心地よい高原や湖畔を走り、テントで夜を過ごす。そんなオートバイでの旅は、この上もなく素敵な時間をもたらしてくれます。しかしその一方で積載量の問題というオートバイならではの課題があります。何でもかんでも持ち込むことはできません。
然りとて快適性も無視は出来ず…。僅か一泊なら兎も角、翌日も、その又翌日も走る訳なのだから。旅を「続ける」となれば、装備はかなり厳選しなければなりません。そこで、キャンプをしながらツーリングを「続ける」ための装備を、衣食住の「住」と「食」に的を絞ってご紹介致します!まずは一番大事な「住」から!
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目次
キャンプツーリングのこだわりアイテム5選「住」編
私にとってキャンプは旅を続ける手段。ツーリングを叶えるための手段です。
目的はツーリングです。手段のキャンプアイテムに湯水の如く使えるお金は有りません。けれど、基本は連泊となります。疲労を溜めないためにも、快適性や利便性は無視できない。今でこそキャンプ人口が増加して様々な便利アイテムが販売されてますが、積載量同様お金にも限界があります。
夏場5日間で2,000km以上走る私のツーリング。目的はあくまでも「行きたい地まで走り切るツーリング」です。そのため、なるべく安価で快適にそれを支えてくれる装備を厳選してます!今回はその中から「住」を支える5つをご紹介します!
テントは使わない!mont-bell モノポールシェルター
キャンプと言えば最初に必要となるのがテントでしょう。これが無ければ夜を過ごせません。けれども、キャンプで煩わしさが増えるのも実はこのテント。インナーテントとフライシートで組み立てる自立式テントは重量があります。何よりも、雨や夜露に濡れたテントの撤収は煩わしさの頂点です。
また連泊ですから、雨に打たれる夜も考えられます。朝に濡れたテントを濡れたまま畳み、バイクに括り付け、そこからさらに走り、新たなキャンプ場で設営。濡れたテントはそのままどころか、既に蒸れています。そんな中で眠るなんて正気の沙汰ではなく、まさに地獄。しかもドームテントは床があるため、出入りの度に靴を脱がねばならず、床が濡れていれば砂も土も入り込んで…バイクブーツなんて相性最悪!
これら全てを解決するには?答えがこちら、mont-bellのモノポールシェルター。
冷え込みのない真夏ならば自立式のドームテントを使う必要はないのです!ペグ8本を打ち込み、中心にポールを立てれば完成。設営が楽だけでなく、撤収の楽さは特筆モノ。ペグを抜いてポールを外せば後は畳むだけ。濡れてもシングルウォールなので翌日設営時に内側を拭けばそれでお終い。フロアが無いから、シェルターの出入りで靴を脱ぐ必要もありません。シェルターの中で調理することだって可能です。
蒸れる心配も不要です。床が有りませんから!軽く、小さく、設営撤収が楽。濡れた撤収も楽な上、中で調理も可能。靴は寝るまで脱ぐ必要がない!欠点は隙間風が入ることですが、真夏の季節ならば、むしろ利点ですね!ただし春や秋などの冷え込みがある季節はお勧めできません。寒さで凍えるだけ。熟睡は不可能です(ナンガなどの超高級冬季専用シェラフを使えば、可能ですけど)。
実はですね、フロアレスシェルターでありながら、厳冬期も使用可能な物があります。海外製品で6万円を超えるお金を出せるならば…!
今回、紹介したモノポールのティピータイプのテントはMont-bellだけに限らず各種出ています。そうしたティピータイプのテント、インナーのメッシュテントを持たずに外側のフライだけで使えば同じことですね。単体で数百グラム!畳めば寝袋より小さくなります!夏場にはお勧めです。
蛇足ですが、私のmont-bellモノポールシェルター、購入後15年は使っています。
大事です!スチールソリッドペグ
キャンプ場は、芝であったり、固い土であったり、あるいは細かな砂利であったり、様々なサイトが存在します。テント付属のペグでは歯が立たない場面もあるものです。それでもドーム型などの自立式テントならば、荷物と人が入ってしまえば安定します。ところが非自立式の、モノポールシェルターやティピータイプテントでは、ペグが打てなくては設営不能!
これが、とてもとても大事です。
どんなグラウンド条件でも確実に打ち込めるスチールソリッドペグは、揃えておいて困ることはありません。様々なメーカーから出ていますが20cmクラスならAmazonでも1000円以下で手に入ります。送料無料も結構有ります。難点はスチール故の重量…。私のmont-bellモノポールシェルターの場合、ペグは8本使います。8本全てをスチールペグにしてしまうと、重量は馬鹿になりません。
だから4本だけをスチールペグにし、残りの4本は付属のアルミペグです。シェルターの四隅はスチールペグでがっちり固定。他の4箇所は、付属のアルミペグで頑張ります。ツーリング先、初めてのキャンプ場。グラウンド条件は行ってみないと分かりません。いざ設営しようとしたら、アルミペグでは歯が立たない…。そんなことに陥れば最悪です。
最低四隅をがっちりペグダウンできれば、モノポールシェルターは何とかなります。最悪、他の4箇所をアルミペグでペグダウンできない場合でも、バイクを使って固定することなど可能ですから。スチールペグは最低でも4本、揃えておいて下さい。非自立式テントの場合、ペグは目立たないけれど重要な要素!キャンプの成否を決める「モノ」です。
床が無ければこれ!サーマレスト ウルトラライトコット
モノポールシェルターでも、ティピー型テントのアウターだけでの使用でも、床が無いのは同じです。床が無いことの利点は先に述べた通り、数多く有ります。
同様に欠点もあります。まず隙間風、これは夏場は寧ろ利点になりますが。そして床が「地面」であること。大きな欠点はこの2点ですが、後者が課題です!寝場所の確保をどうするか、ですね。
大地にインフレータマットでも銀マットでも、エアマットでも、それらを敷いて寝たとして…。虫、来ます。雨、浸水します。ダメです、「大地」に直接マットでは!もちろん、そんなの関係ねぇと言う猛者も居られますが。
そこで、コットの使用をお勧めします。サーマレストのウルトラライトコット、良いです!流石です。軽い、小さい、寝心地良い!三拍子揃っています。ちなみに私のサーマレストウルトラライトコットも15年選手。私は体重50k。そのためコットも軽量化させ脚は4本にしています。現行のウルトラライトコットは脚の形が異なりますね。私のは古いタイプです。
良いことずくめのウルトラライトコット。最大の課題は、高額な値段。因みにAmazonでコットを検索すると、中華製品が数多く出てきます。サーマレストのコットはウン万円、中華製コットは数千円。でも、それら中華製コットは本家には様々な点で劣りますが結構使えるのです!
私のツーリングの連れは中華製を買いました。Amazonでの価格は4千円強。実際に3泊ほどツーリングに使いましたが全く問題無し!まぁ、この先何年間か使用すれば、時間経過と共に不具合も出てくるのだと思います。10年とかは無理でしょうね。それでも、数年間の使用ならば何一つ問題は有りませんよ。
キャンプでは如何に熟睡するかは大切なポイント。まして体を剥き出しで日に数100km走るバイク旅ならば、熟睡は必須です!身体を休めなければなりません。数百円で買える銀マット、数千円で買えるインフレーターマット、様々試しましたがコットに勝る寝心地はありません。地面との間にクリアランスが生じるから、夏場は涼しく冬場は冷え込まず、です。
コット、貴方のキャンプに是非導入を!
積載を考慮せず何でも積めてしまう車の場合、より頑強で寝心地の良いコットをお勧めします。お勧めは、その名もズバリ「ボエジャーコット」。こちらです。
金属パイプで組む骨組みは堅牢そのもの。寝心地も抜群です。こちらは、北海道の快速旅団で購入できます。対荷重も100k以上ですから来客用に家庭に常備しても宜しいでしょう。
私の場合は職場に常駐させて泊まりの時に活用しています。
真夏の寝袋は辛い。そこでインナーシーツを導入
寒さが残る季節なら寝袋は必須!寒さに震えていては眠ることなど出来ません。けれども、真夏の30度を超える季節は…。寝袋に入って眠るシーンはあまり有りません。北海道ツーリングなどの気温が低い土地なら夏でも寝袋は必要ですが。
私は春と秋の季節には寝袋、真夏にはインナーシーツと使い分けています。とくに日中の温度が30度35度を超える猛暑日は、夜となっても熱帯夜にです。寝袋の中に入り込みはしませんよね?ところがどれほど熱帯夜でも明け方近くは寒くなる。何か一枚がどうしても必要です。野外なのですから。そこでお勧めなのがインナーシーツ!
インナーシーツも各種売られていますが価格は千円程度とお手頃。洗濯も簡単です。汗ばむ真夏の夜ならばインナーシーツだけで十分夜は過ごせます。寧ろ、こちらの方が快適!
また夜間の冷え込みが厳しい10月や、春といっても高原でのキャンプでは、インナーシーツを寝袋の中にセットします。薄い生地一枚ですが有ると無いとでは大違い!その中に小さな湯たんぽをセットすれば冬場でも暖かく熟睡できます。インナーシーツを組み込めば寝袋の汚れも防げます。
結局、インナーシーツは年間を通して活用できます!価格は千円程度。畳んで仕舞えばオートバイのタンクバックにさえも入れられるコンパクトさ、軽量さ。アイテムに加えられては如何でしょうか?
インナーシーツも寝袋同様、袋状になっています。中に入り込んで眠る、或いはコットに敷いてその上に眠る。気温に応じて使い方を変えれば真夏の熱帯夜でも快適な睡眠が叶います。
蛇足ですが、山を行く方々もインナーシーツの愛用者は多いとか。山小屋に用意されている寝袋、正直誰が使用したかもわからぬ寝袋に直接潜り込むよりも…という理由らしいです。
決して高額では有りません!僅か千円程度。年間を通じて活用できます。この夏に是非ご検討を!
椅子選びは慎重に
キャンプ場に到達し、テントの設置も終了。お風呂は近場の温泉で済ませば後は食べて呑んで…。マナーを守りながら自由に夜を満喫です!
そうなれば、椅子の出番でしょう!キャンプでは、起きている間中お世話になるのが椅子です。だからこそ椅子選びは慎重に。
キャンプ歴が長い為、これまで様々な椅子を使ってみました。一番最初はよく有るタイプの椅子。ロの字型のフレームに布が貼られたもの。安く手に入りそこそこ小さいけれど、やはり嵩張ります。何よりも座り心地がよろしく無い。
三本足で構成されて開けば即座れるタイプの椅子も使ったけれど、やっぱり座り心地が良く無いです。背もたれがなければ身体を椅子にあずけられません!それではくつろぐことは不可能。椅子に身体をあずけられ、長時間座っても身体のどこにも負荷がかからない=痛みが出ない。それでいて、安価で軽くコンパクトに収納できる椅子が良い。
なかなかこれと言った椅子に出会えずにこれまではどうしても我慢をしてきましたが、キャンプ人口が増えたおかげでありがたいことに良い椅子に出会えました!写真のタイプ、分かりますよね!本家本元は言わずと知れた一流メーカー。そちらは高くて高くて…椅子に万のお金は使えません!こちらもコピー製品ですが価格は僅か2000円!
既に数回のキャンプツーリングに使用しましたが耐久性も十分。座り心地は満点です。うたた寝までしてしまいました!
このタイプの椅子、実に数多く売られています。既にお気に入りの椅子をお使いならば買い替える必要はないけれど、座り心地が良くて安価で、軽くてコンパクトな椅子をお探しならば、これは良いですよ!
先日ふらりと立ち寄ったリサイクルショップでは、未使用品の同タイプの椅子が1500円で出ていました。探せばさらに安く手に入るかもしれません。
キャンプをしながらのロングツーリングは最高!
1日に数百キロを走る。まだ見ぬ景色を求め、走ったことのない道を求め、走る。オートバイ乗りにとって、ロングツーリングは最高の時間です。帰ることなど考えず、ひたすらひたすら遠くへ走る…。
そんな1日の終わりに、高原や湖のほとりで、星空の下、好きな食材を調理し、最高の夜を過ごす。走って、キャンプをして、また走って…。何処までも!
繰り返しになりますが、私の場合はあくまでもツーリングが目的です。キャンプはそれを支える手段となります。キャンプが目的のキャンプではありません。けれども、同じようなバイク乗りは結構居られるのではないかなと考えます。
車に便利用品を沢山持ち込み、早い時間からキャンプ場に着いて時間の許す限り快適なキャンプを堪能する。確かにそれも楽しいでしょう。けれども、走って、野営し、又走る。これが私のキャンプスタイルです。
オートバイでの旅とは言え、「住」と「食」は大事です。次回は「食」にポイントを絞りご紹介致します。こだわりの火器類達。ポイントは、やはり安価で、やはりコンパクトに!
ギア
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