これからの暑い季節、キャンプをしていると飲み物がすぐにぬるくなってしまいがちですが、そんな悩みを解決してくれる真空断熱タンブラー。保温・保冷機能に優れ、暑い季節でも冷たい飲み物を長時間楽しむことができます。
保温・保冷といえば有名なのはサーモス。デザインやサイズの展開も豊富で、使用用途に合わせて選びやすく、価格もお手頃なため非常に購入しやすい商品です。
一方、アウトドアショップなどでよく目にするのがスタンレーのタンブラーです。サーモスより価格は上がりますが、アウトドア感のあるかっこいいデザインが特徴的で、その実力が気になる方も多いのではないでしょうか。
- サーモス 真空断熱タンブラー 400ml
- スタンレー スタッキング真空パイント 0.47L
今回は真空断熱タンブラーの定番でもあるこちらの2つの商品について、保冷力や使い勝手などを徹底的に比較してみます。
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真空断熱タンブラーのメリット
まず2つの商品の大きな共通事項は、ステンレス製であることと、真空断熱構造であることです。
真空断熱構造とは、タンブラーの本体外側と内側の壁の中に真空の層を作ることで、熱が移動するのを防ぐ構造です。この構造により、タンブラー外側が温かくてもタンブラー内側の温度は影響されず、飲み物の温度を保ってくれます。
タンブラー内に入れた飲み物の温度もタンブラー外側には影響しないので、冷たい飲み物を入れて結露で水浸しになったり、温かい飲み物を入れてタンブラーが熱くなることなく使用できます。
使用感の比較
サーモスの使用感
サーモスは全体的にフラットな細身のフォルムで、手に持つと握りやすいと感じます。デザインはシンプルなステンレスなので使いやすく、手触りはツルツルとしています。
サイズが400mlなので、350mlの缶ドリンクを入れると思ったよりもギリギリです。ビールを入れるとおそらく泡は溢れてしまうのではないかと思います。
余裕がほとんどないため、缶から移したドリンクに氷を入れて楽しむのには小さい容量だと感じました。
スタンレーの使用感
一方スタンレーは、ステンレス素材が見えるのは飲み口に近い上部のみで、全体的にずっしりとしたフォルムです。サーモスよりも直径が大きいので、お子様や手が小さい方は持ちづらいと感じるかもしれません。
アウトドア感溢れるデザインがとてもカッコよく、全カラーのうちグリーンは質感もザラザラとしています。
こちらは容量が470mlですので、350mlの缶ドリンクを入れても氷を入れる余裕がしっかりあります。暑い時期は缶チューハイなどに氷を入れて使用することも多いため、とても使用しやすい容量だと感じました。
保冷力の比較
暑い中での保冷力を比較する為、冷蔵庫で冷やした水をそれぞれ200mlずつタンブラーに入れ、温度の上がり具合を見てみます。
室温は29℃、使用する冷水の温度は10℃です。
1時間後
1時間室内に放置した水の温度を見てみると…
サーモス 14℃(+4℃)
スタンレー 15℃(+5℃)
1℃ほどサーモスの方が温度の上昇が少ない結果となりました。飲んでみるとどちらも「冷たい」と感じられます。
なお断熱性能の検証のためガラスのコップに入れていた同量の水は、22℃まで上がっていました。周りも結露で水浸しです。飲んでみると明らかに「ぬるい」と感じる温度でした。
蓋をして検証
サーモスの方が温度の上昇が少ない結果となりましたが、その理由としてスタンレーの方がサーモスに比べて口径が広く、室温が干渉する面積が広いことが原因ではと考え、同条件で蓋をした状態でも検証してみることにしました。
10℃の水を使用し、29℃の室内に蓋をした状態で1時間放置します。
1時間後
蓋を開けて温度を測ってみると…
サーモス 13℃(+3℃)
スタンレー 11℃(+1℃)
サーモスは蓋がない状態よりも1℃上昇を抑えました。そして蓋なしでは5℃上昇していたスタンレーが、たった1℃の上昇でサーモスを上回りました。
微差ではありますが、サーモスは蓋のありなしにあまり左右されず安定した保冷力を誇り、スタンレーは口径が広い分温度が上昇しやすいですが、蓋を使用することでその実力を存分に発揮することができた結果となりました。
なお今回は検証用に自宅にあったキャニスターの蓋を代用しましたが、サーモス専用の蓋や、スタンレーにぴったりのサイズの蓋、100均でもタンブラー用のシリコンの蓋なども販売されています。是非チェックしてみてください。
保温力の比較
真空断熱タンブラーの魅力は保冷だけではなく保温にもあります。電気ケトルで沸かしたお湯を350mlずつ入れて温度の下がり具合を見てみます。
室温は同様に29℃、最初のお湯の温度は曇っていて見づらいですが92℃です。
1時間後
1時間室内に放置したお湯の温度を見てみると…
サーモス 53℃(-39℃)
スタンレー 48℃(-43℃)
サーモスが4℃温度が高い結果となり、飲んでみるとどちらも「少しぬるい」と感じました。
どちらも大幅に温度は下がっていますが、温かい空気は上へ逃げるので、やはり口径が広いスタンレーが温度が下がったと推測します。
蓋をして検証
こちらもやはり広い飲み口から空気が逃げることが原因と考え、蓋をした状態でも検証してみます。
室温は同様に29℃、お湯の温度は92℃で1時間放置します。
1時間後
蓋を開けてお湯の温度を測ってみると…
サーモス 64.5℃(-27.5℃)
スタンレー 64℃(-28℃)
先ほどはどちらも40℃前後温度が下がってしまっていたのに対して、蓋をすることでどちらも28℃程度に抑えることができました。飲んでみるとどちらも「熱い」と感じるほどの温度を保っています。
蓋がない状態ですと温度に差がありつつもどちらも熱いと感じる温度ではなくなってしまっているので、サーモス・スタンレーどちらの場合でも、温かい飲み物において蓋はかなり効果的です。
特にスタンレーは蓋がないと温度が半分近くまで下がってしまったので、スタンレーで温かい飲み物をより長く楽しむためには蓋は必須だと感じました。
容量とデザインの好みに蓋を合わせて選ぶのがオススメ
蓋ありスタンレー(+1℃)>蓋ありサーモス(+3℃)>蓋なしサーモス(+4℃)>蓋なしスタンレー(+5℃)
蓋ありサーモス(-27.5℃)>蓋ありスタンレー(-28℃)>蓋なしサーモス(-39℃)>蓋なしスタンレー(-43℃)
蓋を使用しない場合、温度の数字だけ見ると口径の小さいサーモスの方が保冷・保温力ともに高い結果となりましたが、蓋をするとどちらも実力はほぼ互角であると感じました。
サーモスはスタンレーと比較すると蓋がなくとも温度の変化が緩やかで、さすがの保冷・保温力です。商品自体の価格がお手頃でデザインや種類も豊富なのも魅力で、300mlの小さいサイズもありお子様でも扱いやすいサイズとの声もあります。
スタンレーは持っていくだけでテンションの上がるアウトドア感溢れるデザインに加え、大きめのサイズが缶ドリンクを移し替えるのにかなり適しています。ただ他のサイズ展開はないためコーヒーやお茶などを飲むのには少し大きく、サーモスに比べて蓋なしでは温度の変化も大きくなるので、蓋も合わせて使用するのが良いと感じました。
私は缶の使用も少なく手馴染みの良いサーモスを自宅、缶の使用が多くアウトドア感のあるスタンレーをキャンプで使用していましたが、今回の検証を経てスタンレー専用の蓋も購入することにしました。
ぜひご自身のキャンプスタイルや、よく飲むドリンクなどに合わせてピッタリの真空断熱タンブラーを選んでみてください。
ギア
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