ソロキャンプに興味があったけど車を運転できないからできない…。と半ば諦めていた所に徒歩キャンプという手段があると知ってから一気にキャンプへのめり込んだ筆者。実際に始めると大変な部分もありますが、それ以上の魅力がありました!これまで徒歩キャンプを3年して分かった魅力を詳しくご紹介していきます。
目次
徒歩キャンプとは
キャンプ道具をバックパックやキャリーケースに詰めて、公共交通機関を利用しながら徒歩でキャンプ場へ向かうことを「徒歩キャンプ」と言います。車やバイクがなくても手軽にキャンプに行けることから都市圏を中心に広がりました。現在はキャンプスタイルの一つとしてキャンプ界隈では認知されています。
徒歩キャンプの魅力
車やバイクがなくても自力でキャンプができる
徒歩キャンプ最大の魅力は車やバイクが無くても気軽にキャンプへ行けること。筆者はペーパードライバーで車の運転に不安があり、車も持っていなかったのでソロキャンプは無理だと諦めていました。しかし、徒歩でキャンプに行っている人がいる事を知り、一気に世界が広がった気持ちに!
誰かの車に乗せてもらったりレンタカーを借りなくても、公共交通機関を使えば自分のペースで気ままにキャンプへ行く事ができるのです。
電車やバスを使うことで旅感がでる
多くの方はキャンプ場に着いたらキャンプが始まると思いますが、徒歩キャンパーの場合は家を出て歩き始めた瞬間からキャンプが始まります。
キャンプ場はほとんどが自然豊かな田舎にあるので、普段の通勤とは違う路線の電車やバスに長時間揺られ、地元の乗客さん達でその土地の雰囲気を感じとったり、途中下車して特産品を購入したり、食べたり、変わっていく景色を眺めていると旅をしている感覚になります。
時には新幹線を使って遠征キャンプもできちゃうので、キャンプと旅を同時に味わえる徒歩キャンプは魅力的です。
移動費が安く済む
近年ガソリン代は高騰しています。当然、公共交通機関を使う方が移動費は安いです。キャンプ場によっては最寄り駅まで送迎バスを出している場合もあるので、徒歩はかなりお得です。
筆者のホームグラウンドである広島県では、瀬戸内海に点在する離島でキャンプをすることもあります。その場合もフェリーに車を乗せると別料金がかかりますが、徒歩キャンパーの場合は自分自身の乗船代だけで済むのでかなり安く済みます。
お酒が自由に飲める
車やバイクでキャンプに行く場合はキャンプ場に着くまでお酒は飲めません。しかし徒歩キャンプの場合は移動中から自由にお酒が飲めます。
ローカル線に乗って長閑な景色を眺めたり、駅弁や地元の食べ物をおつまみにしながら、移動中も楽しく飲酒ができてしまうのです。しかもそれは行きだけでは無く、帰りも同様!帰宅時に飲むのも自由だし、キャンプ場で朝から飲酒もできます。お酒好きにはぴったりですね。
ミニマムスタイルで設営撤収が楽
徒歩キャンプの場合は必然的に荷物が少なくなるので設営撤収が楽です。単純にギアの点数が少なければ時間もかかりません。
多くのキャンパーさんは搬入搬出だけでも車とサイトを行ったり来たりと何往復かすると思いますが、徒歩キャンパーは一度で済みます。テント、グランドシートも基本的にはサイズが小さいので自宅ベランダでも乾かす事ができる。キャンプ場で完全乾燥させる必要も無いので、乾燥を待たずにすぐ撤収できます。
筆者はかなりめんどくさがり屋なので、これは超重要なメリットだと思っています!
日常生活もミニマム志向になる
ミニマムとは最低限・最小値のこと。筆者の場合、元々そういう傾向はあったのですが、徒歩キャンプを始めてより一層ミニマムな考え方が強まりました。徒歩キャンプをするうえで軽量化を考えると、単純に軽い物を購入すると言うより本当に必要な物は何なのか?を考えることがよくあるからです。
100均で安いから、ブランド品でカッコイイから、という基準でむやみに物を増やすより、生活の快適度があがる物だけを最低限持ちたい。修行僧みたいな生活を目指している訳ではないし、そもそもなれませんが、物に溢れた生活より良いのではないでしょうか。
ULギアがおしゃれ
筆者が徒歩キャンプで使用するULギアは、登山の方やロングトレイルハイカーの方が使うギアを参考にしているのですが、より過酷な環境で使用するギアなので機能面に優れているのに軽量、しかも多くがおしゃれなんです!
シンプルなのに割とカラフルな物も多くてポップ。アースカラーだらけになりがちなキャンプサイトのアクセントにもなります。
達成感がある
徒歩キャンプは厳選した荷物を自分で背負って歩いてキャンプに行くので、ちょっとした訓練に近いものがあります。筆者はもともとインドア派でアウトドアは一切した事がなかったので、初めての徒歩キャンプを終えた時はひとりでどこでも生きていけるんじゃないかと、もの凄い達成感でした。
今でもパッキングが上手くできたり、思った以上に軽量にまとまったりすると達成感を感じます。
運動不足解消
バックパックで行くなら10数kgほどの荷物を背負って数時間かけて移動する訳なので、車で行くキャンプより断然カロリーを消費します!
キャリーケースで行くなら楽だと思うかもしれませんが、街中で移動するようにスムーズには行きません。キャンプ場の最寄り駅はエスカレーターやエレベーターが無かったり、道が平坦で舗装されているとは限らないので、結局は抱えないといけない場面が良くあります。キャリーケースでも体力はけっこう消耗するのです。
筆者は普段オフィスワークで休日は家でゴロゴロする事が多かったので、休日に徒歩キャンプをする事は良い運動になっています。
徒歩キャンプのデメリット
ギアの軽量化が必須
やはり徒歩キャンプで最大のハードルになるのがキャンプ道具の軽量化です。
車で行くキャンプなら自宅で使用している調理道具や家電、布団などを持ち込む事も可能なのでスタートのハードルは低いけど、徒歩キャンプの場合は最初から軽量な道具を揃える必要があります。
しかも、軽量な道具は高価な場合が多く、初心者の場合は必要な道具も分からないと思うので準備が大変です。最近はレンタルをしているキャンプ場も多いので一部の道具はレンタルで済ませて身軽に始めるのもアリです。
天候や交通状況に左右される
近年ゲリラ豪雨が増え、公共交通機関が止まる事も多くなりました。筆者も実際にキャンプ前日に大雨が降って、当日は晴れていたので行きたかったけど、公共交通機関は止まったままなので渋々当日キャンセル…という事もありました。また、天候によって持って行く道具も変わっていくので天候の把握は必要です。
オートサイトでは萎縮しがち
車が横付けできるオートサイトでは大きいテントを広げたファミリーやグルキャンが多いので、その中にひとりでポツンと小さいテントを広げる徒歩キャンパーは目立ちます!笑
ちょっと寂しくなるので、筆者が徒歩キャンプに行く時はオートサイトを避けてフリーサイトにしています。
徒歩キャンプを楽しむコツ
徒歩でも様々なスタイルがある!
徒歩キャンプのスタイルは大きく分けて①キャリーケース徒歩キャンプ、②バックパック徒歩キャンプの2種類があります。さらに細分化すると、②バックパック徒歩キャンプは「無骨系」と「UL(ウルトラライト)系」とに分かれます。
スタイルによってギアの選定も大きく変わってくるので、初心者の方はどのスタイルで行くのか予め決めた方が良いです。
そしてブログ、YouTube、SNSで情報収集する時に気を付けて欲しいのが、バックパックキャンパー全員が徒歩キャンパーでは無いということ。キャンプ場の駐車場からサイトまでバックパックを背負うという方もいる。その場合は長距離を歩いたり、公共交通機関に乗ることを想定していないパッキングなので参考にならない事もあります。
軽量と快適のバランス
これはかなり難しいのですが、使いたい物を全部詰め込んでキャンプ場へ行くだけでヘトヘトになる様では疲れるだけだし、軽量化の為に荷物を削りに削ってやりたいキャンプができない様では何の為に徒歩キャンプをしているんだろう?となります。そこで軽量と快適のバランスを考える事は重要。
筆者の場合は料理を楽しむ為にクッカーや食材を増やすなら、チェアは外して地べたスタイルにしよう。とか、焚き火を楽しみたいから大きい焚き火台を持って行くならテントは小さい方にしよう。とか、その日のやりたいポイントを考えて軽量化の調整をしています。
下調べは十分に
車なら当日に臨機応変な対応ができる事も多いですが、徒歩キャンプの場合は難しいので下調べはかなり重要です。
まず公共交通機関の時間を調べるのは当然ですが、万が一止まったり遅れた場合の代替えルートはあるのかも調べておいた方が安全。天気や最低気温、食料の調達ができる場所などは装備に関わってきますし、キャンプ場に売店はあるか?薪の販売はしているか?ゴミの回収はしてくれるのか?等も事前に調べておくと当日困りません。
さらに次項で述べるエマージェンシーにも関わるのですが、徒歩の場合は車と違い何かあった時に逃げる場所がありません。キャンプ場に夜間スタッフはいるか?近隣に警察署(交番)はあるか?スマホの電波は入るのか?そちらも調べておきましょう。
エマージェンシー
エマージェンシーとは緊急事態を指す言葉。徒歩キャンプの場合は緊急事態に対応できる準備も重要です。
まずはエマージェンシーキット。筆者も最低限ではありますが、①ポイズンリムーバー②ピンセット③バンドエイド④ムヒはポーチに入れて必ず持って行きます。筆者は胃腸が強く普段から薬を飲まないので薬系は持って行かないのですが、胃腸が弱い方は整腸剤や解熱剤も持参すると安心です。
また、天候の変化はキャンプにつきものなので、晴れ予報でも折りたたみ傘、濡れ物を入れる40Lゴミ袋、携帯用レインポンチョも必ず持って行きます。車ならそこまで気にする必要はありませんが、徒歩の場合はずぶ濡れになると体温を奪われるし、ずぶ濡れのまま公共交通機関に乗るのも気が引けます。
創意工夫が必要な徒歩キャンプは楽しい!
もともと飽き性の筆者。現在は徒歩キャンプ4年目に突入しましたが未だ飽きることはありません。最初はキャンプ場に行って寝るだけで楽しかったのですが、慣れてくると徒歩でもできるキャンプ飯を考えたり更なる軽量化を考えることが楽しくなりました。
さらには旅とキャンプを組み合わせる遠征キャンプやアクティビティも組み合わせるなど楽しみ方は色々。徒歩キャンプの魅力が伝われば幸いです。
ギア
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