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道民が語る北海道のキャンプ事情について【装備品・防寒対策・注意して欲しいこと】

道民が語る北海道のキャンプ事情について【装備品・防寒対策・注意して欲しいこと】

日本全国で一大ムーブメントとなっているキャンプですが、地域によってその実情はさまざまでしょう。シーズンのオン・オフ、気温の変動、そしてなにを装備すべきかなど…キャンプ地が違えば事情は自ずと変化するはずです。

そこで今回は、生まれも育ちも北海道の私が語る「北海道キャンプの事情」についてご紹介したいと思います。北海道ってやっぱり寒いの?北海道キャンプで気を付けることってなに?など、北海道ならではの内容てんこ盛りでお届けします。

北海道キャンプのシーズンオン/オフ事情

北海道のキャンプは、シーズンのオン/オフがかなりはっきりしています。

オンシーズンは「5~10月」

北海道キャンプのオンシーズンは、ざっくりと5月~10月。ちょうど雪が融け地面が乾いた4月末~5月にオープンするキャンプ場が多く、雪が降り始める10月末には営業終了といった流れが大半です。

人気のキャンプ場ではオープン1カ月~半月前に予約受付を開始していたりと、オープン前からチェックが必要な場合もあります。もちろんキャンプ場によってオープン時期は異なるので、HPなどで確認するのが確実です。

オフシーズンは「10月末~4月」

道民キャンパーが最もむずむずするオフシーズン。本州と違い、北海道キャンプはとにかくオフシーズンが長いです。オンシーズンが終了した10月末~4月までは大体がオフシーズン。キャンプ場によっては11月いっぱい営業しているキャンプ場もありますが、雪が降り始めた北海道ではかなり希少な部類に入ります。

中にはテントサイトは閉鎖しコテージやロッジのみ冬季も営業というスタイルや、オートサイトを縮小して通年営業というキャンプ場もあり、オフシーズン中の北海道では人気殺到となる場合も。

通年営業のキャンプ場が増えている

北海道はオフシーズンが長いと書きましたが、キャンプブームのお陰かここ数年で通年営業のキャンプ場が激増しています。道民キャンパーは歓喜しまくりなのですが、私が居住している道東では冬季営業のキャンプ場は数少なく…。一言で北海道といってもとくに寒さ厳しい道東ではなかなか厳しいのが現状のようです。

ただし、そのほかの道南・道央・道北では確実に増えているので、雪中キャンプを楽しみたいという方には朗報ですね。

北海道キャンプの季節別気温事情

北海道キャンプで最も気になる気温事情。北海道の暑さや寒さなど、季節ごとに気温の変化をご紹介します。

北海道の春キャンプシーズン(5月~6月)

「5~6月って、本州では春を過ぎて夏に突入しちゃいますけど?」いえ、北海道ではまだまだ春。むしろ肌寒い日がめちゃくちゃ多いです。

実際に私が居住している道東では4月末に積雪がありました。気温は、3月~4月下旬は一桁、4月下旬~5月でようやく最高気温が二桁に届くかな~といった感じです。とくに夜間から朝にかけては風が冷たく、まだまだ油断は禁物といったところ。

北海道の夏キャンプシーズン(7月~8月)

キャンパーたちが待ちに待ってようやく迎えた夏。しかし、北海道の夏は本当に短い…。

ただ地域によってはかなり気温が高くなることもあります。私の体感としては【道東>道央>道南>道北】が暑く感じる順です。

とくに道東の北見・帯広・旭川は30度を超える日も多々あり、本州並みの真夏日となることも。逆に、道北や道東でも釧路や根室は夏でも20度前後とかなり低めなので、キャンプ地によって気温は全く異なります。

そして、気を付けたいのが一日の中の気温変動です。実際に旭川へキャンプへ行った際、昼間は30度近い炎天下であったにも関わらず、夜になると気温一桁という正に天と地を味わった経験があります。一日の気温変動が20度差というのも北海道では珍しくなく、夏とはいえ寒さ対策は必須です。

北海道の秋キャンプシーズン(9月~10月)

私が最もおすすめしたい季節が秋です。とくに9月は気温二桁で暑すぎず寒すぎない、そして虫が少ない最高の季節!また、山々の紅葉や冬っぽい冷たい空気感など、北海道の自然を体感するのにも最適です。

ただし、10月を過ぎると一気に冬っぽさが加速します。とくに北海道が初雪を迎える11月は、本州の方にとってほぼ冬です。気温もグッと低くなるので、10月下旬の北海道は冬感覚といった方が正しいかもしれません。

北海道の冬キャンプシーズン(11月~4月)

他の季節よりも圧倒的に長い北海道の冬。キャンプにおいては年の半分が冬シーズンといっても過言ではありません。

12月を過ぎると北海道のほとんどで積雪が観測されます。積雪量も地域で異なり、私の体感では【道央>道南>道東>道北】が多く感じる順です。

とくに道央は道民でも驚愕の2メートル級を誇る豪雪地帯。もし冬キャンプをするなら管理・整備されたオートキャンプ場がおすすめです。

また、気温についてはほぼマイナス気温&暖かいなと感じても1~2度といったところで、道東ではマイナス20度を下回るのが毎年恒例となっています。とくに2月の北海道は極寒で、かなり厳重な装備と寒さ対策が必要です。

北海道キャンプの装備事情

北海道の気温事情と併せてお届けしたい装備事情。とくに寒さ対策には入念な下準備が必要となります。それでは我が家の実際の装備品とともに見ていきましょう。

基本的に夏以外は寒さ対策が必要

ざっくりいうと「北海道キャンプにおいて夏以外は寒さ対策が必要」ということです。

昼間ジャンパーやダウンのみで暖をとれていたとしても、夜から朝にかけて必ず後悔します。天気予報で気温を確認し「8度くらいなら上着のみでいけるだろ」と甘くみた結果、寒さのあまり夜中にキャンプ場から撤収するということもありました。

暖をとれる上着やインナー、湯たんぽやホッカイロ、そしてストーブなどを準備した結果、使わなかったとしてもそれはそれでよし。「備えあれば憂いなし」寒さで凍えるよりマシです。

とくに冬は重ね着on重ね着

夏以外と書きましたが、とくに入念さが必要なのが冬の装備です。とにかく暖をとれるアイテムをフル装備し寒さから身を守ります。

ちなみに私の冬キャンプの衣服がこちら。

チェック

  • 上半身はユニクロのヒートテック→タトールネックのニット→フリース→ダウン
  • 下半身は裏起毛のスエット→ナイロン製のパンツ
  • 足元はウール製の靴下+マイナス気温に耐えられるブーツ
  • 手袋・帽子・ひざ掛けなど防寒アイテム

そして、我が家の冬キャンプの装備品がこちら。

チェック

  • ホットカーペット(2枚:我が家は2ルームテントなので寝室とリビングに使用)
  • 石油ストーブ
  • カセットガスコンロ
  • カセットガスストーブ
  • 湯たんぽ

我が家は子連れキャンパーなので、冬は基本的に電源サイトしか利用しません。というのも、ストーブ消灯後の就寝時はかなり冷え込むので、ホットカーペットが使えない環境は子供(10歳と3歳)にとって厳しいだろうという判断です。ちなみに、ホットカーペットは北海道でも驚くほど暖がとれるので子連れキャンパーに超絶おすすめ!

ストーブは基本石油のみ使用しますが、万が一を考えてカセットガスストーブも準備しています。また冬キャンプを始めて感じたのがカセットガスコンロの偉大さ。ストーブ+コンロ調理時のテント内はかなり暖かいです。とにかく冬の寒さは命に関わるので、打ち勝てる装備でキャンプに臨むことにしています。

注意:基本的にテント内は火気厳禁です。ストーブやガスコンロをテント内で使用する際は、自己責任のもと必ず換気を行ないながら絶対に密閉された空間にならないように注意して下さい。2ルームテントでの一酸化炭素中毒事故例などはこちらを参考にして下さい。
参考:No. 83 傷害速報 – 2ルームテント内での一酸化炭素による中毒

夏でも上着1枚は必ず持参すべし

夏とはいえ、北海道では夜から朝にかけて冷たい風が吹きさらすことも。晴天時の日中は半袖でも問題ありませんが、夜間は薄手の羽織を持参すると安心です。ちなみに私の場合、薄手のフリースやナイロン製ジャンパーを装備しています。

冬はスタッドレスタイヤへ履き替えを

装備が必要なのはキャンプ道具だけではありません。道路が凍結する冬の北海道ではスタッドレスタイヤの着用が必須です。とくに本州から自車を持ち込む場合は、スタッドレスタイヤへの履き替えを忘れずに!

北海道キャンプの交通事情

これも北海道ならではといわれる交通事情。道民の私が感じた気を付けたい点を3つご紹介します。

移動時間の感覚が全くのベツモノ

北海道はとにかく広いです。それゆえ、交通事情あるあるといわれているのが「移動時間の感覚」。本州と感覚は全く異なり、長距離移動が日常です。

我が家もよくキャンプへ繰り出しますが、車での平均の移動距離が100キロ(片道)。移動時間に換算すると、時速60キロでおよそ1時間40分かかることになります。ちなみに最長だとおよそ5時間、距離にすると340キロ(これも片道)ほど離れたキャンプ場へ車を走らせたことも。

これを本州で考えてみると…東京からおよそ100キロで熱海、東京からおよそ330キロで宮城、大阪から100キロで和歌山までドライブできちゃう!というよりも、私自身「100キロで県をまたげるんだぁぁ…」と衝撃を受けています。

北海道キャンプで「今週はここのキャンプ場へ行こうか」「1日目はここに泊まって、2日目はここのキャンプ場へ行って…」となったら、まずはグーグルマップで距離と時間を確認すべしです。

似たような景色と緑が延々つづく

北海道でキャンプ場へ向かう道中いつも思うのが、圧倒的な分かりにくさ。だいたいのキャンプ場が山や湖畔など人里から離れた場所に設置されているため、車を走らせていても窓から見えるのは「山の緑 or 木々の緑 or 畑の緑」です。

そんな代り映えのしない山道や農道をひたすら進んでいくと湧き上がる不安「この道で合ってる…?」「こんなに走っても何も見えない…」というのはザラ。できればカーナビ、なければ地図を事前に確認し向かうことをおすすめします。

気を抜いたら一般道で一発免停もあり得る

北海道の道路は車がそれほど多くなく、直線距離が長いのでと~っても走りやすいです。となると、必然的にスピードが上がってしまうというのも北海道あるある。とくに気を付けたいのが、直線&幅の広い一般道路。「高速道路ならまだしもなんで一般道?」と思うかもしれませんが、本当にスピードが出やすいです。

そして、最も注意しなければならないのが「オービス」「レーザーパトカー」。「めちゃくちゃ走りやすい道なのに、なんでみんな急にスピード落とした?…いいや、追い越しちゃえ!」となった瞬間フラッシュが降り注いだら、それはオービスです(体験談)。

一般道のオービス

北海道の走りやすい道路のあちこちに速度違反自動取締装置、通称オービスが設置してあります。

また、北海道で遠出をすると必ず見かけるのがレーザーパトカー。車体上部に速度を測定する装置と、なんとカメラまで搭載しているという盤石さです。気が付いたら後ろを走っていたり、道路の死角に潜んでいたりとまさに神出鬼没!どちらも事前に発見するというのは難しいので、免停になりたくなければスピードの出し過ぎは禁物です。

北海道キャンプの買い出し事情

北海道キャンプで忘れてはならない買い出し事情をご紹介します。

隣のスーパーまで車で数十キロ

北海道でキャンプ場から徒歩圏内にスーパーやコンビニがあるというのはかなり稀です。いや、むしろ車で数キロ圏内にスーパーがあるなら「便利じゃん!」と胸を張っていえます。

キャンプ場の立地によっては、買い出しに数十キロ車を走らせなきゃならないことも珍しくありません。食料や飲料はできるだけ事前に買っておくと時間のロスもなく安心です。

北海道は温泉天国

私が北海道キャンプの魅力のひとつだと思っているのが温泉です。北海道はあちこちに温泉施設があるので、キャンプの帰りや連泊時に利用することもしばしばあります。

温泉施設が隣接しているキャンプ場もあるので、キャンプ場選びのポイントにするのもありですね。

北海道キャンプで絶対に気を付けること

こちらでは北海道キャンプだからこそ注意が必要だと思う点をまとめてみました。

ただのフリーサイトと思いきや閉鎖中

オフシーズン中のキャンプ場は基本閉鎖されていますが、管理人不在のフリーサイトなどはとくに規制が張られていない場合も多々あります。しかし、規制されていないからといって利用してOKとはならないのが北海道キャンプあるあるです。

閉鎖中のキャンプ場は凍結防止のため水道が止められており、炊事場やトイレは利用できません。北海道でのキャンプ場利用はオンシーズンのみとし、閉鎖中の利用は控えましょう。

ゴミの放置はきつねを寄せつける

飲食物やゴミの放置については全国どこのキャンプ場でも叫ばれていますが、とくに北海道は野生動物が集まる危険性があるので遵守しなければなりません。

実際に私も、隣のテントのゴミをきつねが漁っているのを目撃したことがあります。これがきつねではなく熊だったらと考えるとゾッとしました…。

鹿はそこら辺にいる、ヒグマはたまに出没する

北海道はあちこちで野生動物に遭遇します。道路で鹿やきつねに遭遇するのは日常で、車に鹿がぶつかり事故となることもしばしばあるようです。

そして私が何よりも恐れ入ているのが「ヒグマ」。野生のヒグマを目撃したことはありませんが、キャンプ場へ出没することも稀にあるようで、ときには一時的に閉鎖することも。

もしキャンプ場や向かう道中で野生動物に遭遇したとしても、絶対に手を出してはいけません。ヒグマしかり、きつねも寄生虫を保持しているので注意が必要です。

全国各地で異なるキャンプ事情

全国で巻き起こるキャンプムーブメントも、各地でその実情が異なると分かると面白いですよね。「北海道キャンプに興味がある」という方は、本記事を参考にぜひ北海道キャンプをエンジョイしてください!

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  • 父ちゃん、小坊主2人、私の4人家族。ファミリーキャンプビギナーとして、さまざまな地へ車を走らせています。

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