岩本利達
目指すのは「誰もがキャンプを楽しめる世界」医療的ケア児もキャンプが出来るプロジェクトがスタート

目指すのは「誰もがキャンプを楽しめる世界」医療的ケア児もキャンプが出来るプロジェクトがスタート

「キャンプは不自由を楽しむもの」という考えが主流だったのも今は昔。昨今では様々なキャンプスタイルが生まれており、特に不自由さを徹底的に排した「グランピング」もアウトドアの一つとして数えられる。そうなると今度は、不自由さがハードルになって中々キャンプに行けない「医療的ケア児」もキャンプを楽しめる可能性が出てくる。

この度、医療的ケア児と家族のチャレンジをサポートする「一般社団法人 Burano」は、スノーピークと共同して医療的ケア児を対象にしたキャンププロジェクトをスタートさせると発表された。果たしてどんなアプローチでサポートしていくのだろうか。

医療的ケア児にキャンプをしてもらう理由

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私の経験で恐縮だが、現在5歳になる子どもをキャンプに連れていくと、必ず何かしら成長をしてくれる。それは美しい星空に気付くことや、川の冷たさに驚くといった自然に対してのモノだけではなく、集団生活の中でのルールなど、時として親が驚くことを覚えてくれるのである。

自宅から離れた非日常的空間だからこそ出来る成長だと考えれば、その権利はすべての子どもに平等に与えられるべきだと思う。

日常生活を送るにも医療的ケアが必要な子ども達にとっては、キャンプは非常に遠い存在。そんな彼らが不自由なくキャンプを出来れば、だれでも楽しめるキャンプになる、という事でBuranoは「医療的ケア児から始まるインクルーシブキャンプ」を実施することになった。

具体的にはどんなことに取り組む?

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医療的ケア児がキャンプに挑戦する際、シビアに求められるのが「安全性の確保」。このプロジェクトでは蓄積された知識や経験、ノウハウを共有し、キャンプに挑戦しやすくするとのこと。

大きく分けると冊子とウェブサイトに情報を集約することになる様だが、その中には「医療的ケア児と安全に楽しく過ごすために準備したいアイテム」や、「がんばりすぎないキャンプ飯、私たちの食事レポート」など、具体的な内容が網羅されたコンテンツが揃う。

今後プロジェクトはどうなっていく?

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作成したガイドブックは全国のスノーピーク店舗に配布して見られるようにしたり、ウェブサイトでも公開される。ウェブサイトではキャンプに行ってきた情報をシェアするためのコミュニティ機能も持たせ、情報が集まりやすくする狙いだ。

Buranoの秋山氏は、今回のプロジェクトのような取り組みを続ければ、次の世代はそれに触発されてより良い環境を作ってくれるという連鎖サイクルに期待している。

我々も医療的ケア児に限らず、キャンプ場で困っている方がいれば手を貸すなど、皆が気持ちよくキャンプできる場を作っていきたいものだ。

紹介
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  • 岩本利達
  • 岩本利達キャンプクエストNEWS編集部
  • NCAJキャンプインストラクター/JACオートキャンプ指導者
    『子どもを育む場としての「キャンプ」こそ持続可能な社会の第一歩』をテーマに、環境意識やサバイバル知識を高めるために日夜活動。ガジェット/ギアマニアの視点から最新アウトドアニュースをお届けします。

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