色々なタープを使ってきましたが、最終的にHilleberg(ヒルバーグ)のタープに落ち着きました。軽量で強度もあり、最も実用的なタープだからです。
非常にコンパクトに収納できるので、タープを使う予定が無くても万が一に備えて車に積んでおくことが出来ます。勿論見た目も大変美しく、遠くから見てもヒルバーグのタープと一目でわかるほど特徴的です。
他のタープと比べると高額ではありますが、それでもヒルバーグのタープを持っていて損はしないでしょう。ヒルバーグのタープを魅力をご紹介します。
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目次
ヒルバーグのタープの特徴
Hilleberg(ヒルバーグ)は軽量で強度があり、過酷な環境でも安心して使うことができるテントを数多くリリースしているスウェーデンのテントメーカーです。
タープも同様に軽量で強度がある設計になっています。とにかく軽いので、ポールが無くてもトレッキングポールやパドルや木の枝を利用して設営ができます。
ヒルバーグが採用しているKerlon(ケルロン)という素材は恐ろしく頑丈で、引き裂き強度は少なくとも8kg以上はあります。一般的なタープの引き裂き強度は2~3kg程度なので、いかに丈夫かが判るかと思います。
耐水性もずば抜けていて、耐水圧は5,000mm以上あります。一般的なタープの耐水圧は2,000~3,000mmなので、圧倒的です。大雨や強風といった過酷な環境でも安心して使うことが出来ますよ。
耐水圧と引き裂き強度は素材によって異なるので、詳しくは公式ページで比較ができます。
ヒルバーグタープのラインナップ
全部で4サイズ、6種類のタープをリリースしています。数字が大きくなるほどタープのサイズが大きくなります。
タープ名 | スペック | 素材 |
---|---|---|
TARP 5 UL | サイズ:315x215cm 重量:320g カラー:グリーン/レッド/サンド |
Kerlon1000 |
TARP 10 UL | サイズ:300x350cm 重量:750g カラー:グリーン/レッド/サンド |
Kerlon1200 |
TARP 10 XP | サイズ:300x350cm 重量:950g カラー:グリーン/レッド/サンド |
KerlonSP |
TARP 20 UL | サイズ:450x450cm 重量:1500g カラー:グリーン/レッド/サンド |
Kerlon1200 |
TARP 20 XP | サイズ:450x450cm 重量:1900g カラー:グリーン/レッド/サンド |
KerlonSP |
TARP 50 XP | サイズ:710x710cm 重量:4500g カラー:グリーン |
KerlonSP |
タープ5はミニマルキャンパーやソロキャンパーが使う1人用の超軽量コンパクトタープです。タープ50は超巨大なタープで、使っているキャンパーさんは滅多にいません。
一般的に使われるのはタープ10かタープ20のどちらかです。
ULとXPの違いは何?
XP(エクスペディション)とUL(ウルトラライト)は素材の違いで、XPはKerlon(ケルロン)SPという厚めの素材を使っていて遮光性が強いのが特徴です。
ULはKerlon1200という薄い素材を使っていて軽量化重視の設計です(タープ5のみKerlon1000使用)。
重さの違いは、TARP10だと200グラム、TARP20であれば400グラム程度です。元々ヒルバーグのタープは軽量設計なので、バックパックで使うなど軽量化にこだわりが無い限りXPを選んでおけば間違いないと思います。値段はULの方が高めだからです。
遮光性はタープの色によって異なります。一番遮光性が高いのはXPのグリーンで、一番遮光性が低いのがULのサンドとなります。遮光性の高い順番はざっくりと以下の感じかと思います。レッドは特殊なので除外します。
XP(グリーン)> XP(サンド)> UL(グリーン)> UL(サンド)
それではヒルバーグのTARP 10 XP(グリーン)と、TARP 20 UL(サンド)で使い方をご紹介いたします。
TARP 10 XPの概要
TARP 10 XPは、タープを使う予定が無くても突然の雨に備えて持っていくには理想のタープです。収納サイズは約23×26.5cmと、バレーボール程度の大きさです。
ガイロープと自在は備え付けなのですぐに使えます。但しポールとペグは付属していないので別で購入する必要があります。
サイズは300×350cmで、長方形のレクタタープです。ソロキャンプやデュオキャンプには丁度良いサイズではないでしょうか。
TARP 10の設営手順
ヒルバーグのタープはちょっと癖があるので慣れるまで大変かもしれません。TARP 10はポールを支えるガイロープが1本しかないので戸惑うかと思います。しかし慣れてしまえばこんなに設営が楽なタープはありませんよ。それでは設営してみましょう。
タープを袋から出します。収納袋とタープは一体型なので、無くす心配がありませんよ。
タープを広げます。TARP 10はとても軽いのでちょっとした風が吹いてもひらひらしてしまいます。四隅にペグで仮止めすると設営が楽になります。
TARP 10はガイロープが全部で8本あります。まずは四隅のガイロープをペグダウンします。ガイロープの長さが全体の2/3になるように自在金具で調整して、45度の角度の位置でペグ打ちします。
次に辺が短い方の真ん中のガイロープをペグダウンします。ポールの長さの2/3程度になるようにガイロープの長さを調整してペグ打ちします。ポールの長さは180~200cmが理想です。240cmのポールでも設営できますが、お勧めはしません。
四隅に仮止めしていたペグを抜いて、片方のポールを立てます。この時点では真っすぐポールが立たないので内側に少し寝かせてバランスを取ります。
もう片方のポールも立てます。ガイロープを6カ所ペグダウン済なので、綺麗にタープが立つはずです。
あとは自在でガイロープの長さを微調整しながら、ピンと張ります。ヒルバーグのタープで採用されているケルロン素材は引き裂き強度が強いので、ガイロープを引っ張るとシワがしっかりと伸びて張り姿が美しいですよね。
TARP 10の収納手順
TARP 10をはじめ、ヒルバーグのタープはなんといっても片付けが楽です。それでは手順をご紹介いたします。
タープにくっついている袋にひたすら押し込んでいくだけです。30秒もあれば撤収完了です。本当に素晴らしいですね。
TARP 20 ULの概要
TARP 20 ULは、大人数でも少人数でも使える汎用性の非常に高い理想のタープです。収納サイズは約30×33cmと、バスケットボール程度の大きさです。
ガイロープと自在は備え付けなのですぐに使えます。但しポールとペグは付属していないので別で購入する必要があります。
設営時サイズは450×450cmで、正方形のスクエアタープです。ファミリーやグループにちょうど良いサイズではないでしょうか。
TARP 20の設営手順
TARP20はポールを支えるガイロープが1本しかないうえに、両側に謎の2本のガイロープがあるので、どうやって設営していいか戸惑うかと思います。しかしこちらも慣れてしまえば楽々設営できます。それでは設営してみましょう。
タープを袋から出します。TARP 10同様、収納袋とタープは一体型なので、無くす心配がありませんよ。
タープを広げます。TARP 20もとても軽いので、ちょっとした風が吹いてもひらひらしてしまいます。ULだと尚更です。四隅にペグで仮止めすると設営が楽になります。
TARP20はガイロープが全部で16本あります。TARP 10の倍ですね。まずは四隅のガイロープをペグダウンします。ガイロープの長さが全体の2/3になるように自在金具で調整して、45度の角度の位置でペグ打ちします。
真ん中のガイロープをペグダウンします。正方形なのでどこでも大丈夫です。ポールの長さの2/3程度になるようにガイロープの長さを調整してペグ打ちします。ポールの長さは240cmが理想です。この際、ペグを奥まで打ち込まないでください。理由は後でわかります。
四隅に仮止めしていたペグを抜いて、片方のポールを立てます。この時点では真っすぐポールが立たないので内側に少し寝かせてバランスを取ります。
もう片方のポールも立てます。綺麗にポールが立ちますが、TARP 10と違って、不安定な感じがしますよね。
ポールを支えてるガイロープの両脇に2本のガイロープがあるので、ポールを支えているペグにガイロープを引っかけて奥までしっかりペグを打ちます。先ほど「ペグを奥まで打ち込まないでください。」と書いたのはこのためです。
あとは自在でガイロープの長さを微調整しながら、ピンと張ります。
最後に残りの3本のガイロープを1か所のペグに纏めてペグ打ちします。
TARP 20はガイロープが16本あるので、アイディア次第では様々なアレンジができますよ。
TARP 20の収納手順
TARP 20をはじめ、ヒルバーグのタープはなんといっても片付けが楽です。それでは手順をご紹介いたします。
タープにくっついている袋にひたすら押し込んでいくだけです。30秒もあれば撤収完了です。本当に素晴らしいですね。
ヒルバーグのタープのここが素晴らしい
ヒルバーグのタープの魅力的なポイントをご紹介します。
軽量コンパクト
なんといっても軽くてコンパクトです。収納サイズはTARP 10 XPが約23×26.5cm、TARP 20 ULが約30cm×33cmと、ボール並みにコンパクトになります。重さも750~1,900gと、大変ウルトラライトです。
これだけコンパクトだと積載に困ることが無いので、万が一に備えて車に積んでおいても邪魔になりません。
高強度で悪天候に強い
ヒルバーグのタープやテントに使われているケルロン素材は、リップストップナイロンをシリコンコーティングした、強度、信頼性、軽さ、耐久性共に最強の素材です。
引き裂き強度は一般的なタープの5倍以上、耐水圧も一般のタープの2倍~5倍の性能を誇ります。大雨や強風といった過酷な環境でこそ本領発揮しますよ。
付属のガイロープが丈夫で美しい
ヒルバーグ製品には、スペクトラファイバーとナイロンが織り交ぜられた赤色っぽい3ミリのガイロープが採用されています。
大変軽くて丈夫で、水にも強く、そして特徴的な色合いです。ガイロープ単体でも購入できるので他のテントでも使っているほどお気に入りです。そんなガイロープが標準装備されています。直ぐに使えるのは嬉しいですよね。
張り方のバリエーションが広い
ヒルバーグのタープは、軽量で強度があるので、いろいろなアレンジができます。ポールが無くても、トレッキングポールやパドルや木の枝を利用して設営をしたり出来るので、登山やULキャンプでも大活躍です。
タープの形が美しい
ヒルバーグのタープはレクタタープです。にも関わらず、タープを張るとテンションがかかり、まるでヘキサタープのような美しいフォルムになります。シワがしっかりと伸びて本当に美しい張り姿です。遠くから見てもヒルバーグのタープと判りますよ。
経年劣化しにくい
タープに限らずヒルバーグ製品全てがそうなのですが、加水分解による経年劣化が起こらないとされています。
通常のタープやテントであれば経年劣化による加水分解がつきものですが、それが無いに等しいので長く使うことができます。高額なヒルバーグ製品ですが、何十年も使えることを考えるとお得だと思いますよ。
爆速で収納できる設計
数多くあるタープの中でも、ヒルバーグのタープが最も爆速で収納できると思います。なんといっても、タープにくっついている袋にひたすら押し込んでいくだけなのですから。
畳むのが嫌いなので、押し込むだけで収納できるキャンプギアは大好きです。撤収に関して言えば本当に秒速です。
シームテープを使っていない
ヒルバーグのタープには、通常のタープでは必ずと言っていいほど使われているシームテープがありません。
シームテープとは、テントやタープの縫い目から雨水が漏れるのを防ぐ防水テープのことです。シームテープも経年劣化するので、使っていくうちにシールが浮いてきてしまい、防水効果がなくなってしまいます。そのためシームテープの張替えが必要になります。ヒルバーグのタープではそういった面倒なメンテナンスが不要なのです。これは本当に凄いことです。
修理代が激安
ヒルバーグ製品が高額なだけで無駄なハイスペック商品だとお考えの方は、ちょっと待ってください。ヒルバーグのアフターケアは本当に良心的なのです。
この前不慮の事故でタープが裂けてしまったのですが、A&Fカントリーに修理依頼をすると2000円で修理してくれました。一生安心して使えるところは本当にメリットだと思います。
ヒルバーグタープの注意点
ヒルバーグのタープには、通常のタープとは異なる独特の癖があるのも事実です。事前に知っておきたい情報をまとめました。
ポールとペグは別売り
ポールとペグは別売りです。ヒルバーグでは純正のポールとペグも売っていますが、純正品でなければいけないわけではないので、お好きなものをお使いください。
個人的にはポールはNEMO(ニーモ)ADJUSTABLE TARP POLE(アジャスタブルタープポール)L。ペグはスノーピークのソリッドステーク30か、村の鍛冶屋の28cmシリーズを使用しています。
赤色は癖が強い
ヒルバーグのタープでレッドをご検討の方はご注意ください。タープ下で食事をするとき、赤色が強すぎてご飯が不味く見えてしまうからです。
赤色は美しいのですが、オートキャンプでは実用的ではないかもしれません。元々派手な色のテントやタープは、山や雪原で遭難した時に発見されやすいようにする為のものです。
自在金具に癖がある
タープに備え付けの自在金具は通常の自在金具と違い、癖があります。通常テンションをかける時、自在金具をタープの方向に引っ張りますが、ヒルバーグの場合逆で、自在金具をペグの方向に引っ張ります。はじめは戸惑うかもしれませんね。
影は濃くない
軽量で薄い生地なので、真夏の使用には不向きです。特にULのサンドとなると影が薄くて暑さを凌げないでしょう。XPのグリーンでも物足りないかと思います。タープに限らず、ヒルバーグ製品は真夏の使用に向いていません。
汚れやすい
ケルロンは非常に優秀な素材なのですが、土や埃を吸着しやすいため、汚れやすいです。
プラスチック製の下敷きを擦って髪の毛を逆立たせて遊んだことがありますか?分かりやすい例えで言い表すならばそんなイメージかなと思ってます。個人的に細かい土や砂のキャンプ場でタープを使うのは躊躇してしまいます。
持っていて損は無い安心感抜群のタープ
いかがでしたか?ヒルバーグのタープは実用性重視の優れたタープだということがお判りいただけたのではないでしょうか。
軽量で耐久性があることは勿論のこと、サイズやデザインも含め、無敵のタープだと思っています。なんといっても安心感が全然違います。値段は高いかもしれませんが、長く使うことが出来て、アフターメンテナンスも万全です。持っていて損はしないタープですよ。
ギア
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