キャンプ初心者の頃は「ペグはテントの付属品」という考えを持っていた自分。サイトによっては柔らかかったり固かったり、テント泊を繰り返していくうちに場所によって地面の硬さが違うという事がわかってくる様になりました。
“付属のペグじゃ心許無いな…“そう感じ、別売りのペグを買おうと思って探してみると、サイズや種類が多くどれを選んで良いか分からないペグの沼が広がっていました…。
ここではそんな種類の豊富なペグの中から選んだ、最高品質と名高いスノーピーク製のソリッドステークと、コスパ最強と人気上昇中のSoomloomのスチールペグを比較していきたいと思います!
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目次
勝手に比較!日本代表ペグと中国代表ペグ
「ペグは消耗品という概念を変えた最強ペグ」が売り文句の日本を代表するスノーピークに、コスパ最強と呼び声高いSoomloomのペグがどこまで喰らい付けるのか!?
スノーピークとSoomloom
出典:スノーピークスノーピークは1958年の創業から高い品質の商品を次々と世に送り出して来た、説明不要の日本を代表する一流ブランド。
対するSoomloomは、低価格ながら良い商品を提供する中国メーカー。2015年に誕生したばかりですが確実にシェアを伸ばしています!
出典:Amazon.co.jp最近では人気のテントと同じデザインのものも価格を抑えて発売しています。
圧倒的な実力と名高いスノーピークの最強ペグとSoomloomの違いは本当にあるのでしょうか!?
鍛造と鋳造の違いは何?
キャンプギアの世界では度々出てくる製造方法の鍛造と鋳造ですが、一緒に言われると分かっていると混同しちゃいますね。
鍛造(たんぞう)とは?
鍛造は熱した金属を叩いて作る製造方法で、スノーピークのペグが鍛造で作られています。
出典:スノーピーク金属に圧力を加える事で強度が増すので、壊れにくく曲がりにくいペグが出来上がります。
出典:スノーピーク鋳造(ちゅうぞう)とは?
鋳造はスキレットやダッチオーブンを作る時に用いられる製造方法で、溶かした金属を型に流し込んで作られます。鍛造に比べて生産し易いので大量生産に向く方法だそうです。
Soomloomのペグは鋳造製という話をどこかで聞いた気がしますが、見た感じは鋳造製には見えないような…?
ペグの公式スペックを数値で比較!
まずはスノーピーク製とSoomloom製のペグを数値で比較してみます。
メーカー | スノーピーク | Soomloom |
---|---|---|
価格(30cm) | 1本 495円 | 1本 190円(約) |
サイズ | 20cm 30cm 40cm 50cm |
20cm 25cm 28cm 30cm |
重さ(30cm) | 1本 180g | 1本 180g |
ヘッドの直径 | 15mm | 16mm |
打ち込み部の直径 | 8mm | 9.8mm |
材質 | S55C(スチール) | 合金鋼(スチール) |
表面処理 | 黒電着塗装 | 黒電着塗装 |
付属品 | なし | 収納袋 夜行ゴムロープ付き |
Soomloomはセット売りのみ。8本入りと16本入りがありますが、購入時は確か16本入りで3000円弱程度でした。
個別購入で欲しい分だけ買えるスノーピークと、セット売りのみのSoomloom。同じ長さのペグでも黒電着塗装という点以外は細かな点で違いが有ります。
様々な角度から比べていきます
実際の物を使ってそれぞれを比較していきたいと思います!
サイズ展開はそれぞれ4種類
ここで比較するペグは両方とも30cmのサイズですが、どちらも長さは4種類で展開されています。
出典:スノーピークスノーピークのソリッドステークは10cm刻みになっていて、使う人が選び易い様にハッキリと違いが出るように作られていると感じます。
逆にSoomloomのペグは20cm〜30cmの間で4サイズなので、同じ4種類のサイズ展開ですが、正直あまり違いが無い気がします。
商品画像を見ると確かに長さは違いますが、使う時のことを考えると28cmって必要か!?30cmで良くない!?と、ちょっと小刻み過ぎると思いました。
1本あたりの価格を比較
スノーピーク製はバラ売りなので必要な分だけ買えますが、1本495円。使用するテントやタープによりますが、控えめに10本としても4,950円と高額です。
最低10本は用意しておきたい…!
値段だけで見てしまうと“ペグはテントに付属しているモノ“という認識を持っている人にとっては超が付くくらい高額に思えてしまう気がします。
Soomloomはコスパ最強と言われるだけあって、なんと16本で3,000円弱、1本あたり190円に満たない低価格を実現しています。
Soomloomは収納袋付き
これで収納袋も付いているので、価格の面では圧倒的にSoomloomに軍配でしょうか。
スノーピーク製はロゴまでしっかり!
価格は圧倒的勝利のSoomloom製ですが、両者を比べてみるとスノーピーク製は金型でプレスされて作られているので、ロゴまでくっきりデザインされていてかっこよさと高級感が違います。
スノーピーク製にはバーコードまで
Soomloomは逆にツルンとしたすっきりとしたデザイン。
地面に隠れてしまう部分なので性能には違いが出ないところではありますが、使うギアはとことん拘りたい!という方は当然チェックする部分でしょう。
見た目はやっぱりスノーピーク製が良いです!
製造方法の違いが目で分かりました!
鍛造と鋳造の違いは先に説明した通りですが、実際のペグを見てみると製造方法の違いがはっきりと分かります。
鍛造製のスノーピークのペグ圧力をかけてあるため、上下の金型でプレスされて出来た跡がはっきりと分かります。
丁度真ん中に繋ぎ目らしき跡が!
金型でプレスされ、全て一体ものとして作られているのでバラツキも無く安定した作りでした!
対するSoomloom製は不明(商品説明欄未記載)なのですが、実際のペグを見た感じだと丸棒を加工した簡単な作りのようです。
ロープを引っ掛ける部分は別部品を溶接。
先端はスチール製の丸棒を削って尖らせた感じです。
スノーピーク製(上)の方が丸みがありました
もしかするとSoomloomのペグは材料の棒をそのまま加工して作ったのかもしれませんね。
出典:スノーピークスノーピーク製で行なっている手間をすっ飛ばしたと考えると、低価格に抑えられているのも納得がいきます。
表面処理は黒電着塗装!
どちらもカッコ良く真っ黒に塗装されていてイイ感じ。電着塗装は電気を利用して塗装する方法で、車の部品などにも幅広く使われています。
スノーピーク製もSoomloom製も同じで黒電着塗装で錆び難い加工が施されています。
左がSoomloom製、右スノーピーク製
どちらも表面処理がされているので錆びにくくなっているはずですが、ほぼ同時期に買った2つを比べてみるとSoomloomの方が塗装が剥がれて錆びてきています。
塗装がパリパリと剥がれている感じが…
同じ電着塗装のはずですが、錆の出方が明らかに違います。これはもしかするとペグの製造方法の違いで錆の起き易さに差が出るのかもしれません。
塗装は剥がれていても錆はほとんどナシ
“2年間錆びない加工!“とSoomloomは謳っていますが、“塗装が剥がれなければ“という前置きが必要なのでは?と感じました!
スチールペグは重いです!
どちらのペグも1本1本がしっかりしているので見た目以上に重いです。
スノーピーク製は1本約180g、Soomloom製も公式スペックでは1本当たり約180gと同じ。
自分は“しっかりした作りだなぁ“という印象なので欠点とは思いませんが「重いのが欠点」というレビューを見たことがあります。
でも確かに束ねるとこんなにコンパクトになるのに、ズッシリと鉄アレイくらいの重さがあるので気持ちは分からなくも無いですが(笑)
実際にペグを打って比較!
ここからは実際に地面に打って比較してみます。
よっぽど硬い地面じゃなければ差はない
実際に柔らかい地面、ちょっと硬めの地面、石が多い地面と、3箇所に打って比較してみましたが、正直あまり違いはありませんでした。
柔らかい所
柔らかい場所はテントに付属するような細いペグでもすんなり入るので、打ち込み具合に違いは感じられませんでした。
ただ柔らかい地面は短いペグだと抜けやすいので、50cmまであるスノーピーク製の方が選択肢が合って良さそうです。
ちょっと硬めの場所
ちょっと硬めの地面も両者問題無く地面に刺さっていきます。
ただスノーピーク製の方が強度があるのか、打ち込んだときの力の伝わり方が良いような気がします。Soomloomの方はバイ〜ンと跳ね返ってくる感じ。
砕石が多い場所
地面が固い場所もしっかり入っていきますが、やっぱりSoomloomの方は力が逃げていっている感じがします。もしかすると強度が弱い分、力が逃げていってるのかもしれません。
こればっかりは個人的な感想なのですが、確かにそんな感じがしました!
テコの原理で曲がってしまった…
真冬にキャンプをした朝、地面が凍ってしまってなかなかペグが抜けず、穴を広げるようにグリグリとしていたらSoomloomのペグがグニャ…。
並べてみるとかなり曲がっている…!
曲がる瞬間、手に感触が伝わってきて「あっヤベッ」。
これには“ガッカリ“というより“やっぱり“という感想。曲げ試験を行っていてもただの丸棒なら当然の結果かも。
怖くて試せないでいますがスノーピークの方も曲がる時は曲がるらしいですが、実物を比べるとスノーピークの方がギッシリ感があって頑丈そうという感覚を受けます。
ちなみにスノーピークのHPには「曲がったら叩いて直す」と直し方が載っています。
出典:スノーピーク1本あたりは高いですが、修正が効くなら安い買い物だと思います。
抜くときの安心感はスノーピーク製が断然違います
Soomloomのペグはロープを掛ける部分は別部品を溶接しているので、強度的に若干不安な作りになっています。
ロープを掛けるだけなら問題はありませんが、溶接されている部品自体が薄いので、固い地面から抜く時に捻ったり、変な力の掛かり方をすると曲がったり取れるんじゃないかと思ってしまいます。
購入してからしばらく経って改めてAmazonのレビューを見てみると、「溶接されている部分が最初から曲がっている」という酷評レビューも発見。
逆にスノーピークは一体型なので申し分の無い安心感。ここが曲がるよりも先にペグハンマーのフック部分が曲がるでしょう(笑)
メーカーに限らず選ぶなら30cmは欲しい
どちらも20cmからサイズ展開されていますが、実際に使ってみると30cmはやっぱり欲しいと思いました。
2021年は初めて利用するキャンプ場も多く、固い所もあれば柔らかい所もありました。
柔らかい場所ほど深く刺さないと抜けてくる恐れがあるので、固い地面、柔らかい地面の両方に対応出来る絶妙な長さが30cmと感じました!
とりあえずアルミペグには戻れません!
Soomloomのペグが1本曲がってしまいましたが、別売りのペグを使うとはっきり言って付属のペグやアルミペグには戻れません!
テント付属のペグもすっかり出番を無くし、ペグハンマーにオマケとして付いてきたアルミペグも新品未使用のまま。
今はもう使う気になれない…!
アルミペグは軽くて持ち運びが楽というメリットがありますが、アルミ製は強度的にはやっぱり弱いです。
ちなみに絶賛愛用中のソロベースEX付属のペグは石に当たって早々にリタイア。
1本曲がると途端に不安になります
余談ですがアルミの板を曲げて作ってあるよくあるこの形、これはデザインだけでなく強度を上げるための方法なんです。
つまり裏を返せば「アルミペグは強度が弱い」ということの現れなんですね〜。
日本製ペグと中国製ペグを比べてみた結果!
最強ペグを謳うスノーピークのソリッドステークは、その評判通り文句無しの作りで、コレを買えば間違いの無い商品で、予算に余裕がある方ならソリッドステーク一択。
対してその最強ペグの半分以下で買えるSoomloomのペグですが、実際に使ってみると多少作りに不安はあるもののペグとしては十分な実力を持っていて、ブランドに拘らない人ならオススメ出来ると言えます。
価格が2.5倍も違うのですから比べれば当然違いは出てくるのですが、ブランドよりも使い勝手派の自分には価格差程の違いは無かった様に思えます。
まとめるとスノーピーク製を選べば失敗はありませんが…
- 何を選んで良いか分からない
- ブランドに拘らない
- 安くて良いものを使いたい
という方は背伸びをせずにコスパ最強のSoomloomのペグを選んでも良いと思いました!
ギア
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