね。

まずテントを広げます。直径が5mあるので圧巻です。生地はペラペラではなくしっかりとしているので、少々の風が吹いてもテントが捲れることはありませんでした。

先にメインポールを2本通すのですが、あらかじめすべてのポールを組み立てておくことをオススメします。
というのも、メインポールは7756mm、他のポールは6990mmと微妙に長さが異なるのに、ポールの色がすべて同じで組み立てないとまったく見分けがつかないからです。この辺は不親切ですね。

長いポールを2本見つけたらポールを通していきます。スリーブが色分けされていないので探すのがちょっと大変です。

両端のグロメットにポールを差し込むと自立します。先ほど解説した「2本のメインポールだけでテントが立ち上がる構造」というのがこのことです。

他の超巨大ドーム型テントでこの構造を採用しているテントはほとんど無く、複雑なポール構造になっています。そのためテントを立ち上げるのが大変なのですが、ROBOTECHはこの辺りの設計が非常にシンプルで、設営のハードルが大幅に下がっています。

残りの8本のポールは、テント上部に見えるスリーブにそれぞれ通していきます。適当に通してもなんとか設営できてしまうので、難しいことは考えずに心を無にして作業しましょう。

グロメットにポールを差し込みます。各箇所にそれぞれ3か所の穴があるのですが、あまり深く考えずに空いた穴にポールを差し込んでいきましょう。というのが、これが正解というのが無いからです。

空いているスリーブにポールを通して、半円を描くようにポールをグロメットに差し込む作業を黙々と繰り返します。そうしているうちに形になっていきます。

あとはフックをポールに引っかけていきます。数が多いので大変です。

高さがあるので、身長次第ではフックに手が届かない箇所が出てきます。このテントを完璧に設営するのであれば脚立が必須なのかもしれませんね。数か所はフックを引っかけるのを諦めました。

ベンチレーターがある箇所は、このように手が届くので辛うじてフックを引っかけることが出来ますよ。

グロメットに付いている輪っかにペグを打ち込みます。ROBOTECHはアジャスタが付いていないので、適当に引っ張ってピン張りしましょう。

ベンチレーターを広げて、両側のガイロープにテンションをかけて形を整えます。全部で4か所ありますよ。

今回の設営時間は30分程度でした。慣れてしまえば20分で設営も夢ではありません。超巨大ドーム型テントにしては本当にシンプルな構造で、一人でも苦労することなく設営できると思います。
「TFS Robotech」の使用感

Robotechには全部で4か所入口があります。開放口は大きく、出入りでストレスは一切ありません。さすがは超巨大ドーム型テントです。ただしファスナーが固いので開閉は少し大変という印象でした。

私が使っているモデルは2020年型の並行輸入品なのでメッシュが付いていませんが、2021年の国内正規品であれば4か所全てにメッシュが付いているので、夏でも蚊帳代わりに使えます。有ると無いのでは雲泥の差です。

テント内はかなり広大です。広すぎて幕内全体をカメラに収めることが出来ませんでした。収容人数は10人とありますが、15人位は入れそうな広さでしたよ。

ベンチレーターは4か所あり、それぞれメッシュ付きです。換気もばっちりです。

ベンチレーター以外にもテント上部に大きな開放口があるので、こちらを開けるとさらに開放感が増します。

開放口の下には収納袋が付いています。ただしROBOTECHは結露が凄くて、水滴がテントを伝って収納袋に溜まってしまうので、濡らしたくないものは入れないほうが良いです。

天井を含め、サイドにもフックが付いているので物を吊るすのに便利です。ただし天井のフックは手が届かない高さにあるので、やはり脚立のような台座は必要になってくると思います。

スカートが内側に入っているので風や雨の浸水を防ぐことが出来ます。冬でも安心ですね。別売りのフロアシートを使うと、全面お座敷スタイルにできます。お座敷派には堪らないですよね。

快適さという点では誰も不満に思う人はいないでしょう。なんと言ってもこのテントの最大の売りですから。とにかくテントの中でゆっくり贅沢にすごしたい方にはオススメです。

超巨大テントを使うと、至近距離でテントを設営されてしまってもあまりストレスを感じないというメリットがあります。
シェルターに閉じこもってしまえば視界に他のテントが入ることは無くなり、幕内が広大なので自然と距離感を保つことができます。私がこのテントを購入した最大の理由がこれです。
TFS Robotechの素晴らしいところ・気を付けたいところ

Robotechを使ってみて良かった点と不便な点をまとめてみました。
一人で設営できる

数ある超巨大ドーム型テントの中からRobotechを選んだ理由の一つに、一人で設営できてしまうことがあります。
どんなに快適で巨大なテントでも、設営が大変だと段々使うのが嫌になってきてしまいますよね。そういった意味では、Robotechは本当に設営が楽なテントです。
圧倒的な居住空間

屈むことなくテント内にアクセスできる大型の入り口が4つと、直径5m以上で高さが235cmもある幕内は圧倒的に快適です。本当に部屋の中に居るのと変わりません。
出入りや移動の度にテントに体が触れて結露で服がびしょ濡れになってしまうといった、よくある出来事がこのテントでは皆無です。
4か所の入り口にメッシュ付き

2021年の国内正規品であれば4か所全てにメッシュが付いているので、夏は快適です。風通しも良く、直射日光を避けることが出来ますよ。
想像以上に軽量

ROBOTECHは私の知る限り、5m越えの超巨大ドームテントの中で最軽量の部類に入るテントです。このサイズであれば20kg以上あってもおかしくないのですが、強度の強いポールを使用したり、ポールの本数を押さえた効率的な構造のお陰で軽量化に成功しています。
キャンプ場を選ぶテント

繰り返しますが直径が5m以上あるテントなので、キャンプ場によっては設営できないところがデメリットとなります。フリーサイトや、10×10m以上の区画サイトでないと設営が困難です。
インナーテントが無い

ROBOTECHにはオプションでもインナーテントが用意されていません。寝床の確保には工夫が必要になります。上級者向けのテントという印象ですね。
結露が凄く、天井が高いので結露の拭き取りが多変

ROBOTECHは結露が激しいテントです。冬に使うと幕内で雨が降るレベルだと思います。またテントの撤収の時、天井が高いので結露の拭き取りが大変です。そういった意味でもやはり脚立は必須ですね。
冬は発熱量の高いストーブが必要

ROBOTECHは巨大な空間なので、通常のストーブでは幕内を温めきることができません。ストーブを2つ用意したり、熱量の高いストーブが必須となります。
競合する超巨大ドームテントをご紹介

ROBOTECHは快適なのに設営が簡単で、軽量なテントであることがお判りいただけたかと思います。それでは競合する他のテントはどうでしょうか。今回は直径が5m以上の超巨大ドームテントに絞って簡単にご紹介いたします。
ロゴス スペースベース デカゴン:LOGOS(ロゴス)

直径が6m以上、高さも3m近くある超巨大なテントにも関わらず、設営時間わずか5分という驚愕のテントです。なんといってもコスパが良く、手の届きやすい金額なので人気です。
インナーテントといったオプションも充実しているのでオススメのテントだと思います。難点を挙げるとすれば重量でしょうか。約30kgあるので持ち運びは大変です。
| サイズ | L610×W570cm |
|---|---|
| 高さ | 295cm |
| 重量 | 約30kg |
ビッグルーム:tent-Mark DESIGNS(テンマクデザイン)

山岳ベースキャンプにも使用可能な耐風性を備えた直径5mのテントです。使用しているフレームワークは海外の「エベレスト遠征隊」が実際に使用したものということで、耐久性が売りのテントです。
コスパも良く、手が届きやすい金額ですが、ネックを挙げるとすれば30kg近くある重量と、アルミ合金製連結ポールを採用しているので設営が大変という点でしょうか。
| サイズ | L500×W500cm |
|---|---|
| 高さ | 230cm |
| 重量 | 約26.5kg |
ヤクドーム550:WIWO Outdoor(ウィーオアウトドア)

韓国発の巨大ドームです。なんといっても20万円を切る価格が魅力で、超巨大ドームの中では最安です。見た目もカッコよく重さも20kgを切るので軽量の部類です。
人気急上昇のテントとあって、売り切れ必須の予感がします。ネックをあげるとすればフレームワークが複雑なので一人で設営が困難な点でしょうか。
| サイズ | L550×W550cm |
|---|---|
| 高さ | 230cm |
| 重量 | 約19.5kg |
Troia Hektor:Troia(トロイ)

こちらも韓国発の巨大ドームテントで、日本では人気のガレージブランド「TheArth(ざぁ~ッス)」が取り扱いしています。日本では「ヘク男」という愛称で呼ばれているみたいですよ。このテントの難点は、人気のガレージブランドが取り扱っていることもあり、入手が困難であるところです。
| サイズ | L510×W510cm |
|---|---|
| 高さ | 223cm |
| 重量 | 約15kg |
スペースステーション:MOUNTAIN HARDWEAR(マウンテンハードウェア)

マウンテンハードウェアのフラッグシップモデルで、超巨大ドームテントの先駆け的な存在です。車が買えてしまうのではと思う位高額なテントで設営も大変難しく、重量も30kgオーバーとデメリットだらけに見えるのですが、上級キャンパー憧れのテントでもあり、ドヤ度が半端ないテントです。
| サイズ | L600×W600cm |
|---|---|
| 高さ | 256.5cm |
| 重量 | 約31.25kg |
キャンプ場に家を建てたい!そんな貴方にオススメのテントです

ROBOTECHは正にキャンプ場にマイホームを建てたかのような快適なテントです。なんのストレスも無く、まるで自宅のリビングですごしているような快適なキャンプを実現してくれます。
お値段が張ることと、設営場所を選ぶテントではありますが、とにかくキャンプ場で快適さを重視するキャンパーさんには最善の選択肢だと思いますよ。
ギア
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