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アスレチック感満載「右田ヶ岳」スリリングな岩場と絶景が広がる最強の低山【山口県】

アスレチック感満載「右田ヶ岳」スリリングな岩場と絶景が広がる最強の低山【山口県】

またまたとんでもない山をみつけてしまいました。アスレチック感満載の岩場がジェットコースターのように続き、360度大パノラマの信じられない絶景を随所で拝むことができるという、最強の低山です。

今日は、今まで登ったことのある低山の中でも最強クラスに楽しい山「右田ヶ岳」の周回コースをご紹介いたします。

花崗岩むき出しの荒々しい山容が魅力「右田ヶ岳」

山口県防府市にある「右田ヶ岳(みぎたがだけ)」は、防府平野の北端に位置する標高426メートルの山です。「中国百名山」「山口県百名山」に選定されています。

花崗岩がむき出しの荒々しい山容

花崗岩がむき出しの荒々しい山容が特徴で、低山とは思えないゴツゴツとした岩肌の美しさは、遠くからでも一発で分かる勇壮さです。

右田ヶ岳は低山ながらも、防府平野の端にある

右田ヶ岳は低山ながらも、防府平野の端にある好立地なので周りに山が無く、360度パノラマビューの絶景の山です。登山中も景色が開けた場所が多く、岩肌がむき出しの山ならではの終始展望が良い山です。

バリエーションルートを含める

バリエーションルートを含めると登山コースが恐ろしく充実しているので、飽きのこない登山を楽しむことが出来ます。道は不明瞭ながらも、スリリングな登山を楽しめるとあって登山者の間で人気のリピーターが多い山なんだそうですよ。

「右田ヶ岳」登山コース

「右田ヶ岳」登山コース

右田ヶ岳はバリエーションルートを含めると登山道が無限にあります。主要な登山コースは以下になります。

天徳寺コース

  • 石船山や磨崖仏を経て山頂を目指すコース。標高差約410m/片道約1.3km/徒歩90~100分程度
  • 最寄りの駐車場は「天徳寺駐車場」(駐車可能台数約30台/無料・トイレ無)

塚原コース

  • 岩場や起伏が少ない比較的楽なコース。標高差約410m/片道約1.5km/徒歩約70~80分程度。
  • 最寄りの駐車場は「塚原駐車場」(駐車可能台数約25台/無料・トイレ無)

勝坂コース

  • 岩登りが続くテクニカルなコース。標高差約370m/片道約1.1km/徒歩約70~80分程度
  • 最寄りの駐車場は「右田ヶ岳登山者用駐車場」(駐車可能台数約2~3台/無料・トイレ無)

右田ヶ岳の登山道は本当に多岐に渡り

右田ヶ岳の登山道は本当に多岐に渡り、「チャレンジコース」と呼ばれるロッククライミングのようなコースや、地元の人しか知らない謎ルートを含めると、いくつ登山コースがあるかわからない程なんだそうです。

今日は「天徳寺コース」より

今日は「天徳寺コース」より石船山と右田ヶ岳山頂を目指し、「塚原コース」の緩やかな方のコースで下山する周回コースをご紹介いたします。コースは以下のような流れになります。

モデルコース 標高差約410m/総距離約3.6km/コースタイム約150~170分程度

天徳寺駐車場 → 天徳寺 → 観音堂 → 石船山 → 8合目 → 右田ヶ岳西峰 → 右田ヶ岳 → 塚原分れ → 分岐 → 海宝寺跡地 → 天徳寺駐車場

順を追って説明しますね。

天徳寺駐車場 → 天徳寺

天徳寺駐車場-→-天徳寺

登山道の最寄りの駐車場は、山陽自動車道防府東インターから車で約5分の場所にある天徳寺駐車場です。小学校にある臨時駐車場で駐車料金は無料。約30台駐車可能です。トイレは無いので注意が必要です。

登山道のある天徳寺までは

登山道のある天徳寺までは、駐車場の裏にある右田小学校沿いの道を歩きます。右田ヶ岳は駐車場含め、トイレがありませんが、嬉しいことに右田小学校では登山者の為にトイレを開放してくれています。

天徳寺までは至る所に案内板

天徳寺までは至る所に案内板があるので道迷いの心配はありません。距離にして約0.2km、約5分程度の道のりです。

5分程度歩くと天徳寺

5分程度歩くと天徳寺の山門がみえてきます。登山口は山門を入った左側にあります。

天徳寺は右田毛利氏

天徳寺は右田毛利氏の墓所がある菩提寺で、境内にある樹齢800年といわれる大イチョウの木が有名なんだそうです。後ろに見える岩肌の山が、これから登る石船山です。

天徳寺 →観音堂

天徳寺-→観音堂

第一のチェックポイントとなる観音堂までは距離にして0.2km、標高差70メートル程度を約10分かけて登ります。境内を左側に進んだ奥にある石段を上がると登山口があります。

観音堂までは階段地獄

観音堂までは階段地獄が続きます。大変整備された石段ですが、思っていた以上に長い階段で、意外とハードに感じることでしょう。

階段を登りきると建物が見えてきました

階段を登りきると建物が見えてきました。チェックポイントの観音堂です。

観音堂を少し登った場所は

観音堂を少し登った場所は広場の様になっていて展望があります。広場から山の方向を見ると、観音様が彫刻された巨大な岩が目に飛び込んできます。三十三観音摩崖仏(さんじゅうさんかんのんまがいぶつ)です。

因みに、観音堂から石船山までは

因みに、観音堂から石船山までは、岩に彫刻された観音様が33体も点在するので、至る所で摩崖仏を拝むことが出来ます。33体全てを拝みたい場合は、三十三観音を巡る専用コースを歩きましょう。

観音堂 → 石船山

観音堂-→-石船山

石船山までは距離にして0.2km、標高差90メートル程度を約15分かけて登ります。石船山山頂までは至る所で摩崖仏を拝むことが出来ます。

登る度に摩崖仏が出現するので

登る度に摩崖仏が出現するので、観光がてら登山を楽しむことが出来ます。まるでスタンプラリーを楽しんでいるようで山頂まであっという間です。

石船山を目指す登山道だけでも

石船山を目指す登山道だけでも、少なくとも10体以上の摩崖仏を拝むことが出来ます。本当であれば三十三観音全てを巡るコースを周回したかったのですが、道が分かりづらく、今回は断念しました。

山頂手前まで、本当に

山頂手前まで、本当に間髪入れずに摩崖仏が出現します。どの時代に、誰が彫ったのでしょうか。こんな足場の悪い岩肌の急斜面に、よく33体も彫ったなと感動してしまいます。

そうこうしているうちに石船山山頂

そうこうしているうちに石船山(せきせんざん)山頂に到着です。標高は194メートル。山頂標識がなかなか見つからず、苦労しましたが、木々に囲まれた地味な山頂標識を見つけることが出来ました。

展望は良く、これから登る

展望は良く、これから登る右田ヶ岳西峰と右田ヶ岳が目の前です。見た目からして岩場の急登が続く山行であることが想像できますよね。

石船山 → 8合目

石船山-→-8合目

8合目までは距離にして0.6km、標高170メートル程度を約40~50分かけて登ります。折角稼いだ標高ですが、ここで20メートル程下ります。

鞍部(山と山との間の低くなった所)まで降りると

鞍部(山と山との間の低くなった所)まで降りると、目の前に右田ヶ岳が聳え立ちます。この先は岩場の急登が続くアスレチックコースです。

8合目までは容赦のない岩場の登り

8合目までは容赦のない岩場の登りが続き、登りごたえがあります。山行の大半がこうした岩登りなので、右田ヶ岳ではストックは使わないほうが良いと思います。

岩だらけの山ということもあり

岩だらけの山ということもあり、随所に開けた場所があるので眺望が良いです。低山ながらも至る所で絶景を拝むことが出来ます。後ろを振り返ると、先ほど登った石船山の山容を拝むことが出来ます。

標高を上げていくにつれ岩が大きくなり

標高を上げていくにつれ岩が大きくなり、本格的な岩登りを楽しむことができる箇所が増えていきます。

8合目には分岐点があります

8合目には分岐点があります。右側へ進むと直接右田ヶ岳を目指すことが出来ます。左側へ進むと右田ヶ岳西峰を経て右田ヶ岳を目指すことが出来ます。折角なので右田ヶ岳西峰も踏破することにしました。

8合目 → 右田ヶ岳西峰

8合目-→-右田ヶ岳西峰

右田ヶ岳西峰までは距離にして0.1km、標高差50メートル程度を約10分かけて登ります。100mの距離で標高差が50mというのは、絶壁の鎖場で有名な伊予ヶ岳と一緒の勾配です。如何に急峻かが良くわかります。

1つ1つの岩が巨大なため

1つ1つの岩が巨大なため、登るのも一苦労です。両手を使うシーンが増えていきます。右田ヶ岳は距離は短いのですが、所謂直登の急登が続く登りごたえがある山です。

右手には右田ヶ岳山頂が見えます

右手には右田ヶ岳山頂が見えます。山頂には日本の国旗が掲げられているようですね。肉眼でもはっきりと見えます。

山頂手前は、もはやロッククライミング

山頂手前は、もはやロッククライミングです。幸いなことに危険個所は無いのですが、アスレチック感が物凄くスリリングな岩場が続きます。

右田ヶ岳西峰に到着です

右田ヶ岳西峰に到着です。標高は403m。山頂標識は地味で、しかも山頂の周りは木々に囲まれているので展望がゼロでした。

右田ヶ岳西峰 → 右田ヶ岳

右田ヶ岳西峰-→-右田ヶ岳

右田ヶ岳山頂までは距離にして0.1km、標高差30メートル程度を約10分かけて登ります。一旦10メートル程度下った後に登り返しです。

山頂までは岩場の登山道が少なく

山頂までは岩場の登山道が少なく、思っていた以上に登りやすいのですが、登山道が不明瞭なのが厄介です。謎の分岐が多々あるので結構道に迷います。

途中にある分岐点は、8合目の分岐

途中にある分岐点は、8合目の分岐から直接右田ヶ岳山頂を目指す登山道との合流地点です。案内板のお陰で道に迷わず済みました。

山頂直下も謎の分岐が多く

山頂直下も謎の分岐が多く、すんなりと山頂にたどり着けません。どの道に進んでも山頂にいけるようですが、GPSアプリや登山地図を持参していないと不安になること間違いなしです。

右田ヶ岳山頂に到着です

右田ヶ岳山頂に到着です。標高は426m。アスレチック感満載の登山道なうえに見どころも多く、いつの間にか山頂に到着していたという印象でした。

右田ヶ岳山頂からの景色

右田ヶ岳山頂からの景色

右田ヶ岳山頂は低山とは思えないほどの、360度パノラマビューが広がる絶景の山です。山頂標識以上に主張が強い日本国旗が特徴的です。

眼下には防府平野に広がる

眼下には防府平野に広がる防府市の街並みを一望できます。

登ってきたルートを見渡すと

登ってきたルートを見渡すと、手前に石船山が見えます。なかなかの存在感です。奥に見えるグラウンドが駐車場のある小学校です。

右田ヶ岳の周りには高い山が無く

右田ヶ岳の周りには高い山が無く、360度平野が広がるので、どの方角を見渡しても開けています。まるで高い山から眺める眺望そのものです。

山頂自体は広くありませんが

山頂自体は広くありませんが、岩がせり出した自然のベンチが至る所にあります。開放的な景色を満喫しながらゆっくりと休憩ができますよ。

右田ヶ岳 → 塚原分れ

右田ヶ岳-→-塚原分れ

今回は周回ルートなので下山は別のコースを通ります。塚原分れと呼ばれるチェックポイントまでは距離にして0.3km、標高差60メートル程度を約10分かけて下ります。

下山で利用する「塚原コース」は

下山で利用する「塚原コース」は、直登ルートと本登ルートの2つがあります。直登ルートは登山道がわかり辛く、本当に急こう配だったので本登ルートを使いました。

右田ヶ岳は登山コースが充実していて

右田ヶ岳は登山コースが充実していて、バリエーションルートや地図に載っていないルートが多々あります。その為、地図に載っていない分岐があったりと、油断をしてしまうと全然違うコースに進んでしまいがちです。

塚原分れと呼ばれる分岐に到着しました

塚原分れと呼ばれる分岐に到着しました。親切なことに案内板が設置されていたので助かりました。間違った方向に進んでしまうと縦走路に行ってしまうところでした。

塚原分れ → 分岐

塚原分れ-→-分岐

分岐までは距離にして0.8km、標高差260メートル程度を約30~40分かけて下ります。前半は岩場の急こう配が続く足場の悪い道のりです。

そのかわり眺望が良い道のりなので

そのかわり眺望が良い道のりなので、至る所で絶景を拝むことが出来ます。下山でも楽しい山は名山の証だと思います。

途中には「塚原コース」の直登コース

途中には「塚原コース」の直登コースとの合流地点があります。ここから先は緩やかな登山道が続きます。

分岐に到着です。案内板があるお陰で

分岐に到着です。案内板があるお陰で道を間違えることが無く、安心です。

分岐 → 海宝寺跡地 → 天徳寺駐車場

分岐-→-海宝寺跡地-→-天徳寺駐車場

天徳寺駐車場までは距離にして1.1km、標高差90メートル程度を約20分かけて下ります。緩やかな樹林帯歩きで、久々に楽な登山道歩きを楽しむことできます。

「塚原コース」登山口がある海宝寺跡地までは

「塚原コース」登山口がある海宝寺跡地までは距離にして約0.4km、標高差90メートル程度を約10分程度です。海宝寺跡地は広場の様になっていて、お地蔵さんがあるので良い目印になります。

海宝寺跡地から天徳寺駐車場までは

海宝寺跡地から天徳寺駐車場までは距離にして0.7km、約10分程度の道のりです。右田ヶ岳の山容をばっちりと拝みながらの歩道歩きです。

天徳寺駐車場に到着です

天徳寺駐車場に到着です。右田ヶ岳は往復2~3時間で内容の濃い登山を満喫できる、筆者の期待を良い意味で裏切る最高の山でした。

右田ヶ岳に登ってみてわかったこと

右田ヶ岳に登ってみてわかったこと

右田ヶ岳は、登りはじめから下山まで全く飽きが来ない楽しい山でした。右田ヶ岳に登ってみてわかったことをまとめました。

まとめ

  1. 花崗岩がむき出しの荒々しい山容が特徴
  2. 登山コースが沢山あり、いくつ登山コースがあるかわからない程
  3. ロッククライミングのような上級者コースもあり、リピーターが多い
  4. 天徳寺コース→塚原コースの周回ルートは定番の人気コース
  5. 観音堂→石船山までは至る所で摩崖仏を拝めるので観光も楽しめる
  6. 石船山から山頂までは岩場の急登が続くアスレチックコース
  7. 謎の分岐や行き止まりが多く道が不明瞭な個所が多々。道迷いの心配がある
  8. 山頂含め、低山とは思えない360度パノラマビューの絶景が広がる
  9. 標高が低いので冬場でも安心して登山が楽しめる
  10. 登りはじめから下山までアスレチック感が満載な最強の低山

岩登りと様々な絶景を楽しむことができる最強低山

岩登りと様々な絶景を楽しむことができる最強低山

右田ヶ岳はアスレチック感満載の岩登りが続き、随所で絶景を拝むことが出来ます。登山コースが物凄く豊富なこともあり、リピーターが多い人気の山であることも納得です。

里山でここまで楽しい山は、以前ご紹介した「大小山」以来です。右田ヶ岳も、個人的に里山最強説を唱えたい、登っていて楽しい低山です。

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