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「Amazfit T-Rex 2」を登山目線でレビュー ~ 24日間電池が持つMIL規格のタフネススマートウォッチ

「Amazfit T-Rex 2」を登山目線でレビュー ~ 24日間電池が持つMIL規格のタフネススマートウォッチ

アウトドアウォッチがあれば登山で強い味方になります。とはいえ、種類が多くてどれを選べばよいのかわからないですよね。

登山に特化したスマートウォッチをお探しでしたら「Amazfit T-Rex 2」は候補の1つになるでしょう。なぜなら、登山で必要なすべての機能を持ち合わせた登山時計に生まれ変わったからです。そんなAmazfit T-Rex 2の基本性能と、実際のアウトドアシーンで活躍してくれるであろう機能を登山目線でご紹介します。

スマートウォッチブランド「Amazfit」について

アウトドアウォッチ「Amazfit T-Rex」シリーズについて

出典:Amazfit

Amazfit(アマズフィット)とは、Zepp Health Corporation(ゼップヘルス コーポレーション)が2015年から展開しているプレミアムスマートウェアラブルデバイスの独自ブランドです。日本ではあまり聞きなれないかもしれませんが、スマートウォッチの出荷台数が世界第3位を誇るトップブランドの一角です。

同ブランドが展開する「T-Rexシリーズ」

出典:Amazfit

同ブランドが展開する「T-Rexシリーズ」はアウトドアに特化した高精度GPSスマートウォッチで、過酷な環境下でも長時間使用可能。アメリカ国防総省が定めた調達基準のMIL規格に準じた耐久性を誇り、「バッテリー稼働時間」がケタ違いに長いのが特徴です。

2022年6月リリースの最新モデル

2022年6月リリースの最新モデル「Amazfit T-Rex 2(ティーレックスツー)」では、タフネスさやバッテリーの持ちが大幅に改善されただけではなく、登山では欠かせない「ルートインポート」と「リアルタイムルートナビゲーション」に対応しました。

Amazfit T-Rex 2で筆者が特に注目した点をまとめました。

Amazfit T-Rex 2の注目ポイント

  1. ルートインポートとナビゲーション機能が追加
  2. GPS利用時のバッテリー持続時間が高精度GPSモードでも最大26時間
  3. 普段使いでも最大24日間バッテリーが持つ
  4. デュアルバンド位置測位システムと5つの衛星測位システムに対応
  5. -30℃の極寒の地でもボタン操作ができる超低温動作に対応

こうしてみると、あらゆる登山シーンで活躍する理想のGPSウォッチではないでしょうか。

Amazfit T-Rex 2を登山目線でレビュー

「Amazfit-T-Rex-2」を登山目線でレビュー

Amazfit T-Rex 2は高湿度や氷点下といった過酷な環境でも動作する頑丈さと、普段使いでも最大24日間バッテリーが持つ500mAhの大容量バッテリーを搭載しているので、登山で使うには理想的です。

基本的なスペックは以下の通り。

サイズ 47.1 x 47.1 x 13.65 mm
重量 66.5g(ストラップあり)
ボディ素材 ポリマー合金
ボタン 4個
バンド素材 シリコン
バンド幅 22mm
バンド長さ 140mm~205mm
防水グレード 10 ATM
ディスプレイ素材 AMOLED
タッチスクリーン ガラス素材
ディスプレイサイズ 1.39インチ
解像度 454×454
PPI 326
バッテリー容量 500 mAh(標準値)
充電時間 約2時間
センサー BioTracker? 3.0 PPG バイオメトリック センサー (血中酸素、6PDDに対応 )、加速度センサー、ジャイロスコープ センサー、地磁気センサー、環境光センサー、気圧高度計
接続 Bluetooth 5.0 BLE
ポジショニング デュアルバンドと 5 種類の衛星測位 (GPS、GLONASS、Galileo、BDS、QZSS)
アプリ Zeppアプリ ※タブレットは未対応
対応デバイス Android 7.0 以上、iOS 12.0 以上

あまりにも多機能なスマートウォッチなので、登山目線に絞って注目すべき特徴をまとめました。

外観

外観

Amazfit T-Rex 2は、アストロブラック&ゴールド、エンバーブラック、ワイルドグリーン、デザートカーキの4色展開。ボディ素材は一見金属にみえますがポリマー合金です。

高級感のある見た目は普段使いでもオシャレに使いこなせます。

ディスプレイサイズは1.39インチと大型

ディスプレイサイズは1.39インチと大型なので、登山中でも必要な情報を瞬時に把握できます。

ベゼル(縁)が狭くなっているので、画面占有率が上がっていて、すっきりとした見た目なのも良いですね。スマートなデザインをしているのでビジネスシーンに合わせても良さそうです。

ベルト部分は22mm幅のシリコン製

ベルト部分は22mm幅のシリコン製で、ベルト裏は凸凹加工がされていて通気性が良く、腕にしっかりとフィットします。ベルトの穴も沢山あるので、あらゆる腕のサイズでも問題無く装着できます。

物理ボタンは側面に4つ

物理ボタンは左右側面に2つずつ、全部で4つ。手袋を付けたままでも操作しやすい大きさと幅があるので冬登山でも安心です。もちろん、タッチパネルでも操作可能。

着用してみると思った以上にすっきりしている印象

着用してみると思った以上にすっきりしている印象です。重量も約65gとかなり軽量の部類なので、装着していることを忘れてしまいそう。少しでも荷物の重さを削りたい登山において軽いのは正義ですね。

ディスプレイ・ウォッチフェイス

ディスプレイ素材はApple Watchと同じAMOLED

ディスプレイ解像度は454×454ピクセル、326PPIで、より多くの情報を表示できます。これはApple Watch Series 7並みの高解像度となっています。

ディスプレイ・ウォッチフェイス

ディスプレイ素材は、Apple Watchと同じ「AMOLED」というコントラストが高いアクティブマトリクス式有機ELを採用。カラー液晶で日本語の文字も見やすく、登山中でもしっかりと必要な情報を見ることが出来ます。

ディスプレイはタッチパネル採用なので

ディスプレイはタッチパネル採用なので、スマートフォンの様に指で操作ができます。しかも、ヌルヌルと動作するので、まったくストレスなく快適。登山時の疲れからくる操作ミスといった煩わしさから解放されそうです。

Amazfit T-Rex 2は「Zepp OS」という独自OS

Amazfit T-Rex 2は「Zepp OS」という独自OSを使っていて、アプリからウォッチフェイスを変更できます。

150種以上ものウォッチフェイスが用意されているので、アウトドアシーンや日常使いにもぴったりなウォッチフェイスがきっと見つかりますよ。

バッテリーの持ち

バッテリーの持ち

Amazfit T-Rex 2は通常の使い方で最大24日電池が持つ超ロングバッテリーが魅力です。Amazfitの公式カタログでは使用状況に応じてバッテリー持続時間が細かく明記されています。

バッテリー持続時間 操作条件
標準的な使用
【最大 24日間】
・心拍数モニタリングは常時オンで10分間隔で測定
・睡眠モニタリングは有効
・静止画の文字盤を選択
・1日に150件のメッセージ通知
・1日に3件の通話通知を受信
・100回手首を持ち上げて時計の時刻を確認
・血中酸素を1日に5回テスト
・明るい画面での操作を1日5分間
・1週間で9分間のGPSランニング
省電力モード
【最大 45日間】
・Bluetooth接続や心拍数、その他の機能がオフ
・歩数と基本的な睡眠情報のみが記録
ハードな使用
【最大 10日間】
・心拍数モニタリングは常時オンで1分間隔で測定
・睡眠モニタリングは8時間の睡眠呼吸の質のモニタリングで有効
・ストレスモニタリングは有効
・アニメーションの文字盤を選択
・1日に150件のメッセージ通知で画面表示を点灯
・1日に3件の通話通知を受信
・100回手首を持ち上げて時計の時刻を確認
・血中酸素を1日に5回テスト
・明るい画面での操作を1日15分間
・1週間で120分間のGPSランニング
高精度GPSモード
【最大 26時間】
・心拍数モニタリングと GPS 移動 (二重周波数、全衛星) をオン
バランスGPSモード
【最大 50時間】
・心拍数モニタリングと GPS 移動 (単一周波数、GPS + Beidou) をオン
省電力GPSモード
【最大 58時間】
・心拍数モニタリングと GPS 運動 (単一周波数、GPS 低消費電力) をオン
超低温(GPS オン)
【最大 10時間】
・超低温モードに切り替わり、静止画の文字盤でウォッチを一日中装着
・100回手首を持ち上げて時計の時刻を確認
・1日に150件のメッセージ通知
・明るい画面での操作を1日5分間
・GPS 移動 (二重周波数、全衛星) をオン
超低温(GPS オフ)
【最大 9日間】
・超低温モードに切り替わり、静止画の文字盤でウォッチを一日中装着
・100回手首を持ち上げて時計の時刻を確認
・1日に150件のメッセージ通知
・明るい画面での操作を1日5分間

※バッテリー持続時間は、設定や操作条件、その他の要因によって異なります。そのため、実際の結果は実験室でのデータと異なる場合があります。

今までのT-Rexシリーズでは

今までのT-Rexシリーズではここまで細かくバッテリー持続時間をカタログに明記していませんでした。それだけAmazfit T-Rex 2のカスタマイズ性が高いということなんだと思います。購入を検討されている方には参考になるデータですね。

普段使いでも最大24日間バッテリーが持つ

普段使いでも最大24日間バッテリーが持つのがAmazfit T-Rex 2の売りですが、すべての設定をフルに活用しても最大10日間もバッテリーが持つのは脅威です。

充電は週1回以下で済む計算となり、これだけをみてもバッテリーの持続時間が長いのがよくわかります。

登山で使用する場合

登山で使用する場合、ワークアウトでのバッテリー持続時間が重要になってきますが、高精度PGSモードでも最大26時間もバッテリーが持つアウトドアウォッチはそんなにありません。

厳冬期に連泊で縦走登山をしない限り、登山中にバッテリーが無くなることは無いでしょう。十分すぎるバッテリー駆動時間です。

特筆すべきなのは充電時間の短さです

そして特筆すべきなのは充電時間の短さ。モバイル充電器から約2時間でフル充電できてしまうので、連泊登山でも安心できます。まさに登山の為に生まれたようなアウトドアウォッチだと感じます。

GPSの精度

Amazfit T-Rex 2は高精度な測位が可能で

登山用のアウトドアウォッチとして、特に重要視したいのがGPSの正確性だと思います。

Amazfit T-Rex 2は高精度な測位が可能で、同時に2つの衛星電波を利用できるデュアルバンドGPSを搭載しています。また、GPS、GLONASS、Galileo、BDS、QZSS(みちびき)の5つの衛星測位にも対応。

GPSの設定は管理画面から自由に選択できます

GPSの設定によってはバッテリーの消費に大きく影響するので、用途に応じて細かなカスタマイズが出来るようになっているのはプラスポイントです。登山用途では、なおさら本領を発揮してくれるでしょう。

ワークアウト機能

ワークアウト機能

GPSウォッチならではの機能として、GPSや各種センサーと連動してルートトラッキングや心拍数等のリアルタイム測定を行い、活動内容をアプリに記録できるようになっています。

さらにAmazfit T-Rex 2は、なんと150種以上のスポーツに対応しているとのこと。

登山を行う場合は「クライミング」を選択

登山を行う場合は「クライミング」を選択。運動時間、距離、心拍数、消費カロリー、高度といった登山中に必要な情報をリアルタイムで計測してくれます。

Amazfit T-Rex 2ではワークアウト中の

Amazfit T-Rex 2はワークアウト中の情報表示画面もカスタマイズできます。これは他のアウトドアウォッチでは見たことが無い斬新な機能です。

例えば、登山であれば勾配や気圧、日没といった必要な項目を1画面につき最大6種類まで一覧表示が可能。登山中に必要な情報をチラ見で把握できるというのは、個人的にお気に入りの機能です。

Amazfit T-Rex 2の運動アラート機能は大変便利です

その他にも、運動アラート機能はとても便利だと思います。設定した心拍数を超えるとバイブ通知したり、一定の距離や時間が経過するとお知らせしたりと、登山では重要な歩行ペースを管理できるようになります。

登山が終了したら

登山が終了したら、「Zepp」アプリにワークアウトを転送して記録します。

スマートフォン上で登山ルートやコースタイム、獲得標高、カロリー消費といった細かなデータを確認できるので、GPSアプリのYamapやヤマレコのように登山記録のような使い方も出来ます。

ヤマレコやYamapは

ヤマレコやYamapは、あくまでも登山記録だけですが、Amazfit T-Rex 2では、日常生活でモニタリングしている心拍数や血中酸素、ストレスレベルといったデータの一部としてワークアウトを取り込むので、健康状態の推移も確認できます。

ルートのインポートとナビゲーション

ルートのインポートとナビゲーション

7月のOTAアップデートで搭載された「ルートインポート」と「ナビゲーション」機能は、歴代の「T-Rexシリーズ」には無かった登山で必須の新機能です。

個人的にAmazfit T-Rex 2をチョイスする決め手となった機能です。

ルートインポート機能を使うと

ルートインポート機能を使うと、ヤマレコで作成した登山計画や、Yamapの軌跡データをGPXファイルでダウンロードして「Zepp」アプリに取り込むこともできるようになるので、スマートウォッチ上でルート確認が出来るようになります。

インポートしたルートをAmazfit T-Rex 2から呼び出し

インポートしたルートをAmazfit T-Rex 2から呼び出し、ワークアウトを起動して登山開始すると、リアルタイムルートナビゲーションとしても利用できます。

万が一ルートから外れてしまってもバイブ通知でお知らせしてくれます

万が一、ルートから外れてしまってもバイブ通知でお知らせしてくれます。道迷いの危険性が軽減される大切な機能ですね。

ルートリターンナビゲーションを利用すると

ルートリターンナビゲーションを利用すると、ルートトラッキング情報を元に、辿ってきたルートに戻れるようにナビゲートしてくれます。こちらも道迷いをした時や、ピストン山行での下山時に便利な機能です。

もう一つ、現在位置からスタート地点

もう一つ、現在位置からスタート地点までをつなぐ最短の直線をウォッチ上に表示する「ダイレクトリターンナビゲーション」という機能もあるのですが、これは道迷いした時に現在地の目安や、どの方角から来たのかを把握する為の機能なんだそうです。

高度計・気圧計・コンパス

高度計・気圧計・コンパス (2)

登山をする上で、アウトドアウォッチにマストな機能が「高度計・気圧計・コンパス」です。

もちろん、こちらも標準装備。Amazfit T-Rex 2では、気圧高度計を選択すると気圧計と高度計を見ることが出来ます。

気圧計はリアルタイムで気圧をモニタリング出来ます

気圧計はリアルタイムで気圧をモニタリングできます。

「嵐アラート」を有効にすると、Amazfit T-Rex 2が気圧の変化を検知してお知らせしてくれるので、天気の変化が激しい登山ではお守りになります。

コンパスは大変見やすくて使いやすい

コンパスは大変見やすくて使いやすいデザインをしています。コンパスだけではなく、気圧や標高も表示されるので大変便利です。

天気予報

天気予報1

Amazfit T-Rex 2では、GPS情報から、現在いる場所の天気情報を自動で取得します。

また、「Zepp」アプリより最大5ヶ所まで任意の場所の天気予報を登録できます。あらかじめ行きたい候補の山の地域の天気を登録することで、気象状況を確認できるようになります。

反映した気象状況は

反映した気象状況は、ワークアウト中の情報表示画面や、ウォッチフェイスに表示することが出来ます。

特に登山では気温や湿度、天候はもちろんのこと、日の出、日の入り時間は重要な情報になります。さらに気象警報をプッシュ通知でお知らせする機能もあるので、突然の天候の変化も把握できます。

とても便利な天気予報機能なのですが)

GPS情報から自動的にその地域の天気を取得したい場合は、デフォルトの「現在の場所」を選択します。登録した地域の天気を表示したい場合は、「Zepp」アプリから手動で設定が可能です。

登山で便利なその他の機能

登山で便利なその他の機能

最後にテント泊登山やキャンプで地味に便利な機能を2つほどご紹介します。

アラーム

アラーム

テント泊登山では朝早く起床することが多いので、音が鳴るアラームは周りに迷惑をかけてしまいます。Amazfit T-Rex 2のアラームはバイブでお知らせをするので、周りに迷惑をかけることなく起床できます。

懐中電灯

懐中電灯

ウォッチフェイスを真っ白に光らせただけの目から鱗の機能ですが、高解像度のカラー液晶だからこそ成せる業です。

意外と明るいので、真っ暗なテント内でサクッと灯りを照らしたい時に地味に便利です。

登山だけでなく日常使いにも使えるアウトドアウォッチなら「Amazfit TーRex 2」がおすすめ

ここまで登山目線で機能を纏めましたが

ここまで登山目線で機能をまとめましたが、普段使いでも大変便利な機能が満載です。

心拍数や血中酸素レベル 、ストレスレベル、呼吸のリズムを24時間モニタリングして健康管理を行ったり、メールや着信通知、アプリのプッシュ通知を受信したり、カレンダー、電卓、To-Doリストといった一般的なスマートウォッチの機能はほとんど網羅しています。

むしろ無いものは通話機能と電子マネー対応くらいで、それ以外に欲しい機能はすべて搭載されていると言っても過言ではありません。初めてのスマートウォッチ選びに悩んでいるなら、「Amazfit TーRex 2」は安心しておすすめできる一台です。

Amazfit T-Rex 2の基本機能の紹介だけで長くなってしまいましたが、次回は実際に登山で使用してみて、他のアウトドアウォッチと何が違うのかを比較レビューしたいと思います。そちらも是非合わせてチェックしてみて下さい。

Amazfit T-Rex 2についてもっと知りたいなら
\Amazfit|日本公式オンラインストア/
詳細・購入:https://www.amazfit.jp/products/amazfit-t-rex-2

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