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登山を始める前にぜひ読んでおきたい山岳漫画「岳」

岳全巻の紹介
この秋、登山を始めようと準備しているみなさんは、紅葉の山を歩いたり、山頂から景色を眺めたり、山の上で食べるお弁当を想像して、ワクワクしていることと思います。登山は、とても魅力的な反面、大変危険の伴う趣味です。場合によっては命を落とすこともあります。

そんな登山の魅力と危険の両方をしっかりと伝えてくれる山岳漫画「岳」を紹介します。

菅原ジムニー

農家。キャンプ、シクロクロス、トレイルランニング、トライアスロンしています。英語勉強中。

岳-ガク-とは

岳とは、石塚真一作の山岳救助をテーマにした漫画です。小学館の「ビックコミックオリジナル」で、2003年から2012年まで連載されました。山岳救助ボランティアの島崎三歩が、北アルプスを舞台にした遭難救助をとおして、山の美しさ、登山の魅力を伝える一方で、山の厳しさ、登山の危険についてを教えてくれる物語です。

岳の登場人物は魅力がいっぱい

島崎三歩

/島崎-三歩引用:岳 第1巻 第0歩P17

海外の名峰を登頂し、各地で遭難救助にあたり、その経験をいかして帰国後は北アルプスで遭難救助ボランティアとして活躍します。夏はテント、冬は雪洞で山に暮らしています。クライマーとして山を楽しみつつ、遭難者がいればいち早く駆けつけます。

椎名久美

/椎名-久美引用:岳 第1巻 第2歩P60

長野県警察の職員で、山岳遭難救助隊に配属されたばかりの新米隊員で、三歩に出会い、訓練、救助を重ね、隊員として成長していきます。主人公は三歩になっていますが、全編を通して久美ちゃんの成長の物語にもなっています。

野田正人

/野田-正人引用:岳 第8巻 第6歩P149

長野県警察の山岳遭難救助隊のチーフです。久美ちゃんの上司で、三歩とは高校の山岳部の同期です。チーフとして、冷静な判断、慎重な行動で、救助隊を率いて遭難者の救助にあたります。とてもクールな印象を受けますが、三歩に言わせると「とてもあつい」とのことです。

横井ナオタ

/横井-ナオタ引用:岳 第6巻 第1歩P30

父子家庭で育っていた小学生ですが、父親が北アルプスで遭難し、散歩が救助にあたりましたが亡くなってしまいました。今は祖父母と暮らしていますが、三歩を「山の兄ちゃん」と慕っています。

谷村文子

/谷村-文子引用:岳 第4巻 第2歩P53

亡き夫が経営する北アルプスの山小屋を継ぎ、山の番人として女手一つで山小屋を営んでいます。北アルプスを訪れる登山者達を迎え、散歩や、救助隊員、救助ボランティアの憩いの場として登場します。

ザック

/ザック引用:岳 第1巻 第7歩P186

クライマーで、ティートンでは三歩のチームに所属していました。チームメイトの手紙を届けに来日したが、そのまま日本に残り、居酒屋「ケルン」でアルバイトしながら救助のボランティアもしています。

阿久津敏夫

/阿久津-敏夫引用:岳 第8巻 第3歩P85

長野県警山岳遭難救助隊の新米隊員で、久美ちゃんの後輩です。救助隊員としての自信が持てず、山岳救助隊への適性も疑っていましたが、三歩に関わるうちに救助隊員としての自覚を持つようになります。

牧英紀

/牧-英紀引用:岳 第6巻 第4歩P100

航空会社の昴エアーの社員で、ヘリコプターで山岳救助業務にあたっています。三歩とはお互いにプロとして認め合う間柄ですが、遭難者に厳しく接するため誤解されやすいタイプです。

登山に興味が無くても引き込まれるストーリー性

基本的に、1話、1話にそれぞれの登場人物が登場し、山を通して三歩たちと関わることで、それぞれの物語が展開します。登山と山岳救助を中心に物語は進みますが、登場人物は皆それぞれの山への想いを持っています。

仕事のこと、家族のこと、それぞれの想いを抱えて、山を登ります。無事に下山していく人もいれば、遭難してしまう人もいます。滑落した人や、体調不良で動けなくなった人。天気の急変や、落石や雪崩にあう人もいます。

山岳救助ですので、人の生死にかかるシーンもあります。諦める人、諦めない人。怒る人、謝る人。そのストーリーが、どれも印象的です。

そして、なんといっても三歩のキャラクターです。

遭難して亡くなっても、遺体に向かって、「よく頑張った」と声をかけたり、遭難して救助された人には、「また山においでよ」と声をかけたり、とても屈託のない笑顔で声をかけます。世界の名峰を登頂したエピソードや、海外での救助やガイドのエピソードもあります。それがまた、どれもかっこいいのです。

/遺体に対しても声を掛ける三歩引用:岳 第6巻 第4歩P118

第7巻の最後のページにおまけがあって、三歩のキャラクターについて作者が触れています。

地球一のクライマー、平山ユージのようにカッコよく力強く!!
植村直己のような、世界を渡り歩いたスーパージャパニーズで、
千曲川のように、清らかかつたおやかで、
筑波山のように、家から2時間くらい身近な存在で、
高田渡のように、自由の中にメッセージを抱き、
ジョンコルトレーンのごとく追求を追求し、
「パリ、テキサス」のトラビィスばりに、孤独を物ともせず、・・・

と述べています。

山の魅力と怖さを真正面から描く

/山の描写が美しく描かれる引用:岳 第3巻 第7歩P192

漫画ですが、山の描写がとても綺麗で、丁寧に描かれています。穂高、上高地、槍ヶ岳、どれも実際に行ってみたくなります。

三歩は山馬鹿であるとともに、コーヒー馬鹿でもあります。よくコーヒーを飲むシーンが出てきます。お湯を沸かして、きちんといれるコーヒーです。山でいれるコーヒーは特別美味しいです。

しかも、ポータレッジって知ってますか?断崖絶壁でのクライミングで、途中で寝泊まりするテントです。私は決して高所恐怖症ではありませんが、あれは無理です。それでも、ポータレッジで三歩がコーヒーをいれるシーンは、憧れてしまいます。

/大きな満月を見ながらポータレッジでコーヒーを淹れる散歩引用:岳 第1巻 第0歩P28

そして、山の怖さについても、とてもよく描かれています。滑落した遭難者、落石にあった遭難者、疲労死や凍死で時間の経過した遺体など、描写がとてもリアルです。死、ケガというものをとても印象付けられます。

岳を全巻読んで感じたこと

私は登山をします。登山といっても、ここに出てくるような登山ではありませんが、近くの1,000mくらいの低山を日帰りで登ったり、近くの丘陵などでトレイルランニングしたりする程度です。それでも、この「岳」を読んでから考え方が変わりました。

それまでは軽装で行くことがほとんどでしたし、登山計画書は書いたことがありませんでした。遭難のほとんどの原因は準備不足です。たとえ日帰りであっても、一泊できるくらいの準備はしなくてはならないし、今では登山計画書は必ず提出するようにしています。

/遭難者に声を掛ける散歩引用:岳 第5巻 第1歩P52

登山にはリスクがあるということを、教えてもらいました。

もう一つは、いつか北アルプスに行ってみたいです。テントを持って。ポータレッジはできませんが、もちろんコーヒーもいれますし、山荘の料理も楽しみたいです。

映画もおすすめ

全18巻の「岳」ですが、さすがにボリュームあります。実は、2011年に映画化もされています。

/映画「岳-ガク-」-2
引用:yahoo映画

三歩が小栗旬、久美ちゃんが長澤まさみ、野田チーフが佐々木蔵之介というキャストです。内容は原作が少しアレンジされて、内容をギュッとコンパクトにしてあります。原作を読んでしまうと、あれって、感じですが、十分に魅力は伝わってきますので、時間のない人はまず映画をお勧めします。

菅原ジムニー

農家。キャンプ、シクロクロス、トレイルランニング、トライアスロンしています。英語勉強中。

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