登山といえば、ピークを目指してなんぼ!と自分でハードルを上げてしまっている人はいませんか?実は山頂を目指さずとも満足できる山もあります。
とりあえず稜線まで出たらもう絶景、それが今回ご紹介する白馬岳です。ロープウェイを使用できるコースもあるため、途中の池まで行ってロープウェイで下山なんてのも有り。私はちゃっかり山頂踏んじゃっていますが、絶対山が好きになる白馬岳の魅力をご紹介します!
目次
北アルプスの女王「白馬岳」
後立山連峰にある標高2,932mの白馬岳は、北アルプスの女王とも呼ばれる気高く美しい山です。白馬岳、杓子岳、白馬槍ヶ岳は白馬三山と呼ばれています。
麓の白馬村は、その豊かな自然から観光地としても人気で、冬はウィンタースポーツの聖地として多くのスノーボーダーやスキーヤーで賑わいます。
「白馬岳」は見どころ満載!
白馬岳は美しい山容のみならず、登山の醍醐味がてんこ盛りの素晴らしい山です。お天気に恵まれれば、このまま一生下山したくないと思うはず。そんな白馬岳の魅力をご紹介します!
日本三大雪渓「白馬大雪渓」
白馬岳といえば大雪渓!日本三大雪渓のうちのひとつ「白馬大雪渓」は、白馬岳を代表する見どころです。
夏でも溶けることない大雪渓は、実際に見ると「絶対こっち側からは登りたくないな…」と思うほど大迫力!青空に恵まれれば、白い大雪渓と青空の見事な絶景を見られるでしょう。
標高2,300mの楽園「白馬大池」
白馬大池は標高2,300mにある美しい池で、そこはまさに楽園!私の大のお気に入りスポットです。
池の周辺はお花畑で囲まれており、風がなければ雪渓が残る美しい山の姿が池に映し出されます。池にはサンショウウオが泳いでおり、自然の美しさを肌で感じられる場所です。疲労した脚をアイシングがてら池につけ、ぼーっとくつろぐ時間はたまらん!池を目的として登っても、きっと満足いく登山になります。
白馬大池にはテント場もあるため、あえてここで一泊過ごすのもおすすめです!池に注ぎ込む雪解け水でお酒を冷やせるのもお気に入りポイント。
雲上の稜線歩き
白馬岳の稜線は、NHKドラマ「坂の上の雲」のエンディングでも使用され、とにかく見ているだけでもうっとりしてしまうほど美しい稜線です。雪が残っているとさらに美しさが際立ちます。
眼下に雲海を見ながらの稜線歩きは格別!稜線歩きは登山の醍醐味ですが、白馬岳山頂へと続く稜線を歩く時間は至極過ぎて「時間よ止まれ!」と思うことでしょう。
高山植物の花畑
白馬岳は高山植物の宝庫でもあります。特に7月は、チングルマやミヤマキンポウゲ、ハクサンイチゲの大群落による黄色と白の華やかな花畑が見どころです。そのほか、ハクサンコザクラやクルマユリなど色とりどりの高山植物が目を楽しませてくれます。
栂池からの登山コース
白馬岳までは、猿倉登山口から白馬大雪渓を登るコースと栂池からロープウェイを使って登るコースが人気です。そのほか、白馬三山を縦走するコースもおすすめですが、今回は栂池ロープウェイ側から登って猿倉へ大雪渓を下るコースをご紹介します!
1日目:栂池から白馬大池テント場を目指す
1日目の登山に向けて、まずは栂池駐車場で前泊。駐車場はとても広くてトイレもあるため、快適に車中泊できます。
駐車場からすぐのところが栂池ロープウェイ乗り場です。朝早くから始発に乗る予定の登山客で列ができるので、心持ち早めに並ぶことをおすすめします。
ロープーウェイに乗り込み標高1,829mの終着駅に到着。とはいえ、白馬岳山頂までの標高差は1,100m。まぁまぁしんどい距離なので、気合を入れて登りましょう!
登山道入り口から登り始めるとすぐにガレ場の登山道が現れ、結構急な登りとなります。白馬岳は終始ガレた登山道で歩きにくいため、しっかり足首をホールドしてくれる登山靴がおすすめです!
樹林帯の中をとりあえず一生懸命登っていると視界が開けます。森林限界に出た瞬間の爽快感は、登山の醍醐味ですよね。「雪がまだ結構残っていてきれいだな~」なんて思っていたのですが…
ん?あれって本来夏道のところなんじゃ…。どうやら雪が多くて夏道があるはずの場所に雪渓が残っているようです。
この雪渓が近づくと、予想以上に急で苦しめられました。軽アイゼンを装着しましたが、気持ち程度でほとんど意味はありませんでした。
予想外の雪渓登りで体力を消耗し、荷物を多く持ってきたことを後悔。途中の岩場で休憩したものの、ふくらはぎにかなり乳酸が溜まりました。
力を振り絞って残りの雪渓を登ります。それにしても、ここの雪渓ほんとに急過ぎる!夏道の場合はぐねぐねと登りますが、雪渓は直登なので疲れます。
やっとの思いで雪渓を登り切って稜線に出ると…きれい過ぎる景色が待っていました!青い空・白い雪・ハイマツの緑のコントラストが美しい。これを見るだけでも来る価値あります。遠くに白馬乗鞍岳のケルン(石を積んだ目印)が見えてきました。
乗鞍岳山頂に到着です!それにしてもお天気に恵まれ、嘘みたいな青空が広がっています。ハイマツ好きな私は、ハイマツを見るといつもハイテンションに!アルプスに来たという感じがして、やる気がみなぎります!ここから少し下ったところにあるのが本日の目的地、白馬大池です。
相変わらず歩きにくいガレ道を下っていくと、白馬大池が現れました。大池もまた嘘みたいに青くて美し過ぎる。こんな場所が標高2,300mにあるなんて自然って本当に不思議ですね。
そして、近づくともっと美しい!山に雪がまだ残っていると美しさが倍増です。
本日の目的地、白馬大池山荘に到着です!赤くて可愛らしい山小屋で、青い空と池によく映えます。
すでにテントがぎっしりでしたが、池の近くに設営できました!白馬大池のテント場は、私のお気に入りのテント場トップ3に入っており、ここを目的に登るだけでも価値があります。
テント場の横を流れる小川で白ワインを冷やした後、白馬大池で疲労した脚をアイシング。ついつい脚をバシャバシャして波立たせてしまい、静かな池の写真を撮っていたみなさん申し訳ございませんでした。テントに戻って宴を楽しみ、この日の行程は無事終了です。
2日目:いよいよ白馬岳山頂へ!
2日目もお天気に恵まれ晴天です。今日は、いよいよ白馬岳山頂を目指します!
朝日に照らされながら稜線を歩く幸福な時間。幸せを噛みしめながら歩いていると…
突然目の前を野うさぎが走り抜けていきました!飛び跳ねる姿がかわいい!
そして、今まで見た中で1番の素晴らしい雲海!もくもく過ぎて飛び込んでも大丈夫なんじゃないかと思えるほど。これがただの水蒸気なんて実は嘘なのでは。この雲海を眼下に見ながら歩く時間も、山登りで大好きな瞬間です。
途中にある船越ノ頭での1枚。お兄さんたちと太陽、その向こうに広がる雲海が絵になっています。
そのまま稜線を進むと白馬三山の杓子岳と白馬槍、遠くに鹿島槍ヶ岳まで見渡せます。ここは写真撮影スポットにもなっているようで、多くの登山者が足を止めて写真に夢中になっていました。
そのまま小蓮華山を越えて稜線をひたすら進むと、やっと白馬岳山頂が見えました!思っていたよりも尖っているんですね。
ほぼ3,000mの白馬岳山頂に到着です!最高の登山日和の日に立った360度見渡せる山頂からの景色は、この世の物とは思えないほど圧巻の景色でした。
写真撮影を終えたら、30分程下ったところにある白馬山頂宿舎のテント場にテントを張って2日目は終了です。
3日目:大雪渓を下って猿倉へ下山
最終日は、白馬大雪渓をひたすら下って猿倉登山口へ下山します。始めこそ怖気づいたものの、途中からはスキーを滑るように下ると思っていたよりも早く下山できました。真っすぐ下山できるため、登山道を下山するよりも楽です。
つい立ち止まりたくなりますが、落石には要注意!雪渓上の落石は音がしないため、周囲に注意を払いながら通過してくださいね。
白馬岳登山における注意点
実際に登って感じた白馬岳登山における注意点です。
ロープウェイだからと荷物を増やすと痛い目に遭います
「今回はロープウェイ使うし、いつもよりお酒も食材も多めに持っていこう!」と安易な気持ちで、ジャガイモだのニンジンだの普段は持ち込まない重たい野菜をザックに詰め、結果、体力がかなり削られました。
予想外の雪渓が残っていたこともありますが、ロープウェイだからと調子に乗るのはおすすめしません。
白馬山頂宿舎テント場は強風でテントが飛ばされます
白馬山頂宿舎のテント場は、かなりの強風でテントが飛ばされます。私のテントも設営時に危うく飛ばされかけましたが、稜線上までテントを飛ばされている人もいました。下から巻き上げる感じの風が吹くため、飛ばされると果てしなく飛んでいく可能性があります。設営時も石を積みまくって防御しましょう。
大雪渓を登る際にはしっかり体力をつけましょう
想像以上に大きな雪渓で、猿倉から登る場合には長時間の雪渓登りとなるため覚悟が必要です。
雪渓は、普通の登山道よりも脚に負荷がかかる上、休憩も取りにくく体力が削られます。私が下山していた時も、大雪渓を登っていた男性が途中で歩けなくなり救助されていました。しっかり体力をつけてから挑戦した方が安全です。
「白馬岳」には山の魅力が満載!
白馬岳は、山の魅力と登山の醍醐味がてんこ盛りに詰まった山です。ちょっと稜線まで、ちょっと白馬大池まで、とロープウェイを使えば楽ちん登山もできます。ただし、標高が高いため、行程が短くてもしっかりとした装備が必要です。万全の準備をして、絶景の世界を体感してみてくださいね!
ギア
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