山梨県にある「石割山」は、富士山ビューとパワースポットの山として人気です。「初心者におすすめの富士山の眺めが素晴らしい山」として多くの媒体で紹介されていますが、実際のところの難易度はどうなのでしょうか?
今日は富士山ビュー・パワースポット巡り・開運を同時に叶えることが出来る「石割山」の定番コースと、登ってみた感想をご紹介いたします。
目次
富士山ビューとパワースポット「石割山」
山梨県山中湖村、忍野村、都留市の境にある「石割山(いしわりやま)」は、東名高速道路御殿場インターから車で約40分。道志山塊の南西に位置する標高1412mの山で、山梨百名山に選定されています。
八合目に鎮座する石割神社は、古事記にある「天の岩戸」の伝説の地といわれるパワースポットで、天手力男命(あめのたぢからおのみこと)を祀り、割れた巨岩をご神体としています。
ご神体である割れた巨石「大岩」を時計回りに3周すると幸運が訪れるといわれています。因みに石割神社の由来は、ご神体の大岩の割れ方が「石」の字に似ていることからで、そのまま山名の由来になっているようです。
山頂は360度パノラマビューではありませんが、富士山と山中湖を一望できる富士山の眺望が素晴らしい絶景スポットです。山頂まで70分程度とコースタイムが短く、富士山の絶景を拝みたい方には外せない山だと思います。
「石割山」登山コース
出典:山中湖観光情報富士山ビューとパワースポット巡りでお勧めの定番コースは「石割山ハイキングコース」です。車でも、公共交通機関の利用でもアクセスしやすい山ですよ。それぞれの交通手段別にコースをまとめました。
車利用の場合
- 石割神社駐車場から山頂を目指す、標高差約360m/片道約1.5km/約70分程度のコース
- 最寄りの駐車場は「石割神社駐車場」(駐車可能台数約30台/無料・トイレ有)
バス利用の場合
- 平野バス停から石割山入口を経て山頂を目指す、標高差約380m/片道約3.1km/約90分程度のコース
- 最寄りのバス停は「平野バス停」(トイレ有)
石割山は縦走コースが充実しているので、バリエーション豊かな登山計画を立てることが出来ます。今日ご紹介するモデルコースは、石割神社駐車場から石割山を目指し、平尾山を縦走する周回コースです。
コースは以下のような流れになります。
モデルコース
- 石割神社駐車場→鳥居→富士見平→石割神社→石割山→一ノ砂ノ沢ノ頭→平尾山→石割神社駐車場
順を追って説明しますね。
石割神社駐車場→鳥居
登山口の最寄りの駐車場である「石割神社駐車場」は、約30台程度車を停めることができます。駐車料金が無料なので多くの登山者が利用します。
駐車場は砂利で、近くにトイレがあります。但し、冬季(12月~3月)はトイレが閉鎖になります。あと、残念ながら自動販売機はありません。
登山口は道路を挟んだ駐車場対面にあります。標識と太鼓橋が目印になりますよ。いかにも神社の入口といった味のある雰囲気です。
太鼓橋を渡ると、1分も歩かないうちにすぐに石割神社の鳥居がみえます。ここから先が本格的な登山のスタートです。
鳥居→富士見平
第一のチェックポイントとなる富士見平までは距離にして約300メートル、標高差100mを15~20分程度かけて登ります。出だしからとんでもなく長い階段が待ち受けています。
階段は403段もあり、ゴールが全く見えません。石割山は多くの媒体で「初心者でも登りやすい山」として紹介されていますが、「思っていたのと違う」となること間違いなしです。
長い階段を昇りきると標識がある場所に到着です。長かった階段もここまでかと思われるかもしれませんが、実は階段はここで終わりではありません。
この先も果てしない階段が続きます。ここで心が折れる方が続出するのではないでしょうか。筆者もそうでした。写真が手振れしているのは心が折れた瞬間を表しています。
果てしなく長い階段を昇りきると広場のような場所が見えてきました。富士見平です。東屋やベンチがあるので良い休憩スポットになりますよ。
富士見平→石割神社
第二のチェックポイントとなる石割神社までは距離にして約700メートル、標高差120mを20分程度かけて登ります。
そこそこ標高差がありますが道は整備されていて緩やかです。出だしの階段がきつかったこともあり、天国ロードに感じることでしょう。
石割神社までは樹林帯歩きです。時々、木々の隙間から富士山がチラ見えします。半分くらい歩いた場所には、紙垂が付いた石があるので良い目印になります。
石割神社までは観光客や参拝者向けに道が整備されているので登りやすいです。緩やかな樹林帯を登り進めると石が積まれた壁が見えてきます。石割神社はこの上にあります。
石壁を登ると石割大権現様が鎮座する御神木がみえてきます。「桂の御神木」です。ご神木の傍には「お釜岩」という釜の形をした水が湧き出る岩があり、相模川の源流なんだそうですよ。
御神木の先を登ると割れた巨岩が鎮座するパワースポット「石割神社」に到着です。祠の傍にある、高さ約15mもある巨大な岩がご神体です。
岩の割れ目を時計回りに3周まわると幸運が開けるということで、早速開運しましょう。
ちゃんと時計回りできるように神社の脇に順路が用意されています。順路に従ってまわりましょう。
岩の割れ目の幅は幅60センチ程度しかなく、人が1人やっと抜けられるほどの隙間です。ザックを背負ったまま通り抜けるのは無理です。しかも、体格次第では通り抜けるのも一苦労だと思います。
無事に隙間を潜り抜けました。反対側から見ると割れ目が広くみえますが、入口側が狭いということです。
石割神社→石割山山頂
石割山山頂までは距離にして約500メートル、標高差160mを25~30分程度かけて登ります。この先も本格的な登山道です。山頂までは景色が無く、急登続きの修行の道のりです。
登山道は大変荒れていて狭く、岩や木の根がむき出しです。足元が滑りやすいうえに、かなり急峻と、なかなか難易度の高い道のりです。
狭い登山道は笹で覆われていて蜘蛛の巣が凄く、個人的には蜘蛛の巣が一番厄介でした。石割山はそんなに標高が高くないので初夏から晩夏にかけては登山に適していないかもしれません。
急登で足場の悪い景観ゼロの登山道を心を無にして登り続けると、やっと空が開けてきました。山頂のようです。
石割山山頂に到着です。標高は1412m。思っていた以上にハードな道のりで、山頂に着いた時のご褒美感はいつも以上に感じられました。
石割山山頂からの景色
石割山山頂は360度パノラマビューではありませんが、目の前に富士山と山中湖が広がります。富士山ビューで人気の山であることも納得の絶景です。
背後を振り返ると木々に覆われて景色は望めません。1方向から富士山の絶景を拝む山といった印象でしょうか。
山頂にはベンチが無く、そこまで広大というわけではありませんが、比較的平らな広場になっているので、混雑していなければ昼食をとりながらゆっくり休憩が出来ます。
石割山山頂からの見どころは富士山なので、登るのであれば雲の無い晴れた日を狙いたいところです。折角山頂に到着しても、富士山を見ることが出来なければ物足りない気分になることでしょう。
石割山山頂→一ノ砂ノ沢ノ頭
ここからは周回ルートです。チェックポイントとなる一ノ砂ノ沢ノ頭までは距離にして約700メートル、標高差100mを20分かけて下ります。
因みに周回コースは使わないで、同じコースで下山(ピストン)する場合は、駐車場まで約60分で下山できます。
一ノ砂ノ沢ノ頭までは景色の無い、狭くて荒れた登山道です。大変急峻な道のりなうえに、滑りやすいので慎重に下りたいところです。
ロープがあるとはいえ、本当に急で滑ります。一ノ砂ノ沢ノ頭手前までは下り坂ジェットコースターだと思ってください。
暫く進むと一ノ砂ノ沢ノ頭に到着です。小ピークのようなのですが、登山道の途中にある景色の無い場所で、標識も地味で目立たないこともあり通り過ぎてしまいました。
一ノ砂ノ沢ノ頭→平尾山
平尾山までは距離にして約500メートル、標高差20mを15分かけて緩やかに下ります。山頂を目指すのに登りが無いのが面白いところです。
暫く悪路で狭い登山道が続きましたが、段々と道が広く緩やかになっていきます。分岐のある場所は広場のようで開放的です。
分岐点は下山する道と、平尾山へ向かう道で分かれています。平尾山は「石割山ハイキングコース」から外れた縦走路ですが、徒歩で5分もかからないので寄り道してみましょう。
平坦で開放的な道のりを歩き進めると平尾山に到着します。標高は1318m。石割山よりも開放的で絶景が広がっている印象でした。
石割山よりも富士山に近いこともあり、より富士山と山中湖の絶景がドーンと広がります。山頂も広く、開放的で、ベンチまであるので、平尾山のほうが昼食スポットとしてオススメかもしれません。
平尾山→石割神社駐車場
駐車場までは距離にして約1300メートル、標高差240mを40分かけて下ります。まずは分岐点まで戻りましょう。
引き続き急こう配で景色の無い、狭い登山道が続きます。一ノ砂ノ沢ノ頭までの道のり程、急な坂道ではないとはいえ、足を滑らせないように慎重に下りましょう。
暫く進むと分岐点に到着です。どちらに進んでも駐車場に到着しますよ。「駐車場・トイレ」方向へ進むと駐車場まで約25分です。平野方向へ進むと5分程度時間を短縮できるようなので、筆者は平野方向へ進みました。
平野方向へ進んだ場合、2つ目の分岐点があるのですが、非常に分かりづらく、油断していると通り過ぎてしまうので注意が必要です。「トイレ」方向(左手)に進まないと、全く違う場所へ進んでしまうので見落とさないようにしましょう。
駐車場が見えてきました。初心者におすすめの山と聞いていましたが、実際は思っていた以上にハードな山行でした。
「標高差や距離が短い」=「登りやすい山」とは限らないという、良い参考になる山でした。
石割山に登ってみてわかったこと
石割山は富士山とパワースポット巡りを楽しめる山でした。石割山に登ってみてわかったことをまとめました。
まとめ
- 富士山ビューとパワースポット巡りで人気の山
- 8合目にある「大岩」の隙間を3回通れば幸運が開ける開運スポット
- 車でも公共交通機関の利用でもアクセスしやすい登山口
- 出だしから403段の階段地獄が続き、心が折れるかも
- 富士見平から石割神社までは参拝者や観光客向けに歩きやすい天国ロード
- 石割神社から山頂までは急登なうえ狭く、景色の無い荒れた修行の道のり
- 山頂からは富士山と山中湖を一望できる人気の富士山スポット
- 山頂以外は基本、木々に囲まれていて景色が望めない
- 縦走コースが充実していて、柔軟に登山計画を立てることができる
- 距離や標高差が少ないとはいえ、初心者向けとは言い難い山行
初心者向けとは言い難い富士山どーんの山
石割山は初心者向けの山ですよと、多くの媒体で紹介されている人気の山ですが、そのまま鵜呑みにすると「思っていたのと違う」となるかもしれません。
その代わり、山頂からの富士山ビューは想像以上の絶景で、ご褒美感満載です。登山デビューでお勧めはできませんが、富士山ハンターには外せない山ですよ。
ギア
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