冬キャンプをする時に一番ネックになるのが寒さ対策です。キャンプで複数人が暖を取る手段としてはストーブやヒーターが挙げられますが、熱源から大きさまで様々なタイプがあります。
電気毛布やセラミックヒーターは電源がある事を前提として作られていますが、電源が無くても幕内を暖められる薪ストーブは冬キャンプの強い味方です。
今回はペトロマックスから発売されているポータブル薪ストーブ・ロキ(Loki)の使い方やおすすめポイントをふまえてご紹介します。
目次
ペトロマックス・ロキの基本情報
価格 | 39,000円(税抜き) |
---|---|
使用サイズ | 55×84×241cm(煙突部分を全て組み立てた時の長さ195cmを含む) |
収納サイズ | 33×52×33cm |
煙突の長さ | 40cm×5本 |
ドア開口部 | 直径約15.5cm |
ふた開口部 | 直径約14cm |
重量 | 約12kg |
材質 | スチール製 |
ロキを販売しているのは、圧力式灯油ランタンで有名なPetromax(ペトロマックス)。スタイリッシュなデザインが魅力のドイツのブランドです。
ロキは使いやすさと持ち運びやすさを兼ね備えたモデルで、手軽に移動できるをコンセプトにしており、スタイリッシュで無駄のないデザインが特徴です。3本の足は折り畳み可能で高さがあるので地面への熱の影響も少なく、コットンテントにインしての使用にも向いています。
煙突は全部で5本あり、分割してストーブ内に収納可能。別売になりますが収納ケースに収めれば女性でも運びやすく、携帯性も抜群です。材質はスチール製で、火の立ち上がりが比較的早いのが特徴です。スチール製のストーブはデザインに優れたモデルが多く、ロキもその中の一つになります。
購入に至った経緯
私がロキを購入したのは3年ほど前になります。当時はまだキャンプを始めて1年未満。寒い時期の、ましてや薪ストーブを使ったキャンプは憧れの存在ではありましたが、実際にやってみようとまでは思ってはいませんでした。
そんな中たまたまキャンプ場で出会い、ご一緒させて頂いた方が使っていたのが薪ストーブでした。ストーブの上でお湯を沸かして珈琲を飲んだり、餃子を焼いてご馳走になったりと大変楽しい体験で、そこから一気に薪ストーブ購入に火がついてしまいました。
購入を検討した時に一番、重要視したのがコンパクトさでした。安いモデルの薪ストーブは10,000円ほどで購入可能です。しかし自家用車がコンパクトカーだったため、自分達で使うとなると携帯性に優れるモデルである事が必要不可欠になってきました。
そんな中、たまたまネットで見つけたのがロキでした。その当時発売したてということでおしゃれなキャンパーさんも注目しており、ローベンスのワンポールテントにインストールしたロキの写真に目を奪われてしまいました。39,000円はキャンプ初心者の人間には安くはない価格でしたが、車の積載にスペースをとらないのが決め手になり、購入を決意しました。
ペトロマックス・ロキの特徴
コンパクトで携帯性に優れる
3本の脚を畳み、煙突を本体内に収納すると驚くほど小さくまとまります。お手持ちの車が軽自動車やコンパクトカーであっても気軽に持っていくことができます。
テント内にインストールする時も必要最低限のスペースで設営でき、場所をとりません。インストールする際のテントは熱に強いコットン製であること、ベンチレーションで換気が容易にできるモデルを奨励します。
薪ストーブキャンプにはテンマクのサーカスTCビッグを使う機会が多いです。かなり大型のティピーテントですが、しっかりと火をおこせればロキ1台で十分に幕内を暖めることができます。リビングスペースを作る時は、アイアンテーブルを使ってストーブの周辺をぐるりと囲んでいます。熱々のフライパンや鍋をそのまま降ろせてとても便利です。
火力も十分・料理をする時に便利
ロキの本体部分は、設営時には円柱を横にしたような形状になります。天板部分に十分なスペースがありますので、ケトルでお湯を沸かしながら鍋で煮込み料理をするといった2口コンロのような使い方が可能で、非常に使い勝手が良いです。
薪ストーブがあればいつでもお湯がある状態にできるので、好きな時に好きなだけお茶を楽しめますね。薪が燃えるかすかな音を聞きながらお茶を飲むのは、キャンプの中で好きな時間の1つです。
ホームセンターで売っているような一般的な長さの薪も十分入るサイズですので薪割りの必要もありませんし、太い薪が入るので火力を保つことができます。天板の手前には開口部があり、鍋やフライパンをのせれば直火での調理も可能です。ストーブの脚は細いですが、しっかりと安定していますので多少フライパンをゆすったりしても問題ありません。
テントサイトを選ばない
冬キャンプで暖を取る場合、電気を利用したヒーターが最もお手軽な暖房機器になりますが、電源のあるサイトは殆どがオートサイトになるでしょう。ソロやデュオキャンであればオートの区画サイトの広さでも事足りますが、グルキャンや大型のテントを使用する時にはフリーサイトでゆったりとしたスペースを取りたいところです。
薪ストーブは1台あれば幕内を広範囲に渡って温めることができます。更に携帯性に優れたロキなら、ギアを手で運ぶ必要のあるオートフリーではないサイトでも設営・撤収が比較的楽に行えます。
ロキのメンテナンスと使用時の注意点
使用後は煙突の煤払いが必要
ロキのお手入れは以下の2工程で完了です。
- 本体内の灰を掻き出す
- 燠が熱を持って残っている場合がありますので取り出す際はやけどに注意してください。
- 煙突をばらし、ブラシを使って煙突内を掃除する
- ブラシが無い場合は煙突の中に小石を入れ、左右に降ることでも煤を落とすことができます。
さほど難しい訳ではありませんが、使用後は毎回煙突内の掃除が必要になりますし、やはり石油やガスストーブと比べると収納の工程が多くはなります。
一酸化炭素中毒の対策は万全に
薪ストーブキャンプで最も気を付けなくてはいけないのが一酸化炭素中毒です。換気をせずにストーブを使っていると一酸化炭素が充満し、体に様々な形で中毒症状を引き起こしてしまいます。
薪ストーブを使われる際は一酸化炭素警報機を必ず使用してください。幕内の一酸化炭素濃度が上がると寝ている人でも起きるぐらいの大きな音で知らせてくれます。写真のように異なる種類の警報器を用意し、離れた場所に置いておくとより安心です。
収納バッグ・スパークアレスターは別売品
ロキは本体のみでの販売になっており、収納バッグは別途購入する必要があります。
初めのうちはわざわざ別で買う事がためらわれたので、購入時の箱に入れて移動させていました。しかし次第に携行用かばんの必要性を感じ、安い代用品を探していましたが結局良い物が見つからず、正規のオプション品を購入しました。
スパークアレスターも同様です。これは網目状の筒で、煙突の先端部分に取り付けて火の粉の飛び散りを最小限に抑えるパーツになります。初めてロキを使った時は想像していた以上に火の粉が舞っており、安全性とテントの穴開き防止を考え追加で取り付けました。
他にもテントのインストール用に後からストーブガードを買ったりしましたが、薪ストーブをより効果的・快適に使うには追加でオプションパーツを買い足す必要があると感じました。
薪ストーブの柔らかい暖かさに病みつき
薪ストーブが1つあれば寒い日のキャンプも暖かく過ごせますし、サイトの雰囲気もぐっと魅力的なものになります。一見ハードルが高そうに見える薪ストーブキャンプですが、テントの燃焼や一酸化炭素中毒を防ぐ安全対策をしっかりと行えばそこまで取り扱いの難しい道具ではありません。
また、ストーブ独特の柔らかな暖かさを一度体験すると病みつきになってしまい、寒い時期は行けるだけキャンプに行こうとさえ思ってしまいます。
ペトロマックス・ロキは使う方のキャンプ生活をより充実したものにしてくれるでしょう。
ギア
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