焚き火台を構成するパーツに「クラッチ板」「スナップリング」「ノックピン」といった、本物のバイクパーツを使用するというこだわりが詰まった焚き火台が、クラウドファンディングで人気を集めている。
製造しているのは、2021FIM世界耐久選手権のエストリル12時間耐久ロードレースで優勝したチームが乗るバイクのクラッチを作った、FCCというマジモンの職人達だというから驚きだ。
創業80年のバイクパーツメーカーが本気で設計した、バイカーのためのコンパクト焚き火台「MotoGrill」とは一体どのようなものなのか、その魅力に迫ってみた。
目次
バイクキャンプにぴったりの焚き火台「MotoGrill」
「自然と一体になる」という点において、バイクとキャンプの相性は最高だ。筆者のキャンプツーリング歴は5年程だが、冬季シーズンになると人の少ないお気に入りのキャンプ場に週一回ペースで通いつめる程度にはキャンプツーリングを楽しんでいる。
もちろん冬なので、キャンプ場について一番にやることと言えば「焚き火」である。肌を切るような冷たい向かい風を浴びつづけて凍りついた体を、焚き火の熱でじっくり温めてからテント設営や昼飯作りにいそしむというわけだ。
そんな中で色々な焚き火台を試してきたが、これほどまでにバイクキャンプにぴったりといえる焚き火台には初めて出会った。MotoGrillという名前の通り、バイクキャンパーのことを考え抜いて製造されたコンパクト焚き火台をご紹介しよう。
本物のバイクのクラッチが焚き火台に変身
焚き火台を構成する部品には、なんと本物のバイクのクラッチ板が採用されている。これだけでもガキんちょの心を忘れないバイク乗りたちにはぶっ刺さるだろう。
焚き火台として組み上げるための加工が施されているとは言え、本物のパーツと同じ設計図から作られており、1000分の1ミリ(マイクロメートル)単位の精密さで製造された部品を応用して完成したのが「MotoGrill」だ。
焚き火が美しい洗練されたビジュアル
MotoGrillがこれまでの焚き火台と異なる点は、360度どこからでも焚き火が美しく見える洗練されたビジュアルだ。クラッチ板の隙間から見える焚き火の炎が、キャンプ場までの峠道を走り抜けてほどよい疲労を感じているライダーの心と体を癒してくれるだろう。
もしもツーリング中にクラッチの焼ける匂いがしてきたら心底ヒヤッとするが、この焚き火台からは金属が焦げるような怪しい匂いはしないので安心して欲しい。
カスタム次第で薪・炭どちらにも対応可能
小枝を燃やす以外にも、MotoGrillの組み方次第では太目の薪や炭火にも対応可能となっている。フルノーマルな使い方だけではなく自分好みにカスタムできるのも、この焚き火台の楽しみ方の一つだ。
軽さを追求した焚き火台の場合、炭火による高熱でパーツの歪みが起こることもあるが、MotoGrillは厚みのある頑強な素材を使用していることでそのような心配は無い。何度使用しても歪んだり折れたりすることなく長く使い続けられるのは、愛車精神のあるバイク乗りにとって嬉しいことだろう。
ソロキャンプ飯作りにも活躍
こちらの焚き火台の耐荷重は30kgとなっているので、スキレットやダッチオーブンを乗せるなど少々無茶な使い方をしても安心だ。写真では五徳を使用せずにワイルドに肉を焼いているが、専用五徳を使用することで小さい調理器具でも安定してお湯を沸かすことも可能となる。
ソロ焚き火台「MotoGrill」のこだわり
MotoGrillの基本性能が分かったところで、製造メーカーが製品に込めたこだわりを見てみよう。バイク部品メーカーとして創業80年ものあいだ積み重ねたノウハウと、新しいことへのチャレンジ精神がたっぷり詰まった焚き火台の魅力とは、一体どのようなものなのだろうか。
携帯性にこだわったコンパクトサイズ
キャンプツーリングの道具選びでもっとも重要なことはなにか、と問われたら10人中10人が「収納サイズがコンパクトであること」と答えるだろう。
どれだけ魅力的な焚き火台だったとしても、収納サイズがリアボックスやサイドケースに入らない大きさだったら、その瞬間に購入の選択肢からは外れることになる。焚き火台に限らずテントや寝袋など何を選ぶにせよ、まずチェックするのが収納サイズだ。
その点「MotoGrill」の収納サイズは直径20cm、厚さは約3センチと非常にコンパクト。各パーツの頑強さにこだわって重量は2.3kgと少し重めではあるが、バイクのトップケースなどの底に入れて他のキャンプギアを積み重ねて持ち運ぶ場合、重さよりも丈夫さの方が重要だったりする。
組み立てからメカニック気分で楽しめる
MotoGrillには、焚き火台の組み立てから楽しめるという特長がある。広げるだけ、乗せるだけ、という簡単な仕組みではただの作業になってしまうが、クラッチパーツを一枚一枚組み上げていくというのは、バイク小僧ならば憧れのメカニック気分に浸れて嬉しくなるはず。
ちなみに製造者の最速組み立てタイムは100秒ということなので、購入後は最速タイムを狙ってみるのも面白い。
1000分の1ミリにこだわった精度
バイク部品メーカーとしての品質に対する徹底ぶりが各パーツの精度に反映されているのは、ユーザーとしても安心できる点だろう。「ガタつき、ぐらつき、劣化を極力なくし、炎を見つめる時間に静寂を求めた」という言葉に、高次元のこだわりが現れている。
材質や強度等、厳しい基準を満たすことが必要とされる世界で戦い続けているパーツ製造メーカーの、愚直ともいえる真面目さが製品の信頼性を高めてくれている。
専用五徳でキャンプ飯作りもさらに快適に
五徳が無くても調理は可能だが、専用五徳がセットになっているものを購入すればキャンプ飯作りがさらに快適になる。
シェラカップを使って調理をしたり1人分の料理を作るのにあると便利な五徳も、収納用の缶ケースや固定具にぴったりハマるので、持ち運びの苦にはならない。
一生使える強靭な品質
部材、大きさ、携帯性、使用感。すべてにこだわって作られたMotoGrillには「バイカーのソロキャンプの相棒になってもらいたい」という製造者の思いが込められている。
バイカーが持つ焚き火台の「究極」を追求したことで、試行錯誤の末にコンパクトで強靭な焚き火台が完成した。まさにこれは一生使える焚き火台だと言えるだろう。
製品スペック紹介
組立サイズ | Φ23.7×16.7cm |
---|---|
収納サイズ | Φ20.6×3.0cm |
重量 | 2.3kg |
耐荷重 | 30kg |
販売価格 | 焚き火台(五徳なし)¥16,200- 焚き火台(五徳あり)¥17,800- |
五徳のあり・なし、どちらを購入しても「携帯用収納缶」が付いてくるので持ち運び時も安心だ。
「MotoGrill」を手に入れてバイクキャンプを楽しもう
バイクキャンプのために生まれた焚き火台「MotoGrill」は、クラウドファンディングMakuakeにて応援購入サポーターを募集し、目標金額を大幅に超える214万6020円を集めることに成功。正式に一般販売が開始される日程はまだ未発表だが、その日を楽しみに待とう。
ギア
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