今回は山仲間の娘ちゃん(小学2年生)と一緒に山登りにいこう!ということで、ススキと羊群原(ようぐんばる)の景観がすばらしい「平尾台(ひらおだい)・貫山(ぬきさん)」に登ることにしました。
子どもが登れる山を探すのって、けっこう大変なんですよね。ネットや本で調べても大人のコースタイムで書いてあるし、実際いってみたら岩だらけで大変だったとか…。
なので、九州を中心にはなりますが実際に登った山で「ここは子どもも登れる」という山があれば、実体験と個人的な感想を交えながら紹介していきたいと思います。そして子どもと一緒に登山を楽しみたい方のために少しでもお役に立てればと思います。
目次
平尾台(ひらおだい)・貫山(ぬきさん)とは
平尾台(ひらおだい)
平尾台は北九州市小倉南区にあり、北端の貫山(712m)より南に8キロ広がる草原台地です。
山口県秋吉台、四国カルストとならぶ日本三大カルストの1つで、国の天然記念物、北九州国定公園に指定されています。
多数のピナクル(石灰岩)が広がる「羊群原(ようぐんばる)」の景観はまさに絶景で、登山コースからは間近にみることができます。
平尾台は展望もよく、終始素晴らしい光景を見ながら歩くことができます。毎年2月から3月頃には野焼きが行われることでも有名です。平尾台には他にも千仏鍾乳洞や平尾台自然の郷、キャンプ場など平尾台を楽しめるスポットがたくさんあります。
貫山(ぬきさん)標高712m
貫山は、北九州市小倉南区にあるカルスト台地、平尾台の北端に位置する貫山地の主峰です。平尾台から登ることができ、終始展望がよく、初夏から秋にかけての花々とススキの原が美しい山です。また山頂からは周防灘や国東半島、遠くは由布岳を望むことができます。
貫山へのおもな登山コースは以下の2つ。
チェック
- 茶ヶ床園地→中峠→四方台→貫山(登り約1時間30分)・・・一般コース
- 吹上峠→大平山→四方台→貫山(登り約2時間)・・・健脚コース
難易度は高くなく、初心者でも登りやすい山といえます。
今回のコースと標準タイム
今回のコースは、吹上峠(約45分)→大平山(約40分)→四方台(約30分)→貫山(約20分)→四方台(約40分)→中峠(約15分)→キス岩(約40分)→吹上峠です。
このコースは健脚コースとなっています。娘ちゃんはくじゅう連山を何度も登っているので吹上峠からのコースにしました。初めての登山や小さい子どもは茶ヶ床園からのコースの方が比較的緩やかで歩きやすいと思います。
チェック
※大人の標準コースタイムを記載しています。子どもと登る際は、合計タイムに1時間から2時間プラスして考えるとよいでしょう。また、休憩時間は含まれていません。
登山開始
今回は山仲間の娘ちゃん(小学2年生)と一緒に貫山を目指して登ります。負けないように頑張らなければ!
吹上峠(ふきあげとうげ)から出発
吹上峠駐車場に車を停めます。駐車場(約30台可)は広く、トイレや東屋があります。駐車場は登山口の目の前なのでとても便利です。ちなみに、茶ヶ床園地の駐車場(約20台可)には、東屋やトイレがあり、登山口も近くにあります。少し小高い丘になっていて景色もよいです。
まずは、みんなで準備運動です。
子どもは本当に、なんでも楽しんじゃいます。
からだも温まったところで、いよいよ出発です!
まず最初の目的地「大平山(おおへらやま)」に向かいます。
ゆるやかな傾斜を登っていくと、前方に急登が見えてきました。
急登ではあるものの岩場を登ることはないので、子どもでも安心して登れそうです。しかし歩き始めてすぐの急登なので、乳酸がたまってきてるような感じがします。
ちなみに乳酸は30分もすれば消えるらしいです。たしかに登山の最初の30分がいつも一番きついような気がしますが、しばらくすると身体がすぅーっと軽くなる感覚があるような…。
娘ちゃん、どんどん登って行きます。
そして、この開脚ジャンプ!まだまだ余裕な感じです。
途中ススキを採ったりしながら進んでいきます。子どもにとってはススキでさえも最高のおもちゃになるんですよね。
ススキを持ったらさらにパワーアップしたようです。
この白い岩は「ピナクル」といい、地表に露出した柱状の石灰岩です。
まるで羊が群れたようにみえることから「羊群原(ようぐんばる)」とも呼ばれています。どこまでもピナクルが広がっている光景はまさに絶景です!
ピナクルを間近にみながら登れるなんて、なんて貴重な体験ができる山なんだとしみじみ思います。ピナクルについて子どもにわかりやすく説明できるようになっておくと、いっそう楽しい登山になりそうですね。大平山までもう少しです!
大平山(おおへらやま)山頂到着!標高587m
吹上峠から約40分で大平山山頂に到着です。大平山山頂は標識があるだけですが、ここで休憩やお弁当を食べる方もいますよ。
大平山山頂付近から吹上峠を見下ろしたところです。常に眺望がよいので気持ちが良いです。写真中央の白い階段状にみえるのは石灰石の発掘現場で、時々、発破が爆発するそうです。
四方台まで羊群原がつづきます。ここは子どもの遊び場になること間違いないでしょう。
羊群原でかくれんぼが出来そうですね。でも子どもが隠れると本当に見えなくなり、どこにいったかわからなくなるかもしれません(汗)目を離さないようにしましょう。
ピナクルの上を歩いてみたり
ピナクルの上でしゃぼん玉を吹いたり
ピナクルの上でお菓子を食べたり
これは魔女の宅急便かな!?
なんと大人まで、ピナクルを満喫しています(笑)謎の舞を踊っていましたよ(笑)
気分転換もできたし、パワーもチャージできたので、登山再開です。この羊群原のところで30分以上は遊んでいました。子どもが一緒だとコースタイムどおりにはいかないものです。
必ず時間に余裕をもって行動すること、無理をせずに状況によっては引き返す勇気をもちましょう。
羊群原を抜けていくと最大の難関といってもいいほどの急登があらわれます。「えっ!ここを登るの!?」とかなり引き返したい気持ちでいっぱいになりますが、ここを登れば四方台に到着するので頑張りましょう!
岩場ではないので子どもも登りやすいと思いますが、小さなお子さんは手をつなぐか、後方からしっかりサポートしてあげましょう。
それにしてもすごい角度ですね(汗)娘ちゃんも頑張ってついてきてます。凄いですね!
急登の途中振り返ると「ドリーネ」が見えました。ドリーネとは代表的なカルスト地形のひとつで、雨水や地下水によって石灰岩が溶けてできるすり鉢状のくぼ地です。2つ以上のドリーネが合体したものを「ウバーレ」というそうです。
ドリーネにはいろいろな形のものがあり、なかには深く落ち込んでいるものがあり危険なので、近づきすぎて落ちないように気をつけましょう。
四方台(よもだい)に到着
四方台に到着しました。遊んでいたので、1時間~1時間30分はかかっていると思います。いやぁ…きつかった。すかさず甘いものを食べて疲れを癒します。四方台につくと貫山が見えますよ。
貫山手前もすこし登りが続きます。四方台手前の急登よりは緩やかですが、けっこうきついです。ススキを手に最後の力をふりしぼります。
貫山山頂がみえました。
貫山(ぬきさん)山頂到着!標高712m
貫山山頂に到着しました!
娘ちゃんも登頂しました。凄いです!
さすがに疲れたみたいでゴロンとなっちゃいました。
ママが美味しいごはん作ってくれてるから待っててね~。貫山は風をさえぎる場所がないので、曇りで風が吹くとかなり寒く感じます。夏以外はしっかり防寒着を準備しましょう。初春や秋、冬は、ご飯もできれば温かいものを用意するとよいでしょう。
身体が温まるスープとおやつのポップコーンが出来上がりました。
みんなでいただきまーす!写真がなくて申し訳ないのですが、貫山山頂からは北九州市が一望でき、玄界灘も見えます。また、西には福知山の山並みも見渡せます。山頂は広々と開けているのでゆっくり休憩できますよ。
下山開始
来た道を帰ります。下りは急なのでゆっくり慎重に。
帰りは「キス岩」をみて帰ることにしました。キス岩のある中峠・茶ヶ床方面に向かっていきます。
キス岩に到着!
キス岩とは、その名のとおり岩がキスしているように見えることから名づけられました。それがこちら↓
めっちゃ熱烈なキスのようですね(笑)
パワースポットらしいので、私もしっかり拝んできました(笑)他にも根性岩やライオン岩などもあるので、時間があればぜひ見に行ってください。
キス岩付近はたくさんの岩があるので、何に見えるかじっくり見て、自分だけの岩を見つけても楽しいかもしれませんね。
そして、ドリーネ下穴が間近に見られるポイントへ。
気になるけど落ちないように気をつけてー!
そして無事に吹上峠に下山することができました。お疲れ様でした。
最後に
今回は、子どもも登れる山として平尾台・貫山を紹介しました。貫山は岩場を登って行くことがほとんどないので、小さな子どもでも比較的登りやすい山だと言えます。しかし山頂までに急登があるので、しっかり1人で歩けることや、脚力・体力がある程度ついたお子さんでないと厳しいかもしれません。
貫山山頂を目指さなくても、平尾台の雄大な景色や羊群原を楽しむことができるので、お子さんの年齢や体力に合わせたコース選びをしましょう。
もう1つ注意してもらいたのが季節と天候です。平尾台一帯は雨風をしのぐポイントがほぼ無いので、冬や天候がすぐれない場合は登らない方がよいでしょう。また春や秋でも、風が強いと体感温度は一気に下がります。体温調節が上手にできない子どもはとくに危険ですので、天気予報をしっかり確認し、防寒着をしっかり準備するようにしましょう。
夏場は日よけができるポイントがほとんどないので、早朝に登ることをオススメします。他にも霧が発生した場合は視界が悪くなり、方向感覚や進路がわからなくなってしまう恐れがあります。過去にはドリーネに滑落した事案もあるそうですので、濃霧時は登らない方がよいでしょう。
子どもと一緒に楽しく安全に登るためにも事前のルートや天候などの確認、状況判断がしっかりできるようにしておきましょうね。
ギア
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