私は大学時代からバイクに乗り始めました。学生ですから、夏はいつだって北海道。走り回りましたねぇ。けれど就職と共に時間が取れず…。数日間を気持ちよく走り回る為に、東北ばかり行っていました。やがて時が過ぎ、心境の変化もあって、ここ20年近くは西ばかり。鹿児島、長崎、大分、山口、広島、島根、愛媛に高知。
春と秋のツーリングでは東北も行っていたのですが、夏ツーリングは西ばかり。そうした西行きは高速道を多用します。1日700kmも当たり前。高速代はかかるし、何よりもキャンプが出来ない!1日700kmも走り、そこからキャンプは不可能です。
そこで今年は初心に帰り、東北行きを夏ツーリングに据えました。実に20年ぶりとなる津軽半島高野崎を目指します。勿論キャンプも取り入れながら。既に沖縄以外の全県はオートバイで巡っています。東北ならば、6度目7度目となる来訪場所もありますが、さてさてどうなりますやら。
目次
ツーリング初日 新潟~秋田須川湖キャンプ場編
20年ぶりですから、当然行き先は最北端。となれば、下北半島か津軽半島か!
下北ならば大間崎でキャンプ、恐山は外せません!津軽ならば高野崎でキャンプ、翌日に竜飛崎!どちらも経験済みです。今回は共に旅するT君の希望を取り、高野崎となりました。T君、恐山がどうにも怖いらしいのでした…。
出発は8月7日。下道ですから高野崎には8月9日にキャンプです。それを中心にルート作成。
高野崎までの道中を日本海側で行くか、内陸に入るか、太平洋側から北上するか。こうなると外せないキャンプ場があるのです、私には。栗駒高原須川湖キャンプ場!大好きな場所です。そこまで行くなら、アスピーテラインは必須ですし、奥入瀬渓流も外せない。すると、こうなります。
初日 | ひたすら走る移動日。行き先は栗駒高原キャンプ場 |
---|---|
二日目 | 内陸を走りアスピーテライン堪能、20年ぶりの玉川温泉入浴後、鹿角市で宿泊 |
三日目 | 十和田湖~奥入瀬渓流~蔦沼~青森経由で津軽半島北上、高野崎へ |
四日目 | 竜飛崎を巡りそこから南下、鰺ヶ沢町迄は湖巡り、五所川原から秋田市宿泊 |
最終日 | ひたすら走って帰宅 |
下道だけで、1400kmに及ぶルートが完成しました。
最終目的地は高野崎。けれど天気がどうにも怪しい…
あとは天気を祈るだけ。8月に入った当初、長期予報を調べると快晴でしたが…。出発が近づくにつれ、台風が悪さを始めました。
問題は8月9日
どうにも8月9日の天気が怪しいのです。その日は津軽半島にいる予定。ここで雨にやられては堪りません。何せ本州最北部。寒いなんてもんじゃない!ルートを考えている日々は、気温34度越えの新潟です。そこまで暑い中、なぜに雨の津軽を目指さねばならないのか!悲し過ぎます。
毎日長期予報をネットでチェック。けれども、なんともスッキリしません。雨予報は変わらない…。灼熱の新潟で悶々としつつ、日ばかりが過ぎて行きます。
第二案の作成
今回のツーリングはキャンプと宿泊が交互に入ります。須川湖も高野崎も、この時期ならば飛び込みでも絶対大丈夫。しかし宿は押さえねばなりません。出発を数日後に控え、最悪を想定して第二案も考えました。
今年の春に断念したビーナスラインを走る、ビーナスラインでキャンプをする。そこから何処へ流れるか?富士山を目指すか、岐阜に流れて温泉三昧か。第二案、そして第三案も考えました。雨を避けて。
ですが、矢張り20年ぶりの東北に拘りたい!そこはやっぱり譲れない。出発の前々日に英断しました!高野崎を目指す、と。この日、長期予報では、変わらず8月9日の津軽は雨。それでも行くのです!20年ぶりに!
初日は栗駒高原、須川湖へ!
ツーリング出発前日に急遽、8日に泊まる予定の鹿角市でのホテルを押さえました。ギリギリです。そうして荷物をHARLEYに積み込みます。いつもの如く、右のサイドボックスには椅子にテーブル、寝袋にレインスーツ類。左のサイドボックスには、アルコールストーブやスキレット、ランタンや燃料、細々としたもの。バイクの上部に取り付けた箱には、着替え類や洗面入浴用具。こうしておけば、宿に入る時もスムーズです。
栗駒高原にある須川湖キャンプ場は、過去3度訪れています。とても静かな湖畔にあり、キャンプ客で騒然とすることもありません。木々に囲まれたサイトは涼しく、近くには一押しの野趣味溢れる露天風呂もあります!
さぁ、あとは行くだけ!
8:30 Mさん登場
同行するMさんのバイク、ホーネットは私の家で保管しています。8月7日8:30にMさんがやって来ました。30分で急ぎ荷物を取り付けます。
9:00 T君合流
同じく同行するT君は、隣の市に住んでいます。ルート上にある私の住む町の駅で合流。みんな家族があったり、なんやかんやで、お気楽にバイク旅をするわけには行きません。独身時代が懐かしい!
10:00 E君合流
同行するE君は、100kmほど離れた市に住んでいます。彼とは別の場所で合流予定。仕事柄、ここ数年はE君と走れなくなっていました。それまでは、毎年春夏秋、必ず一緒にツーリングをしていたのですが。この歳になると色んな障りが生じます。責任、ですね。
多分、E君は久々のツーリングに心浮き立ち、朝早くに目覚めたのでしょう。合流地点に約束の時間ぴったりに着きましたが、既に彼は遥かに早く到着していた様子。幾つになってもバイク旅はワクワクします!
灼熱の中、コンビニご飯
この日は移動日です。ひたすら走るだけ。ロングツーリングになると、初日と最終日は「消化試合」となるパターンが多いです。何せバイク旅歴34年。近隣は行き尽くしていますから。
10:00を周り、気温はジリジリ上昇します。走っていても、ヘルメットの中に汗が滴る暑さ。ひたすら走ります。11:00を過ぎた頃から日本海を左手に見ての北上となります。当然、海には海水浴客ばかり。
12:10に、山形県鶴岡市鼠ヶ関のコンビニに逃げ込みました。こちらのイートインで、簡単な昼食です。暑さにやられて皆ぐったり。
それでも食べて、休んで、水分補給を済ませれば、また元気になるからあら不思議。元気が出たなら走り出します。まだまだ先は長い!
道の駅「しょうない」に避難
13:51には、山形県庄内町の狩川にある道の駅「しょうない」に到着です。全然関係ないけれど、数年前の秋、偶然こちらを車で旅していた時、この道の駅のオープン日に訪れたことがありました。
中はエアコンが効いて涼しくて!動きたくなくなります。車のドライバーも暑いのでしょう!中のベンチで寝転んでいました。空調の効いた車ですら暑いのならば、オートバイは地獄でしょう。ペットボトルへ水の給水も忘れません。冷たい水で顔を洗って気合いを入れます。
買い出しをするよ!
栗駒高原は買い出しが出来ません。まだ先は長いけれど、この辺りで買い物をしておかないと大変なことになります。キャンプ場近くの温泉でBEERは買えます。けれど食材はダメ。
道の駅を出てから、国道沿いにスーパーを探します。大きな国道だから大丈夫。少し走って見つけました。今宵の食材と、夜更けに嗜むバーボンを購入!同時に炭酸水も買いましたが、一気飲みで飲み干します。体が乾ききっていましたね。
大好きな須川湖キャンプ場!
須川湖到着は17:41。真面目に走りましたが、暑さからの疲労もあり予定時刻をオーバーしました。まずは管理棟でチェックイン。こちらのキャンプ場は東成瀬村が経営する村営のキャンプ場。これで4回目になりますが、いつ来ても心地よく整備され、管理人さんの人柄も申し分ありません。
その上、利用料金が破格です!このご時世に1人420円。整備されたサイト、簡単ではあるけれど、必要十分な炊事場、そして水洗トイレ。最近流行りのキャンプ場の如くオーバーなサービスはないけれど、こうした大自然に抱かれた野営が私の好みです。
先ずはテント設営を
時間が押していますから、サクサクとことを進めます。先ずはテント設営。私のテントは、何時もながらのシェルターです。Mont-bellモノポールシェルター。既にmont-bellでは廃盤ですね。残念です。フロアレスシェルターは一度使うとその便利さから病みつきになります。床がないことの欠点もありますが、インナーテントを使わない利点も同じだけ存在します。
豪快な露天風呂へ!
栗駒高原にある須川湖は、秋田県に存在します。ですが、バイクで5分も走れば県境となるのです。そして、秋田県側には栗駒山荘があり、岩手県側には須川湖温泉が存在します。どちらの温泉も立ち寄りが可能。近代的で、綺麗な温泉は栗駒山荘。ですが、お勧めは絶対に絶対に絶対に(しつこいですね)、須川湖温泉です。
こちらの大露天風呂は素晴らしいです!特に夜間がお勧めできます。遅くまで入浴可能。20:00迄営業しています。朝は6:00から入浴可能。
乳白色のお湯です。夜に気温との温度差が生じると、お湯の上を水蒸気の霧が覆います。目の前も見えません。そして風が吹くとその霧が四散し、眼前にはライトアップされた岩山が聳え立ちます。その景観といったら!
こちらの温泉、騙されたと思って一度訪ねてみて下さい!絶対に納得する筈。温泉好き、露天風呂好きならば、是非とも須川湖温泉へ!
須川湖温泉駐車場にて。日が沈みます。19:36。
乾杯、そして夕ご飯
既に日が暮れてしまいましたので、急いでテントに戻ります。温泉でBEERは忘れず購入して、です。テントに戻って先ずは乾杯!
T君とE君、今回は小さなBBQ台を持参していました。私はいつもの如く、アルコールストーブとスキレット、そしてウッドストーブのバーゴです。
T君のBBQ台でカルビと玉ねぎを焼きます。ナスも焼きます。椎茸も焼きます。夏場は野菜を摂らねばなのです。E君のBBQ台ではトンカツ用の厚い豚肉を炭焼きします。
そして私は…。
持参した鷹の爪とニンニクを刻み、スキレットにこちらも持参したオリーブオイルを入れます。そしてアルストでじっくりと香り立たせ、分厚い豚肉投入。刻んだ玉ねぎとキャベツも少々入れて、じっくりじっくりオイルで煮込んでいきます。豚肉のアヒージョですね。これが格別に美味いのです!私のバイク旅では、アルコールストーブとスキレットは欠かせません、絶対に。
スキレットが小さいから、豚肉の枚数分、作る回数が増えるのは仕方がないこと。呑みながら、寧ろそれは楽しさです。その他にも、キャベツともやしを沢山入れた焼きそばも作りました。
酔い潰れて早々に
この日は兎に角、喉が渇いて…。BEERを呑み過ぎました。1L!その上バーボンですから、酔いが回る回る。22:00過ぎに、シェルターの中に潜り込み、少しだけ横になろうとコットにゴロン!
次に目が覚めたのは、夜中の2:00。1人ごそごそ起きだして、歯を磨いて水を飲んで。星空が綺麗でした!
目覚めれば、アスピーテを目指します!
この日の様子は、こちらで動画にもなっています。宜しければご覧下さい。
ギア
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