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キャンプ料理で世界を楽しもう!本場仕込みの郷土料理で異国旅気分を満喫

キャンプ料理で世界を楽しもう!本場仕込みの郷土料理で異国旅気分を満喫

みなさん、おうち時間を楽しんでいますか?もうずいぶん長いこと出かけられていないなぁ。

あとどのくらい自粛したらいいんだろう。そんなふうに考えてしまう昨今ですが、心の中まで自粛することはありません。こんな時こそ遠くの国に思いをはせ、世界の郷土料理を作ってみるというのはどうでしょう。

国内外を一人で旅することの多い私には、いくつかの忘れられない料理があります。その中からキャンプで楽しめそうな料理をご紹介しますので、ダッチオーブンやスキレットを使ってみなさんも世界を楽しんでみませんか?

スキレットでスイスの素朴なジャガイモ料理を

スキレットといえば、一番に思い出す料理があります。

スイスで出会ったロシュティというジャガイモ料理。とにかく名物だからといわれて注文したのですが、でっかいスキレットで焼かれたロシュティのかたまりは素朴で美味しかった!つたない英語でオーダーした苦労も相まって、私にとって忘れがたいスイスの味になりました。

その後、作り方をスイス在住の日本人に聞いたところ、案外単純な料理で驚きました。これは間違いなくキャンプに向いているので、ぜひ試して頂きたいです。

簡単ロシュティの作り方

【材料】(直径15cmのスキレットで焼ける量)

  • じゃがいも中2個
  • とろけるチーズ(スライスでもOK)
  • サラダ油大さじ1
  • 塩こしょう

1.じゃがいもの皮をむき、スライサーで細切りにする

スライサーがなければ包丁で細切りにします。新じゃがなら皮ごとでも大丈夫です。切ったじゃがいもは洗わずに。

2.スキレットに油を大さじ1入れ、火にかける


サラダ油が温まったら、じゃがいもの半量を敷き詰めます。

3.とろけるチーズをジャガイモで挟む

じゃがいもの上にとろけるチーズを広げ、残りのじゃがいもで覆うようにチーズを挟みます。

4.形を整えながら焼く


スプーンでじゃがいもの形をまるく整えながら、じゃがいもを軽く押しつける様にして焼いていきます。

5.下側が焼けたらひっくり返してカリカリに焼く

しばらくして下側がカリカリに焼けてきたら、スプーンとフォークでひっくり返します。そのまま、まわりを整えながら反対側もカリカリに焼き、塩こしょうをお好みで振って出来上がりです。

ロシュティには白ワインが合う!

実は本場のロシュティは塩味が強いのです。思いのほかしょっぱかったロシュティですが、スイス人にいわせれば昔よりマシになったんだとか。

スイスも高齢者の高血圧が問題になっているそうですから、日本と同じく減塩がトレンドなのでしょう。

お酒を飲まれる方なら、ぜひ白ワインと一緒に楽しんでみてください。日本ではあまり知られてはいませんが、スイスは辛口の白ワインが有名なんだそうです。キリッと冷やした白ワインは、ロシュティと相性抜群です。

お酒が飲めない方には、ペリエなどの炭酸が入ったミネラルウォーターをおすすめします。油っぽい口の中を炭酸がスッキリさせてくれますし、不思議なことに現地の人は炭酸入りのミネラルウォーターが大好きなんです。

ブラジルの庶民の味、フェジョアーダ

おつぎは南米に飛んでブラジルへ。国民食といわれるほどブラジルで親しまれている煮込み料理フェジョアーダをご紹介します。

フェジョアーダは地方によって使われる肉や豆の種類が違うと聞きます。日系ブラジル人の知り合いによれば、黒いんげん豆と豚肉を煮込んだ黒いおしるこ風のものが有名だそうです。

私はブラジルに行ったことはありませんが、日本のブラジルとまで呼ばれる群馬県大泉町で食べたフェジョアーダは、確かに黒っぽくてなぜかニンジンが入っていました。国民食とは、ふところ深く自由なのかもしれませんね。

これがスタンダードといえるレシピはあるのだと思いますが、ここは一つ、近所のスーパーでそろう材料を使って、フェジョアーダ風の煮込み料理を作ってみましょう。もしも可能ならダッチオーブンを使ってみてください。豚肉や豆が信じられないくらい柔らかく仕上がりますよ。

フェジョアーダ風煮込み料理の作り方

【材料】

  • 豚肉のかたまり200g
  • ソーセージ3本
  • たまねぎ1/2
  • にんにく1かけ
  • トマト1個(もしくはトマトジュース100cc)
  • ゆで豆(あれば金時豆、なければ大豆でもOK)1袋
  • サラダ油適宜
  • コンソメ1個
  • ローリエの葉、塩、こしょう少々

1.材料をカットする

たまねぎはあらみじんに、にんにくは半分に切って包丁でつぶします。

2.豚肉に塩をもみ込む

豚肉は一口大に切り、塩を揉み込んでおきます。ソーセージも一口大に切ります。

3.カットした野菜と肉を炒める

鍋にサラダ油をしき、カットした野菜と豚肉に火を通します。

4.弱火でじっくり煮込む

たまねぎが透明になり肉の色が変わったら、ソーセージとゆで豆、トマト(トマトジュース)、コンソメ、水、ローリエの葉を入れてじっくり煮込みます。できれば弱火で1時間以上かけると味が染み込んで美味しくなります。

5.塩コショウで味付けして完成

豚肉が柔らかくなったら、最後に塩こしょうで味付けして出来上がり。2018年のFIFAワールドカップに敬意を表して、ブラジルを破ったベルギーのホワイトベルグと共に頂きましょう。食卓の上には争いはありません。どちらも美味でございます。

イタリアのフォカッチャを、スキレットで!

スイス、ブラジル、ときて最後はまたヨーロッパ、美食の国イタリアに参りましょう。

中世の雰囲気を残す街並みが魅力的なイタリアですが、私の思い出といえば美味しい料理の数々です。なかでも街角で食べたパニーノは絶品でした。パニーノとは、パンで具材をはさんだサンドイッチのようなもの、現地では軽食として親しまれています。

イタリア語がまったくダメな私は、指差しだけでパニーノを注文。そのやり取りは思い出すだけで赤面してしまいますが、感動的に美味しかったパニーノはフォカッチャで作ってもらったものでした。

恥ずかしくて美味しい思い出のフォカッチャは、実はスキレットで簡単に焼けちゃうのです。

フォカッチャの作り方

【材料】(直径15cmのスキレット二枚分)

  • 強力粉200g
  • オリーブオイル大さじ3
  • ドライイースト小さじ1
  • ぬるま湯110cc
  • 砂糖小さじ2
  • 塩、黒オリーブ(種抜き)適宜

ポイント

下準備 ドライイーストと砂糖を混ぜ、ぬるま湯で溶いておきます。

1.強力粉とオリーブオイルをよく混ぜる

強力粉をコッヘルの中に入れ、真ん中にオリーブオイルを流し込み外側から混ぜていきます。ダマが感じられなくなるまでよく混ぜて下さい。

2.1に下準備で作った液を混ぜてこね、一次発酵させる

強力粉とオリーブオイルがよく混ざったら、ドライイーストと砂糖で作った液を混ぜ合わせて、生地が一つにまとまってきてからもボールの中でしばらくこねます。まとまり難いようなら少し水を足して大丈夫です。生地がなめらかになってきたら丸く成形し、ぬれふきんをかけて一次発酵させます。

3.生地が膨らんだらスキレットの大きさに整えて二次発酵させる

生地が2倍ぐらいに膨らんだら、中の空気を押し出しながらしばらくこねます。ガスが抜けたら生地を2つに分け、それぞれスキレットの大きさに丸く伸ばして下さい。その後、スキレットにオリーブオイルの半量を敷いて生地を乗せ、そのままアルミホイルで蓋をして20分ほど二次発酵させます。

4.膨らんだ生地にオリーブオイルを塗って塩を振る

20分ほど二次発酵させて生地が膨らんできたら窪みをつけ、ブラックオリーブを乗せます。焼く前の生地の表面に残りのオリーブオイルを塗り、軽く塩をふって下さい。

5.アルミホイルを被せて焼き上げる


もう一度アルミホイルを被せて火にかけます。最初の3分は中火、弱火に落として7分ほど焼き、生地をひっくり返してさらに弱火で2分、焼き目がついたら出来上がりです。フォカッチャが出来たので、ついでにミネストローネも作っちゃいましょう!

お手軽ミネストローネの作り方

【材料】

  • にんじん、たまねぎなどありあわせの野菜適宜
  • ベーコン3枚
  • 蒸し豆小1袋
  • トマトジュース200cc
  • 150cc
  • コンソメ1個
  • オリーブオイル適宜
  • 塩、こしょう少々

1.野菜とベーコンを1cm角に切る

にんじん、たまねぎなどありあわせの野菜、ベーコンを1cm角に切ります。

2.コッヘルで野菜と蒸し豆を炒める

コッヘルにオリーブオイルを入れ火にかけ、1を投入して炒めます。全体的にしんなりしてきたら、蒸し豆をいれてさらに炒めて下さい。

3.トマトジュースと水、コンソメで煮る

オリーブオイルが全体にいきわたったら、トマトジュースと水、コンソメを入れて中火で煮立て、ふつふつ湧いてきたら弱火にします。

4.塩こしょうで味を整える

野菜が柔らかくなったら味見をして、塩こしょうで味を整えます。その後、器に盛り付け、こしょうとオリーブオイルをまわしかけて出来上がり!

フォカッチャと一緒にイタリアの風を感じながら食べてみてください。思わず「ボーノ!」と叫んでしまう美味しさですよ!

美味しいものを追求する、イタリア人スピリット

他にもたくさん美味しいものを食べたイタリアの旅でしたが、一番感動したのは美味しいものを食べるために妥協をしないイタリア人スピリット。

だって「海のものを調理するには海の塩、山のものを調理するには岩塩を使うのは当然のこと」なんて、考えたこともなかったのですよ、私。

キャンプ料理で世界に想いをはせる

さて、3カ国の郷土料理をご紹介しましたが楽しんでいただけたでしょうか。

海外どころか、国内ですら自由に旅することがはばかられるこのご時世。かつて親しんだ海外の郷土料理を再現して、知らない土地を旅する楽しさをお伝えできればいいなと思います。

毎日ニュースで見聞きする世界は、新型コロナによってとても苦しんでいますよね。遠く離れた国の頑張っている人々に心を寄せながら、ぜひみなさんも世界の料理に挑戦してみてください。

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  • キャンプ、登山歴25年。キャンプからハイキング、登山へと次々ハマり、どっぷり首まで漬かった人生。本とお酒とアウトドアがあれば最高です。

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