近年人気急上昇のドームシェルター。その中でも扱いやすく上級者から初心者まで幅広い層から注目を浴びる中型のドームシェルター。その注目度からか、様々なブランドから次々と新型のドームシェルターが登場しています。
そんな中で、Thous WIndsというブランドから登場した中型ドームシェルターのCancer Tent。
クオリティと機能性を追求するThous Windsが手がけたドームシェルターは、先行して登場していたドームシェルターに様々なアレンジを加えて進化しました。全てのユーザーのニーズの応えるような完成形のドームシェルターとして登場した「Thous WInds CANCER TENT」を紹介します。
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Thous Winds Cancer Tentとは
流行りのドームシェルター
近年注目が集まり人気上昇中のドームシェルター。
ドームシェルターと言えば、大型で高価なものが多かったですが、ここ1、2年で少し小さい中型のドームシェルターも登場し、構造もシンプルになり価格も手頃になって求めやすくなったことで、とても身近な存在になりました。
そんな中型のドームシェルター人気の火付役となったのは、ミニマルワークスのシェルターG。
出典:MINIMAL WORKSデザインが優れていてコンパクトで扱いやすいドームシェルターの原型となっており、その後のドームシェルター人気により、色々なブランドからシェルターGと似たようなシェルターが登場し始めました。
Thous Windsからもいよいよ登場
Thous Windsというブランドはご存知でしょうか?
Thous Windsは、いわゆる流行りの中華ブランドなのですが、多くの方の印象にあるような安い価格帯で勝負する中華ブランドとは違うのです。
一言で表現すると「価格ではなく、クオリティと機能性で勝負するブランド」。
似たような商品でも、使っている生地や製法へのこだわり、細部の機能面での工夫やアレンジなど、かなり改良を加えてユーザーのニーズの応えた製品を生み出してくるのがThous Windsというブランド。
最近では、ビンテージのオイルランタンの復刻版を手がけ、日本でもかなり広まってきています。
Cancer Tent 基本スペック
出典:Thous WindsそんなThous Windsから登場したドームシェルターが、Cancer Tent(キャンサーテント)です。
出典:Thous Winds見た目とスペックの数値はよくある中型ドームシェルターとそこまで変わりはありません。
ドームシェルターをThous WIndsが手がけると、どんな進化があるのか楽しみでしたが、その期待にしっかりと応えてくれたシェルターになりました!
今までのドームシェルターとは違う!
生地のクオリティが半端ない
このテント、張り姿が綺麗だと思いませんか?その秘密は、このテントが使っている生地の素材にあるんです。
軽くて薄いポリエステルに「両面シリコンコーティング」が施されています。そこに引き裂きに強いリップストップ加工がされているので、伸縮性があって強度が高い生地に仕上がっています。
つまり生地が伸び縮みするので、フレームのしなりが効いて、常にテントの表面がピンと張った綺麗な状態をキープ出来る、そんなテントは今まで無かったですよね。
このテントの生地、簡単に言うと薄くて軽いのに、丈夫で耐久性もあって、撥水性が抜群!
一般的なテントのコーティングのPU(ポリウレタンコーティング)は、使っていると劣化して、場合によっては剥がれたり加水分解します。それに対して、シリコンコーティングは劣化が無い。そしてコーティングが剥がれたり分離する事が無い、薄くて軽いのに、丈夫で耐久性もあって、撥水性が抜群の魔法のコーティング!
ただデメリット・欠点は、とにかくコストが掛かる。シリコンコーティングをしてしまうと、テントの価格がかなり上がってしまうため、なかなか採用するのが難しいのです。
薄くて軽い生地は、収納がかなりコンパクトで持ち運びし易い点もメリットとなります。
収納状態のサイズは、スノーピークのソロ用テント、アメニティドームSと比較しても、ほとんど同じサイズというは、中型シェルターのサイズとしてはかなりコンパクトですね。
メッシュパネルの工夫がすごい
暑い時期のキャンプでは虫から守るためにメッシュが必須装備ですが、なるべくメッシュの面積が多く、風通しが良いテントが求められます。最近ではそんなメッシュ面積が広いテントがトレンドですよね。このテントは、そんな要望にも十分に応えてくれました。
メッシュパネルは標準装備
ドームシェルターの前後パネルのメッシュ部分は、オプション扱いになる商品が多い中、前後2面のメッシュパネルが標準で装備されています。
細部にメッシュが風通しに効果的
そしてサイドにメッシュがあるのもこのテントの特徴。ロゴの上のベンチレーションと合わせて、サイドの風通しも確保しています。
そして最後は熱がこもり易い天井部分、ここもメッシュに出来ます。天窓として使えるので、空が見えるのもいいですよね。
サイドのベンチレーション部分にもしっかりとメッシュがあり、虫の侵入を防ぎます。内側からベンチレーションの開け閉めが出来るように、ファスナーも付いています。
前後パネルにも工夫が
これも他のドームシェルターには無い工夫された点。フロントパネルが巻き上げられるようになっているのです。
両サイドのファスナーを開けて、上部のフックに付いているロープを引っ掛けて止めるだけ。このように前後のパネルが巻き上げられるのは、普通のシェルターによくある形。ドームシェルターではほとんど出来ないので、巻き上げられるのはかなりのアドバンテージです。
同じような形のドームシェルターは、パネルを開けた時にテントの下部のポケットにしまう形になっているため、結露で濡れてしまう点がデメリットとして挙げられています。このテントはそれが完全に解消されています。
メッシュパネル自体にも工夫が
前後のメッシュパネルは、メッシュの外枠部分が全てファスナーになっていて、シェルターから取り外しも出来るようになっています。またメッシュの中心にも縦方向にファスナーが付属しています。
フロントパネルと一緒にメッシュパネルごと上に巻き上げることも出来ますが、さらに真ん中から二つに分けてカーテンのように束ねることも出来る工夫がされています。
メッシュの真ん中にファスナーがあると、開け閉めがし易いのでテントへの出入りがかなりスムーズになります。片側だけ巻き上げたりと、メッシュ部分だけでも利用シーンに合わせて形を変えることが出来るのが良いですね。
前後パネルを活用した設営バリーション
前後のパネルの跳ね上げが出来る。これ普通のテントでは当たり前ですよね。でも今まで見てきたドームシェルターでは出来なかったのですが、このテントはそれが出来る。これだけで見た目のイメージも変わり、色々な設営バリエーションにも対応出来るようになります。
パネルの跳ね上げ方も、普通のテントと同じ。ポールとガイロープを2本用意して、パネルの隅のループに通すだけ。
テントの横幅が広くパネルのサイズも大きいので、これだけでパネル下にかなり広いスペースが確保出来ます。
前後幅もパネル下のスペースとしては十分な幅ですね。ポールは190cmと長いものしか無かったので、パネルの屋根の角度が水平近くになるように、ポールを斜めにして使っています。
ポール1本にすると、家の屋根のような形にすることも出来ます。サイドからの雨の降り込みを防ぎたい時はこの形が良さそうです。
前後両方のパネルを跳ね上げれば、かなり広いスペースになります。これならタープも不要ですね。
機能性は他のどんなテントにも負けてない
冬キャンプに必須のスカートも装備
最近は冬キャンプをする方も増えてきたこともあり、フルシーズン使うテントとして、スカートの付属はテントを選ぶ大きな条件の一つになってきています。
このテントは、スカート部分が幕内側になるインナースカート。テントの外側から見るとスカート部分が隠れてくれるので、テント外観のスマートさを確保しています。
スカートをしっかり固定したい時は、テントの内側にペグで固定します。
前後のパネル部分は、メッシュ部分にスカートが付属しています。フロントパネルだけでも隙間はほとんどありませんが、メッシュパネルのスカートにより、冷気や虫の侵入を完全に遮断します。
大型の窓になるTPUドア(オプション)
このドームシェルターの専用オプションとして購入出来るTPU素材のパネル。これがあれば、フルクローズ時でもテント内からも外の景色を楽しめます。
標準で付属するメッシュのパネルは、ファスナーで簡単に取り外せます。
取り外したメッシュパネルの変わりに、TPUドアを装着するだけ。
この巨大な窓があれば、冬のお籠もりキャンプや、雨風が激しい時などでも、外の景色を見たり、光を取り込んだり出来るので、幕内に居ても外と同じ気分を味わえます。
シールドルーフ(オプション)
真夏の強い日差しから守ってくれるシールドルーフもオプションとして選ぶことが可能です。遮光性に優れ日差しを遮るだけでなく、本体との間の空気層が室内の結露を軽減する効果も期待出来ます。
ドームシェルター設営後にフックを止めていくだけなので、装着も簡単。
シールドルーフで覆われている部分とそうでない部分が一目瞭然ですね。天井部分が広く、日が当たると熱がこもりがちなドームシェルターの弱点を補ってくれます。
生地もシェルター本体より厚くなっており、裏面もシルバーの生地で加工されており。遮光性はかなり高くなっています。
ユーティリティーフックも多数付属
幕内の色々な箇所にフックが付いています。
フックがたくさんあるので、小さいランタンを複数箇所に付ければ、十分な灯りが得られます。
天井センターにも二箇所のフックがあるので、ランタンとファンを両方とも同時に使えるのは便利ですね。
幕外にもベンチレーション下にランタンをかけることが出来ました。
インナーテント(別売)
このドームシェルターは、シェルター自体が全面メッシュとなっているため、インナーテントが無くても問題ありません。但し、シェルターをタープのようにフルオープンして使う場合は、防虫対策としてインナーテントがあると良いですね。
このドームシェルター専用のインナーテントは製品化されてませんが、デッドスペースが少ないので、汎用的なものであればほとんどのインナーテントは利用出来ると思います。
その中でソロキャンプでの利用でお勧めなのが、同ブランドから販売されている、SCORPIO 1P TENTのインナーテント。このCANCER TENTと同じカラーがラインナップされているので、見た目の相性もぴったりです。
普通のテントと同じように地面に固定するだけで無く、コットの上にも固定して設営できます。ポール2本で立ち上げるだけなので、設営も簡単に出来ます。
他のテントにも勝る、ドームシェルターの魅力
Thous WindsのCANCER TENTの魅力を紹介してきましたが、そもそもドームシェルターというカテゴリのテントは、今まで使ってきた様々な種類のテントと比較すると、ドームシェルターならでは魅力的な点があります。
とにかく設営が簡単、ペグ本数が最小限
ドームシェルターは、長いポール4本をクロスさせて強度を保つのが最大の特徴。一見複雑そうに見えますが、構造は至ってシンプルなので設営が非常に簡単です。
設営時間は、ペグ打ちまで含めて10分程度。
設営方法
- 4本のポールを組み立てて、幕を広げて2本のポールをスリーブに通す。
- 片側のポールを円状に曲げながら四隅の二箇所のピンに刺す。
- もう片側のポールを同じように円状に曲げて幕体を立ち上げながら四隅逆側のピンに刺す。この状態で自立。
- 残り2本のポールも同じように円状に曲げながら中央付近のピンに刺してフックを引っ掛けて完成。
フレームのしなりで自立して、クロスしたフレームで強度を保つこの構造。ペグを打たなくてもこの綺麗な状態になってくれます。
ペグは飛ばされないように固定する目的なので、ペグ数のミニマムは4本で大丈夫(無風時)。少し風がある時は片側3本のガイロープ追加で、合計10本もあれば安心です。
前後のパネルの跳ね上げや固定、およびスカートの固定など、小さいペグを追加で持っておくと、より機能的に利用できます。
設営後に移動が出来ちゃう
これ、今まで使ってきた色々なテントでは全て出来なかったので、ドームシェルターを使ってみて驚いた特徴の一つ。設営後に簡単に移動できちゃうんです。
自立すること、ペグが少ないこと、その二つの特徴がこれを実現してくれました。
区画サイト内での位置の微調整はもちろんのこと、途中でレイアウトを変えたり、近くのサイトに移動したりなんてことも出来てしまうのです。
風に強い
ポール同士をクロスさせる、そのポイントが8箇所もある、これが風に強いドーム構造なのです。
ドーム型テントは、もともと風が抜けやすいので、風の抵抗がかかりにくい形状ですが、そこにフレームをクロスして強度を保っているので、ガイロープまでしっかりと張ればかなりの強風にも耐えられそうです。
風に強いドーム構造ですが、屋根部分の平らな部分が多いので、積もるような雪には弱そうです。雪予報の時は注意が必要ですね。
レイアウトのし易さ
このドームシェルターのフレームワークがもたらす形状は、とにかく幕内のデッドスペースが少ないので、ファミリーサイズのテントと比べるとサイズが小さくても、幕内がかなり広く感じます。
四角形に限りなく近い六角形のフロアと、ほぼ垂直に立ち上がっているテントの壁部分が作り出す空間。キャンプギアを壁ギリギリに配置することが出来るので、レイアウトがしやすいです。
このドームシェルターのサイズは、奥行き約3m、幅約3.8m。
デュオキャンプでも、約2mのコットを2つ配置しつつ、リビングを作れる広さがあります。ファミリーでもリビングを張り出したパネルやタープ下に作れば、シェルター内には十分なスペースが確保出来るので、かなり快適に使えると思います。
ブランドのフラッグシップとして
出典:Thous Winds Official WebsiteThous Windsは今までソロ用のテントしか扱っていませんでしたので、今回紹介したドームシェルターのCANCER TENTは、ブランドの製品としては最大サイズのテントになります。
本格的なテントとしては、Thous WIndsブランドの幕は初めての利用になりましたが、今回実際に利用してみて、その完成度の高さには驚かされました。
Thous WIndsはまだ登場してから間もない新興ブランドですが、今回紹介したCANCER TENTはこれからのブランドを背負う代表的な製品、まさにフラッグシップと呼べるプロダクトになると思います。
Thous Windsは、本国では大型ショッピングモール内にショップ展開したり、キャンプ場と提携したり、リアルのショールームをオープンしてイベントを開催したりと、商品の販売だけでなく、キャンプ業界全域で活動するかなり元気のいいブランドです。
最近では、日本より先行して韓国で人気急上昇で、特にテントは生産が追い付いていない程という話を聞きました。
やっぱり思ってた中華ブラントとは全く異なる、クオリティには厳しそうな韓国での人気、そして本国でのブランド展開の戦略は、日本だとまさにスノーピークと同じですね。これからのブランドの発展が楽しみです。
ギア
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