栃木県日光市にある高原の湖「中禅寺湖」から車で約20分。標高1600mの場所にあるのが日光湯元温泉です。高原の湿原で有名な「戦場ヶ原」や「小田代ヶ原」を過ぎると、霊峰「男体山」を仰ぎ見る湯元温泉の最も奥に、日光湯元キャンプ場が雪のない期間だけ開設されています。
真夏の8月でも平均気温は18.5℃しかなく、朝晩は霜が降りるほど冷涼な場所です。世界遺産にも登録されている一大観光地「日光」とは一線を画し、豊富な自然が残る奥日光。積雪期は「日光湯元スキー場」としてオープンする、この広大な高原のキャンプ場の魅力を、これからみなさんにご紹介します。
目次
日光湯元キャンプ場の魅力とは
絶好のロケーションと涼しさ満点
日光湯元キャンプ場の最大の魅力は、何と言ってもその広々とした開放感です。積雪が始まると、広大なスキー所としてオープンするこの草原は、全面なだらかな斜面に覆われています。そのため、テントを張るには一工夫が必要です。その工夫とは次の通り。
- テント内での飲食や煮炊きには「斜め対策」が必要です。うっかりすると中身をこぼします。
- 斜面で寝ると疲れます。テントの中に「コット」をうまく並べたり、厚手のウレタンマットで高低差を補正したりする必要があります。
こうした一工夫は必要ですが、標高1600mの高原は、夏でも冷涼で暑さ知らず。日中でも気温が、21、22℃以上には滅多に上がりません。それよりも、朝晩には15、16℃まで気温が下がるので、風邪を引かないよう長袖・長ズボンは必需品です。
また、目の前には日光白根山の雄大な山なみが広がっています。さらに、キャンプ場のすぐ近くには、三岳火山の噴火によって生まれた、高原の堰止め湖「湯ノ湖」が緑色の水面を光らせています。「湯ノ湖一周ハイキング」や白根山登山、毛針を使ったフライフィッシングなど、アクティビティも満載で、訪れる旅人を大満足させてくれます。
温泉天国とコスパ最高
日光湯元キャンプ場のもう一つの魅力は、コストパフォーマンスの高さと、周りを温泉天国が囲んでいることです。
詳しく説明すると、日光湯元キャンプ場を利用するには2通りあります。ひとつは「日光湯元ビジターセンター」に申し込む、もっともシンプルなキャンププラン。もう一つは、駐車場を挟んで建っている瀟洒なホテル「休暇村日光湯元」と日光湯元キャンプ場の共同企画です。
シンプルな湯元キャンプ場の利用内容とアクセスは、下記の通りです。
利用時期 | 5月~11月(凍結によって若干の前後あり。要確認) |
---|---|
営業時間 | ※ビジターセンター開館時間に準じます 9:00~16:30(4月から6月、9月から11月) 8:30~17:30(7月から8月) |
利用料金 | 1泊大人1,000円 日帰り500円 子供500円 |
最寄り駅 | 東武日光駅或いはJR日光駅からバスで80分 |
所在地 | 〒321-62-2321 栃木県日光市湯元 |
電話番号 | 0288-62-2321 |
その年によって4月は残雪が残ることもあり、5月連休あたりからキャンプ場もオープンします。光に輝く白根山や三岳山の白銀の尾根を見ながら、親しい仲間とキャンプする喜びも格別です。
さて、日光湯元キャンプ場を楽しむもう一つの方法が、「休暇村日光湯元」との共同企画によるキャンプ場利用です。この企画には次の3つのプランがあるので、それぞれのニーズに従って申し込んでください。
手ぶらでキャンププラン
ビギナーでも安心で、遊ぶ時間も十分なプランが、この「手ぶらでキャンププラン」です。キャンプ道具だけでなく、BBQセットや温泉入浴券、休暇村本館での朝食バイキングがセットで付いています。
但し、残念ながら1日2組限定プランですので、期日が決まり次第、早い者勝ちで予約する必要があります。
手ぶらキャンププランの詳細
- 受付時間 13:00~ チェックアウトは翌日11:00
- 利用料金 一泊2食付き(BBQ含む)大人7,000円 小学生5,500円 幼児3,500円
日帰りDAYプラン
大自然の中で、日帰りでバーベキューを楽しみたいなら、この「日帰りキャンププラン」が特におすすめ。このプランも「手ぶらプラン」と同様、1日2組限定なので、思い立ったらすぐに予約の電話を入れましょう。バーベキューセットと、休暇村の温泉入浴券がセットになっています。
日帰りDAYプランの詳細
- 受付時間 11:00~16:00
- 利用料金 (BBQセットを含む)大人4,800円 小学生3,500円 幼児2,800円
お手軽キャンプ 一人旅プラン
テントやバーベキューコンロを持参できる方限定のプランが、「お手軽キャンププラン」です。1日3組(15名)限定ですが、バイクや自転車旅をする方にはもってこいのプランです。キャンプ道具も休暇村でレンタルできます。また、食事は付きませんが、休暇村日光湯元での温泉入浴が可能です。本館からキャンプ場までは徒歩2分です。
お手軽キャンプ 一人旅プランの詳細
- 温泉入浴の受付時間 12:00~20:00
- 利用料金 大人3,500円 BBQと朝食付きで大人5,500円というプランも選択できます。
プランの内容や料金はその年によって若干バージョンアップしています。詳細については、「休暇村日光湯元」(電話0288-62-2421)まで直接お問い合わせください。
日光湯元キャンプ場のおすすめポイント
大自然に包まれた日光湯元キャンプ場のおすすめポイントを改めてご紹介すると、下記の通りです。
広々としたキャンプサイト
一面見渡す限りの広々とした草原は、フリーテントサイトでもありますが、子どもたちが走り回るには絶好の場所です。夏場はふかふかの草地が続くので、多少のわんぱく遊びもなんのその。安心して小さな子どもたちを遊ばせてあげられます。もともとスキー場のゲレンデなので、緩やかな斜面になっていますが、何の問題もありません。
清潔感溢れる炊事場
数年前に新築された専用の炊事等は清潔そのものです。管理が行き届いており、キャンパーが、気持ちよく煮炊きやバーベキューの準備に取り組めます。使いやすい「かまど」と流し場が複数整備され、料理を担当するお父さんにとっても腕を磨くチャンスです。
但し、使った灰は持ち帰る必要があるので、その点だけはご注意下さい。
日帰り温泉入浴施設が至近距離
日光湯元キャンプ上の目の前には、休暇村日光湯元があるので、日帰り入浴も可能です。但し、休暇村利用のプランを利用しない一般客は、受付が12時から15時まで(利用は16時が終了)です。料金は大人が900円、4歳から小学生までが500円です。
けれど、心配は要りません。奥日光湯本温泉一帯には、足湯をはじめ、日帰り入浴できる施設やホテル・旅館が目白押しです。ビジターセンターのキャンプ場利用案内の裏面には、日帰り入浴できる施設の名前や料金、利用時間が詳しく記載されていますので、ぜひ参考にして下さい。
特におすすめは「奥日光高原ホテル」(電話0288-62-2121)。白濁した硫黄泉の内風呂と2カ所ある露天風呂が最高です。12:30~16:00と18:30~20:30の利用が可能で、料金は1,000円。「少し高いかな?」、そう思われるかも知れませんが、値段に見合った素晴らしい温泉です。
日光湯元キャンプ場の注意点
快適な日光湯元キャンプ場ですが、下記のような注意点がいくつかあります。
専用トイレ無いのでトイレが遠い
日光湯元キャンプ場には、実のところ専用トイレが設けてありません。そのため、歩いて2,3分の場所にある「公衆トイレ」を利用するしかありません。もちろん「休暇村プラン」を利用のユーザーは、堂々と本館のトイレを利用できます。
従って、ビジターセンターで申し込みした一般の利用者は、あまり山側にテントを張ると、夜間トイレまで距離があるので注意が必要です。
自然一杯なのでシカの糞が落ちている
キャンプ場の周辺には、原生林が広がっており、野生動物の宝庫です。イタチや狐などの小動物はもちろんのこと、熊や鹿が夜間には闊歩しています。特に、奥日光から戦場ヶ原周辺は野生の鹿が多く生息していることでも有名です。
日光湯元キャンプ場も、それは例外ではありません。テントを張ってあるすぐそばまで野生の鹿が徘徊しているので、よく見ると草原のあちこちには鹿の「糞」が落ちています。テントを張る際には、特に地面をよく見てから場所を決めましょう。
コンビニが少ない
奥日光に限らず、日光・中禅寺湖周辺にはコンビニはほとんどありません。唯一、近くの「おおるり山荘」内に、一軒だけコンビニが時間限定(7時から19時)でオープンしています。残念ながら平地のコンビニほどの品数を期待してはいけません。
また、中善寺湖のホテル・旅館街の裏手に一軒だけスーパーがあるので、どうしても食材を補給したい場合には、車で20分ほど中禅寺湖の方に戻ってみて下さい。
日光湯元キャンプ場は手付かずの自然が楽しめるキャンプ場
栃木県の最奥部にある高原リゾート地「奥日光湯元温泉」。その真ん中にあるのが、今回ご紹介した「日光湯元キャンプ場」です。鹿や熊など野生動物の宝庫であり、手つかずの自然が残された素晴らしいキャンプサイトです。
近くには百名山の一つである「日光白根山」の登山口やフライフィッシングで有名な高原の湖「湯ノ湖」が広がっています。貸しボートがあり、トレッキングに最適なハイキングコースも整備されているので、アクティビィテイには事欠きません。
四季を通じて楽しめるこの素敵なキャンプ場に、ぜひ一度出かけてみて下さい。きっと素敵な思い出があなたを待っていることでしょう。
ギア
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