キャンプでは定番の韓国製アウトドアストーブ「アルパカ(ALPACA)」。日本では2種類のラインナップがあるのをご存じですか?「TS-231」シリーズはマイナーなこともあり、ストーブの分解や、芯の交換方法について殆ど情報が無いのでメンテンナンスで苦労します。
そこで今日は、アルパカストーブ「TS-231」をお使いの方に向けてメンテナンス方法をご紹介いたします。冬キャンプに向けてのお手入れの参考になりましたら幸いです。
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目次
アルパカストーブ「TS-231」について
アルパカストーブは日本代理店が出来たお陰で、国内でも簡単に安全なモデルを入手できるようになりましたが、それ以前は個人輸入か、取り扱いのある店舗でしか購入できませんでした。
TS-231シリーズは日本代理店では取り扱っていないモデルです。しかし、マイナーモデルとはいえ、お持ちの方は結構多かったりします。
その理由は、入手困難な人気のストーブ「フジカ・ハイペット」にそっくりだからです。ぱっと見だと、フジカ・ハイペットと区別がつきません。筆者もフジカハイペットの入荷を待ちきれずに、類似モデルに手を出したという経緯があります。
日本で主流となっているアルパカストーブ「TS-77」シリーズと違うのは見た目だけではありません。
「TS-231」はガラス外筒を使っていないので、キャンプ場への移動中にガラス外筒が割れる心配が無いことと、網目が細かいのでお子様がストーブに手を突っ込んで火傷をするリスクが軽減される点が魅力です。
熱量の差は殆ど無く、メリットだらけに見えますが、「TS-77」と比べると高さがあるので見た目が大きく、積載に若干影響があるかもしれません。デメリットらしい点を挙げるとすればこれ位ではないでしょうか。
ちなみに、型番の最後に「A」が付いたモデルは耐震自動消火装置を搭載しているモデルなので安心です。
それ以外のモデルはTS-77含め、ストーブを倒したり、持ち運びの時も自動消火されないので火災のリスクがあります。
筆者が使っているのは耐震自動消火装置付きの「TS-231A」となります。
アルパカストーブ「TS-231」のメンテナンス手順
TS-231シリーズは、TS-77と比較すると分解が若干面倒で、耐震自動消火装置付きの「S-231A」だと更に複雑です。
そういったこともあり長年メンテナンスをおざなりにしていましたが、5年間も使い続けると汚れは勿論のこと、芯の劣化で燃焼が不安定になり危険です。冬キャンプ目前に、重い腰を上げる時がやってきました。
事前に用意すること
アルパカストーブを分解する前に必要最低限の道具や消耗品を揃えておきましょう。
1. 替え芯を購入する
アルパカストーブの替え芯はネットで多く出回っているので簡単に購入できます。「TS-231 替え芯」で検索すると社外品含め、沢山の替え芯がヒットしますよ。
2. 灯油を抜く
作業前に必ず灯油を抜き、芯を空焼きをして完全に灯油を空にします。
話は変わりますが、冬が終わってストーブを使わなくなった時も必ず灯油は抜き取るようにしてください。タンクに残ったままの灯油は劣化をするので、故障の原因になります。
3. 工具や掃除道具を揃える
アルパカの袋ナットは7ミリと、あまり一般的ではないサイズが使われています。7mmの6角ボルト用ソケットレンチ、もしくはモンキーレンチを用意しましょう。それ以外に必要な工具はプラスドライバーとペンチです。
掃除道具は、ガスコンロや台所周りで使っている一般的な道具で事足りるかと思います。ウエスは最低2枚あると捗ります。歯ブラシやメラニンスポンジがあると更に便利です。
アルパカストーブを分解する
「TS-77」であれば、ストーブの分解や、ストーブ芯の交換方法についてネットで情報が溢れているのですが、マイナーな「TS-231」シリーズはほとんど情報がありません。そこで、忘却録を兼ねてメンテナンス方法をまとめました。
「TS-77」の芯交換と分解方法はこちらの記事をご参照ください。
最初に芯調整ノブを取り外します。手前に強く引っ張れば簡単に取れます。
フレームを取り外す為に、7ミリの袋ナット3つを取り外します。
フレームを引っ張ると綺麗に取り外すことが出来ますよ。
燃焼筒は上に乗っかっているだけなので、簡単に取り外せます。
耐震装置カバーを外します。カバー側面にそれぞれにあるネジを2つ、プラスドライバーで外しましょう。
燃焼筒の周りにあるカバーのネジ2つを外します。このネジは耐震装置カバーのネジと共通です。
芯筒の入ったユニットを取り外します。4か所の蝶ナットを手で緩めていきましょう。
手で外せない場合は、ペンチを使って緩めます。個体によっては手で緩められない程強く締められていることもあるようです。
蝶ナットを外すと、金属製のワッシャーがあるので、無くさないようにしてください。
ユニットを取り外します。ユニットの下にもワッシャーがあるので、こちらも無くさないようにしてください。
ユニットは替え芯と耐震自動消火装置が一体型になっています。芯は、内側の爪に引っ掛かっているだけなので、芯をつまんでゆっくり引っ張り出すと簡単に取り外せます。
無事に芯を取り外すことが出来ました。分解作業はここまでです。
アルパカストーブの掃除
アルパカストーブは芯の交換でストーブを分解せざる得ない構造なので、他のストーブと比べて面倒ですが、ついでにストーブの掃除やメンテナンスも出来てしまうので、一石二鳥です。
早速、長年の汚れを洗い流していきましょう。
洗剤を使って綺麗にしましょう。メラニンスポンジを使うと更に綺麗に汚れを落とすことが出来ます。
燃焼筒にこびりついたススは、歯ブラシを使うと綺麗に汚れを落とすことが出来ます。
洗剤を綺麗に洗い流して、乾いたウエスでしっかりと水分を拭き取りましょう。
水分は錆びの原因にもなるのでしっかりと乾かしたいところです。
芯の交換
アルパカストーブも綺麗になり、しっかりと乾かしたら、いよいよ芯の交換です。ここで意外と苦戦をしました。
芯の交換自体は、筒の内側にある爪に芯を押し付けるだけなので簡単なのですが、芯が筒から何ミリ出るのが正しいのか、TS-231については説明書に書かれていないのです。
そもそも説明書自体が「TS-77」用で全く参考になりません。
古い芯と、購入した芯を並べると、購入した芯には目安になる線が1本足りません。どうやら下の線を筒の底面に合わせて芯を取り付けるのが正解のようです。
ということで、古い芯の燃焼部分と高さを合わせて並べて、購入した芯に鉛筆で線を追加して目印を付けます。
書き足した線に沿って、筒の底面を合わせながら芯をはめ込んでいきます。
芯を取り付けたら、芯調整ノブを回して芯の出具合を確認します。耐震自動消火装置が邪魔をして、芯を出すのも一苦労でした。
仮組みと点火テスト
ストーブを完全に組み立ててから点火テストをすると、万が一のときにやり直しが大変なので、最低限の仮組みをして点火テストをします。
厚みのある方のワッシャーを載せます。ワッシャーは2種類あるので、間違えないようにしてください。
ユニットをはめ込みます。筒状の本体に芯が綺麗にフィットするのでピッタリとはまります。
薄いワッシャーを載せて、蝶ナットで固定をします。
金属製のカバーを載せて、ネジで取り付けます。仮り組みはここまでです。
灯油が満タンになるまで入れて、替え芯に灯油がしみ込むまで暫く待ちます。
芯を出して、灯油がしみ込んでいるかを確認したら点火をします。
ちゃんと点火するのを確認できたので一安心です。火を消して残りの部品を取り付けましょう。
最後にちゃんとした状態でもう一度点火テストです。ムラも無く綺麗に燃焼をして、快適なストーブに生まれ変わりました。作業時間は2時間程度でした。
冬キャンプで慌てない為に定期的にメンテナンスしよう
本当なら冬キャンプが終わったあとにメンテナンスする予定だったのですが、怠けてしまった結果、冬キャンプ直前に慌ててメンテナンスする羽目になってしまいました。
ストーブは頻繁に買い替えるギアではないので、長く、安全に使う為にも定期的なお手入れが重要だと思いました。筆者のように冬キャンプで慌てない為に、定期的にメンテナンスをするように心がけましょうね。
ギア
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