夏キャンプで必需品のクーラーボックス。なるべく保冷力の高いものを選びたいところです。とはいえクーラーボックスは種類が豊富で何を選べば良いか迷いますよね。
私はそんな数あるクーラーボックスの中からヒャドクーラー27QTを選びました。今回購入したHYADクーラーボックスの魅力をご紹介しながら、自分のスタイルに合わせたクーラーボックスの選び方を解説いたします。
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ヒャドクーラー27QTの魅力
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「HYAD」クーラーは、コスパの優れたギアを沢山リリースしているアウトドアブランド「オレゴニアンキャンパー」が2019年に発表したクーラーボックスです。
2019年はHYAD クーラーボックス 27QTのみでしたが、2020年には断熱材が約5センチもある保冷力重視のホイール付きクーラーボックス「HYAD クーラーボックス37QT(35.2L)」と、待望の大容量サイズで保冷力がアップした「HYAD クーラーボックス47QT(45.5L)」が加わりました。
今回はヒャドクーラー27QTの魅力をご紹介いたします。
ヒャドクーラー27QTの外見です。見事にカクカクしたデザインです。よくある台形を逆さまにしたようなフォルムではなく、男前です。積載でデッドスペースができにくく理想的ですよね。
真上から見てもカクカクです。男前ですよね。蓋の色とボディの色が違うツートンカラーです。
真横から見てもカクカクです。ハンドル部分はロープと、手が痛くならないEVAチューブの組合せです。とても握り易くて手に優しいのですが、ロープが長すぎて運ぶ時にバランスを取り辛いところが惜しいです。
それでも本体重量はたったの5.5キロなので女性でも苦労することなく運ぶことが出来ます。
蓋を開けた状態です。仕切り板とバスケットが標準装備されています。バスケットは地味に便利で、調味料や卵などを入れるのに大変重宝します。仕切り板はまな板にもなるので大変便利です。あとは水抜き用の栓もちゃんと付いてますよ。
断熱材の厚さは約3センチで、高密度ウレタンを採用しています。金型を回転させながら成型するロトモールド製法という手法で、耐衝撃性に優れるボディーを実現したと書かれています。技術的なことはよくわかりませんが、見た限り物凄く丈夫そうですよ。グリズリーに襲われても大丈夫そうです。
収納イメージが分かるように、500mlのビンと2リットルのペットボトル、350mlの缶を入れてみました。2リットルのペットボトルは立てたまま入れることが出来ないので、寝かして入れます。その場合、付属の仕切り板を外す必要があります。
クーラーボックスのロックは、YETIのような大型シリコンゴム製ラッチで密封します。はめ込む時に手で押し込んであげないといけないので、ちょっと面倒な印象です。
クーラーボックスの蓋を閉めるとき、ゆっくり閉めないと「ガタンっ!」と物凄い音がします。なにかしら衝撃材を挟んで欲しかったです。この辺りは惜しい仕上がりです。
ヒャドクーラー27QTの外寸は、幅46.2×高さ35.3×奥行33.8cm。内寸は幅37×高さ26×奥行26cmと、ハードクーラーとしては有効面積が大きい印象です。
ロゴスの氷点下パック保冷剤Lサイズが2つ、シンデレラフィットするのが物凄くプラスポイントです。これで更に保冷力が高まります。
クーラーボックスの保冷力をパワーアップする方法として、ソフトクーラーをインすると更に保冷力を高めることが出来ます。
3COINSで売っている大容量クーラーバッグが丁度良いサイズでお勧めです。その場合、付属の仕切り板が使えなくなりますが、大容量クーラーバッグが蓋付きなので、クーラーボックスを開けた時に冷気が逃げにくくなり、保冷力を更にキープすることが出来るので重宝してます。
このように使い勝手の良さそうなヒャドクーラー27QTですが、どのような理由からこのクーラーボックスを購入するに至ったのかご紹介します。
クーラーボックスを選ぶ基準
クーラーボックスはキャンプスタイルに合ったものを選ぶと幸せになれます。そう言ってしまえば簡単なのですが、クーラーボックスは大きく分けて「ソフトクーラー」と「ハードクーラー」がある上に、容量も金額もピンキリなので、どれを選べば良いかわからないですよね。
クーラーボックスを選ぶ基準は「保冷力」「容量」「デザイン」「価格」の4つが考えられます。これらのバランスをみながら、目的に合わせたクーラーボックスを選びましょう。
ここからは、私がHYADクーラーボックスを選んだ理由を「保冷力」「容量」「デザイン」「価格」の視点でそれぞれ解説していきます。
1泊2日のキャンプに最適な保冷力
ヒャドクーラー27QTをクーラーボックスに選んだ理由の1つ目は「1泊2日のキャンプに最適な保冷力」だからです。公式に「保冷日数」は明記されていませんが、キャンプでは十分な保冷力があります。
ヨシダケン
ヒャドクーラー27QTの断熱材の厚さは約3センチ。一般的にお手頃なクーラーボックスだと1センチ程度、保冷力が高い高級クーラーボックスで5センチ程度なので、厚すぎず、薄すぎずの絶妙な厚みです。
正直、連泊には厳しい保冷力だと思いますが、個人的には1泊2日のキャンプに最適な保冷力があれば十分という考えです。連泊する場合は1泊分の食材だけ持っていき、2日目の食材は買い出しに行きます。たとえ保冷力が素晴らしいクーラーボックスであっても、生ものの食材を2日間もクーラーボックスに入れておくのは怖いからです。
ところでクーラーボックス選びで真っ先に頭に浮かぶのが保冷力だと思いますが、保冷力の高いクーラーボックスを選ぼうとメーカーのスペックを調べていくと、そもそも保冷力ってなんなの?と、疑問に思いませんか?
そもそも保冷力ってなんなの?
価格と重量に比例して確実に保冷力が保てるのであれば良いのですが、困ったことに保冷力って明確な指標が曖昧ですよね。というのもクーラーボックスの保冷力を示す指標となる「保冷日数」を明記しているメーカーは少なく、実際の保冷力がイマイチわからないからです。
保冷力で有名な「YETI」でさえ、公式には保冷日数を公開していません。「YETI」よりも保冷力が高いと評判の「ORCA」でも「最大で10日間と言われるクラス最高の氷の保持力」といった曖昧な表記です。そうなってくると、保冷力ってなんなの?と、個人的に思ってしまうのです。
一般的に断熱材の厚みがあるほど保冷力が高りますが、そもそも正しい使い方をしないと保冷力は全く意味がありません。頻繁にモノを出し入れすれば必然的に保冷力は下がりますし、日向にクーラーボックスを置いておくと当然、保冷力は落ちます。
どうしても保冷力を完璧に保ちたいのであればクーラーボックスではなく「ポータブル冷蔵庫」を選んだ方が確実です。
そういったこともあり個人的には保冷力にそこまで神経質にはなっていません。正しい使い方をすれば、そこそこの保冷力でもキャンプでは十分という考えです。
ヒャドクーラー27QTの気になる保冷力は?
ヒャドクーラー27QTの保冷力は「1泊2日のキャンプに最適な保冷力」(もしくは保冷日数3~5日)と言われています。実際の保冷力はどうなのでしょうか。
一般的に保冷日数の基準は「温度20℃前後の室内で、クーラーボックスに入れた氷が残っている時間」ということなので早速検証してみました。真夏なので全く同じ条件とはいきませんが、どういった結果になるでしょうか。
以下の条件でテストしました。
チェック
- 氷はコンビニで売っている「ロックアイス」を使用
- クーラーボックスにはロックアイス以外のものは入れない
- 風通しの無い日陰の部屋に放置
- 蓋の開閉は10秒以内
- 室内温度は25度前後
- テスト実施日:2020年7月17日~
検証開始時、室内気温は25度前後でした。氷の重さは1.2キロです。それではそのままクーラーボックスに入れて放置してみましょう。
12時間経過(室内気温25.1度)
氷の重さは0.6kgです。真夏でこの気温なので溶けるスピートも早いかもしれません。
18時間経過(室内気温24.5度)
氷の重さは0.2kgです。24時間後は溶け切っているでしょうね。
24時間経過(室内気温24度)
完全に溶けきっていました。ヒャドクーラー27QTって全然保冷力ないじゃん!とお思いかもしれませんが、ちょっと待ってください。
今回はテストした時期が真夏だったことと、25リットルの容量にロックアイスしか入れていないので空気の面積も多く、保冷剤も利用していないので、良く持った方だと思ってます。あくまで参考程度でみていただけたら幸いです。
個人的には今回の検証で真夏でも1泊2日のキャンプで十分使えると思いました。春や秋の1泊2日キャンプであれば、問題のない保冷力ではないでしょうか。予想以上にヒャドクーラー27QTの保冷力は優秀という結論です。
理想的な容量
ヒャドクーラー27QTをクーラーボックスに選んだ理由の2つ目は「理想の大きさ」だからです。
ヒャドクーラー27QTの容量は約25.5L、350ml缶が40本入ります。2リットルのペットボトルを立てて入れることはできませんが、横にすれば入りますよ。
ハードクーラーにも関わらず重さは僅か5.5kgなので、運搬が非常に楽で積載も大幅に改善されました。30リットル前後の容量のクーラーボックスはどんなシーンでも使うことができて、非常に汎用的が高いサイズだと思っています。まさに理想のサイズです。ヒャドクーラー27QTをクーラーボックスに選んだ最大の理由でもあります。
クーラーボックスは容量が多い方が沢山食材や飲み物を入れることができるので便利だと思うかもしれません。それでも30リットル前後の容量のクーラーボックスが全てのキャンパーさんにとって理想的な大きさだと思っています。何故なら、大きすぎるクーラーボックスはなにかと不便になることがあるからです。
大容量のクーラーボックスはなにかと不便
ヒャドクーラー27QTを使う前は51リットルの大容量のクーラーボックスを使っていました。51リットルもあれば2リットルのペットボトルは立てたまま入りますし、食材も350ml缶もなんでも入ります。とても便利に思えますよね?しかし使っていくうちに大容量のクーラーボックスは効率的ではないことに気付きました。
一番初めに気付いたことは積載を圧迫する上に大変重いということです。50リットルもあるクーラーボックスは本体だけで8キロ近くの重量があります。保冷力の高いクーラーボックスともなると軽く10キロを超えます。
食材や飲み物を入れると一体何キロになるのでしょうか。大変重くなるので運搬で非常に苦労します。更に積載でかなりの面積を占めることになるので積載問題に直面することになります。そうなってくると段々とキャンプが苦痛なものに感じてきます。
次に気付いたことは食材と飲み物を1つのクーラーボックスに入れると保冷力に影響がでるということです。何故なら飲み物はクーラーボックスから取り出す回数が多くなるので、開閉する度に保冷力が落ちていくからです。
保冷力は空気の体積をできるだけ減らしたほうが効果が上がります。飲み物を取り出せば取り出すほど空気の体積が増える為、保冷力は落ちていきます。これでは一緒に入れている食べ物が痛みやすくなるばかりで、どんなに保冷力が素晴らしいクーラーボックスを使っていても何の意味もありません。
ドリンクと食材でクーラーボックスを分けるのが吉
保冷力のことや積載・運搬のことを考えると、ドリンクと食材でクーラーボックスを分けたほうが幸せになれることに気付きました。
それ以降、ドリンク用に容量が20リットル程度のソフトクーラーボックスを購入して使い分けをしてます。ドリンクは食材とは違って痛むことも少なく、お酒に関しては当日の夜まで冷えていれば良いので、ソフトクーラーでもなんとか凌げると思っています。
どうしても冷たいお茶を飲みたいのであれば、真空ボトルを使ったほうが全然効率的ですし、キンキンに冷えたビールを飲みたいのであれば真空グロウラーを使った方がいつでも冷たいビールが飲めます。
ヒャドクーラー27QTは食材用のクーラーボックスとして使用しています。食材だけであればこの大きさでも十分事足りますし、どんなシーンでも使いまわせる理想のサイズです。積載や重量を軽減できるうえに、保冷力をキープすることができます。
カクカクで無骨なデザイン
ヒャドクーラー27QTをクーラーボックスに選んだ理由の3つ目は「カクカクのデザイン」だからです。クーラーボックスは丸みを帯びたデザインが主流なので、無骨で角ばったデザインは衝撃的でもあり、ツボでした。
無駄なスペースが無いので積載も楽で、デッドスペースもありません。カラーバリエーションも豊富で、2020年モデルではアーミーテイストな色合いの「FOREST」オレンジが美しい「BLOOD ORANGE」爽やかな色合いの「KAWASEMI」の3色がラインナップされています。
手頃な価格
ヒャドクーラー27QTをクーラーボックスに選んだ理由の4つ目は「コスパ最高」だからです。
価格はクーラーボックスに限らず、キャンプギア選びの最後のハードルですよね。あまりにも安いクーラーボックスを選んでしまうと保冷力は1日も持ちませんし、夏場はクーラーボックスとしての役割を果たさないでしょう。
ヒャドクーラー27QTは断熱材の厚さが約3センチと、高級クーラーボックスにもひけをとらないスペックでありながら、価格が2万円を切るというリーズナブルさが売りです。同程度の容量の高級クーラーボックスと比較しても半分程度の価格です。
ヒャドクーラー27QTはコスパ最強の高性能クーラーボックス
いかがでしたか?クーラーボックスはキャンプスタイルに合ったものから候補を選び、最終的に好きなデザイン・メーカーのクーラーボックスを選ぶのが一番理想ではと思っています。
「YETI」がかっこいいので好き!ということであればYETIが正解ですし、完璧な保冷力重視だから「Dometic 3wayポータブル冷蔵庫」がいい!ということであればそれが正解です。私の場合、キャンプスタイルに合ったものを探し続けた結果、「ヒャドクーラー27QT」が正解でした。
ヒャドクーラーはキャンプで必要な保冷力を満たし、大きさも理想的でコストパフォーマンスも高いので、個人的にはお勧めのクーラーボックスです。クーラーボックス選びの候補になりましたら幸いです。
ギア
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