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憧れのキャンピングカー!買うべきか、買わざるべきか?

ハイエースキャンピングカー仕様の側面
高速道路のサービスエリアや道の駅に立ち寄ると、最近では必ずと言って良いほど複数のキャンピングカー(別名キャンパー)を見かけます。トラックを改造した特装車やマイクロバスベースのキャンピングカーもあれば、小型の軽トラックに荷台を積み込んだタイプのものまで、ラインナップは実に様々です。

連休や年末年始、お盆など宿泊先を予約するのが困難な時期でも、キャンピングカーが1台あれば、何の心配も無く出かけることができます。ただその一方で、キャンピングカーは憧れの車であるのは間違い有りませんが、販売価格や納期をはじめ、購入に至るにはいくつものハードルを越えていかなければならないのも事実

この記事では、憧れのキャンピングカーを購入すべきか、はたまた購入せざるべきかについて、その理由と現状をご紹介します。どうか最後までお付き合い下さい。

氷室玲

年間100日程度、登山とキャンプ、オートバイツーリングや釣り、キノコ取りなどアウトドアライフを楽しんでいます。もともとキャンピングカーで国内を旅していましたが、最近は駐車スペースを取らない車中泊(ハイブリッドミニバン)が主体で、気の向くままに自然を楽しんでいます。

キャンピングカー購入に迷う理由

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いつかは手に入れたいと願っているキャンピングカー。けれど、簡単には契約書にサインできません。購入を迷う理由が実はいくつもあるのです。

納車までの期間が1年待ちはざら!?

一度でもキャンピングカーの販売先や、展示場に出かけたことがあればおわかりのここと思いますが、現在(令和元年7月現在)新車の納入待ち期間は平均して「約1年」です。今から10年前であれば、半年から最長でも10ヶ月程度であった待ち期間が、ほぼどのメーカーでも1年以上になってしまいました。

中には、ワンボックスカーの足回りをそのまま生かした人気モデルキャンパー(現行のトヨタアルファードやヴェルファイアがベース)でありながら、生産不可能と言った車種も出てきています。何人ものユーザーから制作要望があった人気車が、なぜ生産中止になってしまったのでしょう?その理由は、意外なことが原因となっていました。

納車の遅れと需要増の原因

納車までの期間が、契約してから1年以上とは、普段国産の新車を購入している我々ユーザーにはなかなか理解しにくい現状です。しかし、その最大の原因は、圧倒的な需要増です。

後ほど詳しくご紹介しますが、キャンピングカーの新車価格が、極めて高価なのはご存じでしょうか?一般的なワンボックスタイプの「バンコン」でさえ、引き渡し価格は700万円を軽く超過します。軽トラックの改造タイプでさえ、300万円以上が平均価格。

これほど高価なキャンピングカーですが、受注件数はこの数年、どのメーカーもうなぎ登りです。300万円と言えば、国産のミドルカークラスの新車なら、最長でも2,3ヶ月で納車してくれます。まして、見た目がただのワンボックスカー(代表的にはトヨタのハイエースベースのキャンピングカーなど)の乗り出し価格が700~800万円超で、契約してから1年待ちとは、ユーザーにとって何とも納得がいかないことでしょう。

けれど、その理由は下記の通りです。

  • ここ数年、日本国内では各地で大規模な気象災害が発生し、避難場所としてのキャンピングカーの受注が圧倒的に増加した。
  • キャンピングカーの需要増に加え、中古車販売されるキャンピングカーが、極端に品薄になっている。中古車が出回らないので、当然のように新車の受注件数が増加している。
  • 中古キャンピングカーの流通が少なくなっているのは、キャンピングカーの性能が年々向上し、故障も少なくなったので、各ユーザーが長く所持しているから。簡単には手放さなくなってきている。
  • キャンピングカー専門のビルダーが少ない。ただでさえ人手不足のこの時代。冷房の効かない作業場内で、過酷な制作作業に携わろうとする専門ビルダー不足が深刻

作り手不足に受注増。これではキャンピングカーの価格が高騰し、納車期間が長期になってしまうのはやむを得ません。また、圧倒的に増加した受注先は自治体です。特に、西日本各地の都道府県では、毎年のように発生する大雨・土砂被害に対応するため、自治体がこぞってキャンピングカーを「緊急用車両」として発注しているようです。

ただ、この状態は、なぜかマスコミ等には余り取り上げられません。たぶん、キャンピングカー販売市場に悪影響を与えかねない(価格の高騰や粗悪車両の流通等)ので、各メーカーも沈黙を保っているのかもしれません。

因みに、乗り心地や操作性抜群のトヨタ「ヴェルファイア」ベースのバンコンタイプは、人気のキャンピングカーでしたが、多くのメーカーが生産を中止しています。実際、平塚市にある製作工場まで足を運んで、メーカーの責任者にうかがったお話では「作り手がいない」「注文に追いつけないので受注を中止している」といった悲しい現実を教えていただきました。

東日本大災害までは、ややもすると「金持ちの道楽」程度にしか見られていなかったキャンピングカー。注文すれば、どのメーカーもほぼ3ヶ月程度で納車してくれていたはずが、こんな予想もしていなかった事態に発展してしまったのです。

「キャンピングカー受難の時代」ではなく、キャンピングカーの性能と存在意義、何よりもその必要性が一般社会に浸透したため、「キャンピングカー受注難」の時代に突入してしまったようです。

高価な購入代金-普通車ベースの新車は700万以上-

キャンピングカーは、はっきり言うと高価です。その理由は、装備品の豪華さに尽きます。ベッドやテーブル、シンクに流し台・シャワー、収納等々、それだけ充実した設備が装備されているので高くても仕方がないのです。(装備品の豪華さについては、別の章で改めてご紹介します。)

キャンピングカーのタイプ別の詳しい仕様解説は後ほどご説明しますが、各キャンパーの値段はざっくり言うと次の通りです。

  • 軽キャンパー(軽自動車ベース)  … 200万~400万円
  • バンコン(ワンボックスベース)  … 300万~800万円
  • キャブコン(トラックベース)   … 600万~1,200万円
  • バスコン・海外モデル(バスベース)… 1,000万円以上3,000万円クラスまで

詳しい価格は、装備品のグレードやオプションによって、各メーカー毎に若干の差異はあります。それでも、キャンピングカーを購入するためには、最低限上記の予算が必要になってきます。

因みに、人気車種である「トヨタハイエース」ベースのバンコンタイプを例に挙げてみます。ハイエースベースのキャンピングカーの見積もりは、下記の通りです。

※実年利2.90%・最長10年間(120回払い)で計算してあります。

車両引き渡し価格 717万円
年利 2.90%
支払い回数 120回
分割手数料 1,098,444円
支払い合計額 約829万円
月々の支払額 初回56,700円 2回目以降52,000円
ボーナス月加算額(年2回) 10万円

ハイエースベースの標準タイプ(FFヒーター及びサイドオーニング等の基本装備込み)のキャンピングカーの店頭引き渡し価格が717万円の場合、最長10年ローンを利用しても、月々の支払額は約5万円以上であり、この金額に年2回ボーナス加算額として10万円を余計に支払うわけです。

いかに高価な買い物であるか、一目でお分かりになるでしょう。

そもそもキャンピングカーとは

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キャンピングカーが高価であることや、納車まで1年以上かかることをご説明してきましたが、ここで改めてキャンピングカーのアウトラインについてご説明致します。

キャンピングカーの種類と分類

キャンピングカーに乗るためには、もちろん免許が必要です。キャンピングカーは「自走式」と「けん引式」の2タイプがあります。自走式とは、その文字の通り自力で走ることのできる車両タイプ。けん引式とは、トレーラーなどけん引する自動車が必要なタイプです。

必要免許

自走式であれば、ほとんどのキャンピングカーに乗ることができます。ただし、車両の総重量や積載量、乗車定員によって中型免許(乗車定員11人以上)や大型免許が必要になってきます。

けん引式のトレーラーは総重量が750kg以上の場合は、別途「けん引免許」が必要です。750kg以下であればけん引免許は不要ですので、トレーラーを購入する際にはご注意下さい。

タイプ別キャンピングカーの分類

キャンピングカー(特に自走式)は、そのベースとなる車両や架装設備の構造によって、いくつかのタイプに分けられます。

軽キャンパー
軽自動車ベースの小型キャンピングカー。車体が小さく小回りが利きますが、その分エンジンのパワーが少ないため、長距離走行時の疲労やエンジンの騒音が気になります。一人や二人の少人数に向いたキャンピングカーです。
バンコン
バンコンとは、ミニバンやバンタイプのベース車をキャンパー仕様に改造した車です。動力性能にも優れ、長距離移動も疲れません。ノーマルタイプは、高さが不足するので、気になる場合は天井部分がよりワイドな「特装車」を選ぶようにして下さい。キャブコンやバスコンに比べると、スペースを考慮して、装着される設備に制限がかかるのはやむを得ません。
キャブコン
トラックをベースに、居住空間を丸々乗せたキャンピングカーが「キャブコン」です。ソファやベッドはもちろん、トイレやシャワーも設置できます。天井の高さも申し分なく、ほぼ室内と同等の快適空間が確保されています。普段、買い物など街乗りには向いてないので、セカンドカーとして利用されているケースが多いようです。
バスコン
マイクロバスや中型バスを、ベース車両として改造されたキャンピングカーが「バスコン」です。値段がほぼ新車で1千万円以上もするのが難点ですが、その居住性や動力性能は他のキャンピングカーを寄せ付けません。視界の広いフロント部分の視認性は抜群です。広い天井にはソーラーパネルを積載することも可能であり、「動く別荘」として活用しているユーザーも多いようです。

キャンピングカーの豪華装備と必要性

キャンピングカーの種類についてはご説明しましたが、この章では、装着される豪華設備についてご紹介します。

広々余裕のベッドとリビングテーブル

キャンピングカーの最大ポイントは、複数の大人が横になれるベッドがあることです。1段ベッドでも、軽キャンパーでない限り3人以上は楽々就寝できます。キャブコンなど前後に2段ベッドが設けられており、子どもたちなら4人以上横たわることも可能です。

バンコンタイプは取り外しのできるベッドになっており、昼間、空いたスペースにリビングテーブルを設置できます。キャブコンやバスコンタイプだと、テーブルも取り外す必要はなく常設で使用可能です。食事や喫茶に大活躍のテーブルは雨の日も重宝します。

キッチン・冷蔵庫・水栓、シャワー

キャンピングカーの魅力の一つは、室内で調理が可能な点です。そのために必要な冷蔵庫や水栓・シンク、そして冷蔵庫がほぼ装備されています。水はポリタンに補充する必要がありますが、蛇口をひねるだけでポンプが水を吸い上げてくれます。冷蔵庫もサブバッテリーを積む込むことで、常時稼働しているので生ものを収納することも可能です。

FFヒーターと冷房・換気扇(ベンチレーター)

キャンピングカーに設置してあるFFヒーターは、換気不要の暖房器具です。しかも、サブバッテリーで稼働できるので、冬季の車中泊やキャンプ生活では、なくてはならない装備の一つ。値段が20万円程度しますが、キャンピングカーには、ぜひ装備したいアイテムです。

同様に、電源の取れるオートキャンプ場であれば、電力を消費する冷房も心配なく使用できます。キャブコンやバスコンでは、ベース車の冷房とは別に設置するユーザーも多く見られます。

また、料理や夏場の日中に欠かせないのが、ベンチレーターと呼ばれている換気扇です。天井部分に組み込まれ、煙や暖気を強制的に排出してくれる優れものです。ただ、天井部分に穴を開けるので、パッキン類の経年劣化と冬季の埃の流入が気にかかります。この2点が、ベンチレーターを設置するかどうかのポイントになってきます。

サブバッテリーとインバーター

キャンピングカーを購入するなら、ぜひ設置したい装備が「サブバッテリー」です。サブバッテリーがあれば、ベース車のバッテリーを劣化させる心配がありません。また、パソコンをはじめとする家電製品を使うためには、「インバーター」が必要ですが、インバーターを導入するための前提条件がサブバッテリーです。

室内で音楽を聞いたり、パソコンで仕事したりするなら、ぜひサブバッテリーとインバーターを設置しましょう。

キャンピングカー購入のメリット・デメリット

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キャンピングカー購入の魅力(メリット)

普通車ならば、新車2台分もの値段がするキャンピングカー。おいそれとは手が出ませんが、キャンピングカー購入の魅力(メリット)を挙げるなら、以下の通りです。

夢の別荘(寝台車)

キャンピングカーは例えるなら、とこへでも移動可能な「夢の別荘」です。時間や相手先の予定に合わせる必要もなく、気が向いたらいつでも出かけられる、別荘のような寝台車です。キャンピングカー1台を所有することで、あなたのライフスタイルは格段に充実し、深みを増すことでしょう。

災害対応の救世主

キャンピングカーは災害時の頼もしい「救世主」です。水回りや電源、トイレに至るまで完全に独立しているので、万が一大規模災害が発生しても、あなたに快適な居住空間を提供してくれます。この秘めたる実力に気が付いた、多くのユーザーや自治体が、一斉にキャンピングカーの発注をかけたことが、「納車待ち1年」という事態を招いたわけです。

キャンピングカー購入のデメリット

キャンピングカー購入は、良いことだらけのようにお伝えしてしまいましたが、もちろんデメリットも存在します。

価格と維持費

何より、最も課題となるのは価格の高さと購入費用の工面です。しばらく前に、NHKのテレビドラマで放映されましたが、退職と同時にキャンピングカーを購入した中年男性の悲哀は印象的でした。(ドラマの題名を失念してしまいました。失礼しました。)

確か、退職後の夢を追いかけて、妻と一緒に日本1周に出かける物語です。けれど、待っていたのは辛い現実でした。妻は夫とのキャンピングカー旅行など望んでいなかったのです。虎の子の退職金をほとんど使い果たし、妻は老後の生活に不安を抱きます。

こうした事例でなくても、デメリットは存在します。例えば、キャンピングカーにも各種の維持費や税金納入義務があります。特殊な架装や設備を装着しているので、こまめなメンテナンスは絶対に必要です。タイヤをはじめとして定期的に交換しなければならない部品やパーツは普通車の比ではありません。そうした諸々の維持費がキャンピングカーには必要です。

制限される「機能性と操作性」

2段ベッドやリビングテーブルが常設できる「キャブコン」タイプは、横風に特に弱い性質を持っています。重量もあるので、急な加速はできません。高速道路に進入する際には、よほど注意して走行させないと、追突事故や横転事故を起こしかねません。

また、キャブコンだけでなくバンコンタイプの特装車も車高が高いので、一般的な屋内駐車場への進入は不可能です。車高の高さと出入り口の高さを読み違えて、駐車場の入口に天井を激突させ、架装部分がクラッシュしたキャンピングカーを時折見かけるのは、私だけでしょうか?不注意では済まされないほど、操作上の注意が必要です。

キャンピングカーを購入すべきかどうか

「いつかはキャンピングカーを手に入れたい!」、そう願っているアウトドアマンは、数限りなくいるのは事実です。憧れのキャンピングカー。自然に身をゆだね、子どもたちとのかけがえのない思い出作りに最適のドリームアイテム

けれど、それ以上に購入費用や維持費、購入後のメンテナンスなど、ユーザーにしか分からない様々な悩みを抱えているのも事実です。「キャンピングカーは欲しいけど、どうしたらいいの?」そんな悩みを抱えるのは当然のことです。

買うべきか、買わざるべきか、実に迷うところです。そんな時には、実際にショップや専門店に出向き、担当者に直接その疑問をぶつけてみるのも良い方法でしょう。お店に出かければ、他のユーザーとの交流も生まれます。様々な情報や悩みの相談ができるかもしれません。

善は急げです。キャンピングカーを手に入れたいと願うなら、あなたも実際に展示場や専門店に出向いて、夢のキャンピングカーに手を触れてみると良いでしょう。色々迷うこともあることでしょうが、きっとその悩みは晴れるはずです。

氷室玲

年間100日程度、登山とキャンプ、オートバイツーリングや釣り、キノコ取りなどアウトドアライフを楽しんでいます。もともとキャンピングカーで国内を旅していましたが、最近は駐車スペースを取らない車中泊(ハイブリッドミニバン)が主体で、気の向くままに自然を楽しんでいます。

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