岩本利達
コロナ禍でマナー違反は増えた?意識調査から見る問題点とは

コロナ禍でマナー違反は増えた?意識調査から見る問題点とは

auコマース&ライフ(以下、auCL)が行った「これからキャンプを始める人のための最新意識調査」では、コロナ禍でのキャンパーの増加や、キャンプを始める際の初期投資額などといった興味深いデータが公表されている。実はこのアンケートでは昨今のキャンプシーンでの問題点が垣間見えてくる。

キャンパー増加で問題になっている「マナー違反」。コロナ禍は関係なかった?

キャンプ意識調査 (2)

新型コロナウイルス感染拡大の中で、密にならないレジャーという事で注目を浴びたキャンプ。実際に2020年の新語・流行語大賞には「ソロキャンプ」がノミネートされるほど脚光を浴びている。そんな中で報道やSNSで気になるのは「コロナ禍で初心者キャンパーが増え、マナーが悪いキャンパーが多くなった」という問題だ。

auCLの調査によると、全体の中でキャンプ歴1年以内と答えたキャンパーが約20%。ちょうど1年というのは新型コロナウイルス感染拡大が本格化したタイミングなので、コロナ禍でキャンプを始めたキャンパーと言い換えることが出来る。

約20%の初心者キャンパーの全員がマナーが悪いとは考えづらいので、多く見積もって半分のマナーが悪いとしても10%と見てみる。そうするとキャンプ場に訪れる人口全体で5人に1人が初心者キャンパーとなり、さらにその2人に1人はマナーが悪い、つまり10人に1人のキャンパーはマナーが悪いという計算だ。

10%の初心者キャンパーだけが本当に悪いのか?

初心者キャンパーおイメージ

繁忙期のキャンプ場に行ったことがあるキャンパーならわかると思うが、夜遅くまで騒いだり、炊事場の使い方が汚かったり、平気でサイトに入ってくる子どもがいたりという事はけっこうある。そう考えると10%以下という数字で「コロナ禍でキャンプを始めたキャンパーのマナーが悪い」というのは早計ではないか、と筆者は考える。

マナー違反は連鎖する

捨てられたバーベキュー道具

集団心理、というものをご存じだろうか。本来であればマナーとして抑制されていることが、少数のマナー違反者がいることで「面倒だから自分も我慢しない」といったことにつながるというものだ。

キャンプ場では、消灯時間を過ぎているけど他のサイトで騒いでいるから自分もいいだろう、炊事場はきれいに使わないといけないけど全体的に汚れているから適当に使おう、といったことが起こり得る。きっかけは初心者キャンパーかもしれないが、それに釣られているキャンパーもいるのではないか。

マナー違反を注意するのではなく、優しく教えてあげよう

キャンプを楽しんでいる様子

もちろんマナー違反を犯してしまうのは「マナーそのものを知らない初心者キャンパーに多い」というのは否めないし、マナー違反を容認するわけではない。

しかし初心者のマナー違反に対して排他的に対応するのではなく、コミュニケーションをもって解決していくことは自分にもメリットがある。マナー違反を誰からも指摘されないことで、マナーを軽視することになるのは指摘しなかった方にも若干の落ち度はあるだろう。

初心者キャンパーに対して広い心で受け入れ、マナーを教えてあげることこそがマナー違反に対しての適切な対処方法であり、それはキャンプ業界全体の振興にとっても大切ではないだろうか。

紹介
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  • 岩本利達
  • 岩本利達キャンプクエストNEWS編集部
  • NCAJキャンプインストラクター/JACオートキャンプ指導者
    『子どもを育む場としての「キャンプ」こそ持続可能な社会の第一歩』をテーマに、環境意識やサバイバル知識を高めるために日夜活動。ガジェット/ギアマニアの視点から最新アウトドアニュースをお届けします。

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