村の鍛冶屋のアウトドアブランド「TSBBQ」が、現在Makuakeでクラウドファンディングを行なっているプロジェクトの1つに、銅製スクエアパンという物があります。これは銅製の四角いフライパンで、徹底的にシンプルなデザインと高い熱伝導率が特徴です。
今回、一般販売に先駆けて商品を提供して頂いたので先行レビューをお届けします。
目次
TSBBQの銅スクエアパンをレビュー!
めずらしい四角い形
ゆーちゃん
あっちゃん
四角いフライパンと言えば、玉子焼きを焼く専用のフライパンが頭に浮かぶだけで、ほとんどは丸い形のフライパンを使っているイメージがありますよね。
その玉子焼き専用のフライパンも、プロの職人さんがお店で使っていたり、家庭でもお弁当用の玉子焼きを焼く時に使う事があるだけで、それをキャンプに持ち出して使うなんて考えつきませんでした。
キャンプ場で見かけるフライパンはほとんどがよくある円形のもの。流行りの鉄製のフライパンやスキレットでも、丸い形が主流です。
この四角い形って、実は作るのがとても難しいらしいんです。しかも銅をスクエア型に加工するのは、とても高い技術力が必要になるようなんです。
ゆーちゃん
そこで村の鍛冶屋とタッグを組んだのが、卓越した銅加工技術を持つ「新光金属株式会社」でした。両者とも金物の町燕三条にある会社で、長い間受け継がれてきた職人の技術を商品に注いでいます。
そして完成したのが、TSBBQの銅製スクエアパン。シンプルな四角形をしたフライパンなんですが、実はかなり高い技術によって作られているんです。
銅製スクエアパンのセット内容
今回のMakuakeのプロジェクトでは、この銅製スクエアパンと、それを持つためのハンドル、そして蓋やカッティングボードとして使える専用の木蓋がセットになっています。
銅製スクエアパンのサイズは、15×15×3(h)cmで特別大きくはありません。何を調理するかによって違いますが、ソロキャンプで活躍しそうなサイズ感だと思います。
持ち運ぶ時には、ハンドルが本体のフライパンの中に収納できるようになっています。ただ専用の収納ケースが付属していないので、バラバラになってしまうかも知れません。別途収納ケースを用意するか、蓋とフライパンをゴム紐で固定した方が持ち運びしやすそうです。
熱伝導率が高い銅製
※写真は使用済みのため焼面が変色しています
TSBBQの銅製スクエアパンは、名前にもあるように素材は銅で出来ています。焼面のメッキにはニッケルが使用されています。そのため、内側と外側で色に違いがあります。
外側は、10円玉などでイメージする銅の色なのに対して、内側の焼面はシルバーという感じです。
あっちゃん
熱伝導率が高い銅を使用する事で、少しの熱源でも色々と調理する事が可能なようです。
Makuakeのプロジェクトページには、固形燃料でステーキを焼く事が出来ると記載されていました。固形燃料だとそんなに高火力というイメージがないので、それを可能にできるのは凄いですよね。
素材別で熱伝導率を比較してみると、スキレットなどで使われる鉄、メスティンなどで使われているアルミ、そして今回のフライパンで使われている銅の3つでは、1番熱伝導率が高いのは銅、次はアルミ、そして最後に鉄という順番になります。
メスティンを使ったときに、熱伝導率が高いなと感じた事もあるかと思います。
ゆーちゃん
熱の伝わりやすさが早いと、それだけ早く調理もできるし、火力を抑えめにしてもちゃんと熱する事が出来るようになります。そういった理由で、銅製スクエアパンは固形燃料でもステーキを焼けるそうです。
弱火で玉子焼きを焼いてみる
TSBBQの銅製スクエアパンを使ってステーキを焼く前に、四角いフライパンということで、とりあえず玉子焼きを焼いてみました。まずは卵1個を使って、シングルバーナーで焼いてみます。
あっちゃん
甘い玉子焼きが好きな僕は、砂糖をスプーン1杯。シングルバーナーの火力は弱にしておきます。
フライパンの表面が熱くなってから油を全体に引き、一気に溶いた卵を流し込みます。みるみるうちにぐつぐつとしてきます。せっかく四角いフライパンなので、全体に行き渡るようにハンドルを使ってフライパンを傾けてみます。
玉子の周囲はすぐに固まり始めたので、急いで巻き始めます。ただ玉子を巻く作業が少しもたついたのか、巻き終わった頃にはすこし焦げてしまいました。
ゆーちゃん
あっちゃん
なんて事をしていたら、さらに玉子焼きが余熱で焦げてしまいました。半熟状態で巻いたはずなのに、それもなくなっている様子。
この間ほんの数分。銅製のフライパンが熱伝導率が良い為か、あっと言う間に玉子焼きは焼き上がり、さらに焦げちゃいました。
玉子焼きに砂糖を入れると焦げやすくなるのですが、それにしても早く焦げたように感じました。
このままでは、TSBBQの銅製スクエアパンのせいで玉子焼きが焦げてしまったようにも見えるので、もう一度挑戦してみます。
ゆーちゃん
今度は、卵を2個使って玉子焼きを作ってみます。卵1個の時より量が増えた為、たまごを流し込んでもすぐにぐつぐつしてくる事はありません。
火力は弱火。卵1個の時よりは時間はかかりましたが、それでも早く焼く事が出来たような気がします。
食べてみると、ほんの少し外側がパリッとしていて、普段よりも美味しく出来たように感じます。
固形燃料でお湯を沸かせるか試してみる
銅製のフライパンは、熱伝導率が高いという事なので、今度は固形燃料を使ってお湯を沸かしてみました。
お水の量は、コーヒー1杯分の約180cc。それを銅製スクエアパンに注いで、火を点けた固形燃料の上に置いてみました。
TSBBQのクラウドファンディングでは、名刺入れサイズのチタン製カードコンロが同プロジェクトにありますが、今回は間に合わなかったので違う製品のポケットコンロを使用しています。もしかしたら固形燃料の高さ等、若干の違いがあるかも知れません。
固形燃料に着火後すぐに銅製スクエアパンを載せて、ストップウォッチで計測します。
写真に湯気が写りませんでした
銅製スクエアパンに注がれたお水をじっと見ていると、約4分ぐらい経過した辺りから湯気が立ち始めました。なかなか良い感じです。
しかし20分経過しても沸騰する様子はありません。お湯からは湯気は立っていて、底には泡がプツプツとあるのですが、沸騰という感じではありません。
ここで念の為に水温を測ってみると、約85℃。あと少しで沸騰しそうですが、固形燃料の火力の勢いが徐々に弱まっていて、この後も沸騰することはなさそうです。
ゆーちゃん
あっちゃん
なんて、銅製スクエアパンの中の水の様子は一向に変化はないものの、そのまま見守り続けました。
30分を経過したところでもう一度水温を測ってみても、先ほどと同じ約85℃。思っていた通り沸騰する事はなく、ほぼ保温という感じだったようです。そして約37分経ったところで固形燃料の火が消えました。
あっちゃん
蓋を開けたまま30分以上火にかけていたので、湯気と共に蒸発してしまったようです。
180ccのお水でコップ一杯分ぐらいとして考えていましたが、コーヒーを注いでみると約半分ぐらいしかありませんでした。
ゆーちゃん
お湯の様子を見るために蓋をしないで沸かしたのが、沸騰せずに、お湯の量が減ってしまった原因かも知れません。そこで今度は、銅製スクエアパンに付属している木蓋をしてお湯を沸かしてみたいと思います。
お水の量は、さっきと同じ180cc。
今度も固形燃料に着火してからすぐに、銅製スクエアパンを載せました。すると先程と違う事が…。時間を計測し始めてから約6分後、何やらフライパンからふつふつと音が聞こえてきました。
そこで蓋を開けると、もう沸騰しそうな感じ。急いで水温を測って見ると、約93℃。蓋をしなかった時には85℃が最高でしたが、それを上回る温度です。
あっちゃん
蓋を開けて水温を測るという作業がなければ、短時間で沸騰したかも知れません。急いで木蓋を閉じて、また時間の経過を待ちます。
すると7〜8分ぐらいで、明らかに聞こえてくる音が変わりました。
蓋を開けて中の様子を見てみると、沸騰しています。水温は99.5℃。
蓋を閉じておけば、約7〜8分で180ccのお湯を沸かす事が出来ました。もちろん湯量の減りもほんの僅かだと思います。
熱伝導率が高い銅製スクエアパンでは、固形燃料でも比較的短時間でお湯を沸かせるということが証明されました。
固形燃料で目玉焼きを焼いてみる
お湯を沸かし終わったのが予定外に早かったので、固形燃料はまだ燃焼中です。着火当初より火力は弱まっているとは思いますが、後20分ほど燃焼し続けます。
あっちゃん
そこで今度は、火力が弱くなった固形燃料で目玉焼きを焼いてみることにしました。フライパンに油を引き、卵を1つ落とします。そしてちょっとお水を入れてから木蓋を閉じておきます。
卵に白い膜が張り、そろそろ焼き上がりそうだなと思ったのが約5分30ぐらい。火力が弱いので、そのままちょっと様子を見て、6分30秒で焼き上がりました。
ゆーちゃん
あっちゃん
そこで黄身を割ってみると、全く垂れてきません。どうやら焼き過ぎだったようです。写真を撮ったりしていて、余熱で固まってしまったので、5分程度でも良さそうです。今回は火力が落ちた固形燃料を使いましたが、火力が強い場合には、さらに短くてもいいと思います。
銅製スクエアパンには油を引いてあったので焦げ付きはほとんど無かったのが良かったです。
固形燃料で本当にステーキが焼けるか試してみた
今度はキャンプ場へ行き、屋外でステーキを焼いてきました。もちろん熱伝導率が高い銅製のフライパンだと言う事を実証する為に、今回も固形燃料を使います。
ゆーちゃん
あっちゃん
室内で固形燃料を使って調理するのと、屋外で調理するのとでは、相違点がありました。それは風の影響です。室内では風がないので、固形燃料の熱はフライパンに効率よく伝わりますが、屋外では簡単にはいきません。
今回、風が少し強かったという事もありますが、固形燃料から上がる炎が流れてしまい、フライパンが温まるまで時間がかかってしまいました。
頃合いを見て、牛脂を塗った銅製スクエアパンに牛ステーキを置くと、ジューっと美味しそうな良い音を立て、しばらくするとフライパンとステーキの間がグツグツとしてきて泡が立ち始めました。
ゆーちゃん
しかし、暫く経つとその泡がなくなり、火が消えて冷めてしまったかのような見た目になってしまったんです。それはおそらく風の影響で、表面温度が下がってしまったんだと思います。
急いで風防を取り出し、銅製スクエアパンの周囲を囲みました。風を避けた途端に息を吹き返したこのように、フライパンの表面はグツグツが復活してきました。
5分くらい経過してステーキを裏返してみたところ、火は通ってはいるのですが、焼き目がありません。風防をしても風が少し吹き込む為か、思った以上に温度が上がってないようです。
今度は風防をしつつ、フライパンに蓋もして、さらにフライパンの温度が高くなるようにしました。聞こえてくる音は、先程よりも温度が高くなっているような感じ。
しかし、蓋を開けてみるとフライパンに肉汁がたくさん出て、それがグツグツと音を立てていたようです。蓋をしていたので、まさに蒸し焼き。
ステーキには火が通っていましたが、焼き目は付いていませんでした。それは旅館で出てくる蒸し焼きのお肉のようです。
残念ながら、Makuakeプロジェクトページにあるような焼き目の付いたステーキにはなりませんでした。とは言え、固形燃料でステーキを焼くことは出来たので、実験としては成功と言えるでしょう。おそらく、室内で無風の状態であれば、もっと美味しそうな焼き目のついたステーキが焼けるのだと思います。
冷凍ピラフも作ってみた
銅製スクエアパンで無事に玉子焼きやステーキを焼けたので、冷凍ピラフも温めてみました。固形燃料だと少し時間が掛かってしまいますが、こちらもちゃんと熱々のピラフになりました。
本来なら中火で約3分の調理時間でしたが、固形燃料を使った銅製スクエアパンだと、火を付けてから約4分半でジュージューと音がし始め、5分20秒ぐらい経った時に湯気が立ち始めました。そして約6分で出来上がり。
この時も風があったので、フライパンの周囲は風防で囲んであります。こちらも室内で固形燃料を使えばもう少し早く出来上がったかも知れませんが、屋外で風の影響がある中でも意外と早く出来たと感じます。
銅製スクエアパンは高い熱伝導率のおかげで固形燃料での調理にぴったり
熱伝導率の高い銅製スクエアパンは、固形燃料でも色々と調理する事ができるということで、今回は玉子焼きをはじめとする調理をしてみました。その中で注目したいのが、やっぱり固形燃料でステーキが焼けるということ。
キャンプ場で実際にステーキを焼いてみましたが、しっかり焼く事ができました。ただ、自然の状況下では風の影響を少なからず受けてしまい、炭で焼くようなパリッとした焼き加減にはならず、どちらかと言えば蒸し焼きのような感じでした。それでも当初は本当に焼けるのかと不安もあったので、ちゃんと火が通ったことは、熱伝導率が高い銅製のおかげかなと思います。
こちらの製品は、2022年4月25日までクラウドファンディングMakuakeにて先行販売を実施中です。村の鍛冶屋のアウトドアブランドTSBBQの銅製スクエアパンと固形燃料を持って、キャンプに出掛けてみませんか?
ステーキ以外にも色々と使えると思うので、こんな物も調理できるのと発見もあるかも知れません。自分のブログでも注意点やデメリットについても書いていますので、良ければそちらもご覧ください。
ギア
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