まるで猫の耳のような山容の「根子岳」は、猫耳の片方でもある日本百名山「四阿山」との縦走ルートが人気です。もちろん根子岳単体でも登りごたえがあって、9月はウメバチソウが見頃の花の百名山としても人気の山です。季節や天候、登山ルートによっては見え方が変わってくる根子岳は、再チャレンジしたくなるリピート要素満載の山でした。
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目次
猫の耳のような形状の花の百名山「根子岳」
長野県上田市と須坂市の境にある「根子岳(ねこだけ)」は、上信越自動車道道上田菅平インターから車で約40分。スキーや合宿のメッカとして有名な菅平高原にある標高2,207mの山です。
「根子岳」の名前の由来は、日本百名山の「四阿山(あずまやさん)」と谷間を隔てて並んでいる姿が猫の耳のように見えることから「猫岳>根子岳」になったんだとか。
沢山の高山植物を見ることが出来る花の百名山として人気の山で、特に9月はウメバチソウが見頃で、登山道が混み合う人気のシーズンなんだそうです。
そんなことも知らずに登山をしたので、一番人気のウメバチソウを完全スルーしてしまうという大失態を犯してまいましたが、確かに「根子岳」には沢山の高山植物が咲いていましたよ。
「根子岳」登山コース
根子岳単体で登山する場合、大きく分けて2つの登山ルートがあります。
・菅平牧場登山口から登頂する
標高差約600m/片道約2.5km/約90~150分程度の定番コース
最寄りの駐車場は「菅平牧場駐車場」(駐車可能台数約140台/200円/人・トイレ有)
・ダボスの丘から登頂する
標高差約700m/片道約4.5km/約180~240分程度の小根子岳を経由するコース
最寄りの駐車場は「ダボス駐車場」(駐車可能台数約60台/無料・トイレ有)
根子岳は隣接する四阿山(あずまやさん)の縦走ルートが人気で、縦走ルートを含めると10近くの登山ルートが存在するので縦走ルートは割愛させて頂きました。
今回は人気で定番の菅平牧場登山口から登頂するルートをご紹介いたします。
菅平牧場登山口から頂上へ
登山口の最寄りの駐車場は「菅平牧場駐車場」で、第一~第四駐車場まであります。菅平牧場の敷地内にあるので入口で駐車料金を支払います。駐車料金は1台につきではなく、人数につき200円です。4人乗っている場合は800円ということになります。
駐車料金を支払うと指定されたナンバーの駐車場に案内されます。駐車可能台数全部で約140台。人気の山なので早い時間から登山口に近い駐車場は満車になります。
牧場だけあって登山口の手前に売店があります。ソフトクリームは魅力的ですよね。自動販売機もあるので下山後に炭酸飲料で極楽気分を味わえますよ。
トイレは登山道の傍にあります。根子岳は山頂をはじめ、途中にトイレが一切無いので事前に済ませておきたいところです。
菅平牧場登山口からは根子岳と四阿山に行くルートに分かれます。日本百名山と花の百名山を周回できるところが魅力です。今回は根子岳を目指すので真っすぐ進みます。
展望台を目指す
牧場脇の細い道を抜けて東屋のある展望台を目指します。時間にして20分~30分程度です。牧場の傍をひたすら真っすぐ登っていきます。
左手に広がる広大な牧場には牛が沢山放し飼いされています。何頭いるのでしょうか。とてものどかですね。
一見のどかで開放的な道のりに見えるのですが、思った以上に登りがきつく、階段が続きます。この時点で汗が止まりません。正直舐めてました。
後ろを振り返ると開放的な絶景が広がります。菅平牧場は本当に広大な敷地で、一体どれくらいの広さがあるのか見当がつきません。
展望台のある東屋に到着です。根子岳はこの先、休憩する広い場所がしばらく無いので、ここでゆっくり休憩したいところです。
ダケカンバ林に入り1つ目の標識を目指す
展望台からはダケカンバに覆われた樹林帯を目指します。はじめは開放的な道のりで緩やかです。花が沢山咲いていますね。流石は花の百名山です。
樹林帯からが本格的な登山道といった雰囲気になります。道が若干ぬかるんでいて歩きづらいといった印象でした。見た目以上に登りがきつくなり、景色の変わらない道のりを進みます。
段々と岩の露出が激しくなり、足に負担がかかります。根子岳は距離は短いのですが山頂まで一直線に登る直登ルートなので、登りが断続的に続き、結構ハードです。
40分ほど歩くと、1つ目の標識が見えます。根子岳は山頂まで標識が2か所あるので良い目安になります。山頂まであと800m。もう1.8kmも歩いてきたんだと驚きでした。
このペースでいけば山頂まではもうすぐだと浮かれていたのですが、このあと絶望することになります。というのが恐らくこの標識、距離が間違っているような気がするのですね。
森林限界を抜け2つ目の標識を目指す
標識の距離をみて、意気揚々と山頂を目指します。山頂まであと800mであれば、30分もあれば登頂できると思ったからです。そう思うと急登の樹林帯も苦では無くなります。
しかし、進めど進めど、樹林帯を抜けません。段々と木の高さが低くなっていき、視界が開けてきたとはいえ、なかなか森林限界を迎えません。
やっと森林限界を迎えそうで景色が開けて山肌が見えてきました。しかしここまでで600m近く歩いています。先ほどの標識と距離が合いません。
やっと2つ目の標識に到着です。思った以上に時間が掛かり不思議に思っていましたが、標識を見て納得しました。
根子岳まであと0.5kmとありますよね。ここまで800m近く歩いてきたので計算が合わないのです。標識上では、たったの300mしか進んでいなことになります。このあと絶望することになると書いたのはこういった事情からです。
ザレ場のきつい登りから山頂へ
山頂までの500mは真っすぐな急登が続くザレ場(小石や砂だらけの滑りやすい場所)を登ります。今まで以上に急登なので500mがとても長く感じます。
200mほど進むと、更に景色が開けて道幅が広くなります。周りには遮るものが無く、開放感があります。しかし真っすぐに上り坂が続いていますね。
山頂付近でも色とりどりの花が咲いています。花好きな登山者にとって最高の山ではないでしょうか。
後ろを振り返ると絶景が広がります。高原から景色を眺めているようで、登山をしていることを忘れてしまいそうです。
ラストスパートは、更に急な登りになった気がします。近いようで遠い頂上です。
人影が見えてきました。山頂は目の前のようです。
根子岳山頂です。標高2,207m。ひたすら上り坂の直登で想像以上に疲れました。それでも距離が短いからでしょうか。休憩しながら登った割には2時間程度で登頂できました。
根子岳山頂は平地は少ないとはいえ、思った以上に広く、登山者でごった返していました。流石は人気の山です。
根子岳からの景色
山頂の周りには祠と方位盤と鐘があり、周りにはケルンが積まれています。標高の高い山に登った感のあるビューです。
山頂の周りには視界をさえぎるものはなく360度パノラマビューです。天気が良かったら富士山を見ることが出来るんだそうです。
北アルプスの山々と街並みを見下ろすビューは圧巻です。
どの方向を見ても山々を見下ろすことが出来る絶景の山なので人気の理由も頷けます。
勿論花の百名山だけあって、山頂からでも沢山の花を見ることが出来ますよ。
根子岳に登ってみてわかったこと
花だけではなく、山頂からの景色も素晴らしい根子岳は見どころ満載の素敵な山でした。根子岳に登ってみてわかったことをまとめました。
日本百名山「四阿山」を縦走できる人気の山
猫耳の片方でもある「四阿山」は日本百名山として有名な山で、根子岳との縦走ルートは日帰り登山が可能な大変人気のルートです。
日本百名山と花の百名山を1日で制覇できるなんてボーナスステージですよね。特に根子岳と四阿山の間にある「大隙間(おおすきま)」と呼ばれる谷間は絶景スポットで、晴れた日はそれぞれの異なった山容の絶景を独り占めできます。
この日は曇り空だったので大隙間へ行くのはやめましたが、根子岳山頂からの景色だけでも期待値大でした。日を改めてチャレンジしようと思います。
ウメバチソウが有名な花の百名山
出典:Wikipedia花の百名山は、田中澄江氏が1980年に発表した随筆集「花の百名山」で紹介された100の山のことです。
根子岳は花の百名山として有名な山で、特に9月は高山植物のウメバチソウが見頃で人気のシーズンなんだそうです。確かにこの日は沢山の登山者でごったがえしていました。早い時間に駐車場が満車になるので、いつもより早い時間からの登山をお勧めします。
ウメバチソウのほかにトリカブト等、高山植物が咲き誇っているので花好きな登山者にはオススメの山ですよ。
山頂からの景色が絶景
根子岳の山頂は視界をさえぎるものはなく360度パノラマビューです。北アルプスをはじめ北信五岳や浅間山を見渡すことが出来ます。根子岳の西側からは菅平高原をはじめ、街並みも見下ろすことが出来ますよ。
駐車場の料金体系が特殊
菅平牧場登山口から登頂する場合、菅平牧場駐車場に車を停めます。駐車場料金は有料なのですが、料金体系が特殊です。1台いくらではなく、1人当たり200円の料金が発生します。ファミリーやグループの登山者にとって、ちょっとだけ痛い出費になります。お金をかけたくない方はダボスの丘から登頂することをおすすめします。
トイレや売店が無い
根子岳山頂は勿論のこと、登山道の途中にもトイレや売店はありません。トイレはそれぞれの登山口の駐車場にだけあるので、登山前にトイレを済ませておくことをおすすめします。
思った以上に脚力が必要な山
情報サイトを見ると根子岳は初心者でも簡単に登ることが出来る難易度の低い山として紹介されています。確かに危険個所は無く難易度は低いのですが、山頂まではほぼ一直線に直登のうえ、終始地味な急登が続くので思っていた以上にハードな山という印象でした。普段運動をされない方は足腰のダメージが大きいと思います。
はじめは「四阿山」を縦走する予定でしたが、体力と脚力と相談して止めました。現に「四阿山」の縦走を諦めた登山者を何人か見かけましたよ。正直少し舐めてかかっていたところはあったので反省です。
何度もリピートしたくなる要素が満載の山です
根子岳最大の売りであるウメバチソウを完全スルーしてしまったことと、四阿山との縦走や大隙間からの絶景もお預けという、不完全燃焼の登山ではありましたが、それでも山頂からの景色は素晴らしく、想像以上に登りごたえのある登山だったので満足しています。
根子岳は季節によって見頃の花も変わってきますし、四阿山との縦走ルートを含めると登山ルートも多岐にわたり、リピートしたくなる要素が満載です。近日中に再チャレンジしたいと思った山でした。
ギア
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