榛名山、妙義山と並び、上毛三山の一つに数えられる群馬の名峰赤城山。その山頂にあるカルデラ湖大沼のほとりにあるのが「県立赤城公園キャンプ場」です。
2019年の秋から2020年4月24日まで、リニューアルのため閉鎖しているキャンプ場ですが、今回は閉鎖直前の11月12日から1泊キャンプしてきました。
絶景ロケーションでしかも利用料が無料!オンシーズンにはたくさんの人が押し寄せる「県立赤城公園キャンプ場」の設備や場内の様子などをレポートします!
目次
県立赤城公園キャンプ場ってどんなところ?
利用期間 | 4月下旬~11月中旬 ※2020年は4月24日オープン |
---|---|
利用料金 | 無料 |
区画 | 10区画・車中泊4区画 |
チェックイン チェックアウト |
in 12:00~17:00 out 10:00 |
予約方法 | ネット予約のみ 予約専用サイト 群馬県 – 県立赤城公園キャンプ場 |
売店・レンタル | 無し |
ごみ | 持ち帰り |
公式サイト | 県立赤城公園キャンプ場 |
冬季は水道管が凍結するため、トイレや炊事場の水が出なくなりキャンプ場は閉鎖。しかしそれ以外はハイシーズンでも利用料は無料です。
今回の晩秋キャンプ時は予約も不要でしたが、2020年4月からは予約制になります。夏休みやGWなどの混みあう時期は駐車場に車を停めることもできず、やむなく引き返す人が続出するため、その対策として予約必須にしたのでしょう。
案内図を見てもわかるように、テントエリアから水路を隔てて東側が水場エリアです。2019年秋時点では明確なサイトの区画はなく、黄色く塗ってある箇所が平地になっているだけ。広いエリアでは2~3家族のキャンパーがテントを設営できるイメージです。
ここが一番奥の広いテントエリアです。もちろん車は横付けできないので、下の駐車場に車を停めて、重い荷物を持って運びます。上り坂なので覚悟が必要かも。ちなみにこのエリアはレイクビューではありません。地面にはたくさん石があるので、クッション性のあるフロアマットが必要です。
4月からはチェックイン、チェックアウトの時間も設定され、ある程度の区画が整備されるようですね。この時はまだ時間もフリー。1週間以上連泊しないというルールがあるのみです。
テント設営したのは案内図でいう一番下の広めのエリア。ソロキャンパーなら5組、ファミリーファンパーなら3組が限界というところでしょうか。
道路にも一番近いですが、冬に近い晩秋のため、夜間の交通量はほぼゼロ。湖もよく見えるのでこの位置に設営しました。
県立赤城公園キャンプ場の気になる眺望は?
県立赤城公園キャンプ場は、赤城山のカルデラ湖「大沼」の湖畔にあります。眺望の良さと、通年無料ということも相まって、オンシーズンにはたくさんの人でにぎわうキャンプ場です。
さらなる眺望の良さを求めて、キャンプ場の駐車場から道路を挟んだ反対側、つまり湖ぎりぎりの場所にテントを設営している人を多く見かけます。実際、ハイシーズンにはこの場所の争奪戦が繰り広げられるようです。
写真のように、道路を挟んで山側に駐車場、湖側にわずかなスペースがあります。
狭いスペースですが、この時も数名のキャンパーがこの場所にテントを張っていました。
実は、厳密にいうとここはキャンプ場内ではありません。案内板でもわざわざ「道路より南側はキャンプ場のエリアではありません」と明記しているので、リニューアル後は何らかの対策がされるのではないでしょうか。
それでもやっぱり眺望は最高!この時は紅葉の終わりかけでしたが、山々が湖に映っていました。紅葉の見ごろシーズンならいつまでも眺めていたくなる風景かもしれませんね!新緑の季節も清々しい眺めだと思います。
無料の施設だけあって、設備は必要最低限
キャンプ場の設備は水場と炊事場とトイレのみ。管理棟もないので管理人も常駐していません。管理としては公園管理人が不定期に巡回するのみ。シーズンオフのソロキャンプなら、日常とはかけ離れた心細さが体験できます。
これが炊事施設です。昔懐かし林間学校を思い起こさせるようなかまどが8基、背中合わせに並んでいます。
オフシーズンはキャンプ慣れしているソロキャンパーが多いので、誰も使っていませんでしたが、夏は子どもたちがワイワイカレーを作ったりするのかな?
水場はもちろんお湯が出ません。こちらも8個の水道が背中合わせに並んでいます。洗剤やスポンジ、生ごみ入れなどはもちろんありません。持参必須です。
水道管には凍結防止用テープが巻かれていますが、急激に気温が下がると11月でも凍結してしまうことがあるようです。キャンプ初心者の方は9月ごろまでの季節に行くのがおすすめ。
トイレは古めの公園にある屋外トイレといった風情です。きれいに清掃はしてありますが、とても快適とまでは言えません。男女とも和式洋式便器がありますが、暖房便座やウォシュレット設備はなし。秋ごろから便座の冷たさは苦行レベルになるので、和式を使うのがおすすめです。
もちろん、AC電源、街灯等もありませんので、ランタンはサイトを照らすもの、トイレなどに行く際に足元を照らす電池式のものなど複数持参した方がいいです。
また、シャワー設備もないので、お風呂に入りたい人は1㎞程離れた所にある青木旅館で日帰り入浴ができます(540円)。ちなみにこちらは温泉ではなく、赤城山の湧き水を利用したお風呂になります。
キャンプ場の注意事項はごく一般的なことばかりですね。設備が最低限しかないので、キャンプ慣れしているゲストが多く、マナーもしっかり守られています。
どこを見てもゴミなども見当たらず、焚火の跡もありませんでした。無料の施設ではありますが、オンシーズンには自然と触れ合いたい、子供と不便な生活を楽しみたいという意識の高いキャンパーが多いのかなという印象でした。
県営赤城公園キャンプ場を訪れた際の注意点
テントエリアと各設備は水路によって隔たれています。水路とはいえ、見た目はほとんど谷で、ヒョイと飛び越せるようなものではありません。なので、一番上のテントエリアから炊事棟やトイレなど水場に行くには、山を下って一旦道路に出るように大きく迂回しなければなりません。
テントエリア間は急な斜面で、熊笹のような植物が生い茂っていてショートカットも難しい様子でした。急なトイレなども、通路を降りて下まで行きます。そのため、子供連れキャンパーなら奥のエリアよりも、湖畔に近いエリアの方が何かと便利なはずです。
といっても、湖畔に近いエリアはすぐ前が道路ですし駐車場も近くなるので、子供からは目を離さず、車には十分注意してあげてください。
また、大沼周辺にはオンシーズンでも売店が数件あるだけでスーパーやコンビニなどはありません。急に何か必要になっても、すぐには調達できないので、ふもとの町(前橋市街)でしっかり事前準備をしてから入山してください。
特に、
- 救急セット(常備薬、消毒薬、ばんそうこうなど)
- 食料品
この二つは現地では手に入りません。飲み物がなくなったら、徒歩で15分、車で3~4分の赤城神社周辺まで行けば自動販売機がありますが、これもできれば余分に持参した方が面倒がありません。
そろそろ夕闇が濃くなる時間。晩秋の大沼の夜は…?
夕食準備に入ります。この日はふと思い立って決行したキャンプのため、夫婦二人最低限の装備です。テーブル、調理器具、イスさえもコンパクトに、簡易的な風よけのタープを張って夕食の準備にかかりました。
夏でも冷涼な大沼付近。昼間は小春日和でしたが、夕方からどんどん気温が下がってきます。湖から吹く風がどんどん冷たくなってきて、下界との気温差は10度くらいありそう。何といっても標高1340m。10月くらいからしっかり防寒対策を意識した方がよさそうです。
前橋市街のスーパーでさっと調達してきた食料を焚き火台の上であぶります。日曜大工で余った「木っ端」で煮炊きをしたため火力調節能力はゼロ。厚揚げも燃えています。(ちなみに焚き火台の下の木材は乾かす目的で突っ込んでいます。)
山の端に陽が落ちて…。湧き上がる寂寥感。
この時の気温は体感で7~8度くらいでしょうか。風もあり、どんどん薄暗くなると寂しさと比例するかのように体がかじかんできます。
陽がすっかり暮れて夜になると、心と体のよりどころは火だけ。じゃんじゃん燃やします。
それにしても晩秋の大沼付近、夜は車一台通りません。湖畔にテントを張っているキャンパーさんの火が、遠目にチラッチラと見えるだけで、聞こえるのは風の音だけ。
今回は、タープの下でハンモックで寝るという無謀な計画を立てた連れ合いを尻目に、テントで熟睡。冬用シュラフとコットで快眠できました。ちなみに夜中には2℃まで気温が下がったようです。
一方、簡易的なタープの下でハンモックチャレンジをした連れ合いは、ハンモックの上からアンダーブランケットを巻いて、ダウンのズボンをはいて寝たところ暖かかったそうです。しかし夜行性の鳥が飛び立ったりするたびにビクッと目覚めるとのこと。テントは必ず持参しましょう。
県営赤城公園キャンプ場までのアクセス
県営赤城公園キャンプ場は、関越自動車道の赤城インター、前橋インター共に約30㎞の距離です。インターから1時間ちょっとくらいで到着します。
赤城山を登っていくと、大型台風で土砂崩れを起こしている個所などがあり、一部細くなっている道路があります。普通車は問題なく通れますし、全行程で舗装はされていますが、山道なので対向車に注意しながら通行しましょう。
大沼付近のレジャーを紹介
赤城山頂の大沼付近は、観光レジャー施設などは多くありませんが、季節ごとにさまざまなイベントが開催されています。
県営赤城公園キャンプ場から一番近いスポットは、北関東屈指のパワースポットとして名高い赤城神社でしょう。湖畔に朱塗りの社殿が美しく引き立つ神社です。御朱印もいただけますが、この時は直筆でなく印刷されたものでした。
ご祭神は女神さまで、特に女性の願いは必ずかなえてくださるそうですよ!
また、県営赤城公園キャンプ場から大沼を挟んで反対側には、湖周辺の売店やボート乗り場もあります。
冬季はキャンプ場が閉鎖していますが、大沼は氷上でできるワカサギ釣りも有名で、真冬に訪れると湖上に簡易テントが設置されているのを見ることができます。
こちらは2月の大沼。ふもとはポカポカ暖かい日でも、大沼は吹雪。大沼周辺は1年を通して気温が低いことを念頭に置きましょう。
周辺の温泉情報
赤城山周辺の赤城温泉では、日帰り入浴もできます。キャンプの帰りに立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
赤城温泉ホテル
赤城山の中腹に位置します。ただし群馬県道16号線、大胡赤城線は現在土砂崩れで通行止めのため、キャンプ場からはぐるっと迂回して県道4号線で向かってください。所要時間は45分、日帰り入浴500円、10時~15時まで。
滝沢館
野天風呂の日帰り入浴が可能。キャンプ場からは同じく県道4号線を使います。所要時間は約42分、日帰り入浴600円、10時半~15時まで。
県立赤城公園キャンプ場での冬キャンプを終えて
県立赤城公園キャンプ場で印象に残ったのは、設備が必要最低限なことです。近年のキャンプブームで高規格なキャンプ場がクローズアップされる中、かまど、トイレ、水場のみの設備で自動販売機さえもないキャンプ場は珍しいと思います。
しかし、だからこそ自然の中で工夫する楽しさや、自然と一体になる癒しの時間が過ごせるのかもしれません。天候次第では、夜、湖上を照らす満天の星が見られるんだとか。周囲に明かりも少ないので星空観察にも最適でしょう。
オンシーズンには、手慣れたソロキャンパーばかりでなく多くの家族連れでにぎわうのも、自然と一体化するような、貴重な体験を求める人のニーズにマッチしているからではないでしょうか。
事前準備はしっかり、マナーを守って気候の良い時を選んで利用してみてくださいね。
新着情報【予約受付に関して】
令和2年4月1日から予約受付を予定しておりましたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、予約受付開始日を4月15日に延期します。リニューアルオープン日も4月24日としておりましたが、変更になる可能性があります。決まり次第、ホームページでご案内します。
引用元:群馬県 – 県立赤城公園キャンプ場
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