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「この世の果て…?」子連れで野付半島に行くなら断然トラクターバスをおすすめする理由

「この世の果て…?」子連れで野付半島に行くなら断然トラクターバスをおすすめする理由

北海道の道東、別海町に属する野付半島。砂の半島としては日本最大級だが、地図上では細長く、知床半島ほどの知名度はないため、その名はあまり知られていません。キャンプ地を探していた際、たまたま発見した野付半島。訪れた多くの人が「この世の果て」と表しているのに興味を惹かれ、キャンプと併せて行ってみることに!

「この世の果て」と言われるくらいなのだから、相当な景色が広がっているんだろうなとウキウキが止まらない私。だがしかし!そんなウキウキに反し、子連れの我が家には悲しい結末が待っていたのです・・・。それでは、我が家が訪れた野付半島の見どころ&悲しい結末を伝えします。

まずは野付半島ネイチャーセンターへ

野付半島には、野付半島の魅力を発信するネイチャーセンターという建物があります。トイレはもちろん、お土産や生息する動物についてのなど、ここでしか知り得ない情報が盛りだくさん!ドライブの休憩を兼ねて、一休みするのもおすすめです。

どこまでも続く1本道

ネイチャーセンター奥の一本道

野付半島を訪れたら、絶対体感してほしいのがこの一本道!ネイチャーセンターの奥には、海に挟まれた細長い1本道が果てしなく続いています。果てしなくといっても、遊歩道は全長1.3キロほど。ただ、全く建物のない風景やすぐそこに迫る海を横目に歩く道は、このまま異世界に繋がってるのでは?と考えてしまう雰囲気でした。

遊歩道は想像以上に歩きやすく、子供の足でも心配御無用!むしろ1本道しかないので、黙ってもスイスイ進んでくれて楽チンでした。しかし、子供の足ではいささか遠く感じる道のり。実は、野付半島の「この世の果て」は遊歩道の先端に広がっているのです。あともう少しで見られるのね~、なんて心躍らせていたものの、なんと子供が引き返したいとの訴え!!何とかならないかと粘ったものの、致し方なく引き返すことに・・・。

もちろん、大人や大きい子供であれば何の問題もございません。ただ小さい子供連れは、黙ってトラクターバスへ乗り込みましょう。無念だった我が家ですが、青空+海の最高コンボが体感できる1本道は、超絶おすすめスポットに間違いはないです。

子連れならトラクターバス!

子連れにおすすめのトラクターバス

はい、我が家の救世主になる予定だったのが、こちらのトラクターバス。その名の通り、トラクターにバス的な箱をくっつけた、繋げました感満載の乗り物です。ですがトラクターバスであれば、疲れ知らずのうえ乗りながら景色も楽しめると、正に快適そのもの。小さい子供連れや、ちょっと歩く自信が無いという方は、トラクターバス一択です!

トラクターバスは、1.3キロの道のりを片道大人500円・子供300円で運行しています。「この世の果て」を目にするには、トラクターバスを下車後ものの10分歩くだけです。受付は、ネイチャーセンターを出てすぐ横の建物で行っています。絶対に遊歩道の先端に行くぞ!という心持ちであれば、トラクターバスが確実でしょう。

季節を感じる植物

野付半島の主な植生

遊歩道の脇には、見ての通り植物が生い茂っています。とくに手入れをされている訳でもなく、自然そのままのカタチが見られるのです。所々に鮮やかな花が咲いていたり、蝶が優雅に飛んでいるなど、自然の満喫感が半端ないです。

また、野付半島の植物は遊歩道だけではありません。半島の入り口からネイチャーセンターまでの道のりは、通称「フラワーロード」と呼ばれています。とくに春から夏にかけては、道路の両側に季節の花が咲き乱れ放題です。何やら野付半島は、花の名所としても有名らしく、季節の花を見ようと多くの人が集まります。花を楽しみたいのなら、5月~10月が最適です。

記念メダルで思い出づくり

記念メダル作り

ネイチャーセンターの入り口をくぐると、真っ先に目に飛び込んでくるのが「記念メダル」の文字。とても懐かしい気分に駆られ、長男と製作してみることにしました。メダル400円+キーホルダーの部品200円。プラス、隣の名前入れマシーンが50円の、計650円。

完成品は、金額以上のクオリティで驚愕。結構、重量感もたっぷりです。ゴールドに輝くメダルには、野付半島の文字と、オジロワシ、トドワラが精巧に模られていました。これには、長男も嬉しそうに満面の笑み。キーホルダーの他にペンダントもあるので、思い出づくりにいかがでしょうか。

満面の笑みで記念メダルを喜ぶ

北海シマエビも堪能できる

ネイチャーセンター外観

ネイチャーセンターには、レストランが併設されています。とくに夏場におすすめなのが、野付名物である北海シマエビ!旬の時期は、6月中旬~7月中旬・10月中旬~11月中旬と、1年にごくわずかな期間しかありません。旬時期には、獲れたての北海シマエビがレストランで堪能できちゃいます。

また野付湾では、打瀬舟漁という伝統的な技法を用いてシマエビ漁がされています。漁期間であれば、野付湾に浮かぶ白い帆を広げた舟が目にできるそうです。そしてレストランの他にも、売店でソフトクリームや別海牛乳なども販売しています。我が家も、遊歩道を歩いた後に牛乳で水分補給!味わいも格別なので、ネイチャーセンターでグルメを堪能するのもおすすめです。

野付半島の見どころ

野付半島が「この世の果て」といわれるには、もちろん理由があります。それは野付半島の見どころでもあり、日常では決して見られない風景です。ちょっと異世界感のある野付半島、見どころをお伝えします。

トドワラ・ナラワラ

海面にそびえるトドワラの森

野付半島といえば、トドワラ・ナラワラが最も有名です。最初は木の名前?と思いましたが、実はトドマツやエゾマツなどが荒れた姿をトドワラと呼んでいます。江戸時代までは、野付半島にも原生林があったそうです。しかし年月の経過とともに、地盤沈下による海水の侵入で木が荒廃し、枯れ木となっていきました。そのうえ、現在でも気候の影響などにより、枯れ木も風化してきているそうです。沈下が進み続けると、野付半島もいつかは沈んでいくのではともいわれています。

そして遊歩道の先に広がっているのが、正にトドワラ!海面にそびえる朽ちたトドマツが、待ち望んでいた「この世の果て」の正体です。また、道路に面した原生林の枯れ木が、写真のナラワラ。背景の緑に対し、朽ちている白い木が静と動を感じさせます。トドワラは遊歩道を伝えば間近で見ることも可能ですが、ナラワラは道路からしか見られません。ナラワラを眺めながら、トドワラってこれより凄いんだろうな~と悲しみに浸っていた我が家(子供以外)。いや!次回こそ今回の学びをバネに、必ずやトドワラを目にしてやる!と、固くリベンジを誓うのでした。

季節で異なる表情

生い茂った緑の中の枯れ木

我が家が野付半島を訪れたのは、7月。ちょうど夏の香り全開の時期でした。生い茂った緑と青い空はもちろん最高ですが、実は冬の野付半島も幻想的。一面全て雪に覆われ、海と陸地が一体化し「日本のウユニ塩湖」ともいわれています。

また、夏はゴマフアザラシ、冬は流氷と、季節によってガラッと表情が変わるのも野付半島の魅力。ネイチャーセンターでは、ガイド付きのツアーも開催しているので、プロの話を聞きながら堪能するのもありです。

国後島を一望

国後島を一望できる堤防

野付半島は、日本で最も北方領土が近い場所です。ネイチャーセンターの向い側、堤防の先には国後島がドーンと佇んでいます。国後島を実際に目にできるのは、まさに野付半島ならでは!生憎、我が家が訪れた日は少し霧がかっていたので、うっすらとしか国後島を目にできませんでした。ただ、人生で北方領土を肉眼でキャッチできるのは、貴重な体験であることに間違いはありません。

野付半島は隠れた名スポット!

今回、キャンプがメインだったといえど、残念な結果に終わった野付半島。期待していた「この世の果て」は目にできず、失意の帰路となりました。しかし気付けば、野付半島はトドワラ以外にも見どころが盛りだくさん!日本でもここにしかないあらゆるモノが見られます。マイナー路線な観光スポットですが、一見の価値は大ありです。そして我が家は「子供連れならトラクターバス」を合言葉に、必ずや「この世の果て」にいつか辿り着いてみせます・・・。

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  • 父ちゃん、小坊主2人、私の4人家族。ファミリーキャンプビギナーとして、さまざまな地へ車を走らせています。

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