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一切経山へ登ろう!荒廃した大地に出現する湿原と「魔女の瞳」は正に絶景の宝石箱!

一切経山へ登ろう!荒廃した大地に出現する湿原と「魔女の瞳」は正に絶景の宝石箱!

筆者がいつか登ってみたいリストに入れていた山の一つが、福島県にある活火山「一切経山(いっさいきょうざん)」です。片道約90分と初心者でも登りやすい山なのに、終始絶景尽くしの山であるところが決め手です。

火星のように荒廃した大地を進むと突然緑豊かな湿原が出現し、山頂からは「魔女の瞳」と呼ばれる一度見たら忘れられない絶景を拝むことが出来ます。目まぐるしく変化する景色は、正に絶景の宝石箱ですよ。

目まぐるしく変化する景色が魅力「一切経山」

目まぐるしく変化する景色が魅力「一切経山」

福島県福島市、猪苗代町との境にある「一切経山」は、東北自動車道福島西インターから車で約60分。吾妻連峰北東部に位置する標高1,949mの活火山です。

日本三百名山、花の百名山、東北百名山、ふくしま30座、磐梯朝日国立公園に指定されています。

一切経山の由来は

一切経山の由来は、弘法大師(空海)が「一切経」という仏教教典を山に埋めたことから。教典を埋めたのは空海ではなく、安倍貞任や地元の僧など諸説あるようです。

一切経山は活火山で、今も中腹から噴煙が上がっているので火山性ガスにも注意が必要です。2年前まで噴火警戒レベルが2に引き上げられ入山禁止になっていました。

一切経山は目まぐるしく変化する景色が魅力です (2)

一切経山は目まぐるしく変化する景色が魅力。登山口からみえる一切経山はまるで火星のようで、赤茶色の山肌から噴煙が噴き上がる荒廃した景色なのですが、山麓まで進むと一変して緑豊かな湿原が広がります。

勿論、山頂からの景色は周りに遮るものが無く

山頂からの景色は周りに遮るものが無く、360度パノラマビューの絶景が広がります。しかし、なんといっても山頂から見下ろす「魔女の瞳」と呼ばれる五色沼が最大の見どころです。

光の度合いで様々な色に見える湖面は正に魔女の瞳の名に相応しく、一度見たら忘れられない絶景です。それでいて、たったの90分で登頂可能な初心者でも登りやすい山とくれば、もう行くしかないですよね。

「一切経山」登山コース

一切経山コースマップ

出典:一切経山トレッキング(モデルコース03) | 環境省

一切経山の登山ルートは複数ありますが、今日は最短で登山が出来る「浄土平ビジターセンターから登頂するコース」をご紹介いたします。

 浄土平ビジターセンターから登頂するコース

  • 標高差約370m/片道約2.6km/徒歩約90分程度

最寄りの駐車場は「浄土平駐車場」

最寄りの駐車場は「浄土平駐車場」で、アスファルトで舗装された駐車場に約300台停めるスペースがあります。混雑時には未舗装の臨時駐車場約400台程度が開放されます。入庫の際は駐車料金500円必要です。

浄土平駐車場には、浄土平ビジターセンターをはじめ

浄土平駐車場には、浄土平ビジターセンターをはじめ、レストハウスや売店、天文台まである観光名所です。トイレや飲み物、食べ物で苦労することはありません。

駐車場のある浄土平は

駐車場のある浄土平は、福島県屈指の絶景ポイントとして、またドライブコースとしても人気の観光名所なのでシーズン中は大変混雑します。

休日の朝9時ともなると、駐車待ちの列で磐梯吾妻スカイラインが大渋滞します。一切経山に登るのであればいつもより早く家を出ることをおすすめします。

登山口は浄土平ビジターセンター側にあります

登山口は浄土平ビジターセンター側にあります。地味ですが至る所に標識が立っているので、案内に従って進んでいけば問題ありません。

酸ヶ平避難小屋を目指す

酸ヶ平避難小屋を目指す

第一のチェックポイントとなる場所は「避難小屋」。標高差200m、1,800メートルの距離を50分かけて登ります。はじめは木道のある平坦な道を進みます。

暫く歩くと登山届のポストが見えてきます

暫く歩くと登山届のポストが見えてきます。難易度の低い山だからと言って油断は禁物。現役の活火山なので何があるかわかりません。登山者カードは忘れないように提出しましょう。

右手にはこれから登る一切経山の山容を見渡せます

右手にはこれから登る一切経山の山容を見渡せます。木々が全く生えていない荒々しい山容です。

先へ進むと案内図や地図があります

先へ進むと案内図や地図があります。ここから先は本格的な登山道といった雰囲気です。どうやら樹林帯に突入するようですね。

暫く進むと分岐に到着します

暫く進むと分岐に到着します。左へ進むと台地状の草原である「姥ヶ原」と「鎌沼」をハイキングできます。山頂を目指すのであれば右の酸ヶ平方向へ進みましょう。

分岐を右に進むと

分岐を右に進むと、あっさりと樹林帯を抜け、目の前には見晴らしの良い絶景が広がります。登山開始からは信じられないくらい緑が豊かです。

道も平坦で

道も平坦で、歩いていて楽しい道のりです。しかし、この先は結構な登りが続く予感がします。

しかしご安心ください

しかしご安心ください。登りがキツイ場所でも、道が整備されていて階段状になっています。

段々と高度を上げていくと右手に沢が見えてきます

段々と高度を上げていくと右手に沢が見えてきます。一切経山は、いかにもな樹林帯は僅かで、日差しを遮るものがありません。日焼け対策はしっかりと行いたいところ。

しっかりと整備された木道の階段

しっかり整備された木道の階段を登っていくと空が開けてきます。一切経残は花の百名山にも選定されているので、至る所で花を楽しむことができます。登山中飽きることがありません。

階段を登りきると道がなだらかになり

階段を登りきると傾斜がなだらかになり、木道の道が続きます。大変緑が豊かな道のりで、まるで日本庭園の様です。

遠くに避難小屋が見てきました

遠くに避難小屋が見えてきました。チェックポイントである酸ヶ平避難小屋です。

分岐の到着しました

分岐に到着しました。真っすぐ進むと台地状の草原である「姥ヶ原」と「鎌沼」へ行くことが出来ます。そちらは下山コースとして人気。

酸ヶ平避難小屋は右へ進みます

酸ヶ平避難小屋は右へ進みます。距離にして100メートル程度。目の前には酸ヶ平湿原が広がります。

湿原に続く木道は

湿原に続く木道は尾瀬を思わせます。酸ヶ平避難小屋までもうすぐです。

酸ヶ平避難小屋へ到着です

酸ヶ平避難小屋へ到着しました。比較的新しく、立派な建物。こちらにはチップ制ですが嬉しいことにトイレがあります。

避難小屋の中は大変綺麗です

避難小屋の中は大変綺麗。悪天候の際に一時避難できるのはありがたいですよね。

一切経山山頂へ

一切経山山頂へ

一切経山の山頂までは標高差170m、800メートルの距離を40分かけて登ります。はじめは低木に囲まれた岩場の坂を登ります。

そこそこ急な坂なので

そこそこ急な坂なので、マイペースにゆっくり登りましょう。辛いと思ったら後ろを振り返ってみてください。酸ヶ平湿原を一望できる絶景を拝むことが出来ます。

200メートル程登ると標識が見えてきます

200メートル程進むと標識が見えてきます。ここからの眺めは360度パノラマビューなので、こちらで休憩する登山者が多かったです。

一瞬、樹林帯らしい低木のトンネルエリア

一瞬、樹林帯らしい低木のトンネルエリアがありますが、このトンネルを抜けると景色が一変します。

緑豊かだった景色から一変

緑豊かだった景色から一変、火山らしい赤茶色の荒廃した景色が現れます。道幅も広くなり、新たな絶景を拝むことが出来ます。

火星のように荒廃した大地は絶景です

まるで火星のように荒廃した大地は圧巻の景色です。登りも多少は緩やかになるので、開放的な景色を楽しみながら登山が出来ますよ。

後ろを振り返ると吾妻小富士が見えます

後ろを振り返ると吾妻小富士が見えます。火口がはっきりと見えて、まるで富士山をミニチュア化したようなインパクトのある山容です。

周りには茶色の景色が広がり

周りには茶色の景色が広がり、日本とは思えない風景です。360度パノラマビューの絶景が続くので、なかなか足が前に進みません。

景色に魅了されながら歩き進むと

景色に魅了されながら歩き進むと、いつの間にか山頂らしきものが見えてきました。

一切経山山頂です

一切経山の山頂です。標高1,949m。終始絶景続きで立ち止まることが多かったにも関わらず、90分かからず登頂できました。気が付いたら山頂に到着していたといった印象です。

一切経山山頂からの景色

一切経山山頂からの景色

一切経山の周りには視界を遮るものはなくパノラマビューです。山頂は大変広大で惑星感が半端なく、圧巻の景色が広がりますよ。

山頂標識手前にある「空気大感謝塔」

山頂標識手前にある「空気大感謝塔」と書かれた、石が積み重ねられた謎の塔は一切経山の名物スポットです。私生活では意識することが無い空気に感謝する良い機会になりますよ。

東に目を向けると

東に目を向けると吾妻連峰の山並みを拝むことが出来ます。

南東方向に目を向けると

南東方向に目を向けると、日本百名山の安達太良山を。

南西方向に目を向けると

南西方向に目を向けると、日本百名山の磐梯山。

西側に目を向けると

西側に目を向けると、吾妻小富士と福島市の街並みを一望できます。

そして一切経山で最も有名な

そして一切経山で最も有名な「魔女の瞳」は、北側から見ることが出来ます。

こちらが「魔女の瞳」と呼ばれる

こちらが「魔女の瞳」と呼ばれる「五色沼」の眺め。コバルトブルーに輝く水面は、ずっと見ていると吸い込まれそうな錯覚に陥ります。正に魔女の瞳です。

一切経山山頂に広がる雄大な景色は圧巻です

一切経山の山頂に広がる景色は本当に壮大です。標高2000m程の山で、こんな景色を拝めるとは思ってもいませんでした。反則です。

下山

下山

一切経山は同じ登山道を通って下山するピストン山行となります。下山中は目の前にひたすら絶景が広がるので別の楽しみ方が出来ます。

木々が殆ど無い登山道なので

木々が殆ど無い登山道なので、吾妻小富士や湿原といった景色が目まぐるしく目の前に現れて、なかなか足が前に進みません。下山が本当に楽しい山です。

筆者はそのまま登山道に戻ってしまいましたが

筆者はそのまま登山口に戻ってしまいましたが、酸ヶ平避難小屋より先にある分岐から鎌沼へ向かって、姥ヶ原を周回するルートがオススメなんだそうです。

その場合、鎌沼まで約15分

その場合、鎌沼まで約15分、姥ヶ原まで約5分、登山道まで約40分。合計60分の道のりです。まるで尾瀬を歩いているような絶景が続くハイキングコースなんだそうですよ。

筆者の下調べ不足で

筆者の下調べ不足で、下山時の絶景コースをスルーしてしまうという大失態を犯してしまいました。浄土平ビジターセンターに戻ると、早朝はスカスカだった駐車場が満車になっていました。

一切経山に登ってみてわかったこと

一切経山に登ってみてわかったこと

一切経山は本当に登りやすく、目まぐるしく景色が変化する魅力的な山でした。一切経山に登ってみてわかったことをまとめました。

山頂から絶景をゆっくりと楽しむことが出来る

山頂から絶景をゆっくりと楽しむことが出来る

一切経山の山頂は360度パノラマビューです。大変広大な山頂なので、ご飯を食べながら絶景をゆっくりと楽しむことが出来ます。まるで火星のような異次元の絶景が広がる山頂からは「魔女の瞳」をはじめとした景色を満喫できますよ。

目まぐるしく変化する景色がどれも絶景

目まぐるしく変化する景色がどれも絶景

一切経山は基本、周りに遮る木々がない開放的な登山道が続くので、360度パノラマビューの絶景が続きます。登山中は火山特有の荒々しい大地や、緑豊かな湿原地帯など、景色の移り変わりが激しい山でなかなか足が前に進まない山でした。

登山シーズンが限られる

登山シーズンが限られる

登山道へ続く磐梯吾妻スカイラインは11月中旬~4月上旬まで通行止めになります。また、一切経山の山開きは6月の第1日曜日なんだそうです。

登山できる期間は、6月の第1日曜日から11月前半までと限られるのでご注意ください。

駐車場はいつも大渋滞

駐車場はいつも大渋滞

浄土平へ続く磐梯吾妻スカイラインは福島県屈指のドライビングスポットで、登山口のある浄土平ビジターセンターは人気の観光名所です。

シーズン中の休日は、朝9時にもなると駐車待ちの列で大渋滞します。特に紅葉シーズンともなると早朝から大混雑です。一切経山に登るのであれば早めに家を出ましょう。

登山する前に火山状況のチェックは忘れずに

登山する前に火山状況のチェックは忘れずに

一切経山は活火山なので、噴火警戒レベルが2になると入山禁止になります。直近では2018年9月から2020年6月まで、浄土平からの登山道が通行禁止になっていました。登山前に火山情報や気象情報の確認はしっかりとしましょう。

登山初心者にもおすすめな絶景の宝石箱

登山初心者にもおすすめな絶景の宝石箱

一切経山は磐梯吾妻スカイラインのお陰で、90分で登頂できてしまう登山初心者でもアタックしやすい山です。標高差も370m程度とあって、本当に多くの登山者で賑わっていました。

一切経山のポテンシャルは想像以上

一切経山のポテンシャルは想像以上で、磐梯吾妻スカイラインからの眺め自体が既に絶景で、登山前からテンションが上がること間違いなしです。登山中、目まぐるしく変化する景色は正に絶景の宝石箱。絶景ハンターには是非に登って頂きたい山です。

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