憧れのロッジ型テント、でも高額だったり重かったりとなかなか敷居が高いイメージがありました。
ロッジ型テントとして今年ogawaから登場したヒュッテレーベン。暑い夏から寒い冬までオールシーズン対応出来る機能性を持ちながら、誰にでも扱いやすく、とっても身近に感じるテントに仕上がっています。
何といっても、この唯一無二の山小屋のようなルーフラインと横長の特徴のあるたたずまい、今までのテントとは少し違ったキャンプスタイルに挑戦したくなっちゃいます。
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目次
ヒュッテレーベンとは?
ヒュッテレーベンの正式名称は、「オーナーロッジ ヒュッテレーベン」。今年2021年3月にogawaから登場したばっかりのロッジ型テントです。
出典:ogawa公式サイト勢いを感じる近年のogawaブランド
1914年創業のアウトドアブランドのogawa。
ogawaと言えば、老舗の渋いテントメーカーという印象。少し高価な上級者向けの商品ラインナップで、信頼性はあるけど初心者には少し敷居が高い、そんな位置付けのブランドという印象でした。
そんな老舗でちょっとお堅いイメージのogawaが、ここ2,3年でかなり変わってきたと思いませんか?
今までの渋くて信頼性のある手堅いイメージを継承したまま、特徴的でクラッシックな見た目と日本の季節に対応する機能的なモデルが次々と登場して、キャンプを始めたばかりのファミリーから、見た目にこだわる若い層など、幅広い世代から愛されるブランドになりました。
アポロンの登場
私の中でogawaのイメージが変わったと思ったきっかけは、2018年に登場したアポロンを見た時。
トンネル型テントと言えば、各ブランドから登場するものはみんな同じような形でしたが、このアポロンだけは違いました。通気性と開放感が抜群の全面フルメッシュの機能性と、他のトンネル型とは違ったこの形に目を奪われました。
出典:ogawa公式サイトさらにはTC素材(コットンとポリエステルの混紡素材)で仕上げたモデル「アポロンTC」も登場し、通常モデルを好むファミリー層に加えて、TC素材の高級な特別感を好むキャンパーまで広がり、まさに今のogawaの勢いを作ったテントとして多くの方に支持されています。
テントに直接触れ合える直営店「ogawa GRAND lodge」
ogawaが大きく変わった点がもう一つ。それが、直営店「ogawa GRAND lodge」。
テントの良さをユーザーの方に知ってもらうために、どうしたら伝わるか考えた結果、体験してもらうのが一番手っ取り早い!ということで、そのコンセプトのもと、ogawa GRAND lodgeの新しい店舗が次々とオープンしています。
ひよしゅんしゅん
ヒュッテレーベンとは?
そんなogawaブランドから登場したヒュッテレーベン。
名称のヒュッテレーベンの名前の由来は、ドイツ語でヒュッテ(Hutte)は山小屋、レーベン(Leben)は生命・人生という意味。「人生を共にする山小屋」ということでしょうか。アウトドアを好むキャンパーなら、名前を聞いただけでワクワクしますね。
出典:ogawa公式サイト正式な製品名はオーナーロッジ ヒュッテレーベンとなっていますが、ogawaの特徴でもあり人気モデルのオーナーロッジシリーズ、「ロッジシェルター」や「オーナーロッジType52R」などの頑丈な鉄フレームを使ったロッジ型テントの流れを継承するテントとして登場しました。
ヒュッテレーベンの魅力
唯一無二のこの形
まず目を惹くのがこのルックス。流れるような美しいルーフラインが印象的。
憧れのロッジ型テント。ただ今までのロッジ型テントとはちょっと違う。普通のお家とはすこし違った低くて横に長い形。名前の通り、山小屋感がかなり出ています。
出典:ogawa公式サイトスタンダードなロッジ型テントであれば、奥行き方向が広いのですが、ヒュッテレーベンは、左右に大きく広がっている珍しい形で、幅520cm、奥行き225cmと横長のテントです。
同じような形のテントは今まであまり登場していなかったので、このテントには一目惚れでした。似たような形の商品として販売されているテントとしては、ノルディスクのウドガルド、MLIMAのバハリ4くらいでしょうか。どちらもお家のような形で珍しく、キャンプ場ではかなり目を惹くテントですね。
出典:Nordisk Utgard13.2 - ノルディスク公式サイト 出典:MLIMA BAHARI4 - MLIMA公式サイト4シーズンに対応する万能さ
一年中使えるオールシーズン対応のテントなのですが、さらに暑い夏、寒い冬への対応力がすごいんです。
絶妙な生地素材の使い分け
まずは生地の素材。幕体側面がTC素材になっており、通気性に優れているので、夏は涼しく冬は暖かい空間を作れます。結露対策もバッチリですね。そして屋根には水に強いポリエステル素材を使用しており、雨対策もバッチリ。快適性と安心感を両立させています。
暑い夏は、フルメッシュで開放的に
最近のオガワ幕の特徴は、メッシュ面積が広い、広い。すべてメッシュにするとかなりの開放感。
通気性の良いTC素材に加えて、窓をすべてオープンにしてメッシュにすることで、風通しも良く、かなり涼しく過ごせます。フルメッシュにすることで虫対策になもなります。
これだけ窓部分が大きいと、幕内にいても開放感があり、陽の光も入るのでかなり明るく過ごせます。
サイドの下部分にもメッシュがあり、とにかく幕の側面には最大限メッシュを入れることで通気性を良くしていいます。メッシュ部分はファスナーで開けることが出来るので、ここからもペットのワンちゃんなどが出入り出来るようになってます。
寒い冬はフルクローズでお籠り
冬はやっぱりフルクローズして、幕内でストーブを焚いてのお籠りキャンプですよね。側面はすべてTC素材になっているので、コットン幕のように暖かく過ごせます。また冬キャンプには必須のスカートも装備しています。
冬に気になるのが換気。幕の最上部には屋根の形に合わせた三角形の窓が付いていて、ここから換気することが出来ます。
薪ストーブにも対応
幕の背面パネルの左右のファスナーがトリプルファスナー仕様になっています。冬に薪ストーブの煙突を外に出す際に、どの高さにも対応できるので便利です。
二つの顔を持つテント
実際に使ってみてから気づいた、このテント魅力。それは二つの顔を持っているという点です。
↑表の顔。こちらが前側。
↑裏の顔。こちらが後ろ側。
表の顔(前側)
こちらを前にして使うのが通常の使い方。山小屋の玄関といったような、まさにこの幕、ヒュッテレーベンの顔です。
左右に開く扉、そしてその入り口を囲うように、玄関のような軒下を形作るデザインが特徴。
軒下にランタンを吊るせば山小屋感がアップすること間違いなしです。
裏の顔(後ろ側)
この幕の後ろ側、こちらを前にして使うのが二つ目の顔。本来は後ろ側ですが、あなどってはいけません。実際に使ってみて感じたのは、実はこちらの方が機能性が高くて使い勝手が良いのです。
入り口部分は、観音開きする前側と違って、後ろ側のこちらは大きな1枚のパネル。このパネルにはサイドウォールも付いていて、ポールを使って張り出すことが出来ます。
ポールは190cmの長さがフィットします。こちらはサイドウォールのファスナーを締めた通常の張り出し方。
そして、ファスナーを外して翼を開くようにガイロープで固定すると、テント前にタープ下のような空間が出来ちゃいます。
メッシュにしている窓部分への日差しを遮ることができる、そして幕内への雨の振り込みを防ぐことが出来る点が素晴らしいです。
張り出した部分の屋根の角度を調整すれば、溜まった雨水の水抜きも問題ありません。開いた翼部分が屋根部分までかかることにより、雨水を幕の屋根部分(水に強いポリエステル生地)に逃すことが出来ます。
こういう痒い所に手が届くデザインにはちょっと驚きを感じました。
ヒュッテレーベンの弱点とその克服法
変わった形・サイズのレイアウトに苦戦する?
魅力的なルックスで斬新なデザイン。ただし今までのテントと違う形なので、実際に利用してみると使いにくいのでは?と心配される方も多いと思います。
両端の天井が低くなっており、一番低い部分で65cm。人がかがんで動くにも限界があるので、端まで使い切るのは難しいです。背の低い収納ギアを置くなど、このスペースを上手く活用できるようにレイアウトを考えたいですね。
夏キャンプレイアウトでの解決法
夏の寝床として、コットの上に虫対策でメッシュのシェルターを組み合わせて利用される方も多いと思います。その組み合わせなら、一番端まで寄せても屋根に干渉せずに高さがピッタリです。
我が家で利用したのは、Alpine DESIGNのメッシュシェルター。サンドの色合いもヒュッテレーベンの幕内の雰囲気にピッタリです。
レイアウトのポイント
- 屋根の高さに合わせて、高さがあるは中央壁側に、低いギアは両端に寄せる
- 高さが低いギアを多用するロースタイルであれば、全体的にレイアウトはし易い
- 高さがある、サイズが大きいギアは、外側テント前を使ったり、タープ下の空間と上手く使い分ける
- 全体的に目線が低くなるお座敷スタイルには、かなり向いている
インナーテントが別売りで高価
実はこれが、私の中ではヒュッテレーベンの最大の欠点だと思ってます。
出典:ogawa公式サイトこのヒュッテレーベンのインナーテント。価格がなんと、26,400円。サイズも210×130㎝とギリギリ2人用でそこまで大きくありません。2人用のこのサイズで、この価格はかなり高価です。
出典:ogawa公式サイトただ、この値段だけあってかなり良く出来ています。地面に触れる部分以外はすべてT/C素材で出来ているので、かなり高級感があります。T/C素材は通気性がいいので涼しく快適に過ごせますし、結露も無縁です。
でも希望を言えば、ポリエステル素材でもいいので半分くらいの価格で出してほしいものです。
専用インナーならテントにピッタリフィットするので、デザインも損なわれません。そして左右どちらでも取り付け可能(写真は向かって右側に装着してます)なので、4人ファミリーでも対応出来ます。
でも高価なインナーテントを二つ準備するのは、コスト的にちょっと厳しいですね。
インナーが高価なので、インナーテントを別に用意するカンガルースタイルも検討しました。
カンガルースタイルに利用するテントは、どうしてもヒュッテレーベンの両端の低い部分にフィットするものがなかなかありません。屋根に干渉しないように配置すると両端にデッドスペースが出来てしまい、幕内のフリースペースがかなり狭くなってしまいます。
幕内を広々と利用したい場合は、カンガルーのテント利用はちょっと不向きです。
インナーを使わない場合は、先ほども紹介したコットのスタイルが一番の解決策になりますね。夏の虫が多い時期でなければメッシュシェルターも不要でコットだけで済むので、これが定番のスタイルになりそうです。
ファミキャンに向いていない?
4人家族のファミリーで利用を考えた場合、トンネル型テントや大型シェルターなどと比較してしまうと、520×225の敷面積サイズでは少し物足りないと感じる方も多いのではないでしょうか?
この4シーズン対応出来る幕は、寝室として使えばかなりの戦力になります。タープと併用してリビングをタープ下に持っていき、ヒュッテレーベンを寝室として使えばファミキャンでも十分活用できます。
夏は涼しく冬は暖かく過ごすには最適の組み合わせになるかと思います。
ロッジ型テントって重くて扱いずらいのでは?
従来のロッジ型テントは。どちらかというと玄人向けというイメージ。フレームも太くてしっかりしていて、幕体も重くて、設営も大変だと思ってました。
このヒュッテレーベンはそういった心配は全くありません。初心者や女性でも、とっても扱いやすいロッジ型なのです。
収納袋は2つに分かれており運びやすくなっています。袋1つは10kg弱。片手でも持てますので、両肩にかけて運べば1回の運搬で済みます。写真はインナーテントも含めて3つになっています。
設営も簡単。とにかく力がいらない!
設営もかなり簡単です。とにかく強い力が必要な工程が無いので、女性でも安心して設営ができると思います。そんな設営イメージをご紹介しておきます。
最初に土台となるビルディングテープをペグ打ちします。
ポイント
ビルディングテープが幕体と分離している幕は初めてでした。この後の工程で幕体を被せますが、その時にビルディングテープが引っかかったり絡まったりしないので、大きい幕体でもかなり扱い易いです。
ポールの屋根部分を組み上げます。ポールの抜き差しも、それほどの力を使わず簡単に出来ます。
支柱となる4本のポールを、一番下の部分だけを外したまま組み上げます。屋根を低くした状態で作業できるので、幕体をかぶせやすくなります。
最初にインナーのルーフを取り付けておきます。
幕体を広げますが、ここで幕体の前後の位置を確認しておきます。
幕体を被せます。幕の重みが少しあるので、力を使うと場所と言えばここくらいですかね。
屋根の軒下となる部分のポールを刺して幕を被せた後に、あらかじめ抜いて置いた4本のポールの一番下のポールの節部分をセットして、最初にペグダウンしたビルディングテープに固定します。
ここも幕を持ち上げたりテープを引っ張ったりと少しだけ力を使いますが、強い力は必要ありません。
四隅に細いポールを入れて、ペグダウンすれば完成です。風があるときはガイロープを張りますが、風が無ければ不要ですね。慣れればここまでで15分もあれば設営出来てしまうと思います。
ヒュッテレーベンでサイト作りを楽しもう
今までとは少し違う形のロッジ型テント。サイトレイアウトもいままでとはちょっと違った新しい形が生み出せそうです。
横長の幕体
横に長いテントの形。これが今まであまり無かったので、レイアウトを考えるのがとっても新鮮。とにかく幕に沿ってギアを並べたくなっちゃいます。こうするとテントとギアの一体感が出るのがたまらないです。
レイアウトのポイント
窓の下の高さにピッタリ合うように背の低いギアを並べたり、白やベージュ系の幕と同系色のギアを並べると、より一体感が出ます。
フルオープンでタープのような開放感
フルメッシュにして前後の扉をオープンし、パネルの部分も張り出すと、まるでタープのような開放感です。これなら昼間はオープンタープのような開放的なリビングとして、夜は寝室として利用するといったような使い方が出来そうです。
ヒュッテレーベンとのタープ連結
快適な空間を作り出せるのは、タープとの連結。テント内とタープ下の二つのエリアを使い分けることで広々と使えます。
ヒュッテレーベンの後ろ側が前になるように利用し、張り出したパネルとタープを連結するスタイル。これなら小さいタープでも十分な広さが確保出来ます。
レイアウトのポイント
張り出したパネルとタープが少し重なるように配置すれば、雨が降ってもテントとタープの間に雨が降りこむようなこともありません。
過保護張り
強い雨の時などで、テント周りが濡れないように守ってもらう張り方の過保護張り。この日は真夏で35度を超える暑さに耐えるために、遮光性が高いスノーピークのヘキサエヴォの影に守ってもらいました。
レイアウトのポイント
ヒュッテレーベンは両サイドの屋根が低くなっているので、そこを上手くタープの形状と合わせるように配置すると、屋根とタープが干渉することなく自然なレイアウトが可能です。トンネル型などのテントでの過保護張りは少し苦労しますが、このヒュッテレーベンはタープへの収まりが良いですね。
鉄骨活用
出典:ogawa公式サイトロッジ型テントと言えば、この丈夫な鉄骨。一般的なテントのほとんどはフレームがしなって柔らかいテントが多いので活用が難しいですが、丈夫な鉄骨フレームなら幕内から色々と活用できそうです。
ヒュッテレーベンのフレームも丈夫に出来ているので、それなりの重さのものを引っ掛けてもビクともしません。ここを活用するちょっと変わった使い方のアイデアを考えるのが楽しそうです。
冬の定番スタイル
これから寒くなっていくと一番の楽しみが、お籠りキャンプ。その代表的なレイアウトがお座敷スタイル。これから初めての冬を迎えるヒュッテレーベン、まだ実践は出来てませんが、お座敷スタイルの冬キャンプでの利用が楽しみです。
幕内のレイアウトもそうですが、サイズもほどほどで屋根がそれほど高くないので、ストーブなどで幕内を暖かくするのには暖房効果も高くてかなり快適に過ごせるのでは、と期待しています。(注:この写真は一般的なトンネルテントです)
ヒュッテレーベンはこれからの冬キャンプのスタイルもそうですが、色々なキャンプスタイルに対応できて、レイアウトのアイデアも次々と湧き出てくるような幕だと思います。利用者もソロやデュオ、ファミリーなど色々な層の方々の利用場面が想像できます。
我が家ではまだ2回しかキャンプで利用していませんので、またどこかで違ったスタイルをご紹介できればと思っています。今年登場したばっかりのヒュッテレーベンですので、まだオーナーの方は少ないですが、これからどんどん増えていってみなさんの色々なスタイルを見るのが楽しみです。
ギア
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