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徒歩10分の山小屋「長衛小屋」南アルプス登山のベースキャンプ地でキャンプを満喫できる

徒歩10分の山小屋「長衛小屋」南アルプス登山のベースキャンプ地でキャンプを満喫できる

南アルプスにある山小屋「長衛小屋」は仙丈ヶ岳と甲斐駒ヶ岳のベースキャンプ地です。日本百名山を2座制覇できるとあって人気の山小屋で、しかも最寄りのバス停から徒歩10分程度とアクセス良好な点が魅力です。

場所柄、ほとんどのお客さんは登山者ですが、バックパックキャンプを楽しむにも適したテント場だと思いました。その理由も含め、今日はキャンプも満喫できる長衛小屋のテント場の情報をまとめました。

長衛小屋について

山梨県南アルプス市にあるテント場「長衛小屋」は、南アルプスの麓「北沢峠」の東、山梨県側の北沢右岸に位置する標高約1,980mの立地にあります。

2011年に建物の老朽化に伴う建て替え工事を行い

2011年に建物の老朽化に伴う建て替え工事を行い、2012年新築オープン。2013年シーズンから「長衛小屋」としてリニューアルオープンしました。

日本百名山「甲斐駒ヶ岳」「仙丈ヶ岳」の登山拠点

日本百名山「甲斐駒ヶ岳」、「仙丈ヶ岳」の登山拠点として人気の北沢峠周辺で唯一テント泊が可能な山小屋です。小屋泊は完全予約制ですが、テント泊は予約不要(不可)です。

長衛小屋ではテント泊の場合

長衛小屋ではテント泊の場合、食事の提供はありませんが、近くの山小屋で食事が可能です。水場が豊富で設備も充実していることから、初めてのテント泊登山でも安心です。

営業期間 6月下旬~11月上旬、GW、年末年始
※上記期間以外は冬季小屋として小屋本体隣の別建物を開放。屋外トイレ使用可
予約 小屋泊は完全予約制・テント場は予約不要
設営可能数 約200張
チェックイン 7時から~19時まで
チェックアウト 記載なし
水場 あり

「長衛小屋」へのアクセス方法

「長衛小屋」へのアクセス方法

長衛小屋は北沢峠から徒歩10分と好立地ですが、北沢峠は通年マイカー規制で車で行くことができないので、最寄りの駐車場からバスを利用します。「長衛小屋」へのアクセス方法をまとめました。

最寄りの駐車場・林道バス乗り場

長衛小屋の最寄りの駐車場は、中央自動車道諏訪インターから車で約50分の場所にある「仙流荘駐車場」です。駐車料金は有料で5日以内で1,000円。以降は5日ごとに1,000円です。

駐車台数は約500台以上と充実しているので

駐車台数は約500台以上と充実しているので満車になることは少ないようです。駐車場のまわりにはトイレや自動販売機をはじめ、売店や温泉まであるので便利です。

北沢峠へ向かう林道バス「南アルプスクイーンライン北沢峠線」

北沢峠へ向かう林道バス「南アルプスクイーンライン北沢峠線」は通年営業ではないことと、バスの時刻表も季節や曜日によって異なるので、事前に公式サイトで運行期間や時刻表を確認しましょう。

乗車券売場は駐車場傍の仙流荘にあります

乗車券売場は駐車場傍の仙流荘にあります。ICカードの利用やWEB予約等が出来ないので、乗車券の購入で並ぶ必要があります。

バスの運賃は手回り品料金含め、往復2920円/人(子供は半額)です。(※2024年現在)

バス乗り場は仙流荘の側にある「戸台パーク」です

バス乗り場は仙流荘の側にある「戸台パーク」です。1日数本しかないうえに人気の登山コースなので早朝は長蛇の列になります。混み方次第では予定時間のバスに乗れないことがあるので早めに並びましょう。

北沢峠までは約21キロ

北沢峠までは約21km、約55分の道のりです。小型のバスに乗せられるだけ人を乗せた状態で曲がりくねった山道を走るので快適さは皆無です。長衛小屋へ行くまでで一番大変なのがバスに乗るまでだと思ってください。

北沢峠から長衛小屋まで道のり

北沢峠から長衛小屋まで道のり

長衛小屋は登山者向けのキャンプ場であるにも関わらず、北沢峠から徒歩10分と圧倒的な近さが魅力です。その為、多くの登山者がいつも以上に多くの荷物を背負ってくるという面白い光景を目にすることが出来ます。

何故なら、登山開始前に荷物をデポ

何故なら、登山開始前に荷物をデポ(荷物を預ける・置いていく)できるからです。食事や居住環境をいつも以上に手厚く、豪華にすることが出来るのは長衛小屋ならではの利点です。

テント場までは道が整備された緩やかな下り坂

テント場までは道が整備された緩やかな下り坂が続くので、あっというまに到着します。徒歩キャンプも容易なアクセスの良さですよね。早速チェックインしましょう。

長衛小屋の施設案内

長衛小屋の施設案内

「長衛小屋」の施設を写真付きでご紹介いたします。

受付

受付「長衛小屋」

テント泊の受付は山荘入り口の隣で行います。受付時間は7時から19時まで。代表者が書類の記入をします。テント場の受付を済ませると札を渡されるので、テントの目立つ位置に付けましょう。

注意点として、受付前の設営は厳禁です

注意点として、受付前の設営は厳禁です。設営後の受付けは倍額徴収になるので必ず先に受付を済ませましょう。また、テントやギアといったレンタルサービスはありません。

嬉しいポイントはチェックアウト時間が決まっていないので

嬉しいポイントはチェックアウト時間が決まっていないので、時間に追われることなく、ゆっくり撤収ができるところです。これは山小屋の立地的に、日を跨いで2座踏破する登山者が多いからなんだと思います。

トイレ

トイレ「長衛小屋」

2024年現在、山小屋の隣にあったトイレは取り壊されているので、テント場正面の仮設トイレと、山小屋裏の女性専用仮設トイレを利用します。

ちなみに山小屋内のトイレ・洗面所は小屋宿泊者以外、利用できません。

最近設置されたトイレなので綺麗です

最近設置されたトイレなので綺麗です。しかも水洗なので清潔感があります。注意点として、使用したトイレットペーパーを便器に流すことはできないので、専用の箱に捨てる必要があります。

炊事場

炊事場「長衛小屋」

トイレの改修工事に伴い、山小屋対面の1か所のみ利用可能です。注意点は、歯磨き粉、洗剤等の利用や、油の廃棄が禁止であることです。通常のキャンプ場と勝手が異なるのでルールに従いましょう。

水場

水場「長衛小屋」

水が豊富なテント場なので水場は至る所にあります。給水専用と書かれた水場は煮沸無しで飲むことが出来ます。しかも無料です。真夏でもキンキンに冷えていて、正真正銘の「南アルプスの天然水」です。

売店

売店「長衛小屋」

山荘入り口にあります。各種ドリンク・酒類、カップラーメン、おつまみ、レトルト食品、オリジナルグッズの購入が可能です。19時まで営業しています。

特にビールは手厚く

特にビールは手厚く、山荘入り口にビールの自動販売機があるので非対面で購入可能です。更に嬉しいことに生ビールの購入が可能です。

シャワー

シャワー「長衛小屋」

予約制ですがシャワーの利用が可能です。テント泊の場合、シャワーの利用が出来ない山小屋が多い中、これは嬉しいサービスです。

ゴミ捨て場

ゴミ捨て場「長衛小屋」

ゴミ捨て場はありませんが、山小屋で購入したペットボトルやゴミに限り、回収してくれます。

ベンチ

ベンチ「長衛小屋」

小屋の前の広場をはじめ、複数個所あります。屋根付き、テーブル付きのベンチまである充実ぶりで、日帰り登山客も利用できる憩いの施設です。

携帯の電波

携帯の電波「長衛小屋」

どのキャリアも圏外ですが、スターリンクを設置したようでAUユーザーは無料で接続可能。他キャリアでも有料で接続可能です。

小屋付近且つ、営業時間内のみと限定的ですが、電波が繋がるだけありがたいですよね。

「長衛小屋」のテント場レビュー

「長衛小屋」のテント場レビュー

長衛小屋のテントサイトを写真付きでご紹介いたします。全面フリーサイトで設営場所は早い者勝ちです。テント場は大きく分けて上段、中段、下段の3つのエリアに分かれ、林間側か川沿いかを選択できます。

山小屋から見て、通路を挟んだ左手は

山小屋から見て、通路を挟んだ左手は川沿いのエリアで、川の近くから順番に埋まります。右手は木々に囲まれているので木漏れ日が気持ち良く、直射日光を避けることが出来ます。

サイトの広さ

サイトの広さ「長衛小屋」

一見狭く感じますが、奥行きがあるので見た目以上に広大です。設営で少し悩むかもしれません。設営場所は段々畑のように3段構成で、奥に行くほど段差が低くなり、山小屋から遠くなります。

プライベート感

プライベート感「長衛小屋」

小型テントを約200張りできるスペースがあり、思っていた以上にキャパはありますが、プライベート感は期待できません。山小屋が近くの川沿いから埋まっていくので、上段のエリアはプライベート感ゼロです。

逆に、最奥地の川沿いでない下段

逆に、最奥地の川沿いでない下段へ進む程トイレや山小屋が遠く、不便なので比較的空いているイメージです。とはいえ、シーズン中の休日は流石に密集します。

サイトの地面の特徴

サイトの地面の特徴「長衛小屋」

サイトの地面は石混じりの土です。川沿いはほぼ砂利の状態で、反対側の木々に囲まれたエリアは草交じりの土といった感じです。

傾斜はあるの?

傾斜はあるの?「長衛小屋」

全体的にみると緩やかな傾斜はあるものの、比較的平坦な場所が多く、整備されている印象です。とはいえ、見えない起伏はそれなりにあるので設営場所は慎重に選びたいところです。

ペグの刺さり具合は?

ペグの刺さり具合は?「長衛小屋」

地面に石が沢山埋まっているので刺さりづらいです。テント場には大きな石が沢山あるので、ペグは使わないで、石でガイロープの固定をしたほうがストレスは無いでしょう。

その他注意事項

その他注意事項「長衛小屋」

長衛小屋は焚火厳禁です。また、どこにでも自由に設営できるわけでは無く、森林側の一部区画と、通路は設営禁止です。分かりやすいようにロープで区切られているので間違えることはないと思います。

長衛小屋に泊まってわかったこと

長衛小屋に泊まってわかったこと

長衛小屋は徒歩でも行きやすいテント場ということもあり、実際、キャンプ目的で訪れる方も多々見受けられました。長衛小屋に泊まってみてわかったことをまとめました。

素晴らしかった点

  1. 南アルプス・北沢峠周辺で唯一テント泊が可能な山小屋
  2. 最寄りのバス停から徒歩10分程度とアクセス良好
  3. 多少荷物が多くても頑張ればテント場に行くことが出来る
  4. 全キャリア電波は繋がらないがスターリンクを利用できる
  5. チェックアウト時間が決まっていないのでゆっくりできる
  6. 水が豊富。真夏でもキンキンに冷えた南アルプスの天然水
  7. 生ビールの購入が可能。ビール専用自動販売機がある
  8. テント場は広く、奥行きがある。林間側か川沿いか選べる

知っておきたいこと

  1. 北沢峠は通年マイカー規制で車で行くことができない
  2. 北沢峠行きのバスに乗るまでが大変
  3. 受付前の設営は厳禁。設営後の受付は倍額徴収
  4. 2024年現在、山小屋隣のトイレは改装工事中
  5. トイレットペーパーは便器に流せないので注意
  6. 食事の提供はなし。自前で用意する必要がある
  7. 地面は固いのでペグが刺さらない
  8. 登山では常識の、テント場ならではのルールがある

登山もキャンプも満喫できるテント場

登山もキャンプも満喫できるテント場

長衛小屋はバスに乗るまでが大変ですが、最寄りのバス停から徒歩10分程度とアクセスが楽なので登山目的以外のキャンパーも利用しやすく、多少荷物が多くても頑張ればキャンプ場に行くことが出来ます。

通常のキャンプとは異なり、登山では常識の、テント場ならではのルールがあるので戸惑うかもしれませんが、設備が充実していることもあり、バックパックキャンプを楽しむのにも最高のテント場だと思います。

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