岩本利達
関西を代表するリゾート事業「マリントピアリゾート」がグランピング業界最大手の年商50億円規模へ

関西を代表するリゾート事業「マリントピアリゾート」がグランピング業界最大手の年商50億円規模へ

第二次キャンプブームを象徴するものの一つとして「グランピング」が挙げられる。昨今は商業施設にまでグランピング場が出来たりと非常に身近な存在になりつつある。

そんな中でグランピング事業を行う「株式会社にしがき マリントピアリゾート」は、2022年に新たに20ヶ所もグランピング施設をオープンするというニュースが飛び込んできた。ここで一度、グランピングの今後について考えてみたい。

にしがきグループの開発は関東と関西に集中

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今回発表された20施設は関東と関西に集中しており、それぞれ人口の多い都市圏のユーザーをターゲットとしていると見られる。

グランピングの醍醐味といえば「気軽にアウトドアの楽しさを体験できる」というところにあるが、自然と触れ合う機会が比較的少ない都市圏に近く、比較的アクセスしやすい場所に開発されるのはある意味必然と言える。

グループ会社である株式会社ブッキングリゾートと連携を強化し、販売データや顧客情報を元に集客基盤を整えるとのことで、より利用しやすく、ニーズに合ったサービスを提供していくことが予想される。

プライベート空間を重視

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ここ数年のキャンプ場のトレンドの一つに「高規格キャンプ場」というものがあるが、グランピング場にも高規格化の波が来ている。具体的にはトイレや入浴施設、BBQスペースが個別に用意されており、チェックインした後はほとんど人に会わないことすらある。

これらは新型コロナウイルス感染拡大以降の「新しい旅の在り方」という意味でも非常に相性がよく、グランピング市場がここまで成長した要因でもある。これまで海外旅行などに使われていたお金がグランピングに流れたというのも大きいだろう。

キャンプと切り離された「グランピング」

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株式会社にしがきグループは、グランピング施設をキャンプの延長ではなく「リゾートホテルや温泉旅館などの観光系宿泊業態に属するひとつの業態」と捉えているがまさにその通りで、キャンプをする人とグランピングする人は似て非なる属性を持つのである。

キャンプをしたい人はレンタルサービスを利用し、設営や撤去の手間を省いてアウトドアを楽しむのに対して、グランピングを利用するのは上の概念である「非日常体験」に重きをおいており、必ずしもキャンプの醍醐味を望んでいるわけではなさそうだ。

グランピングは高級化&コンテンツ充実型になる!

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にしがきグループの方針や現状を鑑みると、今後のグランピング市場は「高級化」かつ「コンテンツ充実型」が主となっていくだろう。市場自体はもはや成熟期に入っており、各施設で決まったパイを奪い合う格好になってくる。

そうなればこれまでのリゾート施設と同じ道を辿り、ユーザーが飽きるまでの間、コンテンツを充実させることで様々な付加価値を付与して利用料金を高く設定し、より単価の高く、利益の出る仕組みを考えていくハズだ。

キャンプ場では経営が成り立たないということから、一部をグランピング施設にするというところも散見されることから、キャンパーのみなさんも関係なしではいられない。今後の動向に注目だ。

紹介
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  • 岩本利達
  • 岩本利達キャンプクエストNEWS編集部
  • NCAJキャンプインストラクター/JACオートキャンプ指導者
    『子どもを育む場としての「キャンプ」こそ持続可能な社会の第一歩』をテーマに、環境意識やサバイバル知識を高めるために日夜活動。ガジェット/ギアマニアの視点から最新アウトドアニュースをお届けします。

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