キャンプに、車中泊に、そして災害時の備えとして近年脚光をあびるポータブル電源。その進化はすざましいものがあります。そんな進化し続けるポータブル電源で、電源容量が一番大きく現時点の最新モデルとして入手したのが、EENOUR「P2001」です。
ポータブル電源が活躍する冬キャンプに向けて、大容量ポータブル電源を実際に使ってみて解った魅力についてレビューします。
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目次
近年のポータブル電源の進化
キャンプや車中泊などアウトドア、災害時の備えに活躍するポータブル電源。年々需要が高まっている製品ジャンルということもあり、その進化も目を見張るものがあります。
最初にポータブル電源を手にしたのは、もう4,5年も前の話。ポータブル電源を選ぶ際に一番の要素となるバッテリー容量も年々容量が大きくなっています。ポータブル電源の進化により、使える電化製品も増え、今までより長い時間使えるようになったことで、利用する場面も増えてますます便利に使えるようになりました。
そんな進化し続けるポータブル電源で、今年2022年の最新機種として入手したのが、この「EENOUR P2001」。その魅力についてご紹介します。
大容量ポータブル電源「EENOUR P2001」とは
EENOURについて
出典:EENOUR公式サイトEENOURは、日本のポータブル電源市場に5年以上の深い知識と経験を培ってきたメンバーが集結し、2020年に新しく創立した中国のブランドです。
ポータブル電源の市場では中国製品の電池・バッテリーのクオリティは高く、またコスパが良い製品が多いことから、数あるポータブル電源のブランドの中でも人気が高いブランドの一つになっています。
EENOUR P2001 基本スペック
そんなEENOURから、今年2022年に登場したポータブル電源のフラッグシップモデルがこのP2001。
サイズは約279×330×394mm(幅×奥行き×高さ)。重さは約22kg。動作温度は-10〜45℃。AC電源コード、ソーラー充電用ケーブル(MC4-アンダーソン)、シガープラグコード(12V/24V用)が付属しています。
外観
グリーンのボディが特徴的な外観。自然の中のアースカラーとの相性の良く、アウトドア利用を想定したデザイン。
フロント側には、電源スイッチや液晶パネル、ライトなどが配置。そしてスマフォやゲームなどの充電に対応するUSBポートが並びますが、とにかくポート数が豊富。
そして最新機種の特徴としては、どれも高出力な充電に対応しています。
・USB-A 4ポート:最近のスマフォの急速充電に対応する12w,18wの高出力ポート
・USB-C 2ポート:PD(パワーデリバリー)の出力MAX値の100Wまで対応
本体前面に大きいLCD画面を装備。バッテリー残量や入出力のワット数、充電・放電の残り時間目安など、使用状況が一目でチェックが出来ます。
向かって左側には、家庭のコンセントから充電するAC電源コードと、ソーラーパネルから充電する際に入力するポートが配置されています。
向かって右側には、AC電源コンセントがなんと6つも配置。こんなに沢山使う場面はなかなか無いと思える程の数ですね。
これだけのコンセント口数があると、例えばフロント側のUSBポートが足りない時にUSB充電器を追加するなど、色々な状況に対応できるのも心強いです。
実際に使ってみて感じたEENOUR P2001の魅力
圧倒的なパワー。大容量、高出力
ポータブル電源にとって一番重要なのが、容量と出力数。EENOUR P2001の容量は2000Wh、定格出力2000W、最大出力4000Wと桁違いです。
容量は充電・給電時間に関わるので、容量が少ないと利用途中でバッテリー切れとなる可能性も。その容量が2000Wもあれば、かなり余裕をもって使えます。今まで一泊しかもたなかったキャンプ利用でも、2,3泊は問題なく使えそうです。
定格出力/最大出力数は、使用する電化製品の消費電力より低いと、給電されず使用できません。定格出力2000Wもあれば、家庭用の電化製品なら使えないものを探す方が難しいです。
そこで、今までポータブル電源で使えなかった電化製品を試してみました。まずは石油ファンヒーター。
石油ファンヒーターは運転中は20W程の電力しか使わないのですが、最初の点火時に最大の電力を使います。また機種によってその最大電力数にかなりの差があり、ポータブル電源では使えないものもありました。
我が家で利用しているコロナ製の石油ファンヒーターで検証してみましたが、問題なく点火出来ました。
点火時に必要となった最大出力は781W。そしてこの数値の電力を利用するのは最初の1,2分だけで、その後は20W前後で稼働し続けます。点火さえしてしまえば、あとは灯油を燃料に稼働するので、かなり省電力な家電と言えます。
ちなみにEENOURの定格出力は2000Wまでですが、最大瞬間出力として数分間だけなら4000Wまで出力することが可能です。コロナのファンヒーターは最大出力が800W弱でしたが、このポータブル電源は4000Wまでなら点火することが出来そうです(そんな大きな電力を必要とするファンヒーターは無いと思いますが。。。)
そして次は、一般家庭にある電化製品の中で消費電力が大きい部類に入る、ドライヤーと電気ケトル。
ドライヤー、電気ケトル、それぞれ使用電力は1300W前後と、やはり消費電量は大きいですが、こちらも問題なく利用出来ました。
使用時の液晶パネルは、ポータブル電源の残容量が92%。ドライヤーで1353Wの出力を消費していて、このまま使い続けると3時間程利用可能という表示になっています。ドライヤー程の電力を使う電化製品を3時間も使えるのは凄い、さすがの大容量を実感します。
試しに消費電力が大きいドライヤーと電気ケトル、石油ファンヒーターを3つ同時に利用してみました。その場合もすべて問題無く使うことが出来ました。
消費電力の合計出力では、2000Wを超えています。スペック上の定格電力の2000Wを超えても4000Wまでなら数分間の稼働が可能なので、今までのポータブル電源では停止してしまうような電力を出力しても問題無く稼働し続けるのは凄いです!
充電爆速、そして長寿命
容量が大きいポータブル電源は長時間給電できる性能を持ちますが、その分本体を満充電とするまでにかかる時間がどうしても長くなってしまうというデメリットがあります。
このEENOUR P2001は、家庭用電源で1時間40分でフル充電できちゃいます!
また、一般的に急速に充電出来ると電池寿命が短くなる心配もありますが、このバッテリーは充放電サイクル数は3,500回を超え、かなり長寿命。これは内臓されるバッテリーに、「リン酸鉄リチウム」を採用しているからです。
かつて主流だったリチウムイオン電池では、機種によりますが放充電サイクル数は数100程度(1,000に届かない)でした。それと比較すると3500回というのは、寿命の心配なく使える数字です。
バッテリーの制御装置も搭載しており、バッテリー電圧や温度を適切に管理することで高温、過熱、過電を防止するなど、安全性にも優れています。
充電する際に利用するケーブルも、AC電源部分の装置(箱のようなもの)がなくケーブル部分のみとなっており、省スペースで邪魔にならず取り扱いやすくなっています。
家庭用コンセントから充電している際の液晶表示。入力の電力は1045W。多くの電力を使って一気に充電するため、充電時間が短く済みます。
本体天面にあるコレが思いのほか便利
本体天面収納
今までのポータブル電源にありそうで無かったのがコレ。本体天面のフタ。
電源コードなどの付属品を本体と別で保管していると、いざ充電しようとするときに行方不明、ってポタ電あるあるですよね。ケーブル類が本体天面にスッキリ収まっちゃうので、これなら無くす心配もありません。
外出時はモバイルバッテリーやスマフォ充電のケーブル類などを保管して、充電ステーションとして活用するのも良さそうです。
本体天面ハンドル
そしてP2001の特徴がもう一つ。このハンドル。
P2001は、同性能のポータブル電源と比較すると比較的軽量ですが、それでも本体重量22kgはさすがに重い。片手ではとても持てない重さです。
この天面両サイドに付いているハンドルのおかげで、かなり持ちやすくなっているので、重さをそれ程感じず移動できるところがいいですね。
付加機能がすごい
無停電電源装置(UPS)
出典:EENOURストアポータブル電源の実用性や利便性をワンランクアップさせる付加機能。このP2001には、他には無い付加機能を搭載しているのです。それが無停電電源装置(UPS)。
UPSとは、ポータブル電源を家のコンセントと家電の間につなぐことで、停電の際に瞬時にポータブル電源からの給電に切り替える機能です。一般の家庭で利用する場合は、デスクトップパソコン、冷蔵庫、水槽、防犯防災装置、ネットワーク機器など、電源が切れると困るものがあると活躍してくれます。
LEDライト機能
どのポータブル電源にも普通に付いていLEDライト機能。アウトドア時に暗闇を照らせるだけでなく、停電時に長時間明かりとして利用できるので、LEDライトは自宅でも大活躍の機能。
個人的には、このP2001のLEDライトのカラー(電球色)が好みです。今まで使ってきたポータブル電源は白色でしたが、キャンプなどのアウトドアで利用するなら電球色が温かみがあっていいですね。
さらにソーラーパネルがあれば最強!
超大容量のポータブル電源とは言え、長時間の使用や消費電力の大きい電化製品を利用すると、バッテリー切れとなる可能性は十分にあります。また、ポータブル電源を利用する時は当然コンセントのない環境なので、充電する術がありません。そんな環境で充電出来るソーラーパネルがあれば、鬼に金棒です!
バッテリー切れとなった際に太陽光充電できる便利さはもちろんのこと、自然エネルギーを利用するので環境に優しく電気代の節約にも繋がります。
EENOURのソーラーパネル
ソーラーパネルはポータブル電源と同ブランドだと相性も良く、接続不良などの心配もありません。ポータブル電源のP2001と同じ、EENOURから商品化されている120Wのソーラーパネルを選びました。
パネル裏面に収納ポケットが付いていて、そこにケーブル類が収納されています。
USBポートも付属しているため、ポータブル電源だけでなくUSBケーブルを接続してスマフォなどの充電も可能です。
ソーラーパネルの充電性能は
晴れた日に、ソーラーパネルでのP2001への充電性能を検証してみました。
このパネルのスペックは120Wですが、実際に充電出来たのは80W~90W程。充電効率としては一般的な製品と大きく変わりません。
次に同じパネル2枚を繋くことで、パネル1枚の丁度倍となる160Wまで入力値が上げることができます。
ソーラーパネルを2枚の接続方法は、直列接続/並列接続の二種類あります。直列接続にすると充電効率も良さそうです。なお、並列接続の場合は、別途二股のケーブルが必要になります。
※ソーラーパネルは、出力する電流量・電圧量が定められています。充電するポータブル電源にも、入力できる電流量・電圧量の制限が定められているため、並列/直列それぞれのつなぎ方で、電流量・電圧量が制限内に収まっているかなどの確認が必要となります。
災害対策にも、一家に一台持っていると安心
大容量なだけに活用場面もたくさん
キャンプやアウトドア、車中泊に
スマートフォンや携帯ゲーム機など充電に、そして夏は扇風機、冬は電気毛布などの利用、さらに調理家電など、あらゆる家電製品に給電することが出来るので、車中泊やキャンプやアウトドアをリッチに楽しむ人には必需品になっています。
利用するポータブル電源が大容量なら、2,3泊でも途中で使えなくなる心配もありません。ソーラーパネルと併用すると太陽光で蓄電できるので、さらに長期滞在でも対応できます。大容量のポータブル電源があれば、電源サイトを選ぶ必要はもう無いですね。
倉庫やガレージでのDIY、庭いじり、屋外でのイベントでも活用できる
電源やコンセントがない場所でも電化製品を使えるようにしてくれるので、庭や屋外で電源が必要な作業にはとても便利。そして家庭内でもコンセントがない場合や、延長コードを使っていた不便さから、電源供給の課題を解決してくれます。
大容量ハイパターのポータブルの電源なら、テレビ、パソコン、冷蔵庫、洗濯機、調理器具、電子レンジやドライヤーなど、どんな家電も今まで使えなかったような場所で利用できるようになります。
防災グッズ・非常用・備蓄用の電源
ポータブル電源は蓄電性が高いので、充電しておいておくと万が一状況で緊急用電源として使用できます。
そんなときに大容量・高出力のポータブル電源があれば、スマホの充電だけでなく電気毛布や電子ケトルなど身近な家電製品が使用できるので、簡単な食事をしたり暖を取って家族の安全を確保することもできます。
災害時の備えとして、ポータブル電源は常に充電しておいて使える状態にしておきたいですね。我が家では、いざというときの為に災害時に利用するもの(ライトなど)も一緒に保管するようにしています。自分が不在時でも家族みんなで使えるように、置き場所や使い方を共有しておきましょう。
気になるお値段はちょっと高価、でもコスパは最強
出典:EENOUR公式サイト実はこのP2001という機種はOEMで、色々なメーカーが色や細部のデザインを変えて販売しています。EENOURもそのうちの1社ということになります。
ポータブル電源として有名なJackryやAnker、EcoFlowなど、メーカー自社ブランドの製品は信頼安心できますが、その分少し高価になってしまいます。
それに比べ、EENOURのP2001はOEMであるが故に安価。OEMといっても製品としてクオリティも高く心配はいりません。その証拠に、数多くのブランドが同じ型番の製品を出していることがあげられます。
高スペックの製品で最もコスパ(費用対容量)に優れる、それがこのEENOUR P2001の強みです。
もともとこのクラスのポータブル電源は、かなり高価格で手が届きませんでしたが、価格競争も激化しており価格も下がってきて手の届く範囲になってきていると思います。そんな今が買い時、ぜひこの機会に検討してみてください。
ギア
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