岩本利達
2023年のキャンピングカー販売総額が過去最高に!より自由で気軽な旅行が魅力に

2023年のキャンピングカー販売総額が過去最高に!より自由で気軽な旅行が魅力に

今年も一般社団法人日本RV協会から「日本RV協会 年次報告書2023(旧キャンピングカー白書)」が発表され、キャンピングカーの販売売上総額が1054.5億円と過去最高額を記録した事が分かった。

累積保有台数についても過去最高の15万5千台に到達しているものの、一方で国土面積が近いドイツの十分の一という事を考えるとまだまだ伸びしろのあるマーケットとも言われている。需要が増えれば増えるほど、魅力的なキャンピングカーが増えるので、消費者にとっては嬉しい限りだ。

中古車市場が大きく伸長

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まず調査で一番目についたのは、新車と中古のバランスについて。2022年までは8ナンバー新車が右肩上がりで伸びており、ピークとなる2022年では約500億円に達する。

その後、2023年では新車販売額が100億円ほど下がって390億円となるが、2022年では130億円だった8ナンバー中古車が約327億円と、約2.5倍に大幅伸長。

新車の売上は下がっているものの、2021年の売上レベルではあるし、中古車の売上増が全体の「過去最高売上」を下支えした形になる。

総生産台数は年間1万台を突破

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また、8ナンバー以外の新車についても121億円から274億円と伸長。8ナンバー以外のキャンピングカーの様に装備をフルスペックで揃えるのではなく、自分の必要なもののみを搭載する傾向が強まってきていると思われる。

実際に別のアンケートでは「8ナンバー以外の車中泊車」が大きく数字を伸ばしてきており、宿泊は車で、調理やリビング部分は外食したり外に拡張したりという事が考えられる。

72%が「制限の無い自由な旅」が魅力と回答

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「ユーザーが感じるキャンピングカーの一番の魅力」のアンケートの結果も面白い。上から順に、「時間を気にせずに出掛けられる」(72.6%)、「プライベートな空間でリラックスして過ごせる」(69.8%)、どこに出掛けてもすぐに休憩できる(43.1%)と、制限の無い自由な旅が魅力と感じている。

また、車中泊という選択肢が出来る事により、遠出も選択肢に上がってくる。金曜日の夜に自宅を出発し、RVパークなどで車中泊をしつつ、普段では行きづらい遠くの観光地まで行ける様になるという訳だ。

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キャンピングカーと言えばアウトドアユースのイメージがあるが、主な購入目的の約8割が「旅行」となった。アウトドアやキャンプについては約16%とその差にかなり開きがある。

キャンピングカーは手放す時の価格(リセールバリュー)も高く、初期投資と売却金額の差を旅行に行った回数で割れば結構安価になるので、興味がある方は試算してみてはいかがだろうか。

まだまだアツいキャンピングカー業界!

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キャンプブームは終わってカルチャーになった2024年。それでもキャンピングカー市場が活気づいているのは、アウトドアやキャンプ用途ではなく旅行を目的としているから、という事が分かった。

冒頭でも触れた通り、ドイツの事例を考えればまだまだマーケットは拡大する可能性もあり、種類が増えたり、安価になったりと良いこと尽くめ。一方で流通台数が増えれば増えるほどリセールバリューが下がる可能性があるので、迷っている方は早めに行動した方が良いのかもしれない。

紹介
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  • 岩本利達
  • 岩本利達キャンプクエストNEWS編集部
  • NCAJキャンプインストラクター/JACオートキャンプ指導者
    『子どもを育む場としての「キャンプ」こそ持続可能な社会の第一歩』をテーマに、環境意識やサバイバル知識を高めるために日夜活動。ガジェット/ギアマニアの視点から最新アウトドアニュースをお届けします。

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