炊飯のみならず様々な調理に使えるうえに、アルミ製のボディはとても軽く、コンパクトで携帯性に優れていることから多くのキャンパーが愛用している「メスティン」。
しかし、ほとんどのメスティンはコーティングが施されておらず、手入れを怠るとアルミ製のボディは黒ずんでしまい、落ちにくい焦げ汚れに悩まされているのも事実。
そこで、汚れに汚れ輝きを失ったメスティンをクエン酸とメラミンスポンジを使って洗ってみました。その工程と結果を皆様にお届けします。
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目次
このメスティンの焦げや黒ずみは落ちるのか
洗うのはトランギアのメスティン。未開封のままキャンプ場に持ち込んでメスティンデビュー。それから1度もシーズニングせず、洗剤とスポンジで洗うだけ。焦げの汚れが酷い時は、スチールたわしで洗ったりと乱雑に扱われてきたメスティンです。
内側の汚れもご覧の通り。汚れが累積し、洗っても落ちない茶色い汚れがこびりついています。
購入時は輝いていたトランギアのロゴも、購入時の面影がありません。
とんでもなく汚れてるメスティンが乱入してくる。
一体どう使っていたらこんな汚れが…。
汚れを落とすための準備を進めていると、背後から「これも洗ってよ」と突如乱入してきたトランギアのレギュラーサイズのメスティン。
フタを開けてみるとびっくり。焦げや黒ずみが底一面に…。
外側にも頑固な焦げついた汚れがこびりついています。試しにスポンジで洗ってみましたが、少しも落ちません。
予定していたラージメスティンよりも酷く汚れたメスティンの登場により「こんなメスティンを綺麗できるのか」と不安しかありませんでした。
しかし、ここからが驚き。救いようがないと思っていたメスティンもクエン酸とメラミンスポンジで驚くほど綺麗になったのです。
クエン酸につけおきする準備
アルミ製のメスティンには「お酢」「レモン」などを使った洗い方がありますが、今回は「クエン酸」を使っていきます。
内側だけならメスティン本体に水を注ぎ、クエン酸を入れたあと沸騰させ、スポンジで洗うだけですが、外側も内側も累積した汚れを徹底的に落とすため7.6リットルの巨大鍋につけおきする事にしました。
レギュラーサイズのメスティンも、ラージメスティンも、余裕で入ります。
ラージとレギュラー、2つのメスティンが浸るくらいの水を計量カップで計りながら入れていきます。
鍋に入れた水は3リットル。
200mlに対して5gなので、75gのクエン酸を入れます。
鍋にクエン酸を入れます。
鍋に火をかけて沸騰するのを待ちます。
お湯が沸騰したらつけおきの準備完了です。
沸騰したクエン酸入りのお湯へメスティンを投入
ハンドルのゴム部分が変形するかもしれないので、ハンドルを外してからお湯に入れます。
クエン酸が含まれている熱々のお湯にメスティンを投下。
2つのメスティンがお湯にしっかり浸かっている事を確認して約1時間程放置。
───1時間後。
鍋から取り出してみると、既にレギュラーサイズのメスティンに変化が!
さっきまで黒く汚れていた内側が多少綺麗になっています。
ラージメスティンの茶色い汚れに変化はありませんが、積りに積もった汚れがそう簡単に落ちるとは思っていません。クエン酸は汚れを落としやすくするだけであって、ここからが本番です。
メスティンをキッチンスポンジで洗ってみる
鍋をシンクに移動させ、キッチンスポンジで洗っていきます。
今までキッチンスポンジでは全く落ちなかった汚れが
ちょっと擦っただけでこの通り!トランギアのロゴを覆っていた汚れが簡単に落ちていきます。
黒く焦げついた裏面もこの通り。
スポンジで軽く擦るだけで、どんどん汚れが落ちていきます。
しかし、多少は綺麗になったものの、内側の茶色い汚れが落ちきりません。これが手入れを怠った結果なのでしょうか…。
メスティンをメラミンスポンジで洗ってみる
そんな時のために用意していたメラミンスポンジ。
メラミンスポンジは別名、研磨スポンジ。力を入れて洗うと柔らかいアルミ製のメスティンに傷をつけてしまうので、優しく丁寧に洗っていきます。
クエン酸の効果なのか、メラミンスポンジの研磨効果なのか微妙になってきましたが、メラミンスポンジで少し擦るとこの輝き。
クエン酸の入ったお湯に浸しながら、外側、内側を洗っていきます。
綺麗に輝くメスティンが復活!
洗い終わると、ご覧の通り。
全体的に茶色く汚れていたラージメスティンがこんなに綺麗になりました。
レギュラーサイズの底一面にあった黒ずみと焦げ汚れもこの通り。
見た時は半ば諦めていましたが、綺麗になるものですね。
外側も酷く汚れたメスティンの面影はなくなり、アルミの輝きが復活しています。
トランギアのロゴも綺麗になりました。
新品同様とまではいきませんが、使い込まれたメスティンも新品に近い輝きを取り戻したのではないでしょうか。しかし、綺麗になって一安心ではありません。
クエン酸につけおきし、メラミンスポンジで洗ったアルミのメスティンは丸裸も同然。アルミは酸化しやすいので水や空気に触れると変色してしまいます。焦げや黒ずみを落とすために手入れをした後は、シーズニングで新たな皮膜を作り変色(酸化)から守りましょう。
最後に今回洗った流れと、洗う時の注意すべきポイントをまとめて終わりとさせていただきます。
クエン酸とメラミンスポンジを使って焦げと黒ずみを落とした手順
- メスティンが収まる鍋を用意し、水を注ぎ、クエン酸を適量入れる。
- 鍋に入れたお湯を沸騰させる。
- メスティンのハンドルを外し沸騰した鍋に入れる。
- 鍋の火をとめて蓋をしめて1時間放置。
- 鍋からメスティンを取り出しキッチンスポンジで洗う。
- 落ちない汚れがある場合はメラミンスポンジで優しく洗う。
5の時点で汚れが落ちきった場合は、6は省略して下さい。
注意すべきポイント
重曹は変色、腐食するのでNG。
アルミ素材のメスティンに重曹を使うと、アルミと重曹が化学反応して黒ずむ事があります。その原因は重曹に含まれている「弱アルカリ性」性質をもった炭酸水素ナトリウムです。
重曹の「弱アルカリ性」という性質に熱が加わると、アルミが化学反応を起こしてしまい、その結果、黒ずみが生じ変色する恐れがあります。
そして、一度変色し黒ずみが生じてしまったアルミは元に戻せません。
油汚れや焦げを落とすために重曹を使っている方も多いと思いますが、アルミ製のメスティンには使えないので間違っても使用しないようにしましょう。
メラミンスポンジは注意が必要。
出典:激落ちくん
メラミンスポンジはメラミンフォームという材質からできています。メラミン樹脂という硬い樹脂をミクロン単位で泡状に発泡させたキメ細かい網目状の構造にしたものです。
そのためメラミンスポンジは、研磨材・研磨スポンジといえます。
そこで注意しなければならないのは、シーズニング不要のアルマイト処理がされたメスティンです。アルマイト加工されたメスティンにメラミンスポンジを使ってしまうと、表面に加工されたアルマイトの層まで落としてしまう事があります。
なので、メラミンスポンジを使う場合、アルマイト加工されているか、されていないか、確認してから使用しましょう。
また、アルミは非常に柔らかい素材です。メラミンスポンジでゴシゴシ強く洗うと擦った跡や小キズがつく事があります。極力使用は控え、汚れがつかないように定期的にメンテナンスしましょう。
【まとめ】クエン酸でメスティンを洗ってみて
水にクエン酸を適量入れて、沸騰させた後にメスティンを入れて1時間つけおき。その後スポンジで洗う。難しい工程も無く、とても簡単に洗う事ができました。
どうしても落ちない汚れがある場合はメラミンスポンジが有効です。しかし、小キズ、擦った跡がついてしまう可能性があります。そうしないためにも日頃からシーズニングをおこない、固着する前にクエン酸、お酢等を使って焦げや黒ずみを落とすように心がけておくと良いかもしれません。
メスティンの汚れ、焦げにお困りの方は是非参考にしてみてください。
ギア
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